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『スター・ウォーズ』“タトゥイーン”の「砂」を専門家と調査する超マニアックな動画が公開。土の研究者・藤井一至氏による「ゲームさんぽ/よそ見」最新回

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8月30日、ゲーム内の表現・事象をさまざまな分野の専門家に語ってもらう「ゲームさんぽ/よそ見」チャンネルにて、「土の研究者と行く『スター・ウォーズ 無法者たち』の銀河の「土」巡り#02」が公開された。

本動画は、前回に引き続きオープンワールドアクションゲーム『スター・ウォーズ 無法者たち』を、土の研究者・藤井一至氏と調査する内容となっている。「ゲームさんぽ /よそ見」公式YouTubeチャンネルおよびニコニコ動画にて視聴することが可能だ。

今回出演する専門家は、前回と同じく福島国際研究教育機構の研究員(リーダー)である藤井氏だ。オープンワールドアクションゲーム『スター・ウォーズ 無法者たち』に登場する惑星の“土壌”に着目して、その惑星の気候や特性などを現実と比較しながら推測・解説している。

本動画では、「タトゥイーン」という『スター・ウォーズ』ファンからしたら著名な砂漠の惑星を調査している。藤井氏はまず、砂漠が広がる景観から「アメリカの砂漠っぽい」「バッドランドみたい」と感想を述べていた。これは映画のロケ地がデスバレーやチュニジアであったことを反映しており、現実の風景がゲームの世界観のベースとなっていることを示唆する内容となっている。

さらに、前回の「土の定義」に続いて「砂の定義」を藤井氏が解答。砂は“2ミリ以下”が条件とし、それ以上だと石ころになってしまうという。そこからまた大きさによってシルト・粘土のように分かれていくそうなのだが、なんと「地質学会」「土木系の学会」「農業系の学会」で砂の定義が異なり、専門家同士で揉めることがあるようだ。

続けて藤井氏は、砂漠には「土がない場所」と思われているが、実は風で飛ばされている解説する。岩石が温度変化により砕けて土になるものの、安定はせずに風などで飛ばされて行ってしまうという。実際にサハラ砂漠の土がイタリアや南米のアマゾンに飛んで行ってしまうという事例を交えつつ、土がなさそうという砂漠のイメージの実態を紹介している。

また、藤井氏はここで“砂漠化”についても言及。砂漠化は砂漠では発生しないと解説しており、もともと砂漠ではなかったステップ気候の草原などの緑が、乾燥などにより前よりも減少して植物が育たなくなる現象のようだ。

そして藤井氏は、砂漠化は問題であるが砂漠は問題ないと語る。もともとの砂漠は、そこに適応した生物が暮らす一つの完成された生態系であり、「緑化」することは、むしろ外来種を持ち込む環境破壊になりかねないという視点を提供した。

『スター・ウォーズ 無法者たち』の惑星タトゥイーンを土の研究者・藤井一至氏と調査する動画は現在、「ゲームさんぽ /よそ見」公式YouTubeチャンネルおよびニコニコ動画にて公開中だ。なお動画ではほかにも、タトゥイーンに生息する動物や建築様式、ゲームと現実世界の世界観の比較などをしている。

ライター
気になったゲームは古今問わず遊ばずにはいられない性格。シリーズ物も大好き。 中学生の時に東方Projectに触れてからゲーム音楽へ目覚め、アトリエシリーズと出会い覚醒。普段聴く音楽が9割ゲーム関連となってしまった。 幅広いジャンルのゲームを遊びながら、まだ見ぬゲーム音楽との出会いを求めて日夜探求し続けている。

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