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『ギ・クロニクル』第六夜(End A「夜明け」)

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「……
 
 ……
 
 ……」

「あ、あの~、
 イクサオトメさん?」

「きらいだ
 おまえなんて」

「そ、そんなあ!
 やめてくださいよ、
 せっかくワーストシナリオも
 既定ルートも回避して
 こうしてまたお話できる状態に
 なれたんじゃないですか~!!」

「要するにおまえ
 
 正気を失った我をかついで
 適当に間をもたせながら
 レのやつと組んで
 ぶち殺そうとしてたんだろ
 
 しかもここでのやりとりにも
 縦読みとかいうのを仕込んで
 『プレイヤー』どもと交信を
 こころみていたとか
 
 精霊不信なるわ」

「いや~、そこは本当に
 申し訳もない……と思いつつ、
 
 『冠』を暴走させて
 何百年単位でド迷惑かけてきた
 イクサオトメさんに
 一切の非がないとは
 あまり思われたくなく……
 ぶっちゃけチャラやろなどとは
 思っておりますが……」

「しく
 しく
 しく」

「……こうしおらしくされると
 イジワル心も萎えてしまう!
 
 実のところ、
 本当に悪いのは
 誰だったのでしょうね?
 
 『ギ・クロニクル』を作った
 大昔の魔術師たちかも
 しれないし、
 そもそも『ギ・クロニクル』が
 生み出された根本の要因である
 『アレ』かもしれません」

「そうだろ
 そのはずだ
 我はただ
 我のありように従って……」

「ん~……でも、
 正気に戻れたってことは、
 あなたは最初から狂った存在
 として作られたわけじゃない
 ってことですよね。
 
 大きすぎる力と責任に潰され、
 自分が神だって妄想にすがり、
 結果、狂ってしまった。
 それもまあ、
 かわいそうな話なんですが……」

「む……
 
 強すぎる力をもったうえで
 それを御し 己を保ってこそ
 神とよばれるべきところを
 
 我はただ
 力に振り回されただけ
 だったということか
 
 む……」

「あとはまあ、
 わたしら世の理に
 反した存在ですから!
 ちょっとしおらしいくらいが、
 同情も得られてちょうどいい
 わけですよ!」

「おまえ
 おまえ
 おまえはまた
 
 おまえらしい
 姑息だが優しい言い分だな」

「あの、あんま露骨にデレるの
 やめてもらえません!?
 殺し合い漫才で誤魔化すのとか
 やりづらくなるでしょ!
 ナシです、全部ナシ!
 悪いのは全部レの字さんです!
 
 ってわけで第6回はおしまい~」

「え
 おわり
 なのか
 
 なんかこう もっと
 感想戦とか
 くわしい解説とか
 次への布石とか
 いろいろあるんじゃないのか」

「そんなのはセガさんや
 電ファミさんの偉い人が
 考えてくれるんじゃないです?
 
 そもそも第6回には
 解説コーナーなんて不要とも
 思ってました。
 
 それでもやったのは、
 イクサオトメさんのフォローを
 したかったから。
 それだけですよ」

「……
 
 おまえ
 おまえ
 
 おまえ
 
 これからも
 よろしくな」

「はい!
 よろしくおねがいしますね!」

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