パンクでダサかっこいい、レトロ洋ゲー風の横スクロールシューター登場。コアゲーマー向け【レビュー:Black Paradox】

 空飛ぶ車に乗った賞金稼ぎが宇宙のヒャッハーを討伐していく、豊富なパワーアップと古いパソコンゲームのような雰囲気を持つ、横スクロールのシューティングゲームが公開されています。
 『Black Paradox (ブラックパラドックス)』です。

 Steamでは2018年7月に公開され、海外で高い評価を受けていました。
 それが先日、iOS版にも移植されています。

 粗いドット、ケバい色使い、メタルでやかましいサウンド、パンクなキャラデザインなど、いかにも1990年以前の欧米ゲームを思わせる、レトロな「洋ゲー」らしい雰囲気を持つ作品。
 しかしゲーム自体は2018年のものなので、滑らかな動きと豊富なパワーアップを持ち、ときに美しい弾幕も展開される、現代のシューティングです。

 欧米のシューティングゲームらしく耐久制で、頻繁に回復アイテムが出てきますが、被弾によるダメージが大きいので、繊細な弾よけも必要です。
 欧米のシューティングは高耐久と回復を頼りに被弾しながら突き進む、大雑把な「ごり押しシューティング」が多く、私はあまり信用していないのですが、このゲームは回避のテクニックやボスの攻略も重要で、日本と欧米の中間的な内容といえます。
 ただ、自機の当たり判定が大きいなど、いわゆる弾幕シューティングとはかなり異なります。

 価格は、iOS版は480円。買い切りゲームなので課金・広告・スタミナなどはありません。Steam版は1520円です。
 AppStoreのスクリーンショットに中国語が混じっていて、独特な絵柄と相まってすごくあやしいゲームに見えますが、イタリアのゲームです。
 単に開発者が、中国語と日本語の区別がついていないだけだと思います……。

 画面左をスライドして移動、右側を押しっぱなしでショットが連射されます。
 操作性は悪くないのですが…… スマホの横スクロールのシューティングゲームで問題になる、指の下が見えないことによる視認性の悪さは存在します。
 ほぼフル画面のゲームのため、指の置き場もありません。

 下や後方から攻撃されることが少ないので、そこまで大きな問題ではないのですが、後ろから出てくる敵も多少いるし、邪魔になるのは否めません。
 画面の大きいiPadなら問題にならないので、持っている人はタブレットでのプレイをおすすめします。

 敵の中型機を倒すとウェポンボックスを落とし、ダブルタップで拾うと新しい武器を得られます。
 ショットガンやレーザー、ホーミングロケットや火炎放射など、武器は豊富。

 こうした武器が多いゲームは使えないものも多く、結局使うのはひとつかふたつで、武器が多いことがメリットになっていなかったりするのですが、このゲームはどの武器も割と使えます。
 近くしか攻撃できないものは威力が破格であるなど、それぞれに利点があるため、まったく使えないというものはありません。

 また、武器はふたつ所持でき、画面右を上下にフリックすることで切り替えられます。
 ザコ用とボス用で使いわけることも可能です。

自機の周囲を鉄球が回る、使いづらい近接武器「HEDGEHOG」。 しかし、与えるダメージがものすごく、ボスにぶつけるとライフを大きく削ることができます。
連射力が上がると強くなるブーメランなど、自機の強化によって使い勝手が変わるものもあります。
iPadでプレイすると上下に黒い帯ができます。 これが指置き場になってくれるので、指で見えなくなる範囲が減ってプレイしやすくなります。
画面左下付近に行くと十字のラインが現れ、自機の位置をわかりやすくしてくれます。
一応、指で見えづらいところに自機が移動してしまったときの配慮は行われています。

 敵の攻撃はプレイごとに変化し、さまざまなパターンの攻撃がランダムな順番で出てきます。
 ボスの攻撃も複数用意されていて、ランダムに繰り出してきます。
 よって、手強い攻撃が続くこともあれば、かわしやすい攻撃ばかりが来ることもあり、その辺は運も絡みます。

