ついに、『モンスターハンターワイルズ』(以下、モンハンワイルズ)が出る。
多彩なフィールドで織りなす生態系、続々と登場する新モンスター、そして「同窓会かよっ!」と突っ込みたくなるほどに懐かしいモンスターたちの復活。もう、はやくみんなと遊びたくて仕方がない!
でも、期待の新作とはいえ、『モンハンワイルズ』って情報多すぎて混乱しない?
新しいバトル、新しいモンスター、フィールド、複数回開催されたオープンベータテストにくわえて、インタビューで明言されていた武器アクションの調整など。
あまりにも……あまりにも情報量が多い!
ということでこの記事では、2月28日(金)に発売を控えている本作について、既存の情報をおさらいしながら実際に製品版をひと足お先にプレイした感想を皆さんにお届けしたい。
ちなみに、盾を構えたときの顔【※】も凛々しくなりました。
※盾を構えたときの顔:『モンハンワイルズ』のオープンベータテスト環境において、ハンターが盾を構えたときに「すごい顔」になってしまう現象。あまりにも気合いの入った表情になりすぎて、SNS上で話題になった。
文/TsushimaHiro
編集/柳本マリエ
『モンハンワイルズ』登場モンスターのおさらい
さて、まずは『モンハンワイルズ』に登場するモンスターをおさらいしてみよう。
この度、製品版の先行プレイで確認できたフィールドは、これまで複数回開催されたオープンベータテストでもおなじみの砂漠広がる「隔ての砂原」にはじまり、赤い水流が見られる森林地帯「緋の森」、厳しい寒さが襲いくる「氷霧の断崖」、そして、絶えず油が涌き続け火山のように脈動している危険地帯「油涌き谷」の4つだ。
本作は、時間経過で環境が「荒廃期」「異常気象」「豊穣期」と変化し、環境に応じて状況も一変するようになっている。つまり、ひとつのフィールドが3つの顔を持つという、なんとも豪華な仕様だ。これらの環境によって活発になるモンスターも生息している。
本稿の執筆時点で判明している登場モンスターは下記。
【隔ての砂原】
・炎尾竜 ケマトリス
・纏蛙 チャタカブラ
・沙海竜 バーラハーラ
・煌雷竜 レ・ダウ【緋の森】
・闢獣 ドシャグマ
・波衣竜 ウズ・トゥナ
・刺花蜘蛛 ラバラ・バリナ【氷霧の断崖】
・凍峰竜 ジン・ダハド
・風鋏竜 ヒラバミ【油涌き谷】
・赫猿獣 アジャラカン
・沼噴竜 ププロポル
・獄焔蛸 ヌ・エグドラ(黒い炎)【生息地不明?】
・鎖刃竜 アルシュベルド(白の孤影)【復活モンスター】
・怪鳥 イャンクック
・鎧竜 グラビモス
・毒怪鳥 ゲリョス
・黒蝕竜 ゴア・マガラ
・泡狐竜 タマミツネ
・雪獅子ドドブランゴ
・桃毛獣 ババコンガ
・影蜘蛛 ネルスキュラ
・雌火竜 リオレイア
・火竜 リオレウス?(見たことない姿のリオレウス)
さっそく、いまだ謎が多いモンスターから紹介していこう。
看板モンスター「アルシュベルド」と謎多きモンスター「ジン・ダハド」
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まずは『モンハンワイルズ』の看板モンスターである「鎖刃竜(さじんりゅう)アルシュベルド」。このモンスターこそ調査隊が “白の孤影” と呼び、追っている対象である。
その生態は謎につつまれており、オープンベータテストでは「隔ての砂原」にて狩猟可能となっていた。
鎖刃竜という名のとおり、鎖状の独特な形状の翼を持っており、鞭のように叩きつけてハンターを攻撃する。「怒り」状態の際には赤く輝き、“鞭が接触した地面が爆発する” という恐ろしい性質を持つモンスターだ。
なお、2月15日(土)に放送された「モンスターハンターワイルズ』メディア発表&配信イベント」で、オープンベータテストでの「アルシュベルド」のクリア率はわずか11%であると報告された。本作においての、最初の壁となりそうだ。
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つぎに、本作のなかでもっとも謎の多いモンスター「凍峰竜 ジン・ダハド」。規格外の巨躯を誇るモンスターのようだが、その風貌は生物というよりは、どこか機械的である。現状では、その生態も、どのような生物であるかも不明だ。
「ラバラ・バリナ」「ドシャグマ」「ウズ・トゥナ」、そして放屁の「ババコンガ」
水が赤く濁り、いかにも「禁足地」感をかもしだしている湿地帯「緋の森」は、環境変化により美しいエメラルドグリーンの湿地帯に変化するジャングルだ。
ここに登場するモンスターは、麻痺毒がこめられた綿毛のような体毛を水流に流す「刺花蜘蛛(しかくも)ラバラ・バリナ」と、大熊のような体躯に強い縄張り意識を持ち、ハンターの拠点もグシャグシャに踏みつぶしてしまう「闢獣(びゃくじゅう)ドシャグマ」。
「緋の森」の生態系の頂点に立ち、体から分泌する成分と水を混ぜ合わせ、ヴェール状の衣で身を護り水流を操る「波衣竜(はごろもりゅう)ウズ・トゥナ」など。
電ファミの公式YouTubeチャンネルでは、「ラバラ・バリナ」「ウズ・トゥナ」との戦闘シーンを収めた試遊動画も公開されているので、ぜひ視聴してみてほしい。
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そして、人間が吹き飛ぶほどの半端ない放屁で戦うトリッキーなスタイルを得意とする「桃毛獣 ババコンガ」!!!って、懐かしいなオイ!
