インディーゲーム開発者Kevin Du氏は12月12日(火)、言語解読ゲーム『Kevin(1997-2077)』のSteamストアページを公開した。本作のリリース日は「近日登場」となっており記事執筆時点では明らかになっていない。
一方で、プラットフォーム「itch.io」上では開発途中の“ビルド0.8.0”をダウンロードして体験することができる。ダウンロードに際しては一定額のサポート料金を求められるが、支払わなくても入手可能だ。
『Kevin(1997-2077)』のなかでプレイヤーは、謎の人物「Kevin」が残した数々のメモを読み取りながら彼の内面に秘められた物語を紐解いていく。Kevinのメモはアイコン的なイラストとアルファベットや漢字、「-(マイナス)」や「∵(なぜならば)」といった数学的な記号などが入り混じった極めて難解なものとなっており、プレイヤーはゲーム内に記されたこれらのメモを見つけ、その意味を解読しながら、Kevinという人物へと迫っていくことになる。
前述したとおり本作はitch.io上で開発中のビルドを公開しているのだが、筆者が軽くプレイしてみたところ「ゲームの操作説明」すらKevinの独特すぎるメモによって表記されており、ゲームのプレイ方法を把握するのにも苦労したため、この場でプレイ方法を共有しておきたい。
本作はマウスの右クリックホールドかWASDキーや矢印キーを用いて画面を遷移させることが可能で、スペースキーを併用することで画面はさらに素早く遷移する。一部の画面ではマウスのホイール操作が可能で、使用することで表示された画面を拡大/縮小できる。
またQキーによって筆記モードを有効化でき、マウスの左クリックを押すことで画面上にメモを残せる。この方法で書いたメモはEキーによって消去モードを有効化すれば消去可能だ。筆記モードに使用する色はテンキーなどに対応しており、それぞれの色に応じたキーを押すことで目的の色に変更できる。
ちなみに、マウスの挙動に関する説明はエンターキーを押すことで表示可能だが、この画面でホイールを用いてゲームの表示を縮小していくととんでもない量のメモが現れるので、注意しておこう。
ゲーム画面下部には0から9までの数字が表記されている。これらの数字はいわゆる「ステージ」に対応するものと思われ、テンキーではなくキーボード上の数字を押すことでその数字に対応した画面、1ならゲーム起動時のチュートリアル画面に飛ぶことができる。
これらの数字はゲーム開始時点では1と0のみが有効化されており、2から9までの数字を押しても画面が遷移することはなかった。チュートリアル画面は下へと画面を遷移させることでさまざまなルールの説明がおこなわれ、やがて世界を映した衛星写真にたどり着く。これらの世界地図上には人型のアイコンが点在しており、アイコンが画面中央に近づくと明るく光って有効化される。
人型のアイコンが有効化された状態でTabキーを押すと、その人物に関連する画像が表示され、その画像にKevinが残したメモを読むこともできた。
筆者がゲームを触っていて把握した操作方法は以上となる。操作方法がわかっても、Kevinのメモを読み解くのはあまりにも難解だ。
ゲーム自体も、特に説明もないまま海に犬の写真が貼り付けられていたり、突如ゲームの挙動が変化して人型のアイコンから一様に巨大な画像が表示されるようになったりなど、理解すら困難な体験が押し寄せてくる。BGMとしてひたすら数字がカウントアップしている意味不明さもあいまって、プレイ中には激しい混乱状態に陥ってしまった。
今後本作がリリースされるにあたってインターフェイス面は整備されるのか、それとも現状の複雑さを維持するのかは不明だが、単なる謎解きゲームという枠を超えて、まさに「言語解読」をテーマにした作品として本作が異常な存在感を放っているのは確かなように思われる。
謎多き人物Kevinのメモをたどり、その内面へと迫っていくゲーム『Kevin(1997-2077)』は現在開発中。対応プラットフォームはPC(Steam、itch.io)を予定しており、itch.ioでは開発中のビルドを無料で体験可能だ。