ハッキリ言って、フリューはゲーム業界から浮いている
ヨコオ氏:
ちなみに、どうしても話題がなくなった時のために「好きな女性のタイプ」というテーマを持ってきていたんですけど……。
林氏:
ヨコオさんの好きな女性のタイプは、確かに聞いてみたいですね(笑)。
ヨコオ氏:
この場でハッキリとみなさまにお伝えしたいんですが、僕は「ヨコオさんステキ♥」って言ってくれる女の人のこと全員好きになります。
一同:
(笑)。
ヨコオ氏:
特に40歳を超えた辺りから、相手の物理的な形状やコミュニケーション能力に対する比重がどんどん減っていって……。もう「ちょっと良くしてくれる」だけでキュンとなっちゃいますよね。
あとはもう……40歳を超えると若いだけでかわいく見えます。昔はヤンジャンの表紙を見て「この子はどうこう……」という選り好みをしていましたが、もう40歳を超えると女性がみんなかわいく見えてきます。
──ちなみに、ヨコオさんの奥様は同じくゲームに携わられていた方ですよね?
ヨコオ氏:
同じ職種ではあったんですけど、一緒に仕事をしたことはほとんどありません。一度だけ一緒になったことがあったんですが……やっぱりダメでしたね。一度ディレクターモードに入ると、あとはもう人間を轢き殺していく仕事なので。
ディレクターモードの場合は努力とかを完全に無視して「これダメじゃん」と言わなければならないので、もう妻を轢き殺すことになってしまいます……(笑)。
ヨコオ氏:
ちょっと話が逸れるんですが、ゲームクリエイター的な僕らの世代……齊藤陽介さん【※5】や上田文人さん【※6】たちって、割と3Dが出てきたぐらいから名前を挙げ始めた人ですよね。そして、僕らより上の世代との明確な違いは、「第一世代」じゃないところです。
たとえば堀井雄二さんや坂口博信さんは、もう「開拓者」の人たちです。
つまり、そこより上の世代はいない。だから、割と神のように振る舞うんですよ(笑)。
そして僕らは、その神に接触しながら生きていた「第二~第三世代」です。だから、神の怒りに接触しながら、そして気を遣いながら生きてきた謎の世代が僕らなんじゃないかと最近思っていて。言ってることにも自信があったりなかったりで、すごくフラフラしている。僕自身もそうです。
……で、逆に「林さんの世代」がゲームクリエイター的にどういう世代なのか、僕はよくわからないんです。実際、どうですか?
※5「齊藤陽介氏」
スクウェア・エニックス所属のゲームプロデューサー、ゲームディレクター。同社の取締役執行役員も務めている。『ニーア』シリーズや『Voice of Cards』シリーズなど、多くのタイトルでヨコオ氏と開発を共にしている。
※6「上田文人氏」
genDESIGNの代表取締役にして、ゲームクリエイター。『ICO』『ワンダの巨像』『人食いの大鷲トリコ』など、世界的に評価されたタイトルを手がけた。
林氏:
ええっ、僕が世代をまとめて語るんですか(笑)。
そもそもの「フリュー自体」の話になってしまうのですが、フリュー内で僕より上の世代のディレクターはほぼいません。だから、僕の世代の特徴はちょっと掴みようがないと言いますか……。
なおかつ、いまフリューは「ガラパゴス」みたいな会社なんです。
自分で言うのもアレですが……ハッキリ言って、ゲーム業界から浮いている会社だと思います。
フリューを認知してる方はいらっしゃると思うのですが、「フリューってこういう会社だよね」ということを理解している方はほぼいないんじゃないかと思います。
ヨコオ氏:
確かに、フリューと繋がってる人はあんまり見たことがないですね。
林氏:
それくらい、他社との関係性が薄いんです。
ある意味、僕は「ガラパゴス島で歩いてるキーウィ」ですね(笑)。
だからもう、猫がやってきたらアッサリ食べられると思います。ただ、キーウィはキーウィなりに周りのスタッフに支えられて、なんとかゲームを作れるようになってきました。
逆に、「一介のプロデューサーやディレクターの立場ではできないこと」への不満が最近は多いです。ものを作って届けるとなった場合、やはり最も必要になってくるのは「お金」です。
