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『ギ・クロニクル』第六夜(End A「夜明け」)

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Twitterスペースをお聞きの方へ:
本コンテンツはリアルタイムの興奮をみなさんと共有するため、声優さんにもあえて脚本を事前にお渡しせず、皆さんとおなじ画面を直接読んでいただいております。
そのため、つっかえや読み間違え等が発生することがあります。
ご不便をおかけしますが、コンテンツの性質としてご承知いただければ幸いです。

第四~七の分岐

第四の分岐 選択肢:『5回分の記憶』を振り返ろう が選択されました!

第五の分岐 選択肢:『5回分の記憶』を振り返ろう が選択されました!

第六の分岐 選択肢:『5回分の記憶』をふりかえりましょう! が選択されました!

第七の分岐 選択肢:観念して『5回分の記憶』を振り返ってくださいね! が選択されました!

物語が分岐します。

「そろそろだ。
 さあ、あちらさんは
 どんな祈りを捧げたのか……」

『5回分の記憶』を振り返ろ、
 みたいに、
 自分の心が勝手にしゃべって、
 
 ……そしたら、あった。
 頭の中に。
 フレイグが語った通りの、
 『5回分』が。いきなり。
 
 なんだこれ……
 何やった、レイズル!」

「っと、こえーこえー。
 物事には順番ってもんがある。
 手を出すのは最後にしろよな。
 で、次はウルヴル爺さんか。
 どうだい気分は?」

「……おお、なるほどなるほど!
 これが『5回分』か……!
 ヨーズが言うとったことが
 ようやく飲み込めたわい。
 
 そして、これが『護符』
 真の使い道……か。
 考え直しが必要じゃな……」

「ブツブツやってる爺さんには
 好きにしといてもらうか。
 気分はどうだ、ゴニヤ?」

「では、『5回分』とやらを
 ふりかえってみましょう!
 
 あ~……
 
 フレイグがいっていたのは、
 このことだったのね。
 
 どうかしら。
 これ、ほんとうだといえる?
 
 まあでも、フレイグの考えに
 がぜんきょうみが出てきたわ!」

「……やっぱりゴニヤは賢いな。
 スムーズで助かるがね。
 
 さあ、最後はあんただ、
 ビョルカ。
 気分はどうだい?
 何やら不満顔だが」

「観念して、
 『5回分の記憶』を振り返って
 下さいね!
 
 いえ、よく分かりませんが……
 つまり、『護符』を介し、
 頭をいじくられることで、
 この思考に至るのが、
 『5回分』を知るのに必要と?
 
 なるほど、これが、
 5つの惨劇の記憶……
 
 ……これ、が……」

 ビョルカさんの表情が
 終始暗いのが気になるけど……

 これで『5回分の記憶』は、
 みんなに行き渡った。
 ビョルカさんの言う通り、
 『護符』を身に着けた者は
 頭の中身をいじられ、
 言動すら操られる。
 『持たない記憶を思い出す』
 という言動すら、可能となる。

 ……それで、次はなんだ。

「これで準備完了ってわけか?
 
 次は何なんだ、レイズルさん」

「まあそう急くなって。
 
 機は満ちた、ってことで……
 
 改めて、紹介しよう。
 
 ご挨拶しな、
 『ギ・クロニクル憑依精霊(ひょういせいれい)、
  仮称アオイトリ』
!」

──それで起きたことは、
 僕の想像を超えていた。

『ギ・クロニクル』第六夜(End A「夜明け」)_031

「やれやれようやく出番ですか!
 
 待ちくたびれたと言うべきか、
 それでもよくやってくれたと
 言うべきかで言えば
 断然後者でございまさァね!
 
 おのおの方!
 とりわけフレイグ氏!
 お疲れ様でっす~!」

 僕が首に下げた『護符』から、
 何か、小さな生き物……
 鳥みたいな、女の子みたいな、
 そんなのが出てきたんだ。

「……喋ってる……
 君は、いったい……」

「え、レイズル氏のご紹介を
 一瞬でお忘れになった?
 わたしはアオイトリ!
 アオイトリをどうかよろしく!
 
 てのはともかく。
 お望みの回答を差し上げます」

「私は妖(よう)せ……ごほん、
 いわゆる精霊と呼ばれる存在。
 あなたの首の『護符』に宿る、
 ケチな神秘的存在ですよ。
 
 あなたがたの『5回』に及ぶ
 『巡礼』を、最初から最後まで
 見守ってきたものです。
 
 別の世界の
 『祈祷者(プレイヤー)』たちと
 ともに、ね」

「……見守ってきた?
 見守った……だけか?
 それに、
 『祈祷者(プレイヤー)』?
 
 ……ごちゃごちゃ言って、
 けむに巻こうったって無駄だ。
 はっきりさせよう」

『ギ・クロニクル』第六夜(End A「夜明け」)_032

「この『護符』は、
 『雪渡りの護符』なんかじゃ
 なかったんだな?
 
 『身に着けた者の心を操る』
 ような魔術の品なんだろ?
 
 それで、僕らの『儀』
 介入し、流れを作ってきた。
 持ち主が死ぬたびに、
 手から手へと渡って……」

「鋭いねェ、さすがフレイグ!
 
 コイツの名前は
 『雪渡りの護符』改め、
 『祈祷者
  (きとうしゃ)の護符』

 
 所持者の感覚や思考を監視し、
 記録する、魔術道具。
 
 お前らが手に入れた
 『5回分の記憶』ってやつは、
 アオイトリ視点で記録された
 記憶だったってわけさ」

「ただ、コイツにはもうひとつ、
 『異世界との接続』って
 機能があってな。
 身に着けてる間、所持者は
 『異世界』と繋がる。
 『異世界』には
 『祈祷者』たち
 ってのがいて、
 その『祈祷』
 所持者の思考に影響を与える」

「まー簡単に言えば、
 お前らの思考や行動は、
 異世界の不特定多数の連中から
 操作されてたってわけさ!」

「ムウ、なるほどのう……
 さっきソレをつけて、
 ワシのもんじゃない考えが
 頭に響いとったが……
 
 その青いのの声でもない。
 『祈祷者(プレイヤー)』
 とかいう連中の声じゃった、
 っというわけじゃな?」

「そうそう!
 いやー話が早くて助かるね」

「いや。馬鹿か?
 
 なんでそんなことした。
 ムカつく。普通に」

「そうだ!
 まさか、面白半分で
 やってたのか!?
 
 その、なんとかって連中を
 喜ばせるためだけに!?
 
 だとすれば、許せない……!」

「……ううん、
 なんとなくだけれど、
 ちがう気がするわ。
 
 もったいぶってるレイズルは、
 だいたいいつも、
 みんなに気をまわす
 いいひとをやってるのよ!」

「……ハハ、参ったな。
 短い付き合いだってのに、
 ゴニヤにかかっちゃ形無しだ」

「……短い付き合い、ですって。
 
 『村』での長い生活を、
 あなたは何と思って……」

「あー。
 レイズル氏。
 いいかげん、説明すべきでは?
 最後の段取りにも
 差し支えるでしょう?」

「……だな。
 
 ここから先が、核心だ。
 
 俺たちが『巡礼』と呼んだ、
 5回の悲劇と、今この瞬間が、
 いったい何だったのか?
 
 そして、
 『ギ・クロニクル』とは何か?
 
 結論を言うとな。
 俺、お前らを、救いたいんだ。
 
 少し、歩く。
 ついてきてくれ」

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