世界で初めてヒットしたとされるゲーム『Pong(ポン)』から始まり、ゲーム業界ではこれまで様々な大ヒット作が誕生してきました。それらの大ヒット作の中には、『インベーダーゲーム』のように社会現象を巻き起こした作品や、『スーパーマリオブラザーズ』のようにその後のゲーム業界に大きな影響を与えた作品があります。
そして、ゲーム業界に大きな影響を与えた大ヒット作の1つが、1991年にアーケードで稼働を開始した『ストリートファイターⅡ』。1人用のゲームが主だった中で、CPUではなく人間が操作するキャラクターと対戦する楽しさを持ち込んだ本作は爆発的なヒットを記録。この大ヒットを受け、この勢いに続けと言わんばかりに様々なメーカーから数多くの『ストリートファイターⅡ』のようなゲームが生み出されていき、ゲーム業界に”対戦格闘ゲーム”というジャンルが新たに確立されることとなりました。
そんな対戦格闘ゲームブームの最中、ブームの火付け役である『ストリートファイターⅡ』の生みの親であるCAPCOMも、『ストリートファイターⅡ』とは大きく異なる世界観の対戦格闘ゲームを次々に販売し、いくつかの作品をヒットさせていきました。
このようにして世に送り出されたCAPCOMの対戦ゲーム10タイトルを収録した『CAPCOM FIGHTING COLLECTION』が先日発売となり、作品のファンを喜ばせています。
そこで今回は、こちらのゲームについてレビューをしていきたいと思います。
文/DuckHead
充実の収録タイトル
さて、早速本作のレビューを始めていきたい……ところなのですが、その前にまずは収録されているタイトルを簡単にご紹介。
まず最初に登場しますは、吸血鬼や狼男といった ”ダークストーカーズ” と呼ばれる闇の住人たちの戦いの物語を描いた、『ヴァンパイア』シリーズ。本作に登場するキャラクターたちは人気が高く、『餓狼伝説』や『龍虎の拳』などのタイトルで知られる格闘ゲームメーカーの大手であるSNKとコラボした『CAPCOM VS. SNK』シリーズや、『スパイダーマン』や『アイアンマン』などの作品を生み出したアメリカンコミックの大手であるMARVEL社とコラボをした『MARVEL vs CAPCOM』シリーズなど、CAPCOMのクロスオーバー作品に頻繁に登場しています。
そんな人気キャラ揃いのシリーズの中でも、特にサキュバスのモリガンの人気っぷりは凄まじく、彼女は本作の看板キャラクターとして様々な外部作品にゲスト出演しています。今回取り上げてさせていただいている『CAPCOM FIGHTING COLLECTION』のパッケージの中央に彼女が大きく描かれているところからも、その人気の高さが伺えますね。
そんな『ヴァンパイア』シリーズは、『CAPCOM FIGHTING COLLECTION』のメインともいえるシリーズで、『ヴァンパイア』『ヴァンパイアハンター』『ヴァンパイアセイヴァー』『ヴァンパイアセイヴァー2』『ヴァンパイアハンター2』の計5タイトルが収録されています。つまり、全10タイトルのうち、半分は『ヴァンパイア』シリーズということになりますね。
次のタイトルは、『ストリートファイターⅡ』からスタートした『ストリートファイターⅡ』シリーズの5作品の中から好きなバージョンを選んで対戦を行うことが可能な、シリーズの集大成と言うべき作品『ハイパーストリートファイターⅡ -アニバーサリーエディション–』。
考え方によっては、この1作で5作分が収録されているともいえるのが、このタイトルの凄いところ。『ストリートファイターⅡ』シリーズ好きには堪らない作品となっています。
その他のタイトルは、巨大戦闘メカの戦いを題材にした、個性的なパイロットと抜群のデザインセンスのロボットが登場する『サイバーボッツ』
格闘ゲームにRPGの要素を取り入れた異色作であり、今回が家庭用ゲーム初移植となる『ウォーザード』
ここまで紹介してきたタイトルに登場するキャラクターたちが、二頭身にデフォルメされた可愛らしい姿となり、パーティーゲーム寄りのポップな戦闘システムで戦いを楽しめる『ポケットファイター』。
そして最後は、『CAPCOM FIGHTING COLLECTION』の収録タイトルの中で一番の変り種である『スーパーパズルファイターⅡX』。その名が示している通り、本作は格闘ゲームではなくパズルゲーム。プレイヤーはいわゆる落ち物パズルで戦います。
画像をご覧いただければ分かるかとは思いますが、こちらのゲームにも、二頭身にデフォルメされたキャラクターたちが登場します。
ちなみに、この作品のタイトルには ”Ⅱ” という文字が登場していたので、私は勝手に前作があるものと思い込んでいたのですが、これは『ストリートファイターⅡ』のパロディタイトルを作ろうとした結果添えられたナンバリングで、Ⅰは実在していないそうです。
