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ふたつの名作パズル『Threes!』と『Imbroglio』を足して、ますます独創的で奇妙になったような“ローグライク風パズル”【レビュー:Twinfold】

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 スマホのパズルゲームの名作『Threes!』『Imbroglio』にインスパイアされたという、非常に独創的で思考性の高いローグライク風パズルゲームが公開されています。
 『Twinfold』です。

ふたつの名作パズル『Threes!』と『Imbroglio』を足して、ますます独創的で奇妙になったような“ローグライク風パズル”【レビュー:Twinfold】_001

 すべてのコマが指をスライドした方向に動く『Threes!』と、頻繁に形を変える迷路の中で、敵を撃退しながら得点アイテムを集める『Imbroglio』を合わせたような作品。
 既存の作品を合わせた内容なので、普通に考えると似たようなゲームになっていそうですが、ぜんぜん違う異色作に仕上がっています。

 開発者はニューヨーク在住の個人制作者Kenny Sunさんで、過去にも『YANKAI’S PEAK.』『YANKAI’S TRIANGLE』『Circle Infinity』など、独創的な作品を公開されている方。
 海外ではかなり注目されているクリエイターです。

 価格はiOS版480円、Android版440円、Steam版は620円。
 買い切りゲームなので課金・広告・スタミナ等はありません。

 フィールドは5×5のマスで区切られた、簡易的な迷路になっています。
 そして主人公と、ふたつの「ゴールド」のピース(コマ)が配置され、数ターン後にはのピースも現れます。

 画面をスライドすると、その方向にすべてのピースが1マス移動します。
 主人公はもちろん、ゴールドも、敵も、すべてです。

 ただ、敵のパネルは自力でも1マス移動するため、合計2マス移動します。
 敵が移動する方向は画面に表示されています。

 そして主人公や敵は、移動時に壁にぶつかった場合、ダメージを受けます。
 たとえば、敵の下に壁があるなら、下に動かせばぶつかってダメージ。
 下に壁がなくても、敵が下に移動しようとしている場合、横に動かして、その下に壁があるなら、敵は自ら壁にぶつかってダメージを受けます。

 ステージ内には落ちると即死する穴や、ワープゾーンなども配置されています。
 敵もコントロールできることを利用し、自分は壁にぶつからないようにしつつ、次々現れる敵を壁や穴に誘導して倒していきます。

 受けたダメージは「ゴールド」のピースを取る(食べる)ことで回復します。
 ただ、ゴールドのピースは双子のように、必ずふたつセットで存在し、合体させると表示されている数値が2倍になって、取得時の得点がアップします。

 最初は1ですが、合体させれば2に。次は4、次は8、次は16と、倍々にアップ。
 いずれ512、1024、2048と、加速度的に高まっていくでしょう。

 取ってしまうと、この数値は1段階下に戻ってしまいます。
 よって我慢して、できるだけ合体させてから取る方がハイスコアに繋がります。

 ただ、ゴールドのピースは敵も取ります。穴にも落ちます。
 常にうまく合体させられるとは限りません。

 おまけにゴールドのピースを合体させると、その度に迷路の形が変わります。
 思わぬ変化でピンチに陥ることもあるので、HPが少ないならあまり無理せず、食べて回復することも大切。
 そのジレンマがゲームのポイントで、うまく合体させるには動かし方をよく考える必要もあります。

 スコアは経験値も兼ねていて、一定量になるとレベルアップし「スキル」を獲得できます。

 スキルには「壁を作る」、「敵を一時的に止める」、「穴に落ちなくなる」など、多様なものが40種以上も用意されていて、その活用も攻略のカギとなります。
 よってスキルを得るためにも、ある程度のところでゴールドは食べておきたいところ。

 ただ、スキルには常時効果の「パッシブ」と、任意発動の「呪文」があり、呪文は敵を倒すと得られるMPがないと使用できません。

 やってみるとわかりますが、慎重に動かなければすぐに死んでしまう、シビアで思考性の高いゲームです。
 ゴールドを合体させるため、自ら壁にぶつかることも時には必要。

 おまけにゲームが進むと「壁をすり抜ける敵」や、「穴に落ちない敵」、「ゴールドを食べるのを優先する敵」など、厄介な相手が登場。
 敵やトラップの数も徐々に増えていきます。

 ただ、レベルアップを重ねれば多くのスキルを獲得できるため、コツさえわかれば長く生き残ることができるでしょう。

 やや気になったのは「戻す」機能。
 このゲームはいつでも、たとえ死んでしまったときでも、戻すボタンで一手前に戻れます。
 若干スコアが下がりますが、ミスってもこれでリカバーできるため、延々と続けることが可能。

 慣れるとかなり長時間続くので、それで「戻す」もあったら当分終わりません。
 この手のゲームはシビアな難易度も良さだと思うので、戻す機能は不要のような……。

 まあ、スコアランキングは「戻す」が“有り”と“無し”にわかれているので、“無し”でプレイすれば良い話ではあるし、二手以上は戻せないので、無制限にやり直せる訳でもないのですが。

 本当に『Threes!』と『Imbroglio』、ふたつの独創的で奇妙なゲームが合わさって、新たなものが出来上がっているゲーム。
 前述の二作に劣らない、時間を忘れて没頭してしまう作品です。

 「Threes! のローグライク版」とも言えるでしょうか。
 通勤通学時に遊ぶゲームとしても良く、思考性の高いゲームをじっくりプレイしたい方におすすめです。

Twinfold (ツインフォールド)

独創的で思考性の高いローグライクパズル

ふたつの名作パズル『Threes!』と『Imbroglio』を足して、ますます独創的で奇妙になったような“ローグライク風パズル”【レビュー:Twinfold】_012
(画像は Twinfold – AppStore より)

・ローグライク風パズル
・Kenny Sun(個人、アメリカ)
・iOS版480円、Android版440円、Steam版620円

文/カムライターオ

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著者
ふたつの名作パズル『Threes!』と『Imbroglio』を足して、ますます独創的で奇妙になったような“ローグライク風パズル”【レビュー:Twinfold】_013
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
 iPhone アプリのレビューサイトを経て電ファミニコゲーマーのお世話に。 
 シューティングとシミュレーションが特に好き。

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