『オーバーウォッチ 2』、楽しんでますか!? 楽しんでいる方にも、あるいは苦しんでいる方にも朗報です。シーズン4の新ヒーロー「ライフウィーバー」が発表されました。
『オーバーウォッチ』で一番気持ちが良いのは接戦を制した瞬間ですが、新ヒーローの発表もやっぱりめちゃ嬉しい。何より、誰も不幸にならずみんなで喜びを分かち合えるから健全に嬉しい。対戦ゲームにおける新キャラクターは“新しいオモチャ”である以上に、コミュニティからするとちょっとしたお祭りみたいな嬉しさがあると思っています。
特に“ヒーローシューター”と呼ばれる『オーバーウォッチ』では、他のヒーローとの相性が非常に重要なので、性能が明らかになった瞬間からすごい勢いで想像がふくらみます。相方サポートは誰が良いのか、どのマップで強そうか、タンクやダメージは誰と相性がいいのか、アルティメットはどう使うのが強いのか……などなど。現時点では筆者から言えることはまだありませんが、まずは基礎情報をご覧ください。
ライフウィーバー
ロール:サポート
本名:ニラン・プルクサマニー
年齢:29歳
代名詞(ジェンダー):彼(男性)
出生地:タイ、チェンマイ
声優(英語版):Phuwin Tangsakyuenメイン攻撃 – ヒーリング・ブロッサム:長押しでチャージし、離すとターゲットの味方を回復する
サブ攻撃 – ソーン・ボレー:拡散する投射物を高速で発射する
ペタル・プラットフォーム:乗ると高く跳び上がることのできる足場を投げる。敵・味方問わず、最初に誰かが踏むと起動する
若返りの風:進んでいる方向にダッシュして自身のライフを少し回復する
ライフグリップ:味方1人を引き寄せる。引き寄せられている間、味方は敵の攻撃から守られる
パッシブ – 散華の形見:倒れると形見を残し、最初に拾った味方か敵を回復する
アルティメット – 命の樹:味方を回復する樹を植える。回復は最初に即座に適用され、その後一定間隔で回復効果が繰り返される
いや、激ムズの予感がしないか?
窮地に陥った味方を救い出せる“ライフグリップ”はかなり強力そうですが、直接的なヒール手段はメイン攻撃のみで、しかもチャージ制なので即効性には欠ける印象。しかも“ペタル・プラットフォーム”や“散華の形見”は相手も利用できるので適当なプレイは利敵行為になる気がします。
さらに『オーバーウォッチ』、メインコンテンツはPvPのFPSでありながら、ストーリーやキャラクターの設定はかなり細かく作りこまれています。ゲーム中のヒーロー同士の掛け合いや、ゲーム内では語られないバックボーン、そうした対戦とは関係ない部分でキャラの理解を深めるのも本作を楽しむポイントのひとつ。
つまり『オーバーウォッチ』オタクとしては、ライフウィーバー(本名:ニラン・プルクサマニー)の性能はもちろん、キャラクター像も気になる……!
そうこうしていると、彼について開発陣に直接お尋ねするインタビューの機会をいただけましたので、『オーバーウォッチ』のやりすぎで大学を中退した英語力よわよわの筆者が海外メディア合同のインタビューに紛れ込んできました。実力は情熱でカバーしたい。
インタビューに応じてくださったのは、リード・ナラティブデザイナーのGavin Jurgens-Fyhrie氏(以下、Gavin氏)、シニア・テックアーティストのChonlawat Thammawan氏(以下、Chonlawat氏)、リード・ヒーローデザイナーのAlec Dawson氏(以下、Alec氏)の3名です。
内容は「ライフウィーバー」の性能、そして彼が『オーバーウォッチ 2』にもたらす新たな戦略性が中心となっていますが、後半では軽く彼のバックボーンについてもお聞きすることができました。きたるシーズン4に向け、モチベを上げたい『オーバーウォッチ 2』プレイヤーの皆さんはぜひ最後までお読み下さい。
取材・文/久田晴
──本日はシーズン4の目玉である新ヒーロー「ライフウィーバー」ついて、性能やキャラクター像についてお聞きしていければと思います。
まず性能面についてですが、メイン攻撃の“ヒーリング・ブロッサム”とサブ攻撃の“ソーン・ボレー”のディテールからお話していただけますでしょうか。武器切り替えによって回復と攻撃を使い分けるような仕様になっていますよね?