以上、全10タイトルが収録された『CAPCOM FIGHTING COLLECTION』。今回は、この中からいくつかピックアップしてプレイし、レビューを進めていきたいと思います。
オンラインでも、オフラインでも。充実の対戦プレイ
さて、格闘ゲームの醍醐味はなんと言っても対戦です。本作ではオフライン対戦はもちろんのこと、オンライン対戦も全タイトルで実装されています。ということで、手始めにオンライン対戦をプレイしてみましょう。
オンライン対戦は、気楽に対戦を楽しめる ”CASUAL MATCH” や勝敗によってレートが上下する ”RANK MATCH”が存在します。本作のオンライン対戦の機能で嬉しかったのは、対戦相手とのマッチングを行う際に、複数のタイトルを同時に待ち受けることが可能であること。ひとまず、以前に触れたことがある『ヴァンパイアセイヴァー』と『サイバーボッツ』の2タイトルで CASUAL MATCH を待ち受けることにしました。
待ち受けの設定を終えてから実際に対戦相手とマッチングするまでの時間は、CPU対戦やトレーニングなどのゲームプレイで楽しむか、イラストや音楽を鑑賞する ”MUSEUM” で楽しむかを選ぶことができます。やはり、格闘ゲームの基本はトレーニング。レートが上下する RANK MATCH ではもちろんのこと、気軽に楽しめる CASUAL MATCHを選んでいても、このモードをプレイしておくことは重要ですね。
せっかくなので、ミュージアムでイラストを鑑賞しつつマッチングするまでの時間を過ごしていますと、ほどなくして対戦相手が見つかり、対戦スタート。ネット対戦の海へ意気揚々と航海に乗り出します。
しかし、結果は連戦連敗。マッチングの間トレーニングモードにも行かずにイラストや設定資料を眺めてニヤニヤしてるような輩に勝利の女神が微笑んでくれるほど、格闘ゲームは甘い世界ではありませんでした。
しかしながら、このままただただ一方的に殴られ続けているだけでは、レビュー記事にも何にもなりません。基礎ができていないまま挑んでしまった無謀な航海に後悔し始めたところで、航路を変更することを決断します。
「オンラインで勝てないのなら、オフラインをやればいいじゃない!」
……ということで、友人に協力してもらい、オンライン対戦が主流の令和の時代にソフトを持って片道1時間かけて友人宅へ向かい、オフライン対戦をすることにしました。久々にゲームをするためだけに友人の家を訪ねましたが、小学生の頃はこうして毎日のように彼の家に遊びに行ってゲームを楽しんでいたことを思い出しました。実はその時に遊んでいたゲームが、今回収録されている『ヴァンパイア』なんですよ!……なんてことがあれば面白いんですけどね。
そんな与太話はさておき、2人でどのタイトルで対戦をするかを話し合った結果、2人ともプレイ経験がある『ヴァンパイア』シリーズに手をつけることになりました。
さて、先ほど軽く触れましたように、本作には『ヴァンパイア』シリーズが5タイトル収録されているのですが、各タイトルそれぞれで、登場キャラクターやゲームシステムが少しずつ異なります。
特に『ヴァンパイアセイヴァー2』と『ヴァンパイアハンター2』は、基本的なシステムは変わらずに、登場キャラクターやセリフが少しだけ違うという、ポケモンで言うところの、赤と緑、金と銀、ルビーとサファイア、ダイヤモ…………ードとシールド、スカーレットとバイオレットのような関係性のタイトルとなっています。
ですので、遊ぶ際には好みのシステムやキャラクターが登場する作品を選ぶのが良いかと思います。
話は少し脱線してしまいましたが、協議の結果、友人と対戦するゲームは『ヴァンパイアセイヴァー』に決定。
このタイトルは、どちらかの体力が0になると、お互いの体力を全回復して試合を仕切り直すという、一般的な格闘ゲームで導入されている ”ラウンド制” を廃していることが大きな特徴の1つで、その代わりに、体力が0になったプレイヤーは一瞬ダウンし、その場ですぐに仕切りなおして試合が続行される ”インパクトダメージゲージシステム” と呼ばれる独自のシステムが導入されています。私がこのシステムが大好きだということと、私の好きなキャラクターが多数登場するということが、このタイトルを選ぶ決め手になりました。
そして、ようやく対戦スタートです。本気で黙々とおこなう勝負はもちろん楽しいですが、特に意味のない雑談をしつつダラダラと気軽にやるゲームもまた楽しいものです。
しかし、久々にプレイしてみると、そのゲームスピードの速さに驚かされました。対戦開始前に、ゲームスピードを初期設定からターボ3へ変更していたとはいえ、ここまで速いとは……。
そのあまりの速さに雑談も吹き飛ばされ、気がつけば黙々と真剣にプレイをし続けていました。お互いに『ヴァンパイアセイヴァー』に触れるのは久しぶりと言うこともあり、実力は伯仲、勝負は白熱。わざわざ時間をかけて友人宅を訪れた甲斐があったというものです。
