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有名TRPG『パラノイア』をベースとしたゲーム『Paranoia: Happiness is Mandatory』の販売が再開。2019年に一度Epic Games版が発売されるも削除された作品が久々の復活

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フランスに拠点を置くNaconは12月21日(木)、同社が販売を担当しているゲーム『Paranoia: Happiness is Mandatory』をPC(SteamEpic Games Store)向けに販売した。税込価格は3400円。

『パラノイア』は1984年に発売されたTRPGである。オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』ジョージ・オーウェル『1984年』などを思わせるディストピア世界を題材としたシステム。

作中でプレイヤーは、コンピューターによって管理された未来都市「アルファ・コンプレックス」を舞台に、コンピューターから下される指令をこなしていく。プレイヤーキャラクターは作成時に6体分のクローンを与えられており、ゲーム中にキャラクターが死んでもクローンナンバーを一つ増やしてすぐにシナリオへ復帰できる。

本作の特徴として、ゲームタイトルにもなっている「パラノイア(偏執病)」的な表現が作品全体で徹底されている点が挙げられる。ゲーム内のキャラクターはそれぞれ階級(セキュリティクリアランス)を与えられており、階級に応じてアクセスできる情報も制限される。この情報制限はゲーム自体のルールにも適応されるため、自身の階級で知り得ないルールを口に出してしまったプレイヤーキャラクターは“反逆者”として処刑されることもある。

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(画像はparanoia_jp – ようこそパラノイアへより)

日本では長らくルールブックが翻訳・販売されておらず、高い知名度のわりにプレイヤーが少ないタイトルだったが、2014年に『パラノイア』発売30周年を記念した「25周年記念版」が初の日本語訳として発売され、大きな話題を呼んだ。

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(画像はparanoia_jp – 25thより)

今回発表された『Paranoia: Happiness is Mandatory』は『パラノイア』の世界観をベースとした見下ろし型のシミュレーションRPGとなっており、コンピューターの統治を脅かす反逆行為へ対処する。

本作は2019年12月に一度Epic Games Storeで販売を開始したものの、わずか2ヶ月で販売が停止された。イギリスの音楽雑誌「NME」が2022年にネット上で報じたニュース記事によると、本作は原作TRPGの制作者であるグレッグ・コスティキャン氏エリック・ゴールドバーグ氏から「『パラノイア』のブランドを傷つける」として発売日の延期を求められていたという。

NMEの記事によれば、コスティキャン氏とゴールドバーグ氏はEpic Gamesへ直接DMCA(Digital Millennium Copyright Act)に基づく申し立てをおこない、2020年1月24日に本作の販売ページがEpic Games Storeから削除されたそうだ。

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(画像は『Paranoia: Happiness is Mandatory』より)

その後長らく音沙汰の無かった本作が12月21日に突如PC(Steam、Epic Games Store)向けに販売を再開したが、記事執筆時点で販売元のNaconやゲームの公式アカウント、開発元としてSteamストアページに記載されているBlack ShamrockCyanide Studioのいずれも、X(旧称Twitter)上で本作の販売開始などを告知している様子はなく、前述の権利関係が解消されたのかどうかについては不透明な状況となっている。

「気を抜くな!  誰も信じるな!  レーザーガンを手放すな!」という『パラノイア』の名文句を思い出す不可解な状況ではあるが、『Paranoia: Happiness is Mandatory』は記事執筆時点ではPC(Steam、Epic Games Store)向けに販売中。税込価格は3400円となっている。

ライター
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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