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『真・女神転生V』プレイレポート。唯一無二のシチュエーションとロケーションを引っ提げての正当進化、戦闘も育成もより奥深く

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 2021年11月11日、Nintendo Switch用ソフトとして発売するファン待望のナンバリング最新作『真・女神転生V』。本作の序盤を発売に先駆けてプレイする機会をいただいたので、本稿ではそのレポートをお届けします。

 ナンバリング新作としては3DSの『真・女神転生Ⅳ』から8年ぶり、据置機でのナンバリング新作としては『真・女神転生III -NOCTURNE』から18年ぶりとなる『真・女神転生V』。

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 筆者はシリーズを熱心に追っているわけではないのですが、外伝作の『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』や、派生作品の『ペルソナ』シリーズ、『幻影異聞録♯FE』など、シリーズから枝分かれした作品群にお気に入りがいくつかあります。
 久々の正統なナンバリング最新作がどんなゲームになっているかは、とても気になるところです。

 なお、今回プレイできたのは指定された地点から、1時間の制限時間の中で進めたところまで。本作を構成する要素の多くが出揃うところまでプレイできたので、購入を迷っている方、実際のプレイフィールを確かめておきたい方は参考にしてください。

文/小林白菜


砂漠となった東京――魅力的なロケーションを軽快に疾走!

 今回のプレイ範囲は、廃墟のようなものが点在する砂漠からはじまりました。あとから明らかになったことには、ここは「魔界」とのこと。
 主人公は悪魔に襲われ、あわやというところで謎の男「アオガミ」に助けられ、彼と合一。「ナホビノ」と呼ばれる存在となり、悪魔と戦う力を手に入れます。

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 悪魔との戦いをくり返しながら周囲を探索していくと、やがて視界には、東京タワーと思しき建造物が……。この魔界が、もともとは東京だった場所にあることが明かされます。
 本来は平和な東京で学生をしていた主人公が、何故この場所に来てしまったのか? タイムスリップなのか? もしここが未来の東京であるならば、破滅を防ぐ方法はあるのか? 一気に謎が深まるシーンです。

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 ナホビノ(主人公)はLスティック押し込み、またはZLボタン、ZRボタンによる「ダッシュ」でフィールドをハイスピードで疾走。フィールドを徘徊する悪魔たちに気づかれていない状態で、右手から生み出せるブレードによる攻撃をYボタンで加えれば、戦闘への突入時、先制攻撃を行うことができます。
 フィールドで光る「マガツヒの結晶」は、触れればHPやMPが回復。不測の事態に備えて万全の体制で戦闘に臨むため、積極的に収集するのが良さそうです。

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 東京が滅ぶのは『真・女神転生』シリーズの常とはいえ、いままでとはまたひと味異なるシチュエーションとロケーションはかなり魅力的。
 今回プレイしたフィールドは基本的に一本道でありつつも、脇道に逸れての探索も楽しく、主人公の移動能力が高いことや、たまに軽快なフィールドアクションが挟まることもあり、動かしていてなかなかに気持ちの良いものでした。

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盤石のプレスターンバトルに新要素「マガツヒスキル」で戦闘はさらにスリリング

 戦闘はシリーズでお馴染みの「プレスターンバトル」。敵の弱点属性を突くスキルで攻撃をするか、攻撃をクリティカルヒットさせると行動回数が1回増加。行動回数が増加しているときは画面右上の「プレスターンアイコン」が点滅します。
 行動回数の増加は、各ターンにパーティメンバーそれぞれに1回のみ。3度、4度と連続行動を行うことはできません。

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 上手く立ち回れば一方的に攻撃できるのが痛快である反面、弱点を突くと行動回数が増えるのは敵パーティも同様。一気に壊滅に追い込まれる可能性もあります。パーティメンバーが複数いても、主人公のHPが0になればゲームオーバーなこともあり、気の抜けない戦いが続きます。

 戦闘時、行動によって上昇する「マガツヒゲージ」が100%のときは、本作からの新要素である、強力な「マガツヒスキル」の発動が可能に。今回使用できたのは「禍時:会心」という魔法も含むすべての攻撃がクリティカルヒットするスキル。
 苦戦している戦闘でマガツヒスキルが使用可能になったときの「これで切り抜けられるはず」という安堵感はかなりのものでした。これからほかのマガツヒスキルも使えるようになるようなので、どんなマガツヒスキルがあるのか気になるところ。

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 こちらもシリーズお馴染みである「悪魔会話」は健在。敵対している悪魔からの質問に選択肢で答えて気に入って貰えたり、要求してくる金品などを与えることで、彼らは「仲魔」となり、主人公率いるパーティメンバーの一員になってくれます。逆に機嫌を損ねると、痛い目に合わされてしまうことも……?
 チュートリアル的に発生したピクシーとの会話では「魔石」を要求してきました。「魔石」は後述するショップでは販売していなかったので、どこで数を増やせるのか気になるところです。

