来たぜ、株式会社ポケモン!
六本木の森タワーは8階にオフィスを構える株式会社ポケモン。今回はなんとここで開かれた1月28日発売予定の『Pokémon LEGENDS アルセウス』の先行試遊会に参加させてもらったのです!
初めて自分のお小遣いで購入した『ポケットモンスター ダイヤモンド』のパッケージにウキウキしていた小学一年生の私の元にタイムスリップし、「お前は10年後ぐらいにポケモンの会社で過去のシンオウ地方に行くことになる!」と予告してやりたいものです。
いや~~~……人生って、本当に何があるか分からない。
今回は株ポケのオフィスを取材する記事ではないため、株ポケ内部のリアルシルフカンパニーとでも言わんばかりの凄まじさにそこまで触れることができないのが残念だが……オフィス内で購入したお茶は未だに大切に保管している。
こんなん飲めねえよ!! 墓まで持って行こうかな……。
……とまあ私のウキウキっぷりをこれ以上書き殴っても仕方がないので、早速『Pokémon LEGENDS アルセウス』のプレイレポートに移っていこう。
文/ジスマロック
事前リサーチを遥かに超えてきた、未知のヒスイ地方
『Pokémon LEGENDS アルセウス』は従来の『ポケットモンスター』シリーズの形から大幅とかそんなレベルじゃないぐらい脱却したタイトルなのは事前情報である程度ご存知だろう。
ついにポケモンとのシンボルエンカウントを実装した『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』、シンボルエンカウントを継承しつつ見下ろし視点でなくアバターの視点から動き回るポケモンを見せることでより臨場感が増した『ポケットモンスター ソード・シールド』の「ワイルドエリア」。
一見唐突に形を変えてきたようにも見える『Pokémon LEGENDS アルセウス』も実は着々と積み重ねた技術によって成り立っているのが面白いのだが……それでもやっぱり「全域ワイルドエリア」とでも言わんばかりの広さはかなり革新的。
そんな革新的タイトルの試遊に事前準備もせず参加するなど言語道断。むしろ無礼に当たると思い、私は1週間前にもう現時点で解禁されている全ての情報を洗い尽くし、もはや遊ばなくてもプレイレポートが書ける状態にまで事前リサーチを重ねたのだ! いや遊ばないで書いてる訳じゃないですよ? 本当ですよ!?
そんな事前リサーチを重ねに重ねたからこそ、私は「まだ解禁されてない仕様を見つけてやるぜ…!」というデバッガーのような精神で今回の先行試遊に参加した。(当然ですが、試遊から記事の投稿にまで時差があるため、既に解禁された情報を未解禁であるかのようにドヤ顔で語っている可能性があります。温かい目で見守ってください。)
まず最初に発見したのは「進化の仕様」の違い!
従来のシリーズでは、ポケモンは特定のレベルに達すると進化フェーズに移行する。放っておけばそのまま進化するし、進化させたくない時は完全に進化し終わる前にBボタンを押せばびっくりして進化を止めてくれる。
が、『Pokémon LEGENDS アルセウス』はなんと任意のタイミングでポケモンを進化させることができる! メニュー画面からポケモンを選択して「進化させる」を選べばその場で進化が開始! かわらずのいしとか要らんかったんや!
これと同様に、メニュー画面からポケモンを選択し、「技を覚える」を選べばなんとその場でポケモンの覚える技を入れ替えることもできるのだ!
流石に覚えられる技の数はいつも通り4枠となっている。しかし、メニュー画面から即座に忘れさせてしまった技と今覚えている技を入れ替えることできるため、例えばほのおタイプのポケモンが多いエリアに突入したらメニュー画面からすぐにみずタイプの技と入れ替える、くさタイプが多いエリアではひこうタイプやほのおタイプの技を多めに編成する……といった戦略が手軽に練られるのではないだろうか!?
最新の『ポケットモンスター』ではもうハートのウロコも要らないのか!?
なんだってんだよー!
続いて発見したのは「材料の収集」!
『Pokémon LEGENDS アルセウス』には「クラフト」要素が存在しており、ぼんぐりを集めてモンスターボールを作り出したりすることができる。
しかしそこに至るまでの「材料の収集」の部分が未知の要素だったのだ。そして今回の試遊で判明したことなのだが、道端に存在している木や鉱石に向かってポケモンを繰り出すことで、自動的にポケモンが材料を回収してくれる!
