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ブラウザで遊べるゲームが週刊連載!? 「電ファミニコゲームマガジン」で新作ゲームが配信開始

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 「電ファミニコゲーマー」のヘッダを見ると、「ゲームの企画書」などを配信する企画記事やWikiのページなどと並んでフリーゲームの紹介コーナーがある。これは昨今、中高生を中心にして盛り上がっているフリーゲームを、漫画のように定期連載する「電ファミニコゲームマガジン」のコーナーだ。

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 既にこのサイト、『殺戮の天使』という漫画化されてコミックス2巻で23万部という売上を出す大ヒット作品が登場したり、最近も『被虐のノエル』というゲームがHTML5対応でコメントつきで配信されて話題を呼んでいたりと、なかなかに盛り上がりを見せているサイトである。

2016年7月30日発売の小説
『殺戮の天使 – until death do them part – 』。
本作の最終回の感想を募ったメールフォームには、約1000もの長文の感想が、日本のみならず韓国や台湾の10代のユーザーからも届いている。
Amazon購入ページ

 とはいえ、普段の電ファミの記事とはだいぶ毛色が違って、基本的に作者は20代前半の人間が多く、プレイヤーも10代のスマホユーザーが中心。なかなか普段の、コアな記事を楽しみにしている年季の入ったゲーマーの読者には面食らうようなノリかもしれない。実際、RPGツクールで制作されたゲームがほとんどで、開発者も1人から2人と大変に荒削りなゲームが多いので、正直なところこのサイトの手厳しい人たちに紹介するのはちょっと勇気がいる面もある。

 ただ先日、小島秀夫監督が近年の洋ゲーでにわかに広がるエピソード形式に言及していた【※】ように、こういう漫画やTVドラマのように徐々にゲームを配信していくゲーム文化は一つ大きな流れになっていく予感はある。また、その際に日本の漫画が貸本屋から雑誌へとメディアを移行させる中で培ってきた、連載形式のビジネスモデルや文化のありようが、実はいくつかの難点をクリアしさえすれば、ゲームでも個人クリエイターの創作活動を持続させる上での一つの有望なモデルたりえることは、ゲームマガジンの成功作で編集部も実感しているところでもある。

1話15分の週刊連載に挑戦! 『ツクモガミーズ!』とは

 ちなみに、上記のインタビューで小島監督は日本の朝ドラを引き合いに出して、「日本には15分の朝ドラがあるんだ。5分とか15分のエピソード、そういう方向に向かっていると思う」と言っているが、まさに1話15分の週刊連載ゲームが、先週からゲームマガジンでスタートしている。

作者:水松茶 茶々留
動作環境:IE以外のブラウザ
推奨環境:Chrome Firefox Safari(iOS版)

 物語は、修行中の半人前の九十九神・ムスビと、彼が取り憑いたコミュ症で引きこもりの女子高生・憑代すみかが、ハチャメチャな学園生活を送るゲーム。引きこもりであったすみかは、ムスビとの出会いがキッカケで学校生活に戻るも、そこで出会う九十九神たちとのトラブルに巻き込まれていく。

半人前の九十九神・ムスビはすみかの”言葉”に宿っている
半人前の九十九神・ムスビはすみかの”言葉”に宿っている

 本作は基本的にはオーソドックスなADVだ。マップを探索したり、登場人物との会話などで物語が進んでいく。ただ、その中にはミニゲームが挟まれており、15分という短い時間の中でもバラエティに富んだ内容だ。ミニゲーム自体も、ドッジボールから言葉遊びまで幅広い内容となっていて、RPGツクールでこんな遊び方が出来るんだ、とちょっとした感動がある。

“消火器”の九十九神に頼まれて消化を手伝うミニゲーム
“消火器”の九十九神に頼まれて消化を手伝うミニゲーム※今後の回に登場します

 ちなみに、この作品の制作者も20代前半。ニコニコの自作ゲームの祭典・自作ゲームフェスで賞の常連だった作家である。ゲーム実況が大きく盛り上がり、その中でフリーゲームがネットで話題を呼んでいた中で、ゲームの制作をしてきた作家である。この世代のセンスが、送り手として専用機やスマホのゲームに反映され出すのはもう少し後であろうし、連載でこの後に予定されている回をプレイしてみると、確かにあまり見たことのない、色々な意味でフリーダムなゲームでもある。

基本的にあらゆることにやる気のないすみか。
基本的にあらゆることにやる気のないすみか。

 今回紹介した『ツクモガミーズ!』は、現在、第1話と第2話が公開されている。次回、第3話は明日7月20日に配信する予定だ。徐々にキャラクターが増えて、世界観が広がっていくノリは、まさにラノベや漫画に近い面白さ。興味のある方は、ぜひ一度サイトからブラウザでプレイして、毎週の展開を楽しみにして欲しい。

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