いま読まれている記事

あの「ナゾ解きミステリー」の大ヒットシリーズがスマホに登場、しかも高解像度化!シリーズ2作目【レビュー:レイトン教授と悪魔の箱 EXHD for スマートフォン】

article-thumbnail-190107a

 パズル、なぞなぞ、計算、閃き…… 多様な「ナゾ」が100問以上も収録されている、英国紳士「レイトン教授」が不思議な事件に挑むミステリーアドベンチャーの2作目が、スマホでも公開されました。
 『レイトン教授と悪魔の箱 EXHD for スマートフォン』です。

 『レイトン教授』は2007年にニンテンドーDSで始まった世界的な大ヒットシリーズで、私も最高のゲームのひとつだと思っている作品群です。

 少し昔のイギリスを舞台にした、『世界名作劇場』のような物語が展開されるアドベンチャーゲームですが、さまざまな「ナゾ」が散りばめられていて、それを解きながら進めていきます。

 ナゾの多くは大ヒット書籍『頭の体操』シリーズから抜粋されており、同書の著者であった「多湖 彰」氏(故人)が監修を務めていて、計算やパズルなどの論理問題もあれば、ちょっとひねった考え方が必要になるひらめき系の問題もあります。
 特に多湖さんの問題はひらめき系が中心で、柔軟な思考で取り組む必要があるでしょう。

 iOS/Android版は『EXHD』と題されており、スマホの高解像度に合わせてグラフィックが高精細化しています。
 毎週問題が配信されていた「週刊ナゾ通信」は最初からすべて収録されており、前日譚が語られる「ロンドンの休日」などのおまけモードも一通り盛り込んでいます。

 価格は1200円。買い切りゲームなので課金・広告・スタミナ等はありません。
 3月4日までは発売記念価格の960円で提供されています。

 また、iOS限定ですが、『1』と『2』が一緒になったバンドル版(セット販売)があり、こちらだと1700円。
 1つあたり850円で購入可能できます。
 (すでに一方を持っている場合、バンドル版の価格はそのぶん割引されます)

 開けた者は死ぬと言われる「悪魔の箱」。
 それを手にしたレイトン教授の恩師が謎の死を遂げ、教授と助手のルークがその手がかりを追い、豪華列車「モレントリー急行」に乗り込む…… というミステリーストーリー
 今回もアニメーションがふんだんに使われており、要所でムービーが流れます。

 ニンテンドーDSのゲームの移植なので、上下2分割のインターフェイスであり、上半分にマップや問題が現れ、下半分を触って移動や問題の解答を行います。
 DSもタッチパネルだったので、操作はスマホでも違和感ありません。

 画面をタップすることで会話や調査を行えますが、その途中で頻繁に「ナゾ」が出題されます。
 前述したようにナゾの種類はさまざまで、問題に合わせて答え方も変化。
 ボタンで正解を選択したり、数値や文字を入力したり、コマやパネルをスライドして動かす場合もあります。

 ナゾがわからないときは後回しにしても構いません。
 解かないと先に進めない問題は少なく、「ヒントコイン」を使って各問題に3つまで用意されているヒントを見ることもできます。
 ヒントコインは風景をタップしていると見つけられ、数に限りがありますが、かなり余裕があるのでそこまで節約する必要はありません。

 謎を解くと「ピカラット」と呼ばれるスコアを得られますが、もし誤答してしまうと得られるピカラットが減ってしまうため、当てずっぽうで答えて間違うくらいならヒントを使った方が良いです。
 ピカラットはゲームの進行には影響しませんが、設定資料などを見られる「おまけ要素」のアンロックに必要になります。

 前作同様、ミニゲームやおまけモードがたくさん登場します。
 太ったハムスターに運動させる「ハムスター」、完成前はジグソーパズルで完成後は間違い探しを楽しめる「ふしぎなカメラ」、そしてハーブを組み合わせてお茶を作るイギリスらしいミニゲーム「ハーブティー」。

 これらはクリアに必須ではありませんが、ナゾを解いていくことでハムスターを誘導するアイテムや、カメラのパーツ、お茶のハーブを集めることができ、ナゾをたくさん解くことに対するご褒美になっています。

