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「VR ZONE」に行った人もVRに興味がない人も東京・池袋の「MAZARIA」に行くべき理由。バンナムAMのVR施設は、アミューズメント方面へと大きく進化していた

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 「VR元年」と呼ばれた2016年が終わりすでに3年近く。個人がVRデバイスを購入し利用するというシーンがひととおりの落ち着きを見せている一方で、都会のアミューズメント施設ではひとつやふたつのVRアクティビティが常設されていることが、めずらしくなくなってきた。バンダイナムコアミューズメントは、その中でもVR施設「VR ZONE」を日本のみならず世界的に展開し、アミューズメントVR施設を推進してきた企業だ。

 そんなバンダイナムコアミューズメントの新施設「MAZARIA」が、本日7月12日(金)より東京・池袋サンシャインシティにてオープンする。「VR ZONE」系列としては「VR SHINJUKU」や「VR OSAKA」のように施設名に地名を使っておらず、その中身も従来とは異なる様相を呈している。

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 「MAZARIA」は屋内型のアミューズメントVR施設で、入場券とアクティビティのチケットを個別に購入するか、1日フリーパス(大人4500円、子ども2900円、税込み)を購入することで、施設内のさまざまな趣向を凝らしたアクティビティをプレイすることができる。アクティビティ数はオープン時点で19種類。チケットの購入方式に関しては公式サイトをチェックしてみてほしい。

 さて、各地でバンダイナムコアミューズメントが「VR ZONE」形式の施設を展開してきたおかげで、VRや新しいテクノロジーに興味を持つ多くの人は「MAZARIA」の情報を聞いたときに「すでに体験したよ」という感想を持つかもしれないし、そもそもVRに興味を持っていない人たちは今回もうっかりスルーしてしまうかもしれない。実際、『マリオカート』『エヴァンゲリオン』、「釣り」や「スキー」などをテーマにした「MAZARIA」のVRアクティビティの多くは、すでに過去の施設でもプレイ可能だったものだ。

 もちろんそれらのアクティビティには、我々の知りえない努力によってアップデートや調整を加えられている可能性もあるが、そういった差異を楽しむという次元ではなく、「MAZARIA」はVRを体験済みの人やVRに興味のない人にもオススメである。「MAZARIA」は、ただ単純にVRを体験させるのではなく、幅広い年齢層の家族や友だちグループを対象としたアミューズメント施設を明らかに意図しているからだ。

※公式映像だが、施設内の様子は映しだされないので、ぜひインターネット上の写真や動画でチェックしてみてほしい。

 施設に入ってすぐに気づくであろうその変化が、屋内施設である「MAZARIA」の装飾だろう。これまでの「VR ZONE」系施設は、白や黒などの清潔感のあるカラーを基調とした近未来的な装飾が軸となり、「VR技術を使った遊びと初めて出会う研究所・展覧会」のような趣があった。

 一方で今回の「MAZARIA」は施設内は全体的に薄暗く、4種類のゾーンに沿った装飾デザインが用意されており、各アクティビティもムーディーにライトアップされている。安っぽい言い回しになってしまうかもしれないが、複合型商業施設によくあるアミューズメント施設のようなクオリティの雰囲気になっており、非日常感とワクワクするような娯楽の雰囲気を上手く顧客に伝えている。

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施設内は4種類のゾーンに分かれている。パニックゾーンはかなり怖い雰囲気なので小さなお子さんがいる家族は気をつけた方がいいかもしれない。
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メリーゴーランドのような『パックマン』の遊戯施設。乗る人は外側を向いているため、子どもの写真を撮るのにうってつけ。
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おそらく今回もっとも“悲鳴”を挙げさせるであろうアクティビティ「ハードコール」。最大4人でゾンビ感染が広がった街をジープで駆け抜け、銃を撃ちまくる。ガンシューとジェットコースターが融合したかのようなゲームプレイが楽しめる。

 装飾だけでなく、運営スタッフたちも遊園地のキャストのように振る舞っている。たとえば入り口のインフォメーションセンターを横切って進むと、メインエリアに入る前に20人か30人は入れるポケットスペースがあり、そこでは施設の世界観に入り込むオープニングトークが展開される。

 ほかにも『エヴァンゲリオンVR THE 魂の座』では制服を着たスタッフが敬礼し、『太鼓の達人 VRだドン!』ではハッピを着たスタッフが常に「~だドン!~カッ?」の口調を続ける。施設内の人々の挨拶は「こんばんは/こんにちは」ではなく「マーザレー!」だ。

