9月15日に開催された「日本ゲーム大賞2026」において、ゲームディレクター・桜井政博氏が創設し16年間続いた「ゲームデザイナーズ大賞」が幕引きとなった。
最後に受賞した作品は台湾のデベロッパー・Team9が手掛けた『文字遊戯』。その発表授賞式にて、桜井氏は「ゲームデザイナーズ大賞」の総括、そして終了の理由を語っている。
桜井氏は“独創性”をテーマにした同大賞について、人気票になりがちな「日本ゲーム大賞」とは別の評価軸を与えることができたのではないか、として「色々な価値があった賞だと思います」とコメント。
また、「独創性は売り上げにあまり影響しない」と現実を語る一方で、「独創性みたいなものを失った業界というのはゆっくりと死んでいくだけ」「これまで新しい発明や喜びを開拓した人々がいるからこそ今の業界が成り立っている」とその重要性を伝えている。そして「新しさや独創性、 その作品にしかないものみたいなものに目を向けていただければ幸いです」と締めくくった。
コメント全文
はい。最後のゲームデザイナーズ大賞ですから少しお時間をいただいて、 説明をしたいと思います。16年間続いたゲームデザイナーズ大賞ですが、 やめる理由を聞かれたら非常に単純です。私の代わりがいなかったんですね。本当にただそれだけです。
意外とこれを開催するのも大変でして、まず賞としては、評価する人たちが独特な、斬新なゲームデザインをしたというディレクターでなければいけません。つまりその一員でなければ勤まりません。その人たちをまとめ、場合によってはスカウトというかお願いをし、そして檀上に立ち、他の人の作品なのにプレゼンもしてしまうという、そういう代わりがいなかったんですね。何年か探したんですけれども。
他の審査員の方も、申し訳ないなと思いつつ、なかなかそれはできないですね。しかも、ゲーム制作者と言うとお受験のように大変な時ってあります。だけどもそれでも関係なくやらなければいけないですね。結構大変です。
まあ、そうは言っても、色々な価値があった賞だと思います。独創性をテーマにして賞を与えることができるというのは、どうしても人気票になりがちなゲーム大賞において、別の評価軸を与えることができたんではないかと思っています。
ただ大変残酷なことを言いますけれども、独創性ってあんまり売上に影響がないんですね。もう優先度としては下の方だと思っています。皆さんもそうですよね。例えばコンビニの飲み物とかを片っ端から新製品が出たら試してみようっていう人はあんまいないはずです。慣れれば慣れるほど定番に近づくというか、好みの、期待通りの味であるということを望まれるもんだと思います。
ですが、こういう独創性みたいなものを失った業界というのはやっぱりゆっくりと死んでいくだけなんですね。今までも新しい発明があり、 新しい喜びがあり、そういうのを開拓した人がいるから、今の業界が成り立っているものだと思います。
ゲームデザイナーズ大賞はここで一旦幕引きとなりますが、新しさや独創性、 その作品にしかないものみたいなものに目を向けていただければ幸いです。今までどうもありがとうございました。