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 油断していると強敵とエンカウントし、気づけば大ピンチに陥るあたりはやはり『女神転生』シリーズ。パーティメンバーは主人公も含めて最大4名。早めに仲魔を増やし、フルメンバーで戦えるようにするのが得策です。

 一方で、回復スキルや回復アイテムを選択したときは、最もHPが減っているパーティメンバーに自動的にカーソルが合ったりと、細かい部分の快適さは流石のひと言。
 ストレスを極力廃した設計は、長年RPGというジャンルと向き合い続けてきたメーカーだからこその、蓄積されたノウハウの為せる技ではないでしょうか。

憎めないが金にがめついギュスターヴ、「写せ身合体」でより幅広い育成が可能に

 道中ではいくつかのイベントが発生し、中には新たな機能が解禁されるものも。

 「龍穴」はセーブポイントの役割を担ううえに、これまでに見つけたほかの龍穴や、プレイヤーの旅路をサポートしてくれる者のいる場所へとワープさせてくれる機能も兼ねています。

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 最初にワープできるのは「骸の隠れ家」。ここは本作のお金である「マッカ」のやりとりによるアイテムの売買ができる、要するにショップとしての機能がある場所です。
 「骸の隠れ家」の主、ギュスターヴはフィールドに点在する彼の子分「ミマン」を見つけることで、見つけた数に応じた報酬を渡してくれます。これがフィールド探索に関する収集要素のひとつとなっているのです。

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 また、「龍穴」には回復機能もあるのですが、この機能もギュスターヴが握っており、使用の際は回復量に応じたマッカを支払わなければいけません。友好的で憎めないギュスターヴですが、ちょっと金にがめついところも。

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 ソピアーという女性がいる「邪教の世界」では、主人公に役立つ能力を身に付けさせる「神意の習得」、主人公や仲魔にほかの悪魔のスキルを習得させる「写せ身合体」が可能。
 悪魔の「写せ身」を入手していれば、その悪魔のスキルを、主人公や仲魔に付与することができ、条件を満たすことで主人公の防御相性を変更することができます。今後、強敵と有利に戦うためにお世話になりそうなシステムです。

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 ちなみに、今回のプレイでは解禁する地点まで到達できませんでしたが、本作でももちろん「悪魔合体」は登場。邪教の世界で「悪魔合体」を行うことができます。「写せ身合体」と使い分けることで、これまで以上に望むスキルの習得が容易になるのかもしれません。

 ほかにも、個性的な悪魔たちとのちょっと笑ってしまったり、少し神経を逆なでされたりするイベントがいくつもあった序盤のプレイ。本作ではこうしたイベントで出会う者も含め、悪魔たちはガンガンボイス付きで喋ります。
 主人公はこれまでと変わらず無口なこともあり、悪魔たちに大量のボイスがついたところでテンポを削ぐことにはなっておらず、それでいて怪しくも気づけば愛着が湧いてしまう彼らの魅力を倍増させる、かなり絶妙な塩梅だと感じました。

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ナンバリングタイトルに相応しい、手強さと試行錯誤の楽しさに満ちたゲーム

 その後、仲魔と共に東京タワーへの道を塞ぐ「マガツカ」へと向かい、この場所で発生した戦いになんとか勝利したところで、ちょうど1時間のプレイ時間が終了。
 この先まで進めば悪魔合体が解禁されたらしいのですが、残念ながらそこまで体験することは叶いませんでした。

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 序盤をプレイして感じたのは、本作もまた『真・女神転生』のナンバリングタイトルに相応しい、手強さと試行錯誤の楽しさに満ちたゲームになっているであろうということです。
 過去作のおもしろかった部分はそのままに、「マガツヒスキル」はバトルの戦局をよりひっくり返りやすい、スリリングなものに。「写せ身合体」などの要素は育成をより考え甲斐のあるものにしてくれていました。そのうえで、インターフェースの快適さもやはり特筆すべき点です。

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 セーブできる地点が決められており、ゲームオーバーになればセーブ地点からやり直しになるなど、昨今のゲームと比べれば厳しい部分は多いかもしれません。初心者にはやや過酷かもしれませんが、戦略性の高さを「奥深い楽しさ」と感じられるならば、恐れる必要はないはず。
もちろん、シリーズ初心者でも遊びやすい難易度も搭載しており、プレイ中の変更も可能。自分に合った難易度で遊ぶことができます。

 シリーズ未プレイでも問題ありません。やりがいに満ちたRPGを求めている方は、きっと夢中になれることと思います。

ライター
ゲームメディアでアニメの話をしたりしている人。ゲームライターと名乗ってよいものか分からず、かといってアニメライターではない気がする。いい感じの肩書き募集中。両ジャンル追いかけるには人生はあまりに短い。ゲームは和・洋・大作・インディーなんでも楽しみ、アニメはとりわけ『アイカツ!』シリーズや『プリキュア』シリーズなど、女児向けのものを好む。
Twitter:@Kusare_gamer

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