さて、『ヴァンパイア』シリーズの大きな魅力の1つが、登場するキャラクターのデザイン。公式サイトによると、初代『ヴァンパイア』が稼動を開始したのは1994年の7月。つまり、彼らはおよそ28年前に作られたということになりますが、今見ても古臭く感じないキャラクターデザインのセンスは本当に素晴らしい。
こういった点が、『ヴァンパイア』シリーズのキャラクターが外部作品へゲスト出演していることが多い理由なのではないかなと思います。
そんな中で私が特に好きなのがバレッタ。彼女は、童話の赤ずきんちゃんのようなかわいらしい見た目をしていますが、その正体は金のためなら容赦なく魔物を狩る冷酷なハンターという、あまりにも極端な二面性を持つキャラクター。
正直に言いますと、初めて彼女を見たのは『ヴァンパイア』ではなく『MARVEL VS. CAPCOM 2』でしたが、クセの強いキャラクターが好きな私の心には、彼女の設定が刺さりまくってしまいました。実は、『ヴァンパイアセイヴァー』を選んだ理由の1つが、バレッタが登場することだったりします。
本作にはバレッタ以外にも、ザベルやガロンやサスカッチやジェダやビシャモンやレイレイやリリスやオルバスやフェリシアやデミトリやQ-Beeやアナカリスやビクトルやモリガンなどといった、デザインが素晴らしいキャラクターがたくさん登場しますので、いわゆる”人外キャラクター” が好きな方には、特にオススメできる作品です。
こんな調子で、本作には私の好きなキャラクターが非常に多く登場しますから、あれも試したいこれも試したいと、使ってみたいキャラクターも必然的に多くなってきます。
こういった形で様々なキャラクターを試してみているときにありがたいのが、必殺技が1ボタンで出せるという仕様。流石にオンライン対戦の RANK MATCH ではこの機能を利用することができませんが、方向キーとボタン1つで見映えの良い技が非常に簡単に出せるため、お手軽にCASUALに対戦ゲームを楽しみたいときには有用な機能です。
これを使えば、格闘ゲームに慣れていない初心者の方にも、必殺技を出す楽しさが伝わりやすいのではないかと思います。
色々なキャラクターを手当たり次第に使う浮気者の私に対し、友人は一途にザベル一択。次第にザベルの扱い方も上手くなっていき、どんどんと勝ち星を重ねていきます。
……そして、伯仲した白熱の試合はどこへやら。気が付けばまさかの6連敗。流石にこのままではマズイと思い、以前からの持ちキャラである、ガロン・サスカッチ・バレッタに使用するキャラクターを絞って、お遊びナシのリアルガチマッチを続けていきます。全然絞れてねーじゃねーかといったようなご意見は一切受け付けておりませんのでご了承ください。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去ってしまい、気がつけば数時間遊んでいました。やはり名作ですね、『ヴァンパイアセイヴァー』は。『ヴァンパイア』シリーズの新作出てくれないかなぁ。
しかし、いくら名作とはいえども、格闘ゲームをプレイし続けるというのはかなり疲れます。特に『ヴァンパイアセイヴァー』はゲームスピードも速く、ゲームシステム上対戦中に一息つく間もほとんど無いので尚更です。
ということで、格闘ゲームのチェイサーとして格闘ゲームをプレイし、休憩を取ることに。
今回チェイサーに選んだタイトルは、『ハイパーストリートファイターⅡ -アニバーサリーエディション–』。彼とよく対戦して遊んでいたのは『ストリートファイターⅣ』ですが、システムに違いはあれど、基本的なコマンドは変わらないはずだということでプレイをしてみることに。
そして、『ヴァンパイアセイヴァー』をターボ3でプレイしていたところから、「ターボにしようぜターボに!」というノリが発生し、こちらのゲームでもターボ4に設定してからプレイを開始。このような、その場の勢いに応じて設定を変えることができるという懐の深さも、このゲームの良いところですね。
さて、こちらの『ハイストⅡ』は、キャラクターの性能をどのソフトに準拠させるかを選ぶことができるというのが面白いところ。『ストリートファイターⅡ』シリーズはほとんどは触ってきていなかったので、正直なところ、違いをよく理解していないまま適当に性能を選んではいたのですが、この辺がよく分かっている方であれば、楽しみの幅が更に広がるでしょう。
ザンギエフを選んだ私に対し、友人が選んだのはリュウ。彼とは『ストリートファイターシリーズ』で何度も対戦していますが、リュウを使うのはほぼほぼ見たことがありませんでした。珍しいこともあるもんだなぁと不思議に思っていると、ほどなくして対戦がスタート。
……速い、速いです。私の記憶に微かに残っている『ストリートファイターⅡ』とは確実に速度が違う。波動拳がとてつもないスピードでザンギエフに襲い掛かり、彼の体力を削っていきます。こちらもなんとか波動拳の波を潜り抜けリュウを投げていきますが、あえなく敗戦。
