季節は秋。
読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋……“秋と言えば”な言葉は数多く存在するが、「透き通るような世界観で送る学園RPG」というキャッチコピーを謳うも、ASMR作品がことごとくDLSite2022年総合ランキング上位に食い込んでしまう性癖の遊園地『ブルーアーカイブ』における秋と言えば……
そう、メイドである。
10月12日からメイドたちが大活躍するイベント「船上のバニーチェイサー」が復刻開催。さらには、三位一体を超えるバニーたちのクワトロピックアップ募集(ガチャ)も開催され、『ブルアカ』はいま、バニーなメイドたちの活躍に沸きに沸いている。
そうなのだ。秋のメイドはバニーガール衣装を纏う。キヴォトスにおける秋の風物詩と言っていいかもしれない。
【ピックアップ募集・予告】
— ブルーアーカイブ公式 (@Blue_ArchiveJP) October 11, 2022
ピックアップ募集「昼下がりのロイヤルフラッシュ」が開催されます!
「船上のバニーチェイサー」の復刻に合わせて、期間限定ピックアップ募集2種とピックアップ募集1種も復刻開催いたしますので、ぜひ詳細をご確認ください。
🔹詳細https://t.co/g8zkbqctRB#ブルアカ pic.twitter.com/afxgW77UNw
さて、そんなバニーなメイドたちなのだが……
少々……いや、かなり危険だ。鬼に金棒、虎に翼、メイドにバニー。ただでさえやっかいなメイドたちの透き通り具合が跳ね上がっている。
『ブルアカ』にしては珍しく(?)直接的な肌色攻勢があるだけでなく、「ご奉仕」という名目で何でもしてくれそうな雰囲気も感じる。これはいけない……明らかに罠だ。ハニートラップならぬ、バニートラップだ。
このままでは先生と生徒の関係が壊れてしまうのは時間の問題。卑劣極まりない。あまり厳しいことは言いたくないが、先生としてしっかりと教育しないといけないだろう。
教育──これはある種、先生と生徒の真剣勝負。先生として絶対に負けられない戦いだ。
突然だがここに、“バニーメイド四番勝負”の開幕を宣言するっ! いざ、尋常に勝負!!
文/竹中プレジデント
※ネル、アスナ、カリン、アカネの絆ストーリー(メモリアルロビーの内容)、グループストーリー“C&C”編のネタバレを含みます。完全に透き通った状態で自分の目で確かめたい方はご注意ください。
勝負壱番目 一之瀬(いちのせ)アスナ
今回、教育という名の真剣勝負にて相対していくのは、ミレニアムサイエンススクールのC&Cに所属する4人の生徒たち。
このC&C、表向きは奉仕活動をするメイド部なのだが、裏ではさまざまなミッションをこなす秘密組織なのである。相手にとって不足なし。
初戦の相手に選んだのは 一之瀬アスナ。オタクに優しそうなギャルだ。
渋谷にいそうな陽キャ120%な容姿に、秋葉原のメイドカフェにいそうなメイド服を纏うアスナは、今回の真剣勝負においてC&Cの中でもっとも注意が必要な生徒だと睨んでいる。
まずスキンシップが激しい。
手を握る、腕を組むはもちろん、特製マッサージで先生に猫のような声を出させるなど、肌の接触に対する躊躇が一切なし。恐らく倫理観というブレーキは木っ端みじんになっている。
ときには先生を押し倒して、恥ずかしがる様子を楽しむ始末。まったくもって手に負えない。
動物的な感覚と直感で動いているアスナは、理解しがたい行動を起こすことこそ多いが、最終的にはすべてがいい方向に転がるため、任務中も自由行動が許されている。そのためまったく行動が読めない。
ゆえに初撃で叩く。
もちろん勝算があってのことだ。入念なリサーチにより、アスナには大きな弱点が存在することがわかっている。
ひとつは暇な時間が続くと集中力が著しく鈍ること。この状態になると、ひとりで歩くのも困難になり、会話すらままならなくなる。
加えて、感覚が鋭いからか、自分に対するスキンシップに弱い疑惑がある。先生からマッサージされた際にも変な声を出しながら赤面していた。
そう、一之瀬アスナは守りが弱い。隙を見つけ猛攻を仕掛ければ、勝てない相手ではないのだ。
これは真剣勝負。審判の合図があって始まるスポーツのような甘い世界ではない。
隙を見せたが最後、それがアスナの敗北につながる。さあ、いざ!!
