終末もの(しゅうまつもの)あるいは破滅もの(はめつもの)とは、フィクションのサブジャンルの一つ。
大規模な戦争、大規模な自然災害、爆発的に流行する疫病などの巨大な災害、あるいは超自然的な事象によって、文明や人類が死に絶える様を描くもの(Apocalyptic fiction)、あるいは文明が死に絶えた後の世界を描くもの(ポスト・アポカリプス、Post-apocalyptic fiction)である。(Wikipedia「終末もの」より)
この世には「ポストアポカリプスが大好き!」という不謹慎な人類がいる。
『マッドマックス』シリーズや『Fallout』シリーズを愛し、崩壊した世界に恋い焦がれ、暴力で世界を支配するヒャッハーな連中は見下し、「いや俺だったら交渉スキルを鍛えてうまくやっていく生き方を選ぶね」とできもしないことを考え、究極的にはプレッパーのごとく資源を溜め込んでみたりしたいと考えはじめ、よしんば世界が崩壊しなくても『トレマーズ』みたいに大立ち回りしてやるぜなどと愚かなことを考えている……。
おお、ポストアポカリプス好きの人類たちよ。それは「学校を占拠したテロリストを制圧する手順を考える中学生」レベルの夢だというのに、なぜそんなに焦がれてしまうのか……。わかるよ、学生生活はもう終わっちゃったけど終末世界はこれから来る可能性があるもんな! 私、マシーナリーとも子もポストアポカリプス、だ~~いすきです。
今日はそんな中学生のころからBボタンを押すまでもなく進化できてない陰キャのみんなに超おすすめのゲームを紹介します。その名も……。
『サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-』! 7月28日にセガからPS4とNintendo Switchで発売されたサバイバルシミュレーションゲームだ! 開発したのは『Cities: Skylines』や以前にレビュー記事を書いた『エンパイア・オブ・シン』でおなじみのParadox Interactive! つまりポストアポカリプスで中毒性のあるシミュレーションが楽しめる……ってコト!?
今回はこいつを1週間くらい遊びつつ、紹介していこうと思うぜ。なぜかいつもシミュレーションゲームの記事依頼が来るんだけど、その割に永遠にシミュレーションゲーム苦手なんだよな。大丈夫かな。ダメかもしれない。でも世界がいつ滅亡するかわからないしそうなったら崩壊後の世界は苦手だぜなんて甘えたこと言ってられないし自分なりに頑張っていくしかないんだと思います。生きろ。
※この記事は『サバイビング・ジ・アフターマス-滅亡惑星-』の魅力をもっと知ってもらいたいセガさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
※発売前の開発ロムにてプレイ、撮影を行っております。そのため、実際の商品とUI、テキスト等が一部異なる場合がございます。
セットアップはボードゲームっぽい
というわけでまずはなにもわからない状態ではじめてみっか。
まず「どのような終末を迎えているか」を選択・設定することができる。これによってスタート時の資源や災害イベントの発生率、テックツリーの属性などが決まっていき、ゲームの内容・難易度が変わるみたい。私はとりあえず難易度5割くらいで工業製品が作っていけそうなテックツリーを選択してみたよ。科学は正義だからな。
さらに「スペシャリスト」をふたり選択する。スペシャリストって何……? なにやら固有の能力を持った特別な人類のようなんだけどよくわからないので「戦士」と「科学者」からひとりずつチョイス。文武両道。
最後にコロニーの名前と旗、信条を入力。ここは完全にフレーバーだね。好きな文章を入れよう! なんかこのあたりのセットアップはアナログボードゲームっぽさがあるな~、とワクワクしたよ。というわけでゲームスタートじゃい!
終末生活の幕開け
ゴミ捨て場みたいな汚ぇ場所から私達のサバイビングは始まる……。きっとここも放射能から逃れ、野蛮な荒くれ者から逃れてようやく辿り着いた穏やかな場所なのだろう。いまは散らかった荒野だが、きっとここを地上の楽園にするぜ! わかったな!