 もちろんゲーム進行のためにもナゾを解いていく必要があり、特定のタイミングで「ナゾを30問解いていないと先に進めない」といったシーンが出てきます。
 今回はナゾが70問ほど見つかる段階で「50問解いてこい」とか言われるため、前作よりもノルマが厳しめ。
 2/3は解いていないと進めないので、そのつもりで挑んでいきましょう。

 若干気になったのはゲーム序盤のいくつかのナゾ。
 今回は序盤のナゾの難易度が下げられていて、誰でもスムーズに進められるようになっているのですが、ちょっと簡単すぎるというか、「なんの謎にもなっていない」問題がチラホラ。
 (思わず「ひっかけか?」と疑ってしまったりする)

 また、さすがに2作目なので、1作目と比べると秀作のひらめき問題は減っている印象で、そのぶん計算問題と古典パズルが多めの気がしますね。
 もちろん計算問題も、その多くは「ある点に気付くと簡単になる」という「発想」が必要なものが大半ですが。

あの「ナゾ解きミステリー」の大ヒットシリーズがスマホに登場、しかも高解像度化!シリーズ2作目【レビュー:レイトン教授と悪魔の箱 EXHD for スマートフォン】_013
ムービーシーンは縦のままでも、横にしても見られます。
DSよりも大きな表示で見られるのが嬉しい。回転ボタンはタップで現れます。

 要するに、一部のミニゲーム以外、一作目とシステムは変わりません。
 もちろんそれは、一作目の面白さを二作目も損なうことなく引き継いでいるということです。
 起伏のあるストーリーや個性的なキャラクターも良く、アニメムービーを含む演出も素晴らしい、欠点のない模範的な作品ですね。

 こうしてスマホ版『レイトン教授』の二作目が無事に発売されたのは喜ばしく、ぜひ今後も続いて欲しいシリーズです。

レイトン教授と悪魔の箱 EXHD for スマートフォン

難問奇問が豊富に盛り込まれたミステリー名作アドベンチャー

あの「ナゾ解きミステリー」の大ヒットシリーズがスマホに登場、しかも高解像度化!シリーズ2作目【レビュー:レイトン教授と悪魔の箱 EXHD for スマートフォン】_014
(画像はレイトン教授と悪魔の箱 EXHD for スマートフォン – AppStore より)

・「ナゾ」解きアドベンチャー
・レベルファイブ(日本)
・1200円

文/カムライターオ

【あわせて読みたい】

 

【田中圭一連載:レベルファイブ編】「子どもたちとの信頼関係を築くため、原作との乖離を埋めよう」イナズマイレブン、ダンボール戦機、妖怪ウォッチ……日野晃博の作品に賭ける想いが、数々のクロスメディアを成功に導いた【若ゲのいたり】

 『若ゲのいたり』第14回は、1998年に設立して以来ヒットタイトルを数多く生み出し、2018年で20周年を迎えた福岡のゲームメーカー・レベルファイブを牽引する、日野晃博さんをゲストにお迎えしました。

 『イナズマイレブン』、『ダンボール戦機』、そして『妖怪ウォッチ』など、数々のクロスメディアを成功させた日野さんの信念とは?

 「作り手と子どもたちとの間に信頼関係を生む」日野流コンテンツ作成術の秘訣を、日野さんは惜しみなく明らかにしてくれました。(編集部)

関連記事:

『ドラクエモンスターズ』『レイトン教授』『ダンジョンメーカー』……etc.2018年の面白かったスマホゲームは?ジャンル別ベストゲームアプリを独断で選出してみた

『タクティクスオウガ』のような雰囲気で話題!リバーシのようなバトルが特徴の重厚で硬派なRPG【レビュー:リバーシクエスト2】

著者
あの「ナゾ解きミステリー」の大ヒットシリーズがスマホに登場、しかも高解像度化!シリーズ2作目【レビュー:レイトン教授と悪魔の箱 EXHD for スマートフォン】_015
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
 iPhone アプリのレビューサイトを経て電ファミニコゲーマーのお世話に。 
 シューティングとシミュレーションが特に好き。

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

Amazon売上ランキング

集計期間:2024年4月20日10時~2024年4月20日11時

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