『Splatoon』を買ったクリスマスキッズはどうする?
西川:
あと、それを言えるだけの経済力がある? ってことの方が。だから、本当に切実にゲームだけ遊びたいと思っている人のことは思っていないなと思うんです。その言葉が出るってことは。
で、「Wii U」のライフタイムで一番ヒットしたゲームは『Splatoon』だと思うんですよ。それが出たのが2015年の5月です。もちろんその頃からボクも含めてみんな遊んでいるんですけど、いわゆる『Splatoon』業界では“クリスマスキッズ”って言葉がはやったんです。それはどういうことかというと、2015年のクリスマスに「Wii U」と一緒に『Splatoon』を買ってもらった人たちが、プレイヤー層にたくさん入ってきたんですよ。で、ボクら上級プレイヤーは、その人たちをカモにするわけですけど、初心者が多いので。
で、いわゆる2015年の年末は初心者がものすごい増えたんですよ。それだけ「Wii U」が売れたってことなんですけど、そこの子どもたちの親御さんからしてみたら、2015年の年末に「Wii U」を買ったんですよ。そのご家庭では2015年の年末のハードなんですよ。
それが、たかだか1年ちょっとで、古い機種になって、言ってみれば2015年の年末に買ったゲーム機が、2016年の11月に生産終了を発表していますから、買ってから1年足らずで生産終了を発表されたハードウェアを持たされて、その半年後に新機種が発売される、と。
という状況を考えると、『Splatoon』の“クリスマスキッズ”たちはですね、2017年の今年のクリスマスに、「パパ、ママ、任天堂の新しいゲーム機買って」って、ねだったときに「何言ってるの? まだ一昨年のクリスマスに買ったばかりでしょ」って言われちゃうわけですよね。だから大変ですよ。今年の年末商戦にどのぐらい売れるかっていうのが、ちょっと注目されることになると思いますね。
ドリキン:
だから、冒頭に行ったバイオリズムがっていうのでボクが感じたのは、発売時期っていうのもすごく重要じゃないですか。
西川:
ですね。
ドリキン:
それがなぜここのタイミングなのか。すごく早く出してきて偉いなとは思うんですけど、別にこのタイミングで当ててこなくても。ライバルたちもそこで何か大きなことをしているわけじゃないんだから、「Wii U」でちゃんとここら辺のタイトルが動いてればよかったんじゃないのかなと。
西川:
そうですね。しかも『ゼルダ』は「Wii U」でも出ますからね。
スイッチ学園、願書受付中!?
ドリキン:
そうそう。そんな気がしてしまい……。しかも「Wii U」のコンセプトは、手元のコントローラーで持ち運べてっていう。外に持ち出せるわけではないですけど。ちょっと厳しい。日本では売れるのかもしれないですけど。
西川:
日本ではボクは売れると思いますよ。今年どうかはわからないですけど。中期的に見て、発表されてないからボクの妄想ですけど、『モンハン』もたぶん出てくると思っていますし、
さっき言った“PS Vita学園”の話じゃないですけど、「PS Vita」で人気のあるコンテンツで、ソニー純正じゃないものなんかは。しかもアンリアルエンジンで開発できちゃいますから、中小規模スタジオの面白コンテンツなんかも「Nintendo Switch」には揃いそうだから、日本ではたぶんなかなかいいハードとして。
ドリキン:
さっきの話からの繰り返しになりますけど、据え置きゲーム機を他が出してこない中で出してくるから。良いですよね。
西川:
で、これもイロイロ言われそうですけど、「PS Vita」の後継機として「PS Vita 2」っていうのはなさそうじゃないですか。雰囲気的にね。それを考えると、ゲーム専用機のハンドヘルドハードっていうのは、もういまは“スイッチ学園”にしかないと思うので、願書受付中ですよ。
@mazzo:
そこにしか就学先がないわけですね。
西川:
そうなんですよ。願書と3万円くらいのお金があれば、すぐ入れますからね(笑)。
ドリキン:
今日のネタはボクと善司さんの暴走で、松尾さんは聞き役に回ってもらってしまって心苦しいですが、ここにきて松尾さんのスイッチ感想みたいなものはないですか?
西川:
スイッチ学園入りたいですか?