ちゃんと、「ブーーーーー!!!」って鳴ります(お尻が)。
『モンハン』シリーズにババコンガ(とコンガ)が登場するのは、2017年に発売された『モンスターハンターダブルクロス』(以下、モンハンダブルクロス)以来であり、『モンハンワイルズ』には約8年ぶりの登場となる。
相変わらずキノコを食って回復したり、口から火炎放射したりするので非常に困った奴なのだが、ここまで来ると奇妙な安心感がある。おかえり、おしり、おかえり、オナラ……。
眠り方が独特すぎる「ヒラバミ」と映画でも大活躍を見せた「ネルスキュラ」
氷壁が立ちはだかる寒冷地帯「氷霧の断崖」、周辺の植生である「トウガラシ」を採取すれば、過去作ではおなじみの「ホットドリンク」を作成できるが、本作では「ホカホカコロモムシ」を捕獲することでも一定時間体を暖めることができる。
高低差が激しい場所で、空中にはなぜか石塊が浮かんでいる。そこに潜む敵も、独特な奴らばかりだ。
ここには、新モンスター「風鋏竜(ふうきょうりゅう)ヒラバミ」も生息している。
縄張り意識が強いのか、こちらを見るやいきなり襲ってくる凶暴な性質。ヒラバミは空中を浮遊する能力を持ち、こちらを翻弄するような動きをみせながら巨大な尻尾についたハサミ状の突起で攻撃をしかけてくる。
「シャラン、シャラン」と、いかにも切れ味の鋭そうな音を響かせながら。その形状だけでもじゅうぶん危険なモンスターなのだが、こいつのなにがやばいって、
いきなり “3体同時に” 襲ってくることだよね……。
「3体同時に襲ってくるくらいだから、1匹の体力は低いのかな~」なんて思っていたら、全員普通に1体分の能力だった。さすが野生の生物、容赦ないね!
いくらハンターが強靭な身体能力と規格外の武器を持っているとはいえ、3体のモンスターを同時に相手するのは分が悪い。速攻、スリンガーこやし弾【※】をぶつけて散らします。
※スリンガーこやし弾:「モンスターのフン」を採取して敵にぶつけるアイテムの一種。原始的な攻撃だが極めて効果的で、こやし弾をぶつけられたモンスターはたちまち別のフィールドに移動する。過去作では、手投げ式の「こやし玉」というアイテムだった。
ヒラバミは常に空中に浮遊しているため、近接武器で頭部などを狙う場合は「叩き落とす」か「遠距離武器で狙う」と効果的。隙を見せると尻尾の鋏で突き刺してくるので、挙動に気をつけながら戦おう。
また、周囲の浮いている石をハンターの便利グッズのひとつである「フックスリンガー」で引っ張り、ヒラバミにぶつけてダメージを与えることもできる。
このように凶暴なモンスターではあるものの、じつは意外な一面も垣間見ることができた。
眠り方がめっちゃシュール。
もう、完全に天井にぶっ刺さってるじゃん……。ちなみに、初見は3体で襲ってきましたが、フリークエストを受注して討伐に向かうと1体でした。安心してください。
つづいては「影蜘蛛(かげぐも)ネルスキュラ」。ネルスキュラちゃんが登場するのは、ババコンガと同じく『モンハンダブルクロス』以来の約8年ぶり。
2021年3月に劇場公開された映画『モンスターハンター』では、ミラ・ジョボビッチ氏演じる軍人アルテミスのチーム(人間)を捕食し、卵を産みつけるというパニック映画ばりの活躍を見せていた。
『モンハンワイルズ』でもその “恐怖感” はマシマシで、赤ちゃんの「ネルスキュラベビー」とともに肉体的にも精神的にもハンターを追い詰める。あえて月並みな表現をすると、まるで映画の中から飛び出してきたかのようでうれしくなる。