再戦してリュウを倒したあとに「もう波動拳の速さは分かったから、他のキャラにしてくれ」と泣き言を言ってはみたものの、友人は色々なキャラにカーソルを合わせて迷う素振りは見せるのですが、最終的にはリュウを選び続けます。
そんなことを何度か繰り返していますと、彼がリュウを選んだ後、孤独なSilhouetteが唐突に現れました。
格ゲーファンにはお馴染みであろうこのSilhouette。そうです。豪鬼の登場です。どうやら、彼はこのゲームで隠しコマンドを使えば豪鬼が出現するということを知っていたようで、私を驚かせようと、最初からずっとそのコマンドを試し続けていたとのこと。
せっかくなので、彼に豪鬼の出し方を聞いてみたところ、キャラクター性能を ”SUPERX” にし、リュウにカーソルを合わせて1秒待ち、サンダー・ホークにカーソルを合わせて1秒待ち、ガイルにカーソルを合わせて1秒待ち、 キャミィにカーソルを合わせて1秒待ち、リュウにカーソルを合わせて1秒待ってから、スタートボタンを押して1秒以内にパンチボタン3つを同時押しするだけでいいと教えてくれました。
……何の情報もなしに自力で出すのは無理ですねこれ。予想以上に込み入った行程に驚きました。ここまで行程が細かなものになってくると、もはや隠しコマンドというレベルを超えてしまっている感じが否めません。
実は本作では、こんな面倒なことをしなくても、簡略化されたコマンドで豪鬼を使うことができるのですが、そのことを知ったのは、友人宅を後にしてから4日経過した時のことでした。
そして、先ほどから彼がリュウを選んでいたのは、豪鬼を出すことに失敗した結果だったということもこれで発覚。仕方なしに使っていたリュウに惨敗を喫していた己の不甲斐なさを恥じましたが、奇しくもこの時選んでいたキャラは、私が『ストリートファイターⅣ』でよく使っていたベガ。気持ちも新たに豪鬼に挑みます。
結果は惨敗。そうでした。私が『ストリートファイター』シリーズから離れたのは、この友人に8時間ボッコボコにされ続けるコースを幾度となく経験していたからでした。
その後も一方的な試合展開が続き、8時間ボッコボココースが現実的になってきたところで、そのような醜態を晒す事態を避けるべく、こちらのゲームは一旦終了。別のゲームで遊んでみることにします。
一応、休憩も兼ねてのゲームプレイということで、次はポップな世界観でかなり気楽に遊べそうだった『ポケットファイター』をセレクト。
こちらにも、豪鬼が隠しキャラとして登場しています。ただ、先ほどのような特殊なコマンドは必要なく、セレクト画面の空白部にセレクターを持っていくだけで選択することができます。ケンの右隣の空白部には、ダンも隠しキャラとして控えていたりも。
さて、『ポケットファイター』では、相手を攻撃したりステージ上に出現する宝箱を壊したりすることで入手できる ”ジェム” によって、各キャラクターが持っている3種類の必殺技を強化していきます。各キャラクターの必殺技は3種類に簡素化されており、ボタン連打をしていればコンボが自動的に出るというシステムもあるため、格闘ゲーム初心者にも取っ付きやすいゲームになっていると思います。
そして、キャラクターの攻撃やステージの背景にふんだんに散りばめられたゲームネタも本作の見どころのひとつ。かなーりマニアックなネタが入っているのも面白いですね。
ただ、硬派な格闘ゲームが好きな友人の肌には合わなかったようで、数戦したところで「他のゲームにしよう」と言われてしまいました。収録タイトルが多いとどうしても好みが出てきてしまいますから、この辺は仕方の無いところでしょう。逆に言えば、これだけのタイトルがあれば、どれか1つはハマるものが見つかるはずで、それが『ポケットファイター』だという方がいても何もおかしくはないのです。
1人プレイでも楽しめる『サイバーボッツ』
色々とこちらのわがままに付き合ってくれた友人に別れを告げ、再び1時間かけて自室へ戻り、今度は1人用モードをプレイしていくことに。
まず最初に選んだのは、PS版を以前に購入していて、そちらを少しやり込んでいた『サイバーボッツ』。
このゲームの最大の特徴は、ヴァリアント・アーマーと呼ばれる巨大ロボで戦うということ。しかし、本作はヴァリアント・アーマーだけではなく、ヴァリアント・アーマーに乗り込む個性的なパイロットも非常に魅力的。パイロットによってヴァリアント・アーマーの性能に変化が生じるということはありませんが、1人用モードのストーリー内容が変化します。
今回は、選べる6キャラの中で一番好きなガウェインをパイロットに選択。私は、クセの強いキャラと渋いおっさんキャラが大好きなのです。
そして、ヴァリアント・アーマーは、以前プレイしていた頃によく使っていた機体の1つであるレプトスを選択。
