編集部ひとことレビュー
本作の特徴は、国内発売のゲームでは規制されるような残酷描写の演出を存分に味わえるところだ。
襲いかかる敵に反撃すれば四肢が吹き飛び、文字どおりバラバラになる。これは「動きの速い敵の足を損壊して動きを封じ、つぎに腕、そして頭を狙えば攻撃されずに倒せる」というような、ただやみくもに攻撃するだけではないゲーム性と絡み合う点も見逃せない。
その残酷表現は、プレイヤーのキャラクターが倒されるときでも手を抜かれない。
敵に食いちぎられて床に転がる自分の首。鋭利な刃物のように変性した敵の腕によって真っぷたつに引き裂かれた自分の胴。そして爆発物で木っ端微塵になった自分。敵も自分もバラバラのグチョグチョなのだ。
一方、残酷表現ばかりが言及されがちだが、『Dead Space』はゲームのシステム部分にストレスを感じることが少ない良ゲーでもある。
主人公のスーツの装飾に体力などのゲーム的な表示を組み込むことで、余計な情報を極力表示せずに没入感を高めたり、マップを確認すると目的地へのルートが表示されたりなど、目新しい工夫も随所になされている。
ゲームの舞台である、得体の知れない敵が徘徊する閉鎖的な宇宙船には、わずかな生存者もいる。だが、精神を侵されて主人公の目の前でみずから命を絶つまでの様子をじっくりと見せられたりなど、これもまた救われない。まるで絶望的な状況をなんとか打開すべく、無理にみずからを奮い立たせているプレイヤーのわずかな勇気や希望さえ嘲笑うかのようだ。
このように、視覚からだけでなく、精神的にも徹底的にプレイヤーをグロッキーにしてしまうのが、本作の本領でもある。
そんな絶望の淵に落とされ、死闘を強いられる本作の主人公は……軍隊経験を少し囓った程度のエンジニア。このちょっとした設定だけでも絶望せざるを得ないではないか。
デッドスペース
発売年月日 | 開発元/発売元 | プラットフォーム |
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2008年10月14日 | エレクトロニック・アーツ | Windows /PlayStation 3/Xbox360 |
特記事項 | ||
日本未発売 |
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