 年のいったギークたちは面食らうかもしれないが、子どもたちにとっては施設やアクティビティの世界観に没入する架け橋に。まさにキャッチコピーにもある、「アニメとゲームに入る場所」を強く体現しようとする、アミューズメント性の高い内容となっている。

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 また、アクティビティをプレイしていない見学者も楽しめるよう工夫を凝らしているのが、「MAZARIA」のポイントだといえるだろう。VRアクティビティといえば通常は1-4人でプレイできるものが多いが、5人以上のグループであればあぶれることもあるし、何よりヘッドセットを着脱し体感するVRアクティビティは子どもでも視覚的に疲れる可能性がある。

 たとえば今回登場する新VRアクティビティの中でも目玉となる『アスレチック VR PAC-MAN CHALLENGE』は、二人組のプレイヤーが無線式のVRヘッドセットを被り、広いフィールドを実際に足で移動し横断するVRゲームだ。巡回するゴーストに触れないようにしつつ、コントローラーを使ってフィールド上にあるクッキーを分担して拾い、時間内に全5ステージのクリアを目指す。

 これが外から見ていても面白い青白いライトアップで照らしだされたサイバーなプレイフィールドでふたりが右往左往する中、そのゲーム内の映像はリアルタイムで大型スクリーンに表示されており、スタッフによるプレイヤーを誘導する司会進行の声もフィールド全体に響く仕様となっている。

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『アスレチック VR PAC-MAN CHALLENGE』。なおこちらのアクティビティは2つ目のアリーナがあり、そちらはライトアップはされていないが、大型プロジェクターから映しだされた映像を見ることができる。

 ほかにも新登場するアクティビティとしては、4人プレイ可能な『太鼓の達人 VRだドン!』があり、4人が音の鳴る特製コントローラーを振り、その映像と音楽はプレイエリア外からも視聴することができる。

 また今回バンダイナムコアミューズメントは、グリーンバックなどがなくても映像と人物合成をリアルタイムでできる新技術「マザッター」が導入されている。過去の「VR ZONE」にもあった『極限度胸試し 高所恐怖SHOW』は今回、実際に高いビルから延びた木板の上を人が進むような映像を外から見ることができる。

 もちろん単にそういった見せ方にこだわっているだけでなく、『アスレチック VR PAC-MAN CHALLENGE』はクッキーの配置やゴーストの動きなど、ゲーム的にもフィジカル的にもアクション性の高い魅力的なゲームとなっている。『太鼓の達人 VRだドン!』は、特製コントローラーを振ったときのフィードバックが絶妙で、また通常のアーケードゲーム版では味わえない「プレイヤーの見る方向全面から飛び込んでくるような譜面」も楽しい。

 特に新アクティビティはゲーマーとしても十分に楽しめる難易度にVRの特性を切ることなく仕上げられており、単なるお遊びではなくゲームとしてしっかり遊べるクオリティになっていることは約束しよう。クリアできなければ何度か遊びたくなることは間違いない。

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マザッターを使った映像

 今年3月に大阪で開催されたVRカンファレンス「IEEE VR 2019」において、「VR ZONE」を牽引してきた小山順一郎氏と田宮幸春氏は講演で、従来のVR施設では好奇心旺盛なギークやいわゆる「リア充」グループ、外国人観光客が客としてやって来たが、彼らはリピーターにはなりにくい現状を伝えていた(参考:MoguLive)。そして小山氏はその中で、このような言葉も残している。

小山順一朗氏:「今後、VRは『VR』という名前でお客さんを連れてくることはできなくなる」
(引用元:【講演レポ】バンダイナムコアミューズメント「VR ZONE」チームが振り返る、施設型VRの3年間

 まさに「MAZARIA」はその第一歩を感じさる、VRならではの魅力を最大限に引き出した上で、ゲームやアミューズメントとしての楽しみも追求した施設となっている。最初に述べたように、これまでのVR施設を体験した人もVRに興味のない人も、家族から友だちグループまで楽しめる場である。この夏に今まで見たことがないような“遊び”を求めている人は、ぜひ体験してみてはいかがだろうか。

文/ishigenn

編集
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ニュースから企画まで幅広く執筆予定の編集部デスク。ペーペーのフリーライター時代からゲーム情報サイト「AUTOMATON」の二代目編集長を経て電ファミニコゲーマーにたどり着く。「インディーとか洋ゲーばっかりやってるんでしょ?」とよく言われるが、和ゲーもソシャゲもレトロも楽しくたしなむ雑食派。
Twitter:@ishigenn

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