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ゲームにおいて数学がどのように活かされてきたのかを紹介する書籍『数学がゲームを動かす!』が5月2日に発売決定。実例や歴史とともに紹介し3名のゲーム開発者のインタビューも収録

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日本評論社は、書籍『数学がゲームを動かす! ゲームデザインから人工知能まで』を、5月2日に発売すると発表した。

価格は税込2530円。 A5判、240ページ。

『数学がゲームを動かす! ゲームデザインから人工知能まで』は、ゲーム開発の最前線で活躍してきたスクウェア・エニックスの三宅陽一郎氏と、元任天堂の清木昌氏のふたりがデジタルゲームにおいて、数学がどのように活かされてきたのかを紹介する書籍。

実例や歴史とともに紹介し、3名のゲーム開発者である『大戦略』の石川淳一氏、セガ開発技術部の山中勇毅氏、『がんばれ森川君2号』の森川幸人氏のインタビューも収録されている。

目次は以下のとおり。

ゲームにおいて数学がどのように活かされてきたのかを紹介する書籍『数学がゲームを動かす!』が5月2日に発売決定_001
(画像はXより)

Prologue 数学がゲームを動かす!(三宅・清木対談)

Chapter 1 『パックマン』を動かす数学
 1.1 ゲームAIの大きな仕組み
 1.2 ゲームの面白さは緩急にあり
 1.3 エージェントたちの個性
 1.4 出現テーブルとゴーストのスピード
 1.5 相対的スピード調整
 1.6 まとめ

Chapter 2 理想の楽しさの式を求めて
 2.1 ウォー・シミュレーションゲームでの損害計算
 2.2 アナログゲームとしてのRPG
 2.3 デジタルゲームのRPG
 2.4 おわりに

Chapter 3 シミュレーションをゲームにすること/
  石川淳一氏インタビュー
 3.1 『大戦略』の誕生とその特徴
 3.2 シミュレーションゲームの変遷
 3.3 パラメータを決める判断基準

Chapter 4 ゲームと乱数
 4.1 疑似乱数生成器
 4.2 さまざまな乱数とその歴史
 4.3 ゲームにおける「乱数らしさ」
 4.4 おわりに

Chapter 5 「8bit」の動きの計算
 5.1 「8-bit」の時代のジャンプ
 5.2 ゲームの動きと数値解析
 5.3 ブレゼンハムのアルゴリズム
 5.4 まとめ

Chapter 6 デジタルゲームの時間と空間
 6.1 デジタルゲームの時間・空間
 6.2 デジタルゲームの3つの階層
 6.3 オブジェクトの物理的運動
 6.4 描画のための3Dカメラ
 6.5 人工知能のための基本システム
 6.6 まとめ

Chapter 7 デジタルゲームに必要な数学とは?/
       株式会社セガ開発技術部・山中勇毅氏インタビュー
 7.1 物理の研究者の卵からゲームの世界へ
 7.2 社内勉強会がきっかけで生まれたテキスト
 7.3 ゲーム業界が数学で悩まされた時期を見てきて思うこと

Chapter 8 対戦のおもしろさを支える数学
 8.1 レーティング
 8.2 イロレーティング
 8.3 改善されたレーティングシステム
 8.4 おわりに

Chapter 9 入力を処理する数学
 9.1 現実を拡張するゲーム
 9.2 ARを支える自己位置推定技術
 9.3 カルマンフィルターとパーティクルフィルター
 9.4 まとめ

Chapter 10 ゲームにおける自動生成アルゴリズム
 10.1 領域分割によるダンジョン自動生成
 10.2 L-systemによる自動生成
 10.3 影響マップによる都市自動生成
 10.4 ハイトマップ,ベクターフィールドによる地形生成
 10.5 ベクターフィールドによる群衆制御
 10.6 グラハム・スキャン・アルゴリズムによる城壁構築
 10.7 星系生成
 10.8 まとめ

Chapter 11 ゲームにおける進化アルゴリズム
 11.1 遺伝的アルゴリズムの原理
 11.2 遺伝的アルゴリズムによるキャラクターの進化
 11.3 遺伝的アルゴリズムによるオンラインマッチング
 11.4 遺伝的アルゴリズムによるバランス調整
 11.5 遺伝的プログラミングによるゲーム自動生成
 11.6 デジタルゲームと進化アルゴリズムの今後

Chapter 12 ゲーム,数学,人工知能/森川幸人氏インタビュー
 12.1 企画が通ってしまったのでAIを使ったゲームを作った
 12.2 数式の書いてあるゲームの企画書はなかなか見かけない
 12.3 数式とモノの動きを頭の中でどう結びつけるか
 12.4 生物の世界から数学をもう一度学ぶ

Chapter 13 ゲームにおける強化学習の数理
 13.1 強化学習入門
 13.2 Q学習の数理
 13.3 格闘ゲームにおけるテーブル型Q学習
 13.4 ディープQ-ネットワーク
 13.5 デジタルゲームへの実践的応用
 13.6 まとめ

Chapter 14 ゲームにおけるニューラルネットワークの数理
 14.1 ニューラルネットワークの数理
 14.2 ニューラルネットの応用
 14.3 ニューロエボリューション
 14.4 ディープ・Q-ニューラルネットワーク

Chapter 15 深層学習と生成AI
 15.1 深層学習がもたらすおもてなし
 15.2 まとめ

Chapter 16 ゲーム空間の多様性/特殊相対性理論のゲーム空間
 16.1 プレイヤーから見た世界
 16.2 相対性理論(1):世界線
 16.3 相対性理論(2):物体の運動
 16.4 相対性理論(3):ローレンツ収縮・時間の遅れ・ドップラー効果
 16.5 まとめ

Epilogue 未来のゲームと数学(三宅・清木対談)

本書は、雑誌『数学セミナー』の連載をもとにしたもので、「ウォー・シミュレーションゲームの損害計算」、「対戦の面白さを支える数学」、さらには人工知能が大きなトピックとして扱われている。

前述のゲーム開発者のインタビューのほか、著者の三宅陽一郎氏と清木昌氏の対談がプロローグとエピローグに収録されている。

『数学がゲームを動かす! ゲームデザインから人工知能まで』は、5月2日に発売予定だ。

ライター
85年生まれ。大阪芸術大学映像学科で映画史を学ぶ。幼少期に『ドラゴンクエストV』に衝撃を受けて、ストーリーメディアとしてのゲームに興味を持つ。その後アドベンチャーゲームに熱中し、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がオールタイムベスト。最近ではアドベンチャーゲームの歴史を掘り下げること、映画論とビデオゲームを繋ぐことが使命なのでは、と思い始めてる今日この頃。
Twitter:@fukuyaman

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