編集部ひとことレビュー
「いいゾンビは死んだゾンビだけだ」ーー『ゾンビU』は、そんな名言が心に響くゾンビサバイバルゲームだ。
ゾンビが溢れてパニックになるゲームは数あれど、本作には随所にほかの作品とは違った部分が垣間見える。
1つ目は舞台がイギリスであるということ。ゾンビものの舞台と言えばアメリカが定番だが、本作は霧の都ロンドンが舞台。そのため主人公は、クリケット用のバットで近接攻撃をしたりする。ヨーロッパでは野球のバットはポピュラーではないのだ。
一方、ゾンビも特徴的で、近衛兵姿の者が登場したりする。血みどろになってしまったバッキンガム宮殿を探索するのだから、それも当然。トレードマークの赤い制服と背の高い熊毛皮の帽子を見かけると、ほかのゾンビゲームにはない不思議な高揚感を感じるだろう。
これらのゾンビたちには、見た目だけではなく特殊能力を持った者も存在する。遠距離から吐瀉物を吐いて攻撃してくる者や、電撃を放出して周囲の倒されたゾンビを復活させてしまう者など……。通常のゾンビでさえも、集団で襲われるとほとんど勝ち目はない。ステルス状態を保ちながら、こっそり行動することが生存するための鍵となるのだ。
そして最大のポイントは、主人公は“死亡する”たびに別の生存者になるというゲーム性。しかも、死亡した地点に前のプレイヤーキャラのゾンビがうろつくという凝りようだ。当然、以前所持していたアイテムは、そのゾンビを倒さなければ取り返せない。おまけに前回のキャラのスコアによっては、強くなっていたりする。くれぐれも二次遭難には注意したい。
さらにゲーム性のポイントとして、Wii Uのゲームパッドを駆使するということが挙げられる。アイテム管理やライトなど、さまざまな場面で手元のゲームパッドを確認する必要があるのだ。マップやアイテム、ゾンビを感知するレーダーなどもここで確認するのだが、当然ながらその間は時間が止まるわけではない。手元を見るというリアルの作業であるため、この隙にゾンビに襲われてしまうこともあるのだ。これはWii Uの機能をうまく使った演出だと言えるだろう。
ゾンビがうろつく過酷なロンドンの街で、生き残るための探索が始まる。協力者のプレッパーとは何者なのか? 400年前に予言されていたゾンビ大発生の真実とは!? 探り出してみよう……生き残れるなら。
ゾンビU
発売年月日 | 開発元/発売元 | プラットフォーム |
---|---|---|
2012年12月8日 | ユービーアイソフト | Wii U |
特記事項 | ||
PlayStation 4版、Xbox One版、Windows版(いずれも2015年※『ZOMBI』)あり |
(C) 2012 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved.