上遠野浩平の『ブギーポップは笑わない』シリーズ各巻のKindle版が軒並み50%以下になる大規模なセールが開催されている。昨年刊行された『ブギーポップ・パズルド 最強は堕落と矛盾を嘲笑う』まで含めた33巻すべてを含めても、元価格の半額以下である6479円(税込)で購入可能だ。
なお同規模のセールはDMMブックスやBOOK WALKERなど、他の電子書籍サイトでも実施中されている。ポイントの還元額などはストアによって異なるため、詳細は各ストアの情報をご参照されたい。
『ブギーポップは笑わない』は、1998年に第4回 電撃ゲーム小説大賞<大賞> 受賞作品として電撃文庫より刊行されたライトノベル作品。現代日本のとある学園を中心に起こった怪奇事件が、さまざまな人物の視点から群像劇的に描いてゆく。“不気味な泡”を意味する「ブギーポップ」とは、作中に登場するとある存在が名乗る名前、あるいはその正体のことだ。
ライトノベル系書籍において異世界ファンタジーが主流だった時代に、現代を舞台にした学園怪異譚といった装いで現れた本作は、読者に大きな衝撃を与えた。直線的な時系列に沿わない物語構成や独特の文体といった要素もあわさり、本作以降で現代まで続くライトノベルの系譜に決定的な影響を与えたとされている。
なお『ブギーポップ』は30巻を超えるシリーズとなっているものの、第1作である『ブギーポップは笑わない』はこの巻のみでも完結している。現代からすると時代の隔たりを感じる部分もある一方、色あせない魅力もあわせ持っている。興味があれば1巻だけでも手に取ってみることをおすすめしたい。