……
『いらない』だ
『おまえはいらない』
これが僕の『鍵の言葉』だ
気付いてみれば
はっきり分かる
それは僕の中に始めからあり
なによりも優先される
僕の『核』を構成する言葉
それを口にすれば
僕は……『変化』する
なぜかは分からないが
確信をもって そう言える
しかし いいのか?
今さらだ
今さらだけど
『狼』になったら
僕は人を殺すんじゃないのか
いや
違うだろ
『狼』になれば
『狼』と戦うことだって
できるはずだろ
その力が
理不尽に対抗する力が
必要なんだ
それができなきゃ
これまでと同じだ
訳も分からず 死ぬだけ
そして ああ
はっきりと分かるが
これからもずっと
死に続けるだけなんだ
はやく
鍵をまわせ
扉を開けろ
どんなに恐ろしく
忌まわしく汚らわしいものを
目の当たりにするとしても
5つの いや
過去未来と無数にあったはずの
無惨な結末には
代えられないはずだろ
「フレイグ、
おまえは、
『おまえは、いらない』──」