 ただ一番重要なのは、ボスの攻撃を把握して、それに対応すること。
 初見殺しな攻撃もありますが、かわし方さえわかってしまえば回避できるものがほとんど。
 簡単なゲームではないので、当面は死にまくると思いますが、そうやって攻撃の種類を覚えていくことで、確実に先に進めるようになるゲームでもあります。

 ボスを打倒するとパワーアップアイテムがふた出てきて、どちらかひとつを取得できます。
 これも何が出るかはランダムですが、一緒に戦ってくれる「ドローン」がつくものもあり、取り続ければ4機ぐらいワラワラと従えて戦うこともできます。

 なお、ゲージを最大まで貯めてから画面左側をダブルタップすると、「ぶらっ、ぱらどー!」(Black Paradox)のかけ声とともに、黒い支援機が現れます。
 これは、別次元の自機を呼び出しているという設定なのですが…… ともかく、強力な支援機が現れて援護してくれます。
 ひとつのステージで2~4回ほど呼び出せるので、厳しい場面では惜しまず使いましょう。

ボス登場時にはカットインが。もう見るからにヒャッハー。
敵は「ヘルライザー一味」という盗賊団で、デザインと色使いが素晴らしく洋ゲー。
ボスによってはけっこうな弾幕が。 しかし弾幕シューティングというわけではなく、攻撃の前兆を見て事前に回避ポイントに移動すれば、確実にかわせるようになっています。 気合い避けするようなゲームではありません。
まずは敵の攻撃を覚えることが大切。

 自機にはヘルス・アタック・スピード・ファイアレート(連射速度)の4つのステータスがあり、ゲームオーバー後に戦闘で得たクレジットを使ってパワーアップすることができます。
 ただ、これらをひとつずつ上げていく訳ではありません。
 最初はふたつ、最大で4つの「チップ」の装備枠があり、ここにショップで購入した強化チップをつけることで強くなります。

 チップには「ヘルス+2・アタック+3」といったステータスアップとは別に、さまざまな追加効果も備わっていて、「シールドが発生」「たまに3発同時発射」「ショットとは別にときどきビームが出る」といったものがあります。
 ステータスだけでなく、これらの効果も見て選びたいところ。

 ステータスアップの効果はけっこう大きく、連射力がふたつ上がれば、弾の数は目に見えて増えます。
 強くなったのを実感できるおかげで、強化のしがいがありますね。

 なお、ステータスの「スピード」は移動速度に関係しますが、iOS版は指の動きに自機が追従し、指を速く動かせば素早く移動できるので、無理に必要ありません。
 一応、上げていれば少ない指の動きで高速に移動できますが、逆に精密な回避が難しくなるし、0でも動きが遅くてプレイしづらいということはありません。

ハロっぽいのを連れたパンク姉さんの強化ガレージ。 強化はATTACKとFIRE RATE優先、特殊効果は3WAY攻撃が出るTRIPLE SHOTと、たまに体力が回復するVAMPIREがおすすめ。
ステージクリア後のワープシーン。 どう見てもデロリアン。 そしてMSX感がハンパない。

 「武器が多く、敵の攻撃がランダムで、ボスを倒すと択一の強化を得られる、Steamから移植の横スクロールシューティング」という点で、昨年iOS版が公開された『Steredenn』によく似ています。

 ただ、武器は多いけど使えないものが多かった『Steredenn』と違い、こちらは武器ごとの調整がしっかりしている印象。
 また長期的な強化があるおかげで、難易度は高いですが、強くなって突破していく面白さがあります。

 グラフィックのアクが強く、ライトユーザーには辛い難易度ですが、十分楽しめるシューティングで、シューターの方にはオススメです。

Black Paradox (ブラックパラドックス)

レトロ洋ゲーの雰囲気を持つ横スクロールシューティング

(画像は Black Paradox ブラックパラドックス – AppStore より)

・横スクロールシューティング
・Fantastico Studio(イタリア)
・iOS版480円、Steam版1220円

文/カムライターオ

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著者
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
 iPhone アプリのレビューサイトを経て電ファミニコゲーマーのお世話に。 
 シューティングとシミュレーションが特に好き。
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