そして使ったお金を回収できるようにする担保のひとつに販路が広い必要があるのですが、たとえば「海外法人を作って海外に売る」となると、いち社員の権限ではどうしようもない。役員レベルを説得する必要があります。
ここの「どうすれば上を口説けるだろう」が最大の悩みですね。
林氏:
僕ら世代のクリエイターは、「ゲームの遊び方がより多様化した時代にいる」ということに悩まされる方が多いのかもしれません。スマホ、コンシューマー、Steam……。とにかく遊び方が多様化しています。
でも、自分たちの世代を語るにはあと5年足りない気がします。
僕は今ギリギリ32歳なのですが、自分自身をふくめて、まだまだ世に出ている人が少ないというか。
ヨコオ氏:
ちょうど「周りの人に支えられている」という話が出ていて、そこは安心しました。
以前偉そうに「ディレクターはなんでも決めなきゃいけない」という話をしましたけど、それは多分僕らの時代がそうだっただけです。僕らのようなダメ人間が集まっていた頃のゲーム業界で、なんとかものを作るにはそうするしかなかったというか。
今はもしかしたら違うのかもしれないですね。
つまり、林さんに話したことは無駄でした(笑)。
「チームのみんなと仲良くやる!」と言って上手くいった人が、僕らの世代ではいなかったんですよね。大体失敗するんですよ、そういう仲良しシステムみたいなのって。
林氏:
いや、なんでもかんでも和気あいあいとやっているわけではないです(笑)。
結局船頭を多くして得することはあまりないですし、ヨコオさんの言う「轢き殺しモード」も僕は必要だと思います。
ヨコオ氏:
もう、僕のチームはずっと殺伐としております(笑)。
でも、プラチナゲームズの田浦さん【※7】も比較的チームの人たちと仲が良いんです。だから、世代交代で優秀な人が増えた結果、コミュニケーションを上手く取って協力できる「新しいアリの種族」みたいなものが生まれてるんじゃないかとは思います。
僕の知ってる有名なディレクターさんとか、さっきの「第一世代」の人たちは何百人も轢き殺してるのに、普通に「殺してないよ?」みたいな顔をするんです。「すごいなこの人!?」って。
めちゃくちゃ色々あったはずなのに、何事もなかったかのような顔ができる。
「棚上げ力」がすごい人たちなんですよ(笑)。
※7「田浦貴久氏」
プラチナゲームズ所属のゲームクリエイター。『ニーア オートマタ』や『ASTRAL CHAIN』など、多くのアクションタイトルを手がける。ヨコオ氏との親交も深い。
ゲームクリエイターは、ゲームを遊んでいた方がいいのか
──「世代」の話が出ていましたが、若手のゲームクリエイターの方は結構ゲームで遊んでいて、インプットを多くされている印象があります。一方、必ずしも一流のゲームクリエイターの方が全員「ゲームをいっぱい遊んでいるか」というと、そうでもないと思います。この「ゲームクリエイターは、ゲームを遊ぶべきなのか」ということをおふたりに聞いてみたいです。
ヨコオ氏:
サイバーコネクトツーの松山さんが、最近それで炎上していましたよね。「PS5を持っていない奴はゲーム業界に来るな」みたいな……(笑)。「なんでそんなこと言うの?アホなの?」と思っていましたけど。
僕個人としては、ゲーム作りにおいて「ゲームを遊んでいること」は必要ではないと思います。やってたらやってたなりのことができて、そうでないならそうでないなりのことがやれるんじゃないかと。
そして、「人間の経験」って相対的な時間で勝手に蓄積されていくものなので、そこに対して「何を蓄積するか」で競ってもあまり意味がないんです。僕は53歳ですが、「53年間何を蓄積するか」ではなく、「53年分の蓄積をどう使うか」が問題だと思います。
ずっとゲームをやっていた「ゲームの知見」を活かすのか、ゲームとは全然関係ないことをやっていた「それ以外の知見」を活かすのか……。その蓄積された素材をどう活かすかが問題であって、何が溜まってるかはあんまり大事じゃないと思います。
