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ワンダープラネットの新作スマホゲー『アリスフィクション』を遊んでみた。バシッと決まった世界観で、「本当に仮想空間へと入っていくんだな」というワクワク感がすごい

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 『クラッシュフィーバー』などを手がけたワンダープラネットより2022年夏からサービス開始予定の新作ゲーム、『アリスフィクション』。 

 同社としては初めての世界同時配信が予定されている意欲作である。そんな本作を、クローズドβテストに参加した筆者の感想を交えて紹介していこう。

文/植田亮平


RPG×パズルアクションなバトル要素

 まずは『アリスフィクション』のゲーム部分について紹介しよう。本作の戦闘はRPGの要素とパズルアクションの要素を組み合わせたユニークなものとなっている。

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『アリスフィクション』の戦闘画面

 画面下部には色のついたパネルが複数存在しており、タップによってパネルを割ることができる。パネルを割ると対応する画面右側のキャラクターが攻撃できる。ここで重要なのはパネルの数だ。パネルは同じ色が3つとなり合った状態で割ると出現するパネルを割るとスキル攻撃となる。

 パネルをまとめればまとめるほど、より強力な攻撃に変化していく。パネルの割り方次第ではド派手な技を撃ってくれるので、見栄えはかなり良い方だと思う。この「パネルを割って同じ色のパネルを集めつつ、最終的には大きなパネルを割って強力な攻撃を撃つ」というのが、バトルの肝であるようだ。この1セットを制限時間以内に複数回行うのがバトルの基本的な動きとなる。

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上手くパネルを割ればド派手なスキルを撃ってくれる。

 パズルが苦手なゲーマーやいちいち操作するのが面倒だという人にはAUTO機能が便利だろう。これは上記のパズル操作やキャラクターの能動スキル発動などを自動で行ってくれるシステムだ。

 とりあえずこれをオンにしているだけで、プレイヤーはバトル中何も操作しなくてよい。ソーシャルゲームによくある周回の要素を手助けしてくれるだけでなく、ストーリーや育成だけを楽しみたいユーザーにはうってつけだ。また、倍速機能や演出をスキップする機能もある。このあたりのシステムはかなりかゆいところに手が届くよう作られているので好印象だ。

SFやメタバースに興味があればかなりハマれそうな世界観

 お次は世界観とストーリーについて紹介しよう。『アリスフィクション』の舞台となるのはインターネット上に存在する仮想空間[ALICE(アリス)]

 「ALICE」は非常に高度なAIプログラム「女王」によって管理されており、女王の監視のもと、多くの人々が第二の人生をALICEで生きている。そんなALICEで目覚めた主人公(プレイヤー)は、女王によって削除された自身の記憶を取り戻すために、多くの仲間とともにALICEの世界を探索していく。

 なぜ記憶は消されたのか? そして「ALICE」と「女王」の真相とは? 失われた記憶を求めて、壮大な冒険へとプレイヤーは旅立つことになる。

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仮想空間[ALICE]へようこそ。

 世界観としては『サマーウォーズ』『竜とそばかす姫』などの細田守作品に登場するメタバースに近い印象を受けた。公式サイトでのジャンルは「RPG in Wonder Metaverse」となっていることからも、ストーリーは「仮想空間空間」「現実世界とネット世界」というのが大きなテーマとなっているようだ。

 ネット空間の中で高度なAIに立ち向かうというストーリーの構図も、ザ・SFといった感じがする。いずれにせよ、SFファンやメタバースに興味のある人間ならばかなりハマれるのではないかという印象だった。

「ALICE」に生きる歴史上の偉人たち

 キャラクターと育成要素についても解説しよう。『アリスフィクション』のキャラクター達は、完全にオリジナルのキャラクターを除けば、そのほとんどが「歴史上の偉人」という設定を持っている。例えば江戸時代の有名な剣豪「宮本武蔵」や、古代ギリシャにおいて医学を発展させた「ヒポクラテス」などだ。

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可愛い。

 もちろん実際の偉人たちがこのような美少女であった訳ではない。仮想空間[ALICE]では、歴史上の偉人たちは認知の集合体となって、いわばフィクションを含めた各人間のイメージの結集として、このような姿となって表れている。彼ら(彼女ら)はあくまで歴史上の人物なので現実世界には存在せず、「ALICE」の中でしか生きられない。

