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『サクラ大戦』が発売されたときに生まれていなかった私が『サクラ革命』をプレイして意外と面白かった話。丁寧な女性主人公の描写と男役の乙女が刺さりまくる

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 1996年に初代『サクラ大戦』が発売されたとき、私はまだ生まれていなかった──。

 幼少期の私が「恋愛シミュレーションゲームを買って!」と言うわけもなく、『サクラ大戦』シリーズとは無縁だった人生。2019年に発売された『新サクラ大戦』も、なんとなく“知ってる人向け”のタイトルかなという印象で購入せず。スチームパンクと和風が融合した、少々ニッチな世界設定と、主人公とヒロインの男性向けと思われる恋愛要素から、「自分とは違う畑のコンテンツかな」とこれまで認識してきた。

 というわけで「サクラ」シリーズにおける、太正100年の世界を描くとかいう『サクラ革命』もほとんどスルーしていたのだが……予想外にこのゲーム、恋愛対象が男性と思いきや、女性ライトゲーマーである私でも楽しい

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 そもそも、主人公の性別が選択できる時点で私はちょっと驚いた。男女を選択する運営型スマートフォンタイトルはめずらしくはないが、それでも『サクラ大戦』は完全に男性向けの作品だと認識していたからである。あとで調べてわかったのだが、『サクラ大戦』は女性人気も高かったシリーズらしい。

 『サクラ革命』はシリーズの“未来で起こり得た可能性の1つ”を描いている作品で、過去作を一切プレイしていなくても問題ないというのも、最初の一歩を踏み出すあと押しとなった。

 説得力とユニークさを併せ持つシナリオ、切り替え可能なオート戦闘によるカジュアルなプレイなどなど……気づくと私には無縁と思っていたはずの『サクラ革命』を楽しんでいたのである。


文/anymo
編集/ishigenn


※この記事は編集部アシスタントの女性ライトゲーマー「anymo」が、思わずハマってしまった『サクラ革命』の魅力を独自の視点で伝える、セガとのタイアップ企画です。

丁寧な女性主人公の描写で棘がない

 『サクラ革命』は、2020年12月に配信が開始された、iOS/Android向けのドラマチックRPGだ。

 舞台は太正100年、「ミライ」と呼ばれる新エネルギーが普及し過去に起きた大厄災から復興しつつある日本。主人公であるプレイヤーは、ミライを巡る日本政府の陰謀を止めるため、ヒロインの「咲良しの(さくら しの)」とともに47都道府県を駆け巡ることになる。かつて存在した秘密防衛組織「帝国華撃団」を再興し、現在の「大帝國華撃団B.L.A.C.K.」から日本を取り戻すのが目標だ。

 まず『サクラ革命』は主人公の性別を選べるだけでなく、イベントCGでは女性主人公用のグラフィックが用意されており、さらに主人公のセリフは女性的に表現されている。

 なにを当たり前のことを言っているのかと思うかもしれないが、この手のゲームをプレイしていると、プレイヤーの分身たる主人公の言動が男性らしいパターンが少なくない。それによって没入感を削がれてしまうということが多々あるのだ。

 もちろんメイン層が男性と思われるタイトルなら仕方がないし、それだけで作品やキャラクターの魅力が失われるわけではないと遊びつつも、違和感を覚えることがしばしばあった。しかし『サクラ革命』は非常に丁寧にその“尖り”を取り去ってくれた。

 『サクラ革命』のプレイを重ね、登場する乙女たちに愛着が湧き始めたころ、本編では集合写真を撮る場面がある。そこには自分の分身である女性主人公が写っており、意外にも私はグッときてしまった。

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魅力的な男役の乙女たち

 本作ではご当地キャラクターのように各地に「乙女」が登場し、霊力を持って戦う「霊子ドレス」を身にまとって「降鬼(こうき)」という敵と戦っていく。それぞれの地方で必ずひとりはボーイッシュな男役の乙女が登場するのも、私のような女性ユーザーにオススメしたいポイントのひとつだ。

 たとえば第一章の鹿児島県にて登場する「大隅まみや(おおすみ まみや)」。降鬼とは霊力を奪われた人間の成れの果てなのだが、彼女の弟は片腕が降鬼になりかけており、それを理由にひとり生身で降鬼へ立ち向かっていた。
 帝国華撃団に入団したあと、彼女はしの達とともに無事鹿児島を奪還した際には「諦めなくてよかった」と涙を流し、「日本中の涙はあたしが蒸発させてやる!」と決意を固める。まるで戦隊モノのレッドのようなアツく正義感のある乙女だ。