いやー、『サイバーボッツ』もデザインが素晴らしいですね。『ヴァンパイア』シリーズとはまた違った方向性ではありますが、キャラデザというか、ロボのデザインが最高です。そして、その動きも非常に滑らかで素晴らしく、かっこいいロボがかっこいい攻撃を次々に出してくれるので、ただただ適当に動かしているだけでも楽しくプレイを進めることができました。
そして、ストーリーの方ではデビロット一味が登場。全宇宙征服を目論む悪の一味でありながら間の抜けたところがある彼女たちは、コメディリリーフとして、非常にシリアスな本編の中の貴重な清涼剤として活躍しています。
彼女はその設定やデザインから人気のあるキャラクターで、初期キャラクターでないにも関わらず、外部作品にも何度かゲスト出演していたりもします。PS版でプレイしているときは、ガウェインと並ぶ持ちキャラの1人でした。
さて、肝心の戦いの結果は……見事に敗北。迷わずコンテニューを選択したところ、機体選択からやり直すことができたので、こちらも機体をスーパー8にすることに。彼女たちを久しぶりに見て思い出したのですが、PS版で一番よく使っていたのはレプトスではなく、スーパー8だったんですよね。
確か、スーパー8はコマンドを使うことで使用可能になったはず……ということで調べてみると、出てきました出てきました、コマンドが。そのやり方は、機体を選択した後に下キーを2回押すだけ。先ほどの豪鬼とは打ってかわって簡単なコマンドですが、これは、オプションのゲーム設定でコマンドが簡単なものに設定しているため。簡略化される前のコマンドは、そこそこ複雑な上に短時間で入力する必要があるので、成功させるのが結構難しいものとなっています。
ちなみに、この隠しコマンドは、オプションで複雑な方に切り替えることも可能です。PS版をプレイしていた当時を懐かしむためのフレーバーとして、複雑な方にしておくのもいいかなと少し思いましたが、豪鬼を出すのに失敗してリュウを使い続けていた友人の顔を思い出したので、この案は取り下げることにしました。ストーリー序盤でコンテニューをしている体たらくですから、今後ストーリーを進めていく上でこのコマンドを入力する機会には何度も恵まれそうでしたしね。
さて、その名前と見た目からも分かりますが、新たに選択した機体であるスーパー8はタコをモチーフとしています。そして、戦いが始まってすぐに分かるこの機体の特徴が、脚がヌルヌルと動くこと。
その動きは非常に滑らかで、本作の技術力や表現力の高さを感じることができるのですが、あまりにもヌルヌルすぎて「気持ち悪いって感じる人もいるんじゃないかな」と思わず考えてしまうようなレベルにまで達しています。ちなみに私はこのヌルヌル、大好きです。
そんなスーパー8同士の戦いはなかなかのカオスっぷり。お互いの脚が目まぐるしく動き絡み合う手に負えない激闘が繰り広げられ、思わず閉口してしまいます。
そして、見事同キャラ戦に勝利したガウェインは、デビロット一味と別れ、シリアスストーリー街道を更に突き進みます。
少しずつ以前の感覚を取り戻してきてはいると思うのですが、何故か戦いは常に死闘に。こんなギリギリのヒリヒリする戦いは、ラスボスの時だけで十分です。心臓に悪いので、道中は余裕を持って勝ちたいんですよ。切実に。
……そんな願いも虚しく、死闘とコンテニューは繰り返されました。そもそも前にやり込んでた頃からプレイスキルは高くなかった説が浮上してくる中、着実に一歩ずつストーリーを進めていきます。
そして、ゲージを使った必殺技も安定して効果的に出せるようになった頃……。
本作のラスボス、ワーロックの登場です。やっぱりデザインがかっこいい。素晴らしい。もう堪らんですねー。思わず頬が緩んでしまいましたが、ワーロックの強さは折り紙付き。気を引き締めて戦いに臨みます。
分身して2体同時に攻撃を仕掛けてくるなど、ワーロックの攻撃はかなり苛烈。初戦はあっという間にやられてしまい、即コンティニュー画面へ。そこから何度も何度もワーロックに挑みましたが、結果は惨敗。1ラウンドだけなら勝てることもあるのですが、3ラウンドの間に2ラウンドを取るというのが中々難しい。
次こそは次こそはとコンティニューを繰り返していると、とうとうワーロックに触れることすらできず、パーフェクトゲームを許すことになってしまいました。
どうやら、度重なる戦闘で疲れがたまり、元々無い集中力も底をつきかけているようです。根本的に戦い方が分かっていないのに、意地になってただただコンテニューをしているだけになってきているのも良い状況とは言えません。もういい加減に諦めてゲーム設定を1ラウンドにするか、難易度を下げてやり直そうかななどと考え始めていた頃……
ようやくワーロックを撃破!数え切れない数の屍を築き上げることにはなってしまいましたが、これにて『サイバーボッツ』ガウェイン編、完結です!