一之瀬アスナ、おぬし計ったな……。
深夜のコインランドリーでの待ち伏せ。下着をすべて洗うという防御を捨てる覚悟。「肉を切らせて骨を断つ」とはまさにこのことか。見事なり。
しかも、“ウサギの生態を理解するために自分自身がウサギになる”ことで、先生に撫でてもらおうとしたり、身体をこすりつけようとしてきたり、バニーガール衣装を纏ってスキンシップもパワーアップしている。完敗だ。
勝負弐番目 角楯(かくだて)カリン
アスナに負けるのはしょうがない。彼女はあまりに強すぎた。仕切り直しだ。
2戦目は、慎重に慎重を重ねて分析を行った結果、角楯カリンに勝負を仕掛けようと思う。
カリンと言えば、メモリアルロビーで先生を“足でグリグリ踏んだ”生徒として先生界隈では有名だ。
これは一見すると、勝負する前からすでに勝敗が決まっているように見えてしまうかもしれないが、実のところそうではない。
この踏み踏みメモリアルロビーなのだが、先生からの強い所望でこうなっている。どちらかと言うとカリンはギリギリまで抵抗しており、先生のごり押しによってしょうがなく踏んであげているに過ぎない。
つまり、主導権を握っているのはカリンではなく先生のほうなのだ。
そもそも、カリンはC&Cのなかでもとくに慎重な性格をしており、唯一と言っていいほどの常識人。暴走しがちなネル、アスナ、アカネの3人のストッパーの役割を担っている。
もともと、ミレニアムの技術力を欲しがる工作員や諜報員から情報を守る「セミナー」の保安部員として活動しており、戦闘や諜報に疲弊して退部。学校を綺麗にしたり紅茶とおやつで優雅なティータイムを過ごしたり、かわいい服を着るためにメイド部(C&C)に入った経緯を持つ。
夢はかわいいカフェの女店主になること(隠しているが良妻賢母にもなりたい)。いろんなお店での経験を積むために、エージェント活動しつつアルバイトに精を出している。
そのせいか勉強が疎かになって赤点をとってしまうアホの子ではあるのだが、要は押しに弱くて乙女なめちゃくちゃいい子なのである。勝ち筋しかない。
カリンには申し訳ないがこれは真剣勝負。容赦なくいかせてもらう。
自室でバニー衣装を見せてくれる……だと……?
ぬかった……。誘いこまれたのはこちらのほうだったというわけか。
しかし……しかし!! それでもアスナのように押し倒してくるような猛禽さがないことが幸いしたのか、心がぐらつくぐらいですんでいる。
このままいけば勝てる、悪くても引き分けに持ち込めるはず……!
現れる尻。
11月4日にリリースを予定している尻を揺らして世界を救うシューティングゲーム『勝利の女神:NIKKE』も顔負けの尻の画面占有率だ。
誘いこんで狙い撃つ妙技の前に先生の心は撃ち抜かれる。まさに狙撃手。このあと先生はカリンから目が離せなくなり、ずーーーっと見続けることしかできなかった。
勝負参番目 美甘(みかも)ネル
卑劣なバニートラップにかかり2連敗してしまったが、逆に「まだ2連敗しかしていない」ということ。勝ちはないがまだ負けてはいない。
つぎに挑むはC&Cのリーダー美甘ネル。
メイド服の上にスカジャンを羽織り、目つきは悪く、言葉遣いも荒い。ひと言で表すと「ガラの悪いチンピラ少女」なのだが、ミレニアム最強の戦闘能力を誇り、界隈では「約束された勝利の象徴」ともされている。
戦闘能力だけでなく、メイドとしての能力もミレニアム最強(自称)らしく、先生の看病の際には特製のおかゆを振る舞い、体調回復に大きく貢献していた。
そんなネルだが、怖いだけでなくかわいいところにも溢れている。いわゆるギャップ萌えがすごい。
風邪をひいて寝込んでしまったときには、先生に「眠るまで……そばにいてくれるか?」と甘えてみたり。
自分だけの秘密の場所に先生を招待してふたりだけの秘密を作ったり。
メモリアルロビーのネル、かわいすぎないか? なにこの笑顔? 天使かなにかなのか????