 同じく第一章の熊本県にて登場する「不知火りん(しらぬい りん)」も男役を思わせるキャラクターだ。「守るものができると弱くなる」と、当初は入団を拒むクールな狙撃手。しかしじつは、パフェなどのスイーツが好物であることが戦闘終了後のボイスやロード画面などで確認できる。また、市街地で銃を出してほかの乙女にたしなめられるユニークな一面もある。

 なお、第二章では「メガネ」、「チョーカー」、「紫髪」の性格が悪い端正な男性が登場する。彼は男役の乙女キャラクターではないが、特定のユーザーには深く刺さりそうだ。

暗い事情を持つ乙女たちの「その先」を描く希望あふれる物語

 そんないろいろな要素が刺さりまくった私がさらに意外だったのが、本作のストーリーがとても重厚で楽しめる内容だったという点だ。

 『サクラ革命』に登場する乙女たちは降鬼や政府による計画の被害者であり、暗い事情を抱えていることが多い。しかし、彼女たちの事情そのものが描写されることはなく、物語は一貫して乙女たちが帝国華撃団で降鬼に立ち向かうようになるまでの「その先」を描いている。

 第一章・宮崎県で登場する「高千穂ゆう(たかちほ ゆう)」は、かつて「神の翼」の異名を持つ高跳び選手。しかし降鬼が潰した建築物の下敷きとなり右足を失っている。

 第二章・中国地方では、乙女たち5人がともに教わった敬愛する”先生”の存在が語られ、中国地方の総督となる弟・時田梅林(ときた ばいりん)によって政府に反逆した罪で処刑されてしまったことが明らかにされる。同じ志を失ったことで、5人はバラバラに……。

 しかし、これらのヘビーな設定は、乙女たちの「その先」にスポットが当てられた明るいシナリオに説得力を持たせ、陰謀によって危機的状況にある日本を奪還していくという未来を目指す物語と呼応していく。

 たとえば高千穂ゆうのトラウマを思い出し、痛みを覚えた右足は「すくむってことはこれが私の足だっていう証拠」と彼女をあと押しする勇気となり、高跳びがモチーフの必殺攻撃「私の空」では彼女がトラウマを乗り越えたことがうかがえる。

 中国地方の乙女たちは”先生”という一度は失くした同じ志を、帝国華撃団にて「中国奪還」として形を変えて受け継ぎ、ふたたび同じ志を持つ仲間として歩み出している

 そして重要なのは、この素敵なストーリーを「オート戦闘でストレスなく楽しめる」という点である。
 運営型スマートフォンゲームが多数存在する現代、「ほかのソーシャルゲームが忙しい」という現象はよくあることだ。『サクラ革命』では、「オート戦闘機能」を戦闘中いつでも切り替え可能で、途中からオート戦闘にしたり特定の場面だけ指示したりすることができる。

 もちろん、コマンドバトルに立体的な立ち位置の要素が加わった「コマンドラインバトル」を、各乙女の有効な射程やスキルなどを踏まえて戦略的に戦うというのも、本作を構成する魅力のひとつだ。いわゆるボス戦などではオートモードでは勝てないときもあるので、その際は司令官として乙女たちを導いてあげよう。

イベント「桜花爛漫! 天神花見十番勝負」が開催

 現時点でメインシナリオは第三章まで楽しむことができるが、3月10日より、お花見をテーマにしたゲーム内のイベント「桜花爛漫! 天神花見十番勝負」が開催される。本イベントでは、今まで登場した地方の乙女全員が登場。「地域対抗戦」を行う番外編ストーリーが楽しめる。

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 また、期間中はフリークエストでドロップするイベントアイテム「お花見団子」や「お花見弁当」、「桜印のお茶」などを集めて育成素材やイベント限定の霊子護符「★5 受け継ぎし想い」と交換することができる。
 さらに、イベント限定のクエストをクリアすることで獲得できる「天神戦の証」の総数が「戦勝点」としてカウントされ、一定値に到達することで「戦勝点報酬」がもらえる。この「戦勝点報酬」として、イベント限定霊子護符「★5 姫の休日」を入手可能だ。なお、これらの霊子護符はフリークエストでの低確率ドロップでも手に入れることができる。

 それぞれイベント中は追加のスキルが発動するので、イベントを効率的に楽しんだり、霊子護符の装備効果である攻撃力上昇で強敵に立ち向かうためにも、ぜひともゲットしたい霊子護符となっている。

 新霊子護符の入手場所とスキル、イラストは以下のとおり。なお、スキルは最大強化時のものとなっている。

新霊子護符:★5 姫の休日
<入手場所>
・戦勝点報酬で入手
・フリークエストから低確率でドロップにて入手

<スキル>※最大強化時
・自ターン終了時に自分と同じラインの味方全体のHPを500回復​
・部隊の攻撃力を50%アップ ​(イベント「桜花爛漫! 天神花見十番勝負」期間中のみ)

