にじさんじ所属のVtuber・月ノ美兎さんが投稿した動画がSNSで話題を呼んでいる。『「カチカチ山」とかいう和製サウスパーク、いつからヌルくなったのか』と題し、昔話『カチカチ山』の変遷を追った動画だ。
『桃太郎』などと並び、昔話として圧倒的な知名度を誇る『カチカチ山』だが、やたらグロかったり胸糞な出来事があったりと、「コレって倫理的に大丈夫なの?」と首をひねりたくなる内容でも知られている。
そうした理由からか、比較的最近出版された書籍では物語が大きく改変されているものも多い。「ではいつからそうなったのか?」「絵本の作者はどう思っていたのか?」という点に疑問を抱いた月ノ美兎さんは、自らの手でそれを調べてみることにしたのである。
ここまで聞くと小学生の夏休み自由研究の序文のようだが、なんと月ノ美兎さんは国立国会図書館や、その支部である国際子ども図書館なども活用し、100冊以上もの『かちかち山』を調査して情報を表に整理。最古のものでは江戸前期にまで遡り、崩し字に苦戦しつつも情報を集めていた。
本日23時半より動画プレミア公開!!
— 月ノ美兎🐰 (@MitoTsukino) August 8, 2024
思ったより調べることに力入れてしまったので、ぜひ観てください~!!最近この企画のためにめちゃくちゃ国立図書館に通っていました…
「カチカチ山」とかいう和製サウスパーク、いつからヌルくなったのかhttps://t.co/qKcokFGKu2 pic.twitter.com/ZrnBHUmBgR
あまり書きすぎると動画本編を視る面白さがなくなってしまうのでこのあたりにしておきたいが、調査の中で巖谷小波や太宰治の書いた『カチカチ山』への言及もあり、特に児童文学史に興味を持つ方にとっても興味深い内容となっているだろう。
あまりにガチな探求姿勢にSNSなどでも、「『文系』を学ぶ面白さってのはこういうものがある」「少しブラッシュアップしたら『童話カチカチ山の内容変化と日本における倫理教育の変遷』みたいなタイトルの論文出せる」「委員長とは思えないアカデミックさ」「まとめて国会図書館に献本して欲しい」など称賛の声が続出している。
これをきっかけに『カチカチ山』について改めて考えるだけでなく、文献を調べることの面白さについて気付かされた、といった反応もしばしば見受けられた。
ちなみに、国立国会図書館は、誰でも無料で使用でき、日本で出版されたありとあらゆる出版物に加え、最近ではゲームまで集積されている場所だ。動画を見て気になった方は、一度遊びに行ってみても楽しいのではないだろうか。