なにをすればよくわからないが、左上に出るチュートリアルにうっすら従ってゲームを進めていくことにする。まずはなんかキャンプ場を作って……? これがコロニーの拠点になるらしく、簡易的な倉庫としても機能するっぽい。ここをキャンプ地とする。
なんとなく拠点が整備できたなと思ったら信号弾を発射! これで各地から生き残った住民……入植者が来てくれるはずだ。入植者はそのまま労働力となるため、ガシガシ来て欲しいぜ。
というわけで入植者が寝る家を作る……ために必要な木材やプラスチックをそのへんの残骸から集め、また食料として木に生えたベリーを集めていく。『エイジ・オブ・エンパイア』でもゲームが始まったばかりのころはベリー食ってたな。文明がない状態の人間ってそうなの?
建築物を作るための木材やプラスチックは、建物の残骸がそのへんに落ちているので入植者を使ってそれらを集め、作っていく。
よしお前ら! 次は飲み水を得るために井戸を作るぞ! 材料を集めてこい! と入植者をこき使ってたら……。
いきなり水不足で死んでしまった。は? 弱すぎる。まだ生活は始まったばかりじゃないか。ゲーム内時間2日目だぞ……。
最初っから瀕死の状態で入植してきたんじゃあねえのかッ!? サバイビングの世界ではお前らのような弱者は生きてはいけない。どちらにしろ死んでしまうのがお前らの運命だったのだ……。
さっそく12人からスタートしたコロニー生活が住民一桁にまで後退してしまったが、まあ終末世界ではよくあることです。死んだ人数ぶん増やせばよかろうなのだ!
とか思ってたら熱波が襲来してきやがったよ! 水がないって言ってんじゃん!
このように本作では時たま「大災害」がランダムで襲い掛かってくる。これらは数日居座り、コロニーに多大なデバフをかけてくる。襲いかかる大災害にどう対処するか、またあらかじめどういった対策を練っておくかもこのゲームのキモとなっている。
今回はどうしようもないのでただただ熱波が過ぎ去るまで耐えました。なーに、死者はひとりで住みました。井戸が掘れてなかったときのほうがよっぽど死にましたよ。
そういえばコロニーには「ゲート」があったのだが完全に放置していたので直す。これなんなんだろうな……と思ったら。
オワーッ! ワールドマップが解放された! そういうことだったのか!? そしてゲーム開始時に選択した「スペシャリスト」がここで活躍することが判明。
スペシャリストたちはワールドマップに派遣することにより、各地を回って資源を集めたり、荒くれ者とバトルしたりして見聞を広げることができるのだ! めっちゃ重要じゃん。
さらに建築物や食事、インフラのパワーアップに必要なテックツリーを伸ばすために用いる「サイエンスポイント」は基本的にワールドマップで研究所を調査することでしか手に入らない!
つまり豊かな生活を得るためには外の世界に出ていくしかないのだ……とここまで3時間くらい遊んでみてようやくこのゲームのリズムというかざっくりしたタスク消化スタイルが見えてきたな。
ワールドマップにスペシャリストを派遣してSPを得る→SPでスキルを伸ばす→コロニーを発展させる→ワールドマップにスペシャリストを派遣してSPを得る……
こんな感じで豊かさを循環させつつ各種の問題や災害に対処し、ガシガシ人を増やしていけってことだな! よしよし大体わかった。やることはわかった。増やしてやるぜ入植者を。目指せ100人だ!
軍隊では戦力の3割が損耗すると全滅って言うらしいです
その後も街に広がる放射能汚染や……。
荒くれ者の襲撃に悩みながらも……。
ついにベリーや狩猟で得た動物の肉に頼らず、農業で食糧を得ることに成功したり。
料理のノウハウを研究することで調理場を開発。肉や野菜を加工することで栄養満点の食事を取ることができるようになったりとコロニーは順調に発展!
ときには食糧が空っぽになり、「もうダメだー!」と思ってたところに超タイミング良くスペシャリストが50本以上のチョコバーを持って帰ってきてなんとか飢えをしのげるなどドラマティックな展開もいろいろ発生。
すると我がコロニーの評判を聞きつけた入植者もどんどんやってくる! そうだ、みんなあつまれ。集まってみんなの力を合わせればデッケェ力になるんだぜ。そしてまた華やかな時代を取り戻そうじゃないか……。
そんなこんなで住民の数も40人に突入! 超順調じゃん。こんなんなら100人なんてすぐなんじゃないか? なんか怪我が多かったり放射能汚染されてるやつが溜まってたりするけどそういう技術はおいおい開発すればいいこと。まずは人だ。人が国を作るんだぜ。
と、思ってたら大災害「冬嵐」がやってきた。これがこのコロニー生活最大の恐怖のはじまりだった……。
まず寒さに耐えるための「燃焼炉」を全然作れてなかったので凍死者が続出!