 その強力な力を活かし、人間たちの手伝いをしながら生きるのがどうやら「ALICE」内での彼女たちの生き方らしい。しかし偉人たちの姿が美少女ばかりであることを考えると、この世界の人々はかなりオタクな傾向があるのではないかと思われる、だがそこにツッコむのは無粋というものだろう。

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私(筆者)の妹を自称する少女、ミナト。

 各キャラクターは、レベルアップを始め様々な要素を自由に強化可能だ。パッシブ能力や拡張スキル、覚醒の要素も存在する。このあたりは一般的なソーシャルゲームの育成要素を取り入れている印象だった。

 また、こういったゲームの覚醒要素(同じキャラクター同士を合成してより高いのレアリティ、能力値に変化させる要素)は大抵の場合、合成元のキャラクターのレアリティによって上限が決まっていることが多いが、『アリスフィクション』では全てのキャラクターが上限最大(『アリスフィクション』では星5)まで覚醒を行えるので、自分の使いたいキャラクターをある程度性能に縛られないまま使うことができる。

βテストを遊んでみた所感

 ここからは。筆者の率直な感想を述べていくことにしよう。私はソーシャルゲームについてはヘビーユーザーという訳ではないので、かなり主観的な立場で語っていく点はご了承いただきたい。

 まず好印象だったのは、サウンドやUIを含めた全体的な世界観がかなり統一されていることだ。アプリを起動してゲームを開始したその瞬間から既にメタバースへと入っていく演出がなされているので、実際にはスマホの画面を見ているだけなのに「本当に仮想空間へと入っていくんだな」というワクワク感があった。

 サイバー感あふれるBGMは特に素晴らしかった。コンポーザーが誰なのかは分からないが、作品の世界観と見事に合致したBGMだったと思う。また、Fantastic Youthの歌うテーマ曲『非・現実逃避』も良かった。ビジュアル面、サウンド面については、かなりリッチな出来になっているという感想を抱いた。

 バトル面についてはかなりユーザビリティ溢れる出来になっていると感じた。パネルを割るという直感的なパズルとド派手なスキル演出はシンプルながら爽快感があった。
 個人的に優れていると感じる点は、優秀なアシスト機能だ。AUTO機能はただ眺めているだけでいいし、倍速機能や演出スキップ機能は面倒になったバトル部分のストレスをほぼ0にしてくれる。ストーリーを鑑賞するだけであればこれらの機能をONにしているだけで何もする必要がないので、「観るゲーム」化することもできそうだった。

 実際、私はストーリーを早急に進めたいと感じたときはこれらの機能に頼ることが多かった。ゲームの進歩万歳である。私の場合、他のゲームにこういった機能があるとき、「AUTO機能が無能すぎて使えない」「いちいち倍速をONにするのが面倒」といった細かいイライラが発生することが多いのだが、本作ではそのどちらも起こらなかった。有能なAUTO機能と倍速の設定が保持されるのは、とても細かいがゲームの快適性を上げる重要なこだわりだと思う。開発側が高いユーザー視点を持っている証だ。

 逆に個人的にあまりウケなかったのは、歴史上の人物がユニットとなっている点だった。歴史上の人物を萌えキャラとして出すというのは、日本のソーシャルゲームとしては王道なのだろうが、本作を遊んだ感想としてはあまりストーリーとの一貫性を感じなかった部分でもある。しかしキャラクターのビジュアルはどれも可愛かったので、そういった点では良いデザインだと思う。

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可愛い私の妹。

 ここまでゲームの紹介と感想を書いてきたが、実をいうと私はまだ『アリスフィクション』についてそれほど良く知らない。これから発表される情報はまだまだたくさんあるし、βテストで遊ぶことができたのはストーリー第3章までで、物語の核心に至るところまでは把握しきれていない。
 そういった状況で上のような感想を持ったので、配信されてみればまた違った感想を持つのかもしれない。いずれにせよ、これからも『アリスフィクション』に注目していく必要がありそうだ。

ライター
大阪在住のゲーマー。ゲームに限らずアニメ、映画など気になったものは何でも取り込む雑食系。オープンワールドのゲームやウォーキングシミュレーターなどが大好き。最近はオンラインゲーム『League of Legends』にドハマりしているが、プレイの腕はイマイチ。

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