12月11日、画像生成AIをはじめとするAI技術の目覚ましい進歩と創作活動の在り方や、知的財産権やその関係をめぐる課題について対策を検討するという「AI時代の知的財産権検討会(第4回)」が開催された。主催は、内閣府となっている。
ここでは、 『レイトン教授』や『妖怪ウォッチ』、『イナズマイレブン』などの人気作を数多く手がけてきた株式会社レベルファイブが、AI技術をゲーム開発やプロモーションに向けて、どのように活用しているのか資料を発表した。
発表されたAIの活用例は、大きく分けて基礎データの作成、案出し、クオリティアップの3つとなっている。
レベルファイブは、主に画像生成AIである「Stable Diffusion」の活用例をいくつか紹介している。
資料では、ゲームタイトル画面やイメージビジュアルのレイアウトの案出しや、街の全体を映した画像やサッカー場の観客などの背景美術を自動生成させ、案を基にブラッシュアップするといった方法でAIを活用しているという。
また、イラスト画像をもとに高解像度化するといったことも可能で、プロモーション用のイラストを高解像度に変換させるためにも、AIを活用しているようだ。その他、画像だけではなくキャラクター・クエスト設定の案出し、音声の仮データの生成に「ずんだもん」などで知られる「VOICE BOX」を使用。コードの自動生成などにもAIを使用し、作業の効率化を計っている。
「AI時代の知的財産権検討会(第4回)」の今後の予定は、以下のとおり。
【2024 年(令和 6 年)】
第5回(1月 26 日) 残された論点等について検討
第6回(3 月 21 日) 中間とりまとめ骨子(案)
第7回(4 月~5 月) 中間とりまとめ(案)
この検討会において、文化庁は「クリエイターの懸念を払拭し、AIサービス事業者やAIサービス利用者の侵害リスクを最小化できるよう、生成AIの発展を踏まえた論点整理を行い、考え方を明らかにする」方針を発表した。
また、経産省は生成AIに関する国際的なルールを検討するための「全てのAI関係者向けの広島プロセス国際指針」の概要にて、AIが生成したコンテンツを利用者が識別しやすくなるよう証明できるメカニズムを開発、もしくは導入の奨励を紹介した。
今後は、国際的な議論が実施されたのち、「AI事業者ガイドライン」が作成される予定となっている。