林氏:
僕は、ゲームクリエイターに一番重要なのは「ゲームを作ること」だと思います。僕が学生だった頃はまずお金がなくて、ゲーム作りのインプットは限界がありました。だけど、安めのパソコンが一台でもあればいろいろなゲーム作りのことを学べます。
結局、お客様が判断するのは「出来上がったもの」なんです。そうなると、クリエイターとして「出来上がったもの」を作り続けるには、やっぱり「ゲームを作ること」を一番好きにならないとダメなんじゃないかと思います。どうすればゲーム作りが上手になるかって……それはもう作るしかないんじゃないですかね。
ヨコオ氏:
どちらかというと、「どうやってゲームを作ればいいか」というクリエイティブな悩みよりかは、「お金どうしよう」「納期どうしよう」「あの人とこの人がケンカしてんだけどどうしよう」みたいな悩みの方が地獄ですよね。
林氏:
人間関係の方が大変ですよね(笑)。
ヨコオ氏:
そっちの方が100倍大変です。だから林さんが何度かディレクターを担当されているということは、そこを上手く乗り越えられているんだと思います。社内政治を上手くやってディレクターのポジションをキープしたまま、チーム内のよくわからない連中を率いて……。
そのポジションで心を壊さずに生きているのは、本当にすごく優秀なのだと思います。
そして、林さんと同じことをプラチナゲームズの田浦さんにも感じています。つまり、最近の優秀なゲームクリエイターは、みんな総じて「社内政治が上手い」んです! いたずらに上司に噛みついたりしてるだけの人じゃない!
林氏:
いやぁ、どうでしょうね?
今、社内の人間が奥でニヤニヤしてた気がしますけど……(笑)。
でも、お金がないとゲームは作れないですし、人が集まってくれなくても作れません。やっぱり、両方とも大事ですよね。
ヨコオ氏:
まぁ、ゲーム業界もここ20年くらいで「ゲーム業界」そのものの人気が上がりましたよね。その結果として頭のいい学生さんが来るようになって、社会人としてもちゃんとした人が異常に増えました。要は……1日中臭い人とかすごい減ったんですよ(笑)。
一同:
(笑)。
ヨコオ氏:
昔は本当にそういう人がいっぱいいたんですよ。だからもう今の時代、服に毛玉をつけてるような人って僕ぐらいしかいなくて……。みんな綺麗でちゃんとした格好をしています。
林氏:
僕としては当時のそういった「ゲームの開発現場」らしい空気感に憧れはあったりします。いわゆる「不夜城」状態でずっとゲームを開発するなんて、今の時代だとできないことです。だけど、その「極限状態」を全員で共有してるからこそ生まれる一体感や、成果物もあったりすると思います。
だから、「ゲームって本来、ちゃんとした環境で作るべきものなんだろうか?」ということは、いつも若干疑問に思っています。
ヨコオ氏:
その話は他でもよく出るんですけど……まぁ、難しい問題ですよね。
僕みたいな「ずっと働いていられる」人間と、「労働を時間で切り売りして、対価を得て生きていく」人間とでは、心のダメージの蓄積が時間単位で変わってきます。だから、後者の「労働を時間単位で売ってる」人を無碍にしてでも不夜城形態を築いてしまうのは、それはそれで違いますよね。
この落としどころは、ゲーム業界だけじゃなくてクリエイティブ業界全体で見つけていくべきだと思います。今だと前者のタイプは「フリーになって、無茶苦茶な働き方をすればいい」という空気になっていますけど、もうちょっと具体的なやり方はある気がします。
林氏:
そういう組織を作っていけるといいんですけどね。
ヨコオ氏:
実際、本当の意味で「労働の価値」みたいなものを切り分けてしまうと、「ゲームを作りたいと思ってるヤツ以外は来るな」「24時間働ける人以外は受け付けません」みたいなことを言い出す人が出てくると思うんです。その想像しうる未来を、どうやって今のうちに潰すかが問題な気がしますね。
未だ一線級の「ヨコオ世代」、どうやって殺す?