……まだストーリーは終わっていませんでした。まさか、どう見てもボスキャラだったワーロックを倒した後にまだ戦いが控えているとは。ガウェイン編は以前にプレイしているはずなのですが、この展開は完全に忘れていました。先ほどワーロックをラスボスと紹介したことはお忘れ下さい。
先ほどのワーロック戦で完全に体力を消耗してしまっていたので、ここで一時休息を取ることに。この『CAPCOM FIGHTING COLLECTION』では、好きなタイミングでゲームをセーブすることが可能となっていて、一度ゲームを終了したとしても、ロードをすれば中断したところから再開することができます。
格闘ゲームには中断セーブの機能が存在しない作品も多いため、この仕様はありがたかったです。ただし、作ることができるセーブデータは1つだけという点には注意をする必要があります。例えば、『サイバーボッツ』でセーブデータを作成した後、『ヴァンパイアセイヴァー』でゲームをセーブすると、『サイバーボッツ』のセーブデータは消えてしまいます。
中断セーブを作成し、たっぷりと休息をとったところで、恐らくラスボスであろう可能性が濃厚であると思われる、ジン・サオトメとの戦いへ赴きます。お願い、ラスボスであって。
どうやら、私は本当に死闘がお好きなようで。『サイバーボッツ』に限った話ではありませんが、もう少しだけ余裕を持って勝ちたいですね。こういう戦い方は、心と体に負担がかかってしまってよくないです。
そして、次の第2ラウンドも無事に勝利。休憩を挟んだおかげか、トンデモ性能で襲いかかってくるワーロックを乗り越えたおかげか、先ほどよりは苦戦せずに済みました。
そして、今度こそガウェイン編のエンディングへ。やはり『サイバーボッツ』は楽しいですね。私の中では紛れも無い名作です。
ガウェインのストーリーを終えてみて思ったのが、最初のパイロット選択画面には登場していなかった、シェイド、千代丸、デビロットのストーリーを久しぶりにプレイしたいということ。確か、隠しコマンド入力するか条件を満たすかすれば、彼らのストーリーモードが出現したはずです。
ということで、出現方法について調べてみますと、彼らが出てくるのは家庭版のみのご様子。しかも、特に隠しコマンドといったようなものは必要なく、普通に初期キャラクターとして使うことができました。人間の記憶とはいい加減なものです。
それはともかく、『CAPCOM FIGHTING COLLECTION』に収録されている『サイバーボッツ』は、アーケード版の移植タイトルなので、彼女たちが登場しない可能性は濃厚です。
なかなか独特なルールの落ちものパズル『スーパーパズルファイターⅡX』
本作の『サイバーボッツ』に彼らのストーリーが登場しないのは残念ではありましたが、この情報収集の際、デビロット一味に関してとある情報を入手することができました。その情報の真偽を確かめるべく、次は『スーパーパズルファイターⅡX』をプレイ。
情報通り、隠しキャラにデビロット一味がいました。『サイバーボッツ』の時の小桜エツコさんと担当声優さんが違っていたのは少し残念でしたが、せっかくの機会なので、どんなゲームなのか確認する意味も込めて、お試しでサクッとプレイしてみることに。
そんなこんなで、全くルールを把握していないまま、アーケードモードスタート。
落ちものパズルゲームのルールは大体パターンが決まっているので、このゲームも今までにプレイしてきた数多の落ちものパズルの中のどれかのパターンには入ってくるはず。動かしていればなんとなくルールがつかめてくるだろう……などと楽観的に考えていたのですが、意外や意外、想定よりも遥かにルールが独特で、最初の数戦はなんとなく勝ち進めることが出来ましたが、ある所から全く勝てなくなってしまいました。
そこで、中断セーブデータを作成し、ゲームルールを確認することにします。結局そうなるんだったら、最初から説明読めって話なんですが、『CAPCOM FIGHTING COLLECTION』のタイトル画面からゲームプレイ開始までの間で、操作説明が書かれている場所を見つけることができなかったんですよね。
「アーケード筐体に貼られている説明書きみたいなやつがあればいいんだけどなー。」などと思いながらゲームのルール説明を求めて彷徨っていますと、各タイトルのイラストやコンセプトアートを鑑賞することができる”MUSEUM”の”GALLERY”モードの中に、”アーケード筐体に貼られている説明書きみたいなやつ” が存在することが発覚。
『スーパーパズルファイターⅡX』の基本ルールと、その説明書きの名前が ”インストラクションカード” であるという新たな知識を得たところで、ルールと自信を身に纏い、ゲーム本編へ颯爽と舞い戻ります。
ちなみにですが、ゲームを起動させてからスタートボタンを押さずに放置しておけば、ゲームの操作方法の説明映像が流れてきます。ですので、わざわざミュージアムのインストラクションカードを確認する必要はありませんでした。実際にプレイをされる場合は、ボタンを押さずに放置する方法でルールを確認するのがオススメです。
本作の基本的な動きは、”ノーマルジェム”と呼ばれるジェムを同じ色同士でくっつけて、なるべく大きな四角形を作り、それをノーマルジェムを消すためのジェムである ”クラッシュジェム” を使って消すこと。
ただ同じ色をつなげていくだけではジェムを消すことができず、ジェムを消すためのジェムが存在するというシステムや、連鎖をするよりも巨大なジェムを消した方が攻撃力が高いという仕様は、他の落ちものパズルではあまり見かけないような気がしますね。
基本を押さえたことで、先ほど苦戦していた相手に超余裕で勝つことができました。自身の成長を実感しつつ更にゲームを進めていくと、
……結局詰まってしまいました。ルールを理解したところで、肝心のスキルが全く伴っていませんから、これもまた当然の結果と言えるでしょう。