@mazzo:
えっとね、「Wii U」をスキップした人が、日本でけっこうたくさんいるわけじゃないですか。うちも「Wii」までは買ったけど「Wii U」はスキップしちゃったんですよね。そういう人たちが「Nintendo Switch」を買うメリットみたいなものはあるんですかね。
ドリキン:
さっきと逆説ですね。
西川:
うん。持ってる人が買い替えるんじゃなくて。確かに。
@mazzo:
そもそも「Wii U」って持ってる人が少ないから。
西川:
それはなかなかボクも想像しにくいですね。確かにね。例えばボクが逆に質問するんですけど、今回ゲーム画面を見なくて遊べる『1-2-Switch』──コントローラーだけを使って遊ぶ、ミニゲームみたいな“どちらが先に拳銃を抜いて相手を撃てるでしょう?”といったコントローラーを向けあって遊ぶ“テレビゲームじゃないテレビゲーム”みたいな──ああいうものって、今回紹介された「Nintendo Switch」ならではのコンテンツだと思うんですけど、「やってみたい!」という感じになりますからね。
@mazzo:
「Oculus Touch」でやったら、もっと面白いだろうなと思いますね。
西川:
しかも離れた人とできる、みたいなね。
IRカメラはIIコンのマイクを現代に取り込んだモノ?
@mazzo:
そのくらいですね。あとは、個人的には「IRカメラ」はどうなんだろう? と思ったんですけど。
西川:
あれはまだ方式が見えていないところがあるんですけど、あれはいわゆる深度カメラですよね。Androidの「プロジェクト・タンゴ」みたいな感じでね、とらえている情景の、ピクセル単位の深度情報がわかる。ジェスチャー入力の手段にも使えるものですね。ただ、あれはコントローラーだけについていて、片方だけについているので、まぁ、アプリケーション的には、「Kinect」みたいなことをやろうとするのは難しいし、「タンゴ」みたいなことをやるのも難しいと思うので、近くにいる人の形状だったり表情だったりを使うっていう。しかも自分でコントローラーのカメラを向けないといけないという感じになるので。
ドリキン:
これは、ボクはわかってますよ。これはね、ファミコンのIIコンのマイクを現代に取り込んだんですよ。
西川:
なるほどなるほど。でも、それってキラー要素になるかというと、ちょっとわからなくて、むしろあるゲームをもうちょっと面白くするとか、カメラだけを使うゲームっていうのが想像しにくいんだけど、面白いのが出てきたらいいと思うんですけどね。
ドリキン:
ボクはいま軽くディスったんですけどね(笑)。
@mazzo:
大食いゲームがありますよね。あれはこの「IRカメラ」を使っているんですかね。でもそのくらいなんですよね。あとは「Amiibo」を使うんじゃないかなと。
ドリキン:
NFCはアナコンの上にあるんですか?
西川:
あの周辺にある感じですね。だから、あの辺に置けばいいっていう。
ドリキン:
あのビデオだとアナコンの上に置いていて、すごい違和感を感じましたけどね。
西川:
まぁ、NFCって、技術的には数センチではなくて、メートルぐらいの感度があるので。
ドリキン:
あ、そんなにいけるんだ。
西川:
技術的にはね。ただ、カードリーダーとかでそれをやっちゃうと、他の人のカードも認識しちゃったりするので、わざと超近接にチューニングしているんですよね。たぶんコントローラーに置くってことは、NFCのリードのレンジをあのぐらいに設定しているってことでしょうね。
ドリキン:
話戻しちゃいますけど、カメラはちっちゃい女の子とかがレジ打ちを体験するゲームとかを作ったらいいんじゃないですか。
@mazzo:
いいっすね。
ドリキン:
家にあるもののバーコードを実際に読み込んで。子どもは喜ぶし、ジョブトレーニングにもなるかもしれない。どうこのゲーム?
西川:
IRなので、RGBセンサーではないと思うけど、白黒で取り込むくらいはできるかもね。
ドリキン:
バーコードぐらいは読み込めないですかね。
西川:
バーコードもできるんじゃないかな。解像度が低いと思うんだけどね、たぶん。
ドリキン:
QRコードぐらいか。
西川:
間違えてたら怒られちゃうからアレなんだけど、たぶんQVGAとかの解像度じゃないのかな。もしくはVGAぐらい。
ドリキン:
じゃあやっぱりIIコンのマイクだなぁ。
西川:
もともとデプスを撮るためのものなので。