──最後に、おふたり同士でなにか話したいことなどがあれば。
林氏:
「ヨコオさんがいま作りたいコンテンツ」は、ちょっと聞いてみたかったです。
もしかしたら「AV」とおっしゃられるかもしれないんですけど……。
ヨコオ氏:
AVはいつか作りたいなと思ってます。
もしやるなら、「シリーズもの」をやってみたいですね。
林氏:
シリーズですか!?(笑)
ヨコオ氏:
何かしらの「コンセプト」をひとつ決めて、AV業界に新しいシリーズを生み出してみたいですね。「マジックミラー号」みたいな。そういう「ジャンルを生み出せるクリエイター」になりたいです。
そして、AVはまだそこに「フロンティア」があるんじゃないかと。
林氏:
なるほど、ヨコオさんの生み出したジャンルが……。
ヨコオ氏:
日常生活でいろいろな人とコミュニケーションを取っていても、「セックスの話」ってみんな全然出さないじゃないですか。当然恥ずかしいし、隠すべきものではあります。でも、その「知らないところ」にとんでもなく魅力的な何かが眠ってるんじゃなかろうかと。
なんだろうな? 僕の中でセックスには「ワンダーランド感」があるんです。
「あれ?ここにはまだまだ人間の面白さが潜んでるんじゃないか?」と。たとえば恋愛やアートなんかは、もうみんなが寄ってたかって分析され尽くされた荒野が残っているだけなんですが、セックスはまだみんながカードを出していません。そこの「理解されない幻想が広がっている」という部分が、最大の動機ですね。
林氏:
「ゲリラ戦」の話じゃないですけど、やっぱり「未開の地を切り拓く」ようなフロンティア精神こそが、ヨコオさんの根源にある気がします。
ヨコオ氏:
じゃあ僕から林さんへの質問ですけど、ヨコオのような「年寄り世代」と、林さんのような「若い世代」……その両方の殺し方を知りたいですね。年寄り世代と若い世代の殺し方を、林さんはどう思ってるんですか?
林氏:
いや、すごい話を振ってきますね! 上の世代の方々を殺す方法がわかったら、僕はさっそくその準備にかかってるかもしれませんよ……?(笑)
ヨコオ氏:
そうそう。だから今は、時間と共に上の世代が死んでいくのを待ってる状態ですよね。
林氏:
たしかに、それで言うと「ヨコオさんが寿命をまっとうするのを待つ」のが、シンプルな方法です。「長生きをする」ことが、シンプルな戦い方だと思います。
ヨコオ氏:
若手の戦い方の王道は「長生きをする」ことですよね。
そしてようやく年寄りが死んだと思ったら、またワーッと新たな若手が出てきていて、気がつくと自分は「殺される側」に立っているという……。
じゃあ、どうやったら年寄りは若手の芽を摘めるんですか?(笑)
林氏:
たぶん、ヨコオさん世代の方が若手以上に大量の作品を作ると、徐々に若手はコンシューマー業界から減っていくと思います。特に「席の奪い合い」の側面が大きいディレクターやプロデューサーはかなり潰せる気がします。それでも、インディーゲームの勢いを止められるかは怪しいですが……。
ヨコオ氏:
なるほど。年寄りが市場を飽和させることで、若手を潰していくわけですね。
そういう意味では、インディーは本当に席の奪い合いがすごいから、流石に今から勝負する気にはなれないですね。単純にレッドオーシャンすぎて、年寄り世代は大変だと思います。その点、コンシューマーはある意味「守られてる」のかもしれないですね。
林氏:
コンシューマー業界は、プラットフォーマーさんやゲームハードの存在に守られてる側面がすごくあると思います。でも、ヨコオさんは別にどこに行っても無双する気がしますけど……(笑)。
ヨコオ氏:
いやいやいや。たとえば、「VR作りませんか?」「eスポーツのタイトル作りませんか?」みたいなことは、よく言われるんです。でも、その都度「そんなレッドオーシャンに行ってどうするの?」と思っています。こんなに才能のある若手がいっぱい集まっているところに、年寄りが行ってやれることなんかないんですよ。
だから、ヨコオ世代的には「なんとか若手を上手いこと全員インディーに流し込んで、赤い海で死んでいくのをコンシューマー業界からゆっくりと見守る」のがいい戦略な気がしてきました。
──ですが、最近のヨコオさんは割と若手の育成を意識されているとお聞きしました。
ヨコオ氏:
そこは単純に、「ひとりでは仕事が回らなくなってきているので、一緒にやってくれる人がほしい」という考えで始めました。でも、言われてみればたしかに破綻していますね(笑)。
最初は作業量を埋めるための人員がほしかったんですが、やっぱり横から見ていると全然上手くやれていなくてイライラしてきてしまうんです。そこから、「育成」という名の自分のコピーを生み出す実験をしているんでしょうね。
だから、「ディレクターはこうあるべし」みたいなことをよく話しちゃうのかもしれません。
林氏:
ちなみに、もしヨコオさんが「ヨコオさん世代を殺す方法」を思いついていたら、そっと教えていただけると……。あ、殺すっていうか共存でもいいんですけど。
ヨコオ氏:
いや、殺しましょう!