そして「最近住民も増えてきたし食料が足りないからガンガン畑を耕して野菜を食べよう」と大量に作物を仕込んでいた畑が全部凍りついて収穫物ゼロ! アァーッ!? メシどうすんの。
こっ、このままでは餓死する!!!
数日間耐えてなんとか冬は開けたけど食料庫は空っぽ。40人いた住民は飢えと寒さで29人まで減った……。ま、まあ10人ちょいで済んでラッキーだったというところかな?
住民はとにかく腹を空かせているがとりあえず生きてる。お前たち、お腹を満たすためには働くしかないんだよ。お前たちが自分の手で食糧を手に入れなきゃどうしようもないんだよ。働きなさい。
がっ……やばい。空腹で人々は動けなくなって人手がまったく足りない。そして次々に現れる餓死者。なんとか冬を超すことができたと思っていた我がコロニーはすでに壊滅状態であった。終わりだよ~~~。
死体を収納するための「埋葬所」の働き手がいなくなるほどコロニーは疲弊! 放置された死体は当然腐る! すると緑色に発光して汚染を撒き散らす! その付近を通過した(通過すな)住民たちは汚染されて体調を崩す! 病院も人手が足りないので治療もできない! だからやがて死ぬ! やべっ 死の螺旋……デス・スパイラルじゃん。
やばいやばいやばいやばい、40人いたはずの住民が9人になっちゃったぞ。
じゃがいも畑で死んでるやつまでいるっ! こんな死体でも枯れた大地にはいい肥料になるに違いないがコロニーは壊滅寸前だ。
ここまで来ると流石の私も諦観に囚われて「まあ初回プレイだから仕方ないよな」「むしろゲームオーバー画面が見たくなってきたな」みたいな気持ちになってきた。もうダメだ。
だが懲りずに入植者はやってくる……。よくこんな死体だらけのコロニーに来るな!? もしかしてほかの人間を見るのは初めてだったりする? ちょうどいい。働き手がいなくなってたんだ。そこらへんに転がってる死体を片付けてくれよ頼むよ。
とりあえずの入植者を得て住民数は16まで回復。死体が片付けられたら急にみんなが幸福になってきたな。そりゃそうか。
と思ったところでまた冬ッ! こないだ来たばっかじゃん!? なに? 核の冬が来てるのか? アクシズが落ちたのか?
だがな! 私は同じ間違いは繰り返さんぜ。前回の冬は畑がすっかり凍りついてしまって食糧がなくなってしまったが、今回は災害予報をゲットした段階で栽培中のすべての作物を刈り取るッ! 備蓄に回すぜ!
これによって消費17に対して200超えの圧倒的食料備蓄を実現! 飢えの時代は終わった! トウモロコシはガシガシ収穫できるのでとりあえず腹を満たすのにはだいぶ有効な気がします。農業が解禁したらまずはトウモロコシで備蓄を貯めていくのは有効な手かもしれないね。
そして文明を手にする
ところで冬激耐えに並行して、ついに我がコロニーに電気革命が起こった。木を拾ったりのこぎりで削ったりさせてちょっぴりずつ木材を得るのに飽き飽きしていたので、電気でガシガシ加工する製材所にアップグレード。
暖房を使ったり料理をしたり、そもそも住民が増えたりと、木材の需要が増える一方。生産がぜんぜん追いつかないのでコレでパワーアップだ。電気を得るにはソーラーパネルと変圧器を作る必要があるので忘れないよう注意されたし。
さらにワールドマップではスペシャリストがほかのコミュニティを発見! なんてこった生き残ってたのは私達だけじゃあなかったんだ!
木材やサイエンスポイントをしこたま溜め込んでやがったぜー! こちら側は取引する材料があまりないため、何に使うかわからないまま備蓄していたガソリンと交換……。ウオオガソリンと物品を交換するなんて『北斗の拳』の序盤みたいじゃん!!
なんやかんやで食糧は余るほどになってきたし、家屋も強化されて暖房も充実、人数も30人前後で安定してきて金属がいつまで経っても足りない以外は困ることがなくなってきたぞ。
というわけで永遠に足りない「金属」を捻出するためについに「金属抽出機」を開発開始! これで地下に埋まった金属をガリガリ掘り出すことができるのだ。なにそれすごくない……?