不思議なもので、CPU相手の格闘ゲームですと、いくら強い敵が相手であっても、「次は勝てる気がする」という根拠のない自信から何度でもコンティニューをすることができるのですが、それが落ちものパズルになってくると、自信が全く湧いてこなくて、コンティニューにためらいが生まれます。おそらく、一朝一夕ではどうすることもできない差を感じてしまっているからなんだとは思いますが。何度か敗戦を繰り返したところで、このゲームで勝ち進むためにはもう少し修練が必要だと判断。プレイを切り上げ、次のゲームへ移ることにします。
実を言うと、ここまで大切に取っておいていた、今回のメインディッシュとも言うべきタイトルがあるのです。
稼動開始から四半世紀の時を経てついに移植された『ウォーザード』
そのタイトルがこちら、『ウォーザード』です。
『ウォーザード』は、格闘ゲームの中に、”レベルアップ”というRPG的な成長要素を組み込んでいる異色のゲーム。これまでにプレイしてきていた『CAPCOM FIGHTING COLLECTION』の格闘ゲームたちが対人戦をメインとしているのに対し、『ウォーザード』は、CPUとの対戦がメイン。言うなれば、ひたすらボス戦を繰り返してストーリーを進めていくゲームとなっているのですが、これも本作の大きな特徴の1つです。
当時のアーケードゲームでは珍しい、レベルアップによる成長要素を取り入れている『ウォーザード』には、”パスワードシステム” が存在しており、コンテニュー画面などで表示されるパスワードを何らかの方法で記録し、それをキャラクター選択時に入力することで、能力が上がった状態からゲームを再開したり、成長させたキャラクターで対人戦をしたりすることが可能となっています。
今であれば、画面をスマホで撮影するといったような方法で簡単にパスワードを記録することができますが、本作の稼動が開始された1996年にそういったものはなく、10ケタのパスワードを記録するのは中々手間のかかる作業だったのだそうです。もしもパスワードの記録間違いがあれば1から育て直しということになりますし、かなり緊張感のある作業だったことが容易に想像できます。
魅力的なポイントは非常に多いながらも、人を選ぶゲーム性やシステムといった様々な要因から、大きな人気を獲得することはできず、お世辞にもヒットしたとは言えない本作。ユーザーからの反響を受けて家庭用が発売されたという『サイバーボッツ』とは異なり、当時の家庭用ゲーム機に『ウォーザード』が移植されることはありませんでした。
しかし、他の格闘ゲームにはない独特な世界観や緻密に作り上げられたドットによるキャラクターアニメーションは、数多く存在する格闘ゲームの中でも唯一無二のものであり、本作にはコアなファンが存在しています。
そういったコアな人気があってか、『ウォーザード』はアーケードのみのマイナー作品でありながら、登場するキャラクターが外部作品にゲスト出演していることも多い作品となっています。もしかすると、CAPCOMからの熱い支持があるのかもしれませんね。
そんな『ウォーザード』、稼動開始から四半世紀の時を経て、遂に『CAPCOM FIGHTING COLLECTION』で、家庭用ゲーム機初移植となりました。本作の主人公の1人であり看板キャラクターでもあるレオが、パッケージのド真ん中にモリガンと共に大きく描かれていることからも、この『ウォーザード』が『ヴァンパイア』シリーズに並ぶ目玉タイトルであることが窺えます。
実際、『ウォーザード』が収録されているということが、私が今回このソフトを購入する決意を固める大きな決め手となりました。
それでは、『ウォーザード』の説明もある程度終わりましたので、プレイを始めていきましょう。
『ウォーザード』やそこに登場する魅力的なキャラクターたちの存在は十数年前から知ってはいたのですが、アーケード筐体を見たことはなく、実際にプレイをするのは今回が初めて。期待に胸を膨らませつつ、ゲームスタートです。
本作で選べる主人公キャラクターは、レオ、タバサ、タオ、ムクロの4人。キャラクターのデザインで言うと、ムクロが直球ド真ん中なのですが、人生初の『ウォーザード』ということで、ここは看板キャラクターであるレオを選択。
オープニングムービーによると、レオは元々人間で、国を統治する王様だったのですが、侵攻してきた敵の呪いによって獣の姿に変えられてしまい、自分の国を追放されてしまったとのこと。そして、力をつけて自分の国へ戻るところから物語が始まります。
呪いで野獣の姿に変えられた元人間が、奪われた祖国を取り戻すためにライオンの姿で帰ってくる……ディズニーアニメの『美女と野獣』と『ライオン・キング』を足して2で割ったような設定です。
『ウォーザード』の稼動開始時期は、これらの映画の公開後なので、設定をオマージュしている可能性も考えられなくはありません。まぁ、動物に姿を変えられてしまうという設定はよくあるものですし、人間の王様を百獣の王であるライオンに変えるというのもごくごく自然なので、考えすぎだと言われてしまえばそれまでなのですが。
さて、本作では対戦の内容によって経験値を入手することができ、それによってキャラクターがレベルアップ。特定の属性の攻撃への耐性がついたり、武器や防具がもらえたりします。
今回のプレイでは、そこまでレベルを上げることはできませんでしたが、レベルアップによって新たに技を覚えたりもするようですね。ゲーム開始前にオプション設定をすれば、全技を習得済みであるレベル32からスタートさせるなんていうこともできます。
そして、『ウォーザード』特有のシステムが、体力が引き継ぎ制であるということ。通常の格闘ゲームでは、次のステージに進むと体力ゲージが全て回復した状態で戦闘が開始されますが、『ウォーザード』では、体力ゲージが前のステージ終了時点の状態のまま、次のステージが始まります。