また、ネルスキュラといえば「毒怪鳥(どくかいちょう)ゲリョス」を捕食するモンスターであることも知られている。本作は生態系を描くことも大きなテーマとなっており、公式のプロモーションムービーでは実際に糸でグルグル巻きにされてしまうゲリョスも確認された。
頭部の閃光で必死の抵抗をするゲリョス……このあと、皮を剝がされてネルスキュラの身に纏われてしまうのだろう。
毒ガスの「ププロポル」、格闘猿「アジャラカン」、タコのような「ヌ・エグドラ」
可燃性の油が噴出する「油涌き谷」は、異常気象「火走り」の時期は灼熱そのもの。まるで火山口と化す危険地帯だ。
『モンハン』シリーズで暑い地域といえば、一定時間灼熱の地帯でも体力を減らさず活動できるアイテム「クーラードリンク」が必要だ。もちろん、フィールドのアイテムから調合して作成することもできるが、本作では「ヒンヤリコロモムシ」を捕獲することで一時的に体を冷やせる。
また、周辺に落ちている「燃石灰の塊」は持ち上げてモンスターに投げることで爆発する効果を持つ。
まずは、「沼噴竜(しょうふんりゅう) ププロポル」。
体の部位を風船状に膨らませる性質を持ち、中には毒ガスをため込んでいるため、頭部先端の嘴のような部位から毒ガスを噴出させることで攻撃をしかけてくる。その風貌は、どこかペストマスクを彷彿とさせる。
「油涌き谷」においてのププロポルとの戦闘は、非常に足場の悪い沼地で行うことになった。尻尾の棘と頭部の嘴で器用に攻撃をしかけてくるププロポル。極めつけには、周囲に爆発するガスを噴出させる範囲攻撃まで繰り出してくる。見た目どおり、なかなか厄介なやつだ。
先述した「影蜘蛛ネルスキュラ」と「沼噴竜ププロポル」に関しては、こちらも電ファミの公式YouTubeチャンネルにて戦闘シーンを収めた動画も公開されている。
つぎは、油涌き谷が「火走り」のときに活発になる「赫猿獣(かくえんじゅう)アジャラカン」。かたい甲殻に素早い動き、地面をえぐりだすように拳を振りあげて攻撃してくる獰猛なモンスターだ。ちなみに、こいつも初見だと2体同時に襲いかかってくる。
甲殻をこすり合わせて赤熱する性質を持っており、うかつに近づくと燃え盛った状態のアジャラカンにたちまち焼き尽くされてしまうだろう。
全身が燃え盛った状態のアジャラカンの猛攻は凄まじく、地面を殴りぬいて暴発させる荒業を見せてくる。うかつに近づくことは許されない危険なモンスターだ。
「緋の森」にヌシ的な存在がいるように、「油涌き谷」にもとんでもないモンスターがいる。それは、「油涌き谷」の近くに位置する集落「火窯の里アズズ」にて「黒い炎」と呼ばれている「獄焔蛸 ヌ・エグドラ」だ。
上記の画像を見ての通り、遠目に見ても「こいつはヤバイ」と思わせる、名状しがたい風貌をしている。一応、わたくしもハンターの端くれではあるんですけど、本当に近づいて大丈夫なやつ?
大丈夫じゃありませんでした!
速攻で捕まり、噴射口から油+炎を浴びせられる「油涌き谷」流の洗礼を受ける。もう、ウルトラマンとか出動しないとダメなやつじゃない? どことなく、特撮怪獣っぽいし。
ヌ・エグドラは一定のダメージを受けると怒り出すようだ。すると、複数ある脚と全身が炎につつまれ、鞭のように脚をしならせ縦横無尽に叩きつけてくる。
ちなみに、脚は切断可能でちゃんと剥ぎ取りもできる。切ったあともウネウネと動く脚や、傷ついて休むときに小さな洞穴に閉じこもってしまう姿は本当にタコみたい。