銃火器で武装した動物たちの戦場で、カメ戦車が機銃を撃ちまくり破壊の限りを尽くす、iOS/Androidの人気ガンシューティング『War Tortoise』の続編が登場しました。
『ウォータートル 2』(War Tortoise 2)です。
コアゲーマー向けの作品をスマホで公開し続けているメーカー「Foursaken Media」の新作。
見た目はFPS/TPSのようですが、自機はほとんど動かず、照準のみを動かして接近してくる敵を撃ちまくる「ハウス・オブ・ザ・デッド」のようなガンシューティングゲームです。
ただ、この作品の大きな特徴はクリッカーのシステムを取り入れていること。
『Cookie Clicker』で誕生し、『Tap Titans』で拡張されたインフレと周回のシステムは、すでに他のジャンルでも応用されており、前作『War Tortoise』もそのひとつでした。
稼いだ資金で攻撃力をインフレ気味に高めることができ、行き詰まってもリスタートすることで強さの底上げが可能、周回により延々とパワーアップすることができます。
さらに今回は戦略拠点への進軍と、物資の獲得も加わりました。
少し複雑になりましたが、元がカジュアルなゲームなので、わかり辛くはありません。
4体のボスを倒して人類を復活させるという明確な目標も加えられています。
広告+アイテム課金型のゲームで、アプリ本体は無料。
広告は強制ではなく、宝箱の入手の際にのみ視聴するかどうかの選択が現れ、370円の課金で撤去することもできます。
課金通貨を購入することもできますが、ゲームの進行でも手に入るので、必須ではありません。
3Dガンシューティングですがショットは自動、リロードも自動。
照準を合わせるだけで連射される機銃で、前方に現れる敵を片っ端から駆逐していきます。
前作には狙撃銃と主砲のボタンがありましたが、今回はなくなりました。
機銃も主砲も副砲も、全部オートでバリバリ撃てます。
回避や移動はほとんどなく、「やられる前にやる」ゲーム。
手軽で爽快な戦闘を楽しめます。
敵のHPはどんどん増えていくので、そのうち倒しきれなくなりますが、獲得した資金でパワーアップ可能。
機銃の攻撃力強化はもちろん、近接攻撃を行うアサルト兵、銃撃を行うレンジャー兵、砲撃を行うミサイル兵などを雇用して、部隊を編成していくこともできます。
多数の敵味方が入り乱れる戦場はとても賑やか。
攻撃力はクリッカー系らしくインフレ傾向で、最初に与えられるダメージは20や30ですが、強化によって100、1K(1000)、1M(100万)、1B(10億)と増大。まだまだ増えていきます。
敵のHPも1T(1兆)とかの異様な数値になっていくので、いずれ追い付かなくなりますが、そうなったら次の「世代」にバトンタッチ。
世代交代すると強化レベルがリセットされる代わりに、戦車のHPが上昇し、さらに「突然変異」と呼ばれる追加特性も獲得できます。
突然変異には永続的な攻撃力や装甲のアップ、入手資金の上昇や強化費の割引などが含まれており、3つ提示される中からひとつを選択可能。
世代交代を繰り返して変異を集めることで、戦車と部隊はますます強くなっていきます。
一度世代交代をすると、オート戦闘を利用できます。
自動で狙いを付けてくれるので、もう眺めているだけでOK。
クッキークリッカーも施設がそろったら見ているだけでクッキーが増えていきましたが、それと似ています。
ただ、自動照準は動きが遅いため、手動の方が素早く狙えるし、遠距離ミサイルを撃たれたときは手動で撃ち落とさないと危険。
ゲームが進むとバリアを張る敵が登場し、先に狙わないと他の敵を倒せなくなります。
定期的に強化を行う必要もあるため、ずっと放置で進められるゲームではありません。
手動とオートの切り替えは、ボタンひとつ、もしくはダブルタップで素早く行うことができます。
今作の重要な点は、全体マップで進軍先を選べるようになったこと。
前作はただステージを進めていくだけでしたが、今回はステージクリアにより、指定した戦略拠点へと移動していきます。
拠点には木材工場、大砲基地、金鉱などがあり、大砲基地を占領すれば戦闘中に援護砲撃を得られ、金鉱があればオフライン中に蓄積される資金がアップ。
施設のない拠点には木材を使って好きな設備を建てることができます。
そしてその場所で戦い続けることで「占拠レベル」がアップし、得られる効果が増していきます。
目標のボスはかなり遠方のエリアにいるので、当面は手を出せません。
木材をためて「道」を作れば移動しやすくなるので、まずは木材工場の確保とレベル上げを優先しましょう。
十分な木材があれば研究所や訓練施設も建てることができます。
課金要素はカメ戦車の「武装」、強力な兵士である「ヒーロー」、そして戦車に乗る「パイロット」の入手。
ただ、課金通貨は宝箱やイベント、デイリーミッションなどでも得られるので、無理に課金が必要な作りにはなっていません。
武器は一定時間ごとにタダで貰うこともできます。
カメ戦車にはメイン武器の「軽武器」の他に、大型の敵に発砲する「中武器」と「重武器」の枠もあり、さらに4門ずつの「軽砲塔」と「重砲塔」を備え、合計11もの武器を装備できます。
武器はマシンガンやグレネード、レーザー銃やプラズマ砲など多彩。
武器の入手はいわゆる「ガチャ」で、何が出るかわからず、レアリティもあるのですが、あとで入手したものほど性能が良くなります。
序盤に入手したレア武器より、ゲームを進めてから入手したコモン(ノーマル)武器の方が威力があったりするので、強さはガチャ次第ではなく、ゲームの進行によります。
現バージョン(2020/3)には、装備に「電源」という数値がありますが、これは「パワー」の誤訳です。
能力の評価であり、使用にバッテリーが必要なわけではないのでお間違えなく。
前作にもいたヒーローと、今回から登場のパイロットは、ガチャではなく欲しいものを課金通貨で直接得る形。
経験により強くなっていく特殊兵士のヒーローは3人まで同時に出撃可能。
戦車の射撃手であるパイロットはひとりしか使えませんが、使っていないキャラは「休息ボーナス」で強くなり、物資の調達もしてくれます。
どちらも現時点で9人ずつ用意されており、ネズミ、カニ、ペンギン、カマキリなど、能力と見た目は様々。
相応に高価なので、武器がある程度そろったら、ヒーローとパイロット獲得のために課金通貨を貯めましょう。
また、研究所で得られる「DNAポイント」で、ヒーローや兵士、カメ戦車の追加特性を得ることもできます。
前作もやり込めるゲームでしたが、武器やスキルが大幅に増え、戦略マップが加わって戦場も多彩になり、ボリュームはさらに増しています。
それでいて普段やることは撃ちまくるのみで、半オートでも遊べるという、手軽さと奥深さを両立したゲームになっています。
とにかくどんどん強くなって、ガンガン撃ちまくれる、シンプルな楽しさのある作品。
結局のところ、人は無双したいのです。
制限のない強化でオレツエーしたいのです。
その願いを叶えてくれる、ゲーム性の高い変わり種のクリッカー系としてオススメです。
ウォータートル 2
クリッカー系3Dガンシューティング『War Tortoise』の続編
・ガンシューティングゲーム
・Foursaken Media(アメリカ)
・アプリ本体無料、広告+課金型
文/カムライターオ