NHKは2月13日(木)、アメリカ大統領のドナルド・トランプ氏やイーロン・マスク氏がSNS上で投稿・拡散したアメリカ国際開発庁(USAID)への非難について、議論が拡散するなかで「不正確な情報やデマ」を付加した誤情報が広まっていると報道した。
この件については、ゲーマーゲート騒動に関わった報道メディアも登場しており、イーロン・マスク氏が「ビデオゲーム“ジャーナリズム”はゴミだ」と過激な発言を投稿。不確定な情報が広まるなかでゲームメディアとの関わりにも話題が波及していた。
— Elon Musk (@elonmusk) February 6, 2025
USAIDは、アメリカ政府の海外援助を管轄する政府機関。NHKの報道によると2023年度には約130ヶ国で400億ドル規模のプロジェクトに関与し、世界各地で医療・食料などの人道支援を行っている。
一方、トランプ政権は1万人超から約290人まで職員を削減するとともに、海外援助を一時停止する計画を進行中。政府支出の削減策を検討する政府効率化省(DOGE)でトップを務める実業家のイーロン・マスク氏も「運用が不透明」として閉鎖が必要との認識を示していた。
— Elon Musk (@elonmusk) February 12, 2025
問題の発言は日本時間2月7日にトランプ氏から投稿されており、現地大手メディアであるニューヨーク・タイムズや政治専門サイト「POLITICO」を名指しして“民主党に都合が良い記事の報酬としてフェイクニュースメディアに渡っている”と非難した。
本投稿はマスク氏によりX上でも拡散され、2月13日(木)時点で5200万回以上閲覧される状況となった。指名を受けたニューヨーク・タイムズとPOLITICOは否定や反論の声明を発表している。
— NYTimes Communications (@NYTimesPR) February 6, 2025
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NHKによると、トランプ大統領とマスク氏による主張の拡散を受けて、SNS上では「USAIDの資金提供を通じて、アメリカ・日本などのメディアが操作されている」「資金の10%しか援助に充てられていない」との憶測が広まっているという。
また、POLITICOは過去に“ゲームの報道のあり方”に関する議論から脅迫・晒し行為などのコミュニティ分断を招いた「ゲーマーゲート騒動」に関する記事も執筆していたことから、該当の記事に対して「報酬が支払われていたのではないか」との憶測も出回っている。
なお、一連の不正確な情報にともなって「NHKがUSAIDから資金をもらって言論弾圧をしている」との誤情報も広まっており、NHKは「USAIDから資金提供を受けている事実はない」と否定している。
今回、「ビデオゲーム“ジャーナリズム”はゴミだ」という発言を切っ掛けに、ゲームメディアである電ファミでも、一連の騒動を確認/記事化するに至ったわけだが、現在はNHKが報道するように、不確定なものも含めて情報が錯綜しており、視聴者&読者側にも冷静な対応が求められる状況になっている。