荒廃した広い世界を自由に旅する、オープンワールドのRPGをカジュアルにアレンジした、レトロな雰囲気の2DアクションアドベンチャーがiOS/Android、及びSteamで公開されています。
『Throne Quest』です。
左スティックで移動、右スティックで攻撃を行う2スティック制のゲームで、攻撃はすべてショットのため、RPGというより全方向スクロールシューティングのようなプレイ感です。
オープンワールドの2DアクションRPG『9th Dawn II』を、作者が自らカジュアル化し、遊びやすく作り変えたもので、スキルや補助魔法がなくなって全体的に縮小している反面、装備の能力制限やアイテムの重量制限などがなくなり、手軽に楽しめるようになっています。
一方で、広い世界と広大なダンジョンは今作でも健在。
あれこれ指示されることなく、ボリュームのある世界を自由に探険することができます。
価格はiOS/Android版は360円、Steam版は410円。
買い切りゲームなのでスタミナ・ガチャ・広告等はありません。
チュートリアルのダンジョンを抜けると、後はもう自由。
クエスト等はなく、フィールドやダンジョンを好きなように探索します。
前述したように2スティック制で、攻撃は右スティックを倒した方向に連射されます。
近接武器はなく、剣を持とうが杖を持とうが、それを投げて攻撃します。
武器によって連射速度が異なり、基本的に高威力な武器は連射力に劣ります。
武器を変えると、姿も変化。
剣や斧を持つと戦士風、矢や投げナイフを持つとアーチャー風に変わり、職業ごとに熟練度があります。
とはいえ、システムは単純化されていて、熟練度はすぐに上がるし、攻撃力に多少影響する程度でしかありません。
敵を倒すと経験値が溜まってレベルアップ。こちらのほうが強さに影響します。
ただ、『9th Dawn II』にあったスキルやステータスの振り分けはなくなりました。
シンプルに最大HPと攻撃力が伸びていきます。
もうひとつ『9th Dawn II』から削られたものは、文字。
今作はタイトル画面以外、文字がほとんど出てきません。
設定画面もアイコンだけで表現されている徹底ぶり。
おかげで会話もストーリーもありませんが、言語の問題がなく、英語がわからなくてもプレイに支障はありません。
フィールド上には各所に建物、廃墟、宝箱、ダンジョンがあり、そして敵がいます。
行き止まりには、たいてい何かがあり、ダンジョンもあちこちに点在していて、探索しがいがあります。
敵はかなり多いですが、少し強くなれば無双できるようになり、さらに敵がアイテムをポロポロ落とすため、殲滅と収集の爽快感がありますね。
もしやられても、各地にあるセーブポイントからペナルティなしで復活可能です。
ただ、ちょっとしんどいのは広大すぎるダンジョン。
『9th Dawn II』のときからそうだったのですが、広すぎるうえにマップがない。
トラップやスイッチも多く、かなり迷います。
全体的に簡略化されているため、ダンジョンが手強くないと歯応えがなさ過ぎる気もしますが、やはりオートマッピングのようなものは欲しかったですね。
いまどき紙にマッピングするのはめんどくさいし……。
広大な世界を探検する楽しみを、スマホで手軽に味わえる作品。
暗い雰囲気のゲームですが、シンプルでわかりやすく作られているため、誰でも楽しむことができるでしょう。
シューティングゲームの楽しさもある、おすすめの作品です。
クリアした方や、もっと長編の冒険を望む人には、このゲームより敷居は高いですが、拡大版といえる『9th Dawn II』もおすすめです。
Throne Quest
世界を自由に旅する2スティック制シューティングRPG
・アクションRPG(2スティック制シューティング)
・Valorware(イギリス、個人)
・iOS/Android版360円、Steam版410円
文/カムライターオ
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