先生はギャップ萌えに弱い。しかも(メインストーリーでのC&Cメンバーによる推察によると)小っちゃい子に目がない疑惑もある。一見してこれは勝てないのでは? と諦めムードになってしまうかもしれない。
しかし、どんな強敵だとしても付け入る隙はあるものだ。ズバリ、ネルに対して先生はガン有利を取れている説がある。
記憶の片隅にないだろうか。本来であれば最強かつ制御不能の暴走戦闘マシーンであるネルが先生の前だと借りてきた猫……まではいかないが、大人しくなっているところを。その制御っぷりは同じC&Cメンバーであるカリンの証言からも明らか。
つまりどういうことか。じゃんけんでチョキがグーが絶対勝てないように、ネルは先生に勝てない。完璧な勝利の方程式がいまここに完成した!!
ネル……なんだよ……その恰好……その表情……嘘だろ……。
勝負肆番目 室笠(むろかさ)アカネ
ここまでメイドたちの卑劣なバニートラップの数々に為すすべなく屈してきてしまったわけだが、まだ最後の勝負が残っている。先生として逃げ出すわけにはいかない。
最後に相対するのは室笠アカネ。先生を「ご主人様」と慕うメガネの似合うメイド美少女だ。
気品に溢れ、和やかな雰囲気が漂う出で立ち。料理と掃除は上級者レベルであり、とくに掃除はプロ級。先生の部屋を掃除がてら調査する気配りも欠かさない。
先生との初対面のときにシャーレの天井を爆破して現れたり、イベント「船上のバニーチェイサー」でも目立ってはいけないのにいきなり施設を爆破したりする爆弾魔ではあるのだが、そのくらいはキヴォトスでは些細のこと。
その立ち振る舞いはメイドの中のメイド。見惚れてしまう美しさがある。
……なのだが、なにぶん先生への愛が重い。
息を吐くように先生へ「ご奉仕」をしようとしてくるし、先生からの罰を強く所望する様子からは歪んだ愛情が漏れてしまっている。
ちなみに、先生の行動はヴェリタス(ハッカー集団)からの衛星映像をまとめることで把握しているらしい。その情報をもとに偶然を装って先生との接触を得ることも日常茶飯事。
いつも「先生のことを一番理解しているのは私です」って顔をしているので、お願いごとをすればなんでも叶えてくれそうな気はするのだが、油断すると軟禁されたうえで全行動を管理されてしまいそうな気配を感じる。
もし『ブルアカ』がギャルゲーだったら、バッドエンドでアカネ軟禁ルートがあったに違いない。『ブルアカ』がギャルゲーじゃなくて本当によかった。
そんなアカネがバニーガール衣装に身を包むとどうなるか……想像するだけで恐ろしい。ああ、やっぱり逃げ出したい。
!?!?
アカネさん……なんでそんなノリノリなんでしょうか……。
どうやらアカネ的には「メイド服とはご主人様に仕える者が着る衣装」であり、「バニーガールもまた、ご奉仕のために作られた存在」であると。だからご奉仕させろと先生を呼び出したようだ。
さらに勝手にロックを解除してシャーレに侵入し、ふたりだけの空間でご奉仕しようとしてくるアカネ。さらにさらに「メイドとバニーどちらが好きなのか」という二択を突き付けてくる。
あれ……この選択肢を間違うとどうなるの? バッドエンドルートで軟禁されちゃうの? 『ブルアカ』はやっぱりギャルゲーだったの?
鼻先が触れるほど接近してくるアカネ……これはもう終わったか……と思ったものの、幸にもこの直前にリラックス効果のあるお茶を盛られたことで気を失ったことで事なきを得た。
しかし、アカネのご奉仕攻撃は止まらない。「何でもおっしゃってください」「身も心も覚悟はできています」と覚悟ガン決まり状態で迫ってくる。
そして……
重すぎるカミングアウトをされ、さらには「ふつつかものですが何卒よろしくお願いいたします」と捉えようによっては一生メイド宣言をされる先生。しまった。まんまとトラップに引っかかってしまった。
このあとふたりに何があったのかは定かではないが、「様々なご奉仕を受けながら徹夜」したらしい。何があったのやら……。
完敗の果てに「先生としての生き様を開眼する」
“バニーメイド四番勝負”の結果は0勝4敗。心と身体が屈してしまっただけでなくガチャでもバニーアカネを天井交換。完全敗北である。
しかし、真剣勝負のなか、ふとある疑問が浮かんだ。
先生とは生徒を導く存在。それなのに生徒と勝ち負けを競うなど、先生として間違っているのではないだろうか。
そう……そうなのだ。生徒に勝とうとするなど先生失格。生徒の想いを真正面から受け止めてこそ先生として正しい姿だろう!
ネルとふたりだけの秘密を重ねたり、
アスナに押し倒されたり、
カリンにグリグリ踏まれたり、
