軽快な動き、美しいビジュアル、やり応えのあるテクニカルなバトル……。
剣士が謎の迷宮をさまよう、スマホのアクションゲームの決定版とも言うべき、非常にクオリティの高いダークファンタジー・剣劇アクションが公開されています。
『Grimvalor』です。
敵を倒しながらダンジョンを探索する横視点のアクションゲームで、こう言うとよくあるゲームに思えますが…… 二段ジャンプと空中ダッシュで自在に移動でき、素早い攻撃で敵をザクザク切り刻める、小気味よい操作感を持つ作品です。
一方で敵はかなり手強く、きちんとした回避や立ち回りができないとすぐにやられてしまいます。
軽快で手強い戦闘には、アクションゲームの根本的な楽しさがありますね。
そしてグラフィックが素晴らしく、緻密に描かれた 3D の背景はリアルな光源で照らされており、不気味さと美しさを兼ね備えています。
重厚な BGM もマッチしていて、隠し通路が豊富なダンジョンも探索しがいがあり、欠点のないゲームらしいゲームです。
あえて難点を言うと、メッセージが英語なのでストーリーは理解困難。
また難易度は、あまりゲームをしないライトユーザーには手に負えないかもしれません。
しかしアクションゲームですから、英語が読めなくてもプレイには影響しません。
難易度は一昔前の家庭用ゲーム機の、ちょっと難しめの作品ぐらいなので、そうしたゲームを好んでいた人なら、むしろちょうど良いぐらいでしょう。
価格は 840 円。買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告等はありません。
開発はフィンランドのメーカーです。
画面下部にある仮想ボタンで左右移動とジャンプ、攻撃、回避を行います。
操作性はかなり良く、タッチパネルなのが気にならないほど快適に動けます。
攻撃は押しっぱなしで連打可能で、スピーディーで華麗なセット攻撃を叩き込めます。
また、武器によって攻撃モーションが異なり、斧、鉄拳、ハンマーなどが手に入れば、それぞれ異なる攻撃を繰り出せます。
ゲームが進むと攻撃ボタンをフリックすることで、特殊攻撃を発動可能。
横フリックなら振り回し攻撃、下フリックなら叩きつけ、上フリックなら打ち上げ or 対空攻撃になります。
武器の装備枠はふたつあり、ふたつ目にセットした武器によって特殊攻撃もモーションが変化。
ただし特殊攻撃はエネルギーを消費するため、むやみに使うことはできません。
ジャンプは最初から二段ジャンプが可能で、押す長さによって滞空時間を調整可能。
落ちそうになったり、ギリギリで届かなくても、崖につかまってよじ登ることができます。
また、壁にジャンプするとそのまま壁を駆け上がることができ、壁を蹴って反対側に飛ぶこともできます。
そして回避ボタン。これは敵の攻撃を受けそうなときに転がって回避するものですが、敵の攻撃がないときは短距離のダッシュになります。
このダッシュは空中でも可能で、二段ジャンプとダッシュを併用すれば空中でもかなり動けます。
また、ダッシュ後に移動すればそのまま走り続けることができます。
とにかく自在でスピーディー、軽快なアクションを行えるゲームです。
最初のうちは自在すぎて混乱するかもしれませんが、慣れてしまえばかっこいい動きで狭い足場を華麗に飛び移ったり、敵を翻弄することができるでしょう。
ボスを倒してステージ(Act)をクリアしていくゲームですが、各ステージは広いダンジョンになっています。
一方通行ではなく、自由に探索でき、各所に武器やアイテムが隠されています。
簡易マップがあるため迷子になることはないはず。
回復ポイントの石像があちこちに設置されていて、やられてもそこからの復帰が可能。
死んでも特にペナルティはありません。 かなり親切な作りになっています。
ただ、手強い中ボスが各所に潜んでいるため、なかなか倒せなくて進めないということはあるでしょう。
ダンジョン内には石のゲートもあり、これを通して離れた場所と行き来できます。
このゲートを使えばクリア済みのステージにも戻れるので、アイテムを取り忘れたり、敵を残したままクリアしても後で戻ることができます。
そしてゲートの周囲には「Nexus」(ネクサス)と呼ばれる休憩所のような場所があり、ここで買い物が可能。
購入は敵を倒すと得られる Soul Shards(ソウルシャード)で行いますが、これは経験値も兼ねていて、レベルアップにも使用します。
ダンジョン内で見つかる青い欠片を集めれば、鍛冶場で武器や防具を作ることもできます。
簡単なゲームではないので、武器や装身具(Trinkets)を入手し、レベルアップでステータスを上げ、しっかり強化していくことが大切です。
『悪魔城ドラキュラ(キャッスルヴァニア)』や『メトロイド』のような、往年の名作アクションゲームの最新版、といった趣があります。
それらをもっと軽快にして、現代のビジュアルにした感じですね。
今のところ iOS でしか公開されていませんが、内容もビジュアルもスマホらしからぬ作りで、Steam や Nintendo Switch で発売されても高い評価を得られるであろう秀作アクションゲーム。
ゲーム好きには強くおすすめできる逸品です。
Grimvalor
ダークファンタジー・バトルアクション RPG
・アクション RPG
・Direlight Games(フィンランド)
・840 円
文/カムライターオ