例えば、道端に生えている木にコリンクを向かわせれば勝手にきのみを落としてくれるし、道端の鉱石採集ポイントにモンスターボールを投げつければ、ビッパが勝手にほしのすなを採掘してくれる。
そして何やらゆさゆさ揺れている怪しい木に向かってモンスターボールを投げれば野生のミノムッチが!
このように、クラフトに至るまでの採集要素もポケモンと密接に関わってくるのが判明した。
ステルス的ポケモンゲットと「捕獲」におけるやり込み要素
『Pokémon LEGENDS アルセウス』はなんと戦闘を行わずともポケモンを捕まえることができる。突っ立ってるだけで相手の方から生身の人間相手に「さいみんじゅつ」とか「でんきショック」とか普通に撃ってくるヒスイ地方生息のポケモン相手には、「ステルス」的な戦術が有効である。
通常であればトレーナーが視界に入った瞬間来ることの多いポケモンも、このように草陰に潜み死角からの捕獲を狙うことで気付かれずに捕獲できる。
さらに「めかくしだま」を使えば煙幕を展開して草むらの無い場所にステルスエリアを展開することも可能。「オボンのみ」を投げつけ、ポケモンがきのみをかっ食らっているその隙にボールを投げてゲットすることだってできる! そっちがその気ならこっちにだって「文明の利器」ってもんがあるんだよ……!
なお、『Pokémon LEGENDS アルセウス』では従来のシリーズとは異なり、ポケモンをゲットしたら図鑑にすべての情報が登録されるわけではない。
なんと今回のポケモン図鑑には「○○(特定の技)を使っているところを見てみよう」や「複数匹捕まえてみよう」といった図鑑タスクがポケモン一匹一匹に用意されており、そしてこの図鑑タスクを埋めていくことで、図鑑に記録されているポケモンの画像が白黒からカラーに変化していったり、ポケモンの好物などの情報が解禁されていく!
今回は、「ポケモンを捕まえる」というシリーズの基本コンセプトが、そのままやりこみ要素にもなっているのだ。
中でも衝撃的だったのはフワンテの欄に書いてあった「じばくを使っているところを見てみよう」というタスクだ。
え?これ真正面から生身でフワンテのじばく食らいに行けってこと? 威力半端ないが!?
従来の戦闘の面白さを継承しつつも、全く新しいポケモンバトル
『Pokémon LEGENDS アルセウス』はシリーズの根幹であるターン制バトルシステムにすら手を加えている。
これがその「行動順戦闘システム」! 画面を見ただけならばただ行動する順番が表示されているようにも見えるが、今回の新要素「力業」「早業」が加わることでさらに戦略性が生まれる!
「力業」は技の威力を上昇させる代わりに行動順が遅くなりやすいので相手に2回連続行動を許してしまうことがある。「早業」は素早く技を繰り出すことで2回連続行動が可能になることがあるが、技の威力が下がってしまうため、倒しきれるとは限らない。まさに二者択一。
さらに面白いのが野生のポケモンとの複数対1のバトル!
草陰にも隠れずのんきに散歩していたら群れに囲まれ四面楚歌、かなり不利な状況のバトルに移行してしまう! こうなってしまうと圧倒的劣勢。「力業」を駆使して一匹一匹を確実に倒すか、「早業」で手数を増やし一網打尽を狙うか……プレイヤーにも相当な頭脳戦が求められる。
私は「力業」で確実に一匹一匹倒す戦法を取ってみたのだが、行動順を埋め尽くしていた相手の行動ターンを1つ潰してアドバンテージを得る気持ち良さは従来のポケモンの戦闘システムでは味わえなかった感覚でとても新鮮だった。
そしてお楽しみの戦闘BGMも、ヒスイ地方の雰囲気に合わせて和風アレンジがかかっている! 「戦闘!ホウオウ」【※1】がポケモンの戦闘BGMの中でもぶっちぎりで好きな私にはたまらない!!
※1「戦闘!ホウオウ」
『ポケットモンスター ハートゴールド』で登場した伝説のポケモン「ホウオウ」の専用BGM。どちらかというとシンセサイザーなどの印象が強いポケモンのBGMにおいて鼓や和太鼓などの和楽器サウンドをガンガンに取り入れた和風ロックのような激しさが最高。マジで最高。