一度減ってしまった体力は、宝箱を壊すと時折出てくる食べ物を食べると回復することができますが、その回復量は微々たるものなので、戦闘終了時に行われる体力回復が頼みの綱になってきます。この戦闘終了後の体力回復の量は、その戦闘でのタイムやコンボ数などによって変動するので、体力を多く回復させたい場合は美しく素早く戦うことが求められます。
さて、ここまでぐだぐだと喋ってきましたが、体力が全回復する通常の格闘ゲームでもコンティニューを避けられないプレイヤーに、体力が引き継がれる本作をノーコンティニューで突破できるはずがありません。気がつけばアッサリ倒されてしまい、今回初のコンティニュー画面へ。
すぐさまコンティニューを選択し、再戦。ラウンドコール時に何気なく画面を見ていると、なんと、まだ対戦は始まっていないのにも関わらず、対戦相手の体力が既に少し減っています。どうやら、体力が引継ぎ制なのはこちらだけではなかったようです。
CPUの体力も引継ぎ制というのはあまり聞いたことがありませんでしたが、私のようなエンジョイ勢にとって、この仕様は願ったり叶ったり。少しずつではあったとしても、確実に敵の体力を削っていくことができるので、諦めずにコンティニューし続けていれば、いつかは勝てますからね。
ストーリーを進めていくと、クラーケンのヌールが登場。先ほどの『サイバーボッツ』のタコに続いて今度はイカの登場となりました。こちらのイカも、あちらのタコのようにヌルヌルと滑らかに動きます。
これは完全に余談ですが、『ヴァンパイア』シリーズのデミトリが使う、相手を女体化させて吸血するミッドナイトブリスという技で彼を女体化させた姿が、一部界隈でカルト的な人気があったりもします。気になる方は是非検索してみてください。
CPUの体力がコンティニュー後も引き継がれるシステムのおかげか、先ほどの『サイバーボッツ』と比べると、非常にスムーズにストーリーが進んでいきます。必殺技のコマンドも簡単なものが多く、正直、『ウォーザード』がここまで初心者でも気軽に楽しめる作品だというのは予想外でした。
こうしてストーリーを進めていく中で感じるのが、ドットによるアニメーションが非常に美しいということ。キャラデザの良さもさることながら、気合が入りまくったドットアニメーションには、一見の価値があります。おそらく、当時でも現在でもトップクラスのドットアニメーションなのではないでしょうか。
そして、私が特に好きなアニメーションのキャラクターが、上の画像で剣を振り回している ”ギギ” 。ギギは石で造られた門番ロボットで、4本の腕を駆使してこちらを攻撃してきます。その4本の腕の動きの滑らかさはもちろんのこと、動きの端々で見られるロボットっぽさが最高なんですよね。画像だけではギギの良さが全く伝わらないのが悔しいところです。
そんなギギを倒すと、レオの因縁の相手、ブレイドが登場。こちらの方が先ではありますが、同じくCAPCOMのゲームである『戦国BASARA』シリーズに登場する本田忠勝っぽい見た目と武器をしています。
ブレイドの武器のリーチは非常に長く、最早リーチの暴力ともいえるその攻撃に苦戦を強いられます。通常攻撃の対処だけでも大変なのに、それに加えて鎧をバラバラにして飛び道具として発射するというトリッキーな攻撃も仕掛けてくるのですからたまりません。流石に一発撃破とはいかず、コンティニュー画面の門を叩くことになりました。
数回のコンティニューの後、ようやくブレイドを撃破。レオの因縁の相手ではありましたが、彼はラスボスではありません。次がラスボス、最終決戦です。
出ました。これが本作のラスボス、邪悪な魔導師 “ヴァルドール” です。彼の頭上にいる2匹のドラゴンを使って繰り出される攻撃は激しく、レオの体力はどんどんと削られていきます。
ヴァルドールが繰り出してくる攻撃の中で面白かったのが、レオを子ライオンの獣人に変えて弱体化させてしまうという技。このようなコミカルな一面もある彼ですが、その強さは本物です。
ノーコンティニューで倒し切ることはできませんでしたが、繰り返し挑戦を続け、相手の攻撃技への対処法を掴みながら少しずつダメージを与えていき、ついに待ちに待ったこの時が訪れます。
ヴァルドール撃破!王者の咆哮が全画面にこだましたところで、『ウォーザード』レオ編、クリアです。
後で調べてみたところ、『ウォーザード』はコンテニュー数や道中の選択によって、エンディングが分岐するとのこと。今回見ることができたエンディングがどのくらいのランクのものだったのかは分かりませんが、レオの場合、とある条件を満たしつつノーコンティニューでクリアすることで、エンディングの演出が変わるんだとか。
私のプレイスキルでこの条件を満たすためには、パスワードを使ってゲームを周回し、更にレオを育てていく必要がありそうです。新たな目標が生まれたところで、『ウォーザード』のプレイはこれにてひとまず終了。
さて、ここまで様々な形で長々と『CAPCOM FIGHTING COLLECTION』をプレイしてきましたが、本作の魅力は、個人個人のプレイスタイル・スキル・趣味嗜好に合わせて、好きなタイトルで好きなモードを楽しむことができるというところにあると思います。
まぁ、一部のタイトルはオンライン対戦で中々マッチングせず、遊びの幅が狭まっていたりもするのですが、それはご愛嬌。マイナーであるというのも、そのタイトルが持つ個性の1つなのです。……苦しいことを言っているということは自覚しています。
スピード感あふれる対戦から、重厚なボスラッシュ、果ては落ちものパズルまで。”対戦ゲーム” という括りで集結したゲームたちは、幅広いプレイヤーを受け止めてくれる懐の深さがあります。そんな『CAPCOM FIGHTING COLLECTION』、是非手に取ってプレイしてみてはいかがでしょうか。