一同:
(笑)。
ヨコオ氏:
ヨコオ世代は、まず大きい会社に所属したり、繋がっていたりすることが多いです。たとえば、僕なんかはやっぱりスクエニさんと繋がっているわけです。そして、まずその会社に知り合いを作ります。
そのルートから、「ヨコオと仲の悪い人」「ヨコオと仲の悪い派閥」を探し出して、その人たちから「ヨコオがやらかした問題」を何点か洗い出します。それを世の中に暴露してしまうのが一番いいと思いますよ。
──それは……ガチな“殺し方”ですね!
ヨコオ氏:
ちなみに、ゲームクリエイターで上の方にいる人たちは、全員何か問題があるので(笑)。
必ず、100%、なにかが出てくると思いますよ。絶対出てきます。何かしらの問題が絶対に出てくるので、それを探し出して世の中に暴露する。そうやって一気に蹴落とすのが、一番有効だと思います。
林氏:
まぁ、事実それがあるかどうかは人次第だと思いますけど……(笑)。
そうして第一線の方々がいなくなった後に若手世代が台頭して、お客様にとっていいゲームが生まれるのであればいいと思うのですが……実際どうなるかはわからないですよね。
ヨコオ氏:
いや、大丈夫ですよ。結局僕ら世代はディレクションするだけで、現場はやっぱり若い人が多いです。だから、世代が入れ替わっても全然大丈夫だと思いますよ。
林氏:
……ということは、上の世代に思うところがある若手のクリエイターのみなさんは、各所の有名人を裏からいい感じに蹴落としていただくということで……(笑)。
ヨコオ氏:
そこの会社に行って、敵対勢力を見つけて、情報を引き出すのが一番です。
まあ、そういうこともゲーム作りのうちのひとつだと思うので(笑)。
林氏:
ある意味、それが「政治」ですよね(笑)。
──いやぁ、最高の締めですね。(了)
本当に最高の締めか?
「ヨコオ世代の殺し方」……よし、私からはノーコメントで!
ここの最後の文章って「いい感じに記事の振り返り」をするといいらしいんですけど……正直カオスすぎて何をどう振り返ればいいのかわからないです。
ただ、これだけ世代間の物騒な話が飛び交っている中、本質的には「ヨコオさんからものづくりの技術を受け継いだ林さん」の姿が描かれている対談だと思いました。たしかに作家性は個人個人に宿るものだけど、理論的なテクニックなどは受け継いでいくことができる。そうして、より良いゲームが世に送り出される。
実のところ、かなり理想的な「ベテランと若手の関係」を、この対談が体現しているのかもしれません。……だなんて、最後にものすごい綺麗事を言っていい感じに締めようとしてますね。でもここで「この殺し方はたしかにロジカルで……」とか言い出すよりかはいいでしょう!?
『DOD』に影響を受けた林氏のように、これからも『ニーア』シリーズや『CRYSTAR -クライスタ-』『クライマキナ/CRYMACHINA』に影響を受けた方が、ゲーム業界を志されるのでしょう。そして多くの方とより良い関係を築き、さらに面白いゲームを生み出してほしいです。この「テクニックの継承」がゲーム業界内で続くことを、願っています。よし、いい感じに締まりましたね。
本当に、本当にありがとうございました!