食糧、めちゃめちゃ充実してきたな。売るほどあるわ。住民もまた増えてきて40人に戻ったし、こうなってくるといよいよ……やっていきたくなるな。文明を。文明をやっていくためにもっとも必要なもの。それは教育……。
作るか! 学校をよ!
とりあえず文明っぽいことをしてみたいと作ってみたけどこれで子供たちを教育することで、より作業効率が上がってコロニー全体の利益になるらしい。すげー。社会じゃん。
開発に時間がかかった金属抽出機も稼働開始! やったー! これで金属の自給自足ができるぞ! 喫茶ルノアールの未来は明るいぜ!
さらに男たちが殴り合うための「格闘場」も竣工! これまでは生きるためにすべてを費やさなければならなかった我がコロニーにもついに「娯楽」が実装された……! しかし最初の娯楽が格闘場なんて本当にプリミティブですごいな。古代ローマみたいだ。
どんどん住民が幸せになってきているぞー! 楽しんでいる!!! 相変わらず死んでるやつもいますが、これはみんな老衰です。老衰で死ぬのは終末だろうがなんだろうが幸せなのでいいこと。
そしてついに……人口50人を達成。大きくなったな。
野菜と狩猟肉ばっかりというのもなんなので家畜も育て始めてみる。ついに肉も狩るのではなく生産の時代へ。
そしてまたまた懲りずに冬がやってきたが……。
暖房の充実と家屋のパワーアップにより寒さに文句を言うやつは皆無! 勝った。我がコロニーはこの大地に勝ったぞ。そして見てくれ。
子どもがっ! ついに我がコロニーに子どもが産まれたァーッ! なぜかちょうど荒くれ者に攻め入られてるタイミングでだけど! でも外で銃声が聞こえる中、村ではじめての子どもが産まれるってのはドラマがありますね。
これでついに野菜・金属・食肉に続いて人間まで生産が可能になった。なんでも作れるんじゃん。本当にうれしいよ。
その後も環境ステーションの開発で長い間悩まされ続けた汚染物が取り除けるようになったり……。
ビニールハウスを開発してやたらたくさん捕れるうえに汚染にも強く腹にもたまるピーナッツを量産体制に入らせたりと……。
あまりの幸せさに出生率が上がりすぎて子どもが産まれすぎているッッ! 8人も産まれてるよベビーブームじゃん!
人口も70人を超え、いろいろなものがうまく回ってきてすげー楽しくなってきたぜ! ウオーッ!
と、ひとまずこんなところでかなり生活が安定してきてしまって記事的な撮れ高もなくなってきたし、そろそろ原稿を書き始めないとヤバいのでよね、という感じなのでタイムアウト。サバイバル生活堪能させていただきました。100人にしたかったけどねホントはね。この手のゲームはやればやるほど面白さが加速していくのにレビュー記事には締め切りがあるというのが心苦しいところねっ!
遊んでるとなぜか『北斗の拳』を思い出す
というわけで今回は『サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-』を1日2~3時間、1週間ほど遊んでみたぜ。途中でも書いたけどこのゲーム、なんだか『Fallout』とか『マッドマックス』よりも『北斗の拳』を思い出すんだよな……。
ギリギリのところで食糧を持ってきてくれるスペシャリストは種籾の爺さんとかシュウの部下のおじさんみたいだし、ガソリンと食糧が交換できるのも北斗世界っぽい。
なんというかこう……遊んでるとどんどん、あの『北斗の拳』の世界でケンシロウやラオウといった拳士でなく、モブの村長として生きていくゲームみたいな気がしてくるんだよ……いやまったく関係ないゲームなんだけど! 19XX年シミュレーターみたいな雰囲気がある! そしてそれが楽しい!
このゲームをやっていると結局文明を作るのは暴力ではなく、科学や娯楽なんだというのを実感できてそれが楽しいね。新しい時代を作るのは拳じゃなかったんや! 愛だ愛。
みなさんも『サバイビング・ジ・アフターマス -滅亡惑星-』終末世界で文明を、科学を、愛を紡いでみてはいかがでしょうか。というわけで最後に、プレイしてて私が感じたちょっとしたコツをいくつか伝授しつつこの記事は終わりに致します。さらば愛しき者たちよ……。