Alec氏:
はい、まずメインの回復手段となる“ヒーリング・ブロッサム”は長押しで最大65までチャージし、発射することで味方をヒールできるという性能です。
チャージの度合いに関わらず弾薬を消費するといった形になっていまして、細かなエイムを必要とすることなく、遠距離の味方を回復することができます。
Gavin氏:
そしてサブ攻撃の“ソーン・ボレー”、こちらは拡散する弾を連射する攻撃ですね。ヘッドショット判定を持つので、ヒットボックスの大きいタンクキャラクターなどには予想以上のダメージを与えることができるでしょう。
Chonlawat氏:
一方で拡散してしまう都合上、遠距離のスナイパーなどに対抗することは難しい性能となっています。また、先ほどもお話したように“ヒーリング・ブロッサム”と切り替えながら使うため、攻撃と回復を同時に行うことはできません。
──ライフウィーバーのメイン攻撃“ヒーリング・ブロッサム”は狙った味方のところに自動で飛んでいく、半オートエイムのような仕様になっていますよね。「アナ」や「バティスト」のようなエイムが求められるサポートヒーローとは少し異なる感触を抱きました。
Alec氏:
ライフウィーバーの持っている他のアビリティ“ペタル・プラットフォーム”や“ライフグリップ”は非常に強力ですが、ポテンシャルを発揮するには高度な状況判断や未来予測が求められます。
私たちとしては、プレイヤーの皆さんには各アビリティの運用の方に集中してもらいたいと考え、あえてメインの回復についてはそれほど神経を研ぎ澄まさなくても行えるようなバランスに調整しました。
──では、今お話に出た“ペタル・プラットフォーム”や“ライフグリップ”についてお聞きしていきたいと思います。私たちも実際に彼を使ってみる機会をいただきましたが、このふたつのアビリティによってライフウィーバーが「味方を動かす」能力に特化しているように感じました。
Alec氏:
はい、まず“ペタル・プラットフォーム”は投げた場所に土台をつくり、その上に味方や敵が乗ると上に上昇するという性能になっています。しばらくの間は空中で静止するので、機動力の低いヒーローが素早く高台に移動するための手段になるほか、プラットフォームからそのまま撃ち下ろすような戦略も取ることができます。
これは上下移動の能力に乏しい「ソルジャー76」のようなヒーローの活躍の機会をさらに増やしてくれるでしょう。
また、“ペタル・プラットフォーム”によってこれまでには無かったマップごとの戦略も生まれてくると考えています。初代『オーバーウォッチ』時代から受け継がれ、数えきれないほどの試合の中で育まれてきたマップ戦略に新たな風が吹くと言えるでしょう。想像もしなかった場所から敵チームが襲い来るような、エキサイティングな瞬間も訪れると思いますよ。
一方の“ライフグリップ”は、遠距離の味方をライフウィーバーの地点まで引っ張ることができ、効果中は引っ張られている対象は敵の攻撃から守られます。
例えば、“チャージ”に失敗して孤立してしまった「ラインハルト」や、敵陣の奥深くに飛びこんでいった味方の「ドゥームフィスト」がいたとしましょう。彼らはこのままではキルされてしまう。そうしたタイミングで“ライフグリップ”があれば、彼を自陣まで安全に引き戻すことができます。こうしたプレイができるのがライフウィーバーの大きな魅力ですね。
Chonlawat氏:
もちろん機動力が低いヒーローを窮地から助け出すことにも使えますし、味方のライフウィーバーが“ライフグリップ”を持って安全な場所で待機してくれていれば、ダイブ系のヒーローは自らのアビリティを惜しむことなく敵陣に攻撃を仕掛けることができます。
ライフウィーバーが味方にいるとき、疑似的に全員が離脱用のアビリティをひとつ持っていると表現すると彼のポテンシャルの高さが伝わるでしょうか。
──見せていただいたプレイ映像では「オリーサ」のアルティメット“テラ・サージ”を、“ペタル・プラットフォーム”でオリーサ本人を持ち上げることで無力化するシーンもありました。
Alec氏:
その通りです! ただし、“ペタル・プラットフォーム”についてはどちらかというと味方を補助するようなイメージを持っていただいておく方が良いと思いますね。自分や味方を安全な場所に移動させたり、射程の長いヒーローのために見晴らしの良いポジションを提供するなどといった運用がベースとなります。
しかしお話していただいたように、時には“ペタル・プラットフォーム”も相手のアルティメットに対抗するような手段になります。私たち自身、プレイヤーの皆さんがそれぞれのアイデアで素晴らしいプレイをしてくださることをとても楽しみにしていますよ。