6月27日にコナミが主催で開催されたインディーゲーム展示会「Indie Games Connect 2022(IGC)」は日本中から注目インディーゲームが集まった。その中でも気になった作品を弊誌では紹介している。
そんな作品群でもっとも「見た目以上に面白い」のが、インディーゲームクリエイターのかじのゆ氏が制作おにぎりアクション『わわねこのしま』だろう。ミニマルな操作とデザインでありながら、奥深いゲームシステムと高難易度が特徴のゲームで、かわいらしい8×8のドット絵が目を引く、古き良き2Dアクションとなっていた。
とくにファミコン時代のアクションゲームや、パズル要素のあるアクション、何度もリプレイすることによって攻略方法を探るゲームを好むユーザーにオススメだ。今回はその内容のいったんをお伝えしよう。
本作の操作は非常にシンプルで、必要なのは移動ボタンとジャンプ、ショットのボタンのみ。試遊ではPCエンジンのコントローラーを使用した。
古典2Dアクションゲームらしくジャンプとショットを使い分けることによってステージを進んでいくのだが、「おにぎり」というアイテムがこの作品の面白さを支えている。
操作キャラクターは「おにぎり」をほおばる(口が膨らんだ状態)ことによって、みんな(敵キャラクター)と触れ合うことができるようになる。
つまり、ほおばる前は敵とぶつかるとゲームオーバーになってしまうのが、触れ合うことができるようになると、それらの敵を安全な踏み台として利用することができ、今まで進めなかったところに進めるようになりステージを攻略していくのだ。
水中でほおばったり、風船に触れると勝手に身体が浮き上がったり、トゲは常に苦手で触れるとゲームオーバーになってしまうというのも重要なシステム。覚えることはただこれだけで、けど味わい深いゲーム性となっているのだ。
一番はじめのチュートリアルステージで操作を学ぶと、いきなり大量のトゲと弾が飛んでくる高難度ステージが登場。かなり難しいステージではあるのだが、一画面にスタートとゴール、そして全てのギミックが見えるようになっており、頭の中であれこれ考えてから行動に移せるため、このゲームを理解するのに非常に役に立つ。
1ステージにかかる時間は人それぞれだと思うのだが、歯ごたえと達成感、そして理不尽に何かが急に現れて初見殺しをするということがないのでゲームオーバーになったときの納得感が強い上に、リプレイも速やかだ。
通常ステージと水中ステージの使い分けも非常に上手く、水中ステージになると動作がゆっくりとなるためジャンプ中にさまざまなアクションを要求され忙しくなる。そこにパズルゲーム要素も追加されると考えることはたくさん。
また、ジャンプの弱強の調整がなく1回ジャンプボタンを押すと決まった高さまで上昇してしまうため、「おにぎり」をほおばって頭上にある障害物を上手く交わさなければいけなくなってくる。
かじのゆ氏によるとボス戦も準備したいとのこと。「おにぎり」の獲得個数によって、ボス戦の難度が変更するシステムも導入したいというアイデアについても話してくれた。また、本作を作るきっかけとなったゲームはもっぴん氏の『Downwell』だそうだ。
操作やシステムは単純でありながら、そのシステムを存分に活用したステージギミックが多彩。可愛らしいピクセルアートは8bitだからこそ出てくる愛らしさ。
発売は来年を予定しているとのこと。かじのゆ氏が前に開発したゲーム『わたしと(わたしの)ねこのしろX』は現在、Steam、DMM GAMES (遊び放題) 、DLsiteで販売中。こちらもチェックしてみるとよいだろう。