米任天堂(Nintendo of America)は、アメリカ国内で4月9日から開始予定だった「Nintendo Switch 2」(ニンテンドースイッチ2)の予約販売を延期すると発表した。海外の大手ストアGameStopのほか、IGNなど複数のメディアに伝えている。
延期の理由としては、「関税や市場状況の変化による影響を見極めるため」とされている。現時点で予約販売の新たなスタート時期は未定で、後日、米任天堂から伝えられる予定だという。なお、6月5日のローンチ日に変更はないとされている。
An update from Nintendo pic.twitter.com/iygReQlBwl
— GameStop (@gamestop) April 4, 2025
今回の延期は米国のみで発表されているもので、すでに4月4日から日本国内ではマイニンテンドーストアで抽選販売が開始されているほか、英国などの世界各国ではNintendo Switch 2の予約延期は発表されていない。
Nintendo Directのあった4月2日、アメリカのドナルド・トランプ大統領はホワイトハウスで自国の関税を引き上げることを表明。相互関税として各国や地域に対して最大50%、日本には24%の関税を課すことを明らかにしている。各国の政府やマスメディアが世界経済への大きな懸念を示している状況だ。実際、すでに4月4日、中国は対抗措置として34%の追加関税を表明しており、同日の米国の株式市場は大きな下落を見せている。
Nintendo Switch 2にはふたつのエディションが存在し、日本語・国内専用は税込で4万9980円、多言語対応版は6万9980円となっている。米国での予約価格は449.99ドルで、日本円にするとおよそ約6万5000円。米国では約2万円高いこの価格設定に対しては、海外からの転売対策だという声も挙がっているほか、今回の関税の動きを見越してのものではないかという推測もある。海外ゲームメディアの報道でもたびたびその名が挙がる著名なアナリストDaniel Ahmad氏も、そう考える人物のひとりだ。
I’m not saying the price couldn’t go up further.
— Daniel Ahmad (@ZhugeEX) April 2, 2025
I’m saying the $450 price was likely them pre-empting what reciprocal tariffs could look like.
It was known this could happen for a while.
海外メディアIGNは、そもそも米国のNintendo Switch 2の本体価格が高く、ソフトが80ドルから90ドルの価格帯であることも相まって、一部ユーザーから強い不満が出ていると報道。実際に、英語圏向けに配信された番組「Nintendo Treehouse」では、ライブのコメント欄にて「値段を下げろ!」(Drop the price!)とのコメントが多数寄せられる現象が起きていた。
IGNは続けて、見通しのつかない“トランプ関税”の動向によっては、さらなるNintendo Switch 2の価格向上の可能性もあると記している。