<描かれている乙女>
・天神ひめか
・那智みうめ

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新霊子護符:★5 受け継ぎし想い
<入手場所>
・イベントアイテム交換所で交換して入手
・フリークエストから低確率でドロップにて入手

<スキル>※最大強化時
・味方が敵を倒した時に自分の気力を10%アップ​
・自分の必殺攻撃の威力を20%アップ​
・自分の攻撃力を100%アップ ​(イベント「桜花爛漫! 天神花見十番勝負」期間中のみ)

<描かれている乙女>
・咲良しの

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乙女の霊子ドレスを着せ替えられる「換装」システムが実装。初の換装可能な霊子ドレスなどが排出する限定ガチャも開催

 さらに今回のイベントから新システムとして、「換装」が実装される。本機能では、乙女の霊子ドレスを着せ替えることで新たな性能を付与することができる。装いを新たに、今とは異なった才能を見せてくれる乙女に期待しよう。

 イベントと同時開催となる「桜花爛漫! 天神花見十番勝負 ピックアップ調査」(ガチャ)では、初の「換装」可能な乙女として「★5 天神ひめか 光華 [春光]」が登場。これまでの霊子ドレスとは趣が異なるホルターネックの和装や、いつものぱっつん前髪を流したヘアアレンジがエレガントな姿は必見だ。

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新霊子ドレス:★5 天神ひめか 光華 [春光]
【換装システム】
天神ひめかがこの霊子ドレスを装備可能に
 
レアリティ:★5
属性:陽
射程:2 シューター
タイプ:攻撃型
必殺:単体攻撃
期間限定乙女
 ※「桜花爛漫! 天神花見十番勝負 ピックアップ調査」(ガチャ)に期間限定で登場

 また、「桜花爛漫! 天神花見十番勝負 ピックアップ調査」では霊子ドレスのほかにも限定の霊子護符が排出。これらもイベント期間中は追加のスキルが発動する。それぞれのスキルと、乙女たちの日常の様子が見れる美麗なイラストは以下のとおり。なお、スキルはそれぞれ最大強化時のものとなっている。

新霊子護符:★5 新春、桜ツーリング
<入手場所>
期間限定「桜花爛漫! 天神花見十番勝負 ピックアップ調査」で入手

<スキル>※最大強化時
・自分のクリティカル率を15%アップ​
・自分の進撃がクリティカルで終了した時に前の1ラインへ移動​
・イベントアイテム「お花見団子」のドロップ数を2個増加(イベント期間中のみ)

<乙女>
・四万十ゆすら
・伊万里くすの

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新霊子護符:★4 新たな友と
<入手場所>
期間限定「桜花爛漫! 天神花見十番勝負 ピックアップ調査」で入手

<スキル>※最大強化時
・味方全体のコマンドが同じ時に自分の攻撃力を20%アップ​
・自分の気力を15%アップ​
・イベントアイテム「お花見弁当」のドロップ数を2個増加 ​(イベント「桜花爛漫! 天神花見十番勝負」期間中のみ)

<描かれている乙女>
・大隅まみや
・鷲羽もえみ

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新霊子護符:★3 みうめのパンダ
<入手場所>
期間限定「桜花爛漫! 天神花見十番勝負 ピックアップ調査」で入手

<スキル>※最大強化時
・自分が【動物形態】特性の敵を攻撃する時に攻撃力を15%アップ​
・イベントアイテム「桜印のお茶」のドロップ数を2個増加 ​(イベント「桜花爛漫! 天神花見十番勝負」期間中のみ)

<描かれている乙女>
・那智みうめ

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新システム<換装システム>
・ 乙女ごとに複数の霊子ドレスから「好きな霊子ドレスで出撃」に変化
・ 換装システムにあわせて、霊子ドレスの「霊子ドレス名」も設定に追加

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新システム<増援システム>
・高難易度クエストに「増援システム」追加
・敵ユニットの数が2体以下になった際、倒された数の分、控えに残っている敵ユニットが出現(同Wave内)
・控えにいる状態の敵には強化・弱体効果はかかりません
※今後は高難易度以外のクエストにも追加する可能性があります。


 『サクラ革命』は「サクラ」の名を冠していることからも、つい敬遠してしまうユーザーがいるかもしれない。けれども、本作はそのようなユーザーも巻き込むように作られた作品だと、私は思い知った。女性主人公の丁寧な描写、男役のキャラクター、そして重厚な物語とストレスフリーなオートバトル機能。シリーズを一切プレイしてこなかった人も、ぜひともに乙女を率いて、日本を奪還しよう。

ライター
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ベヨネッタとロリポップチェーンソーでゲームに目覚めました。 3D酔いと戦いつつゲームをする傍ら、学生をしています。
Twitter:@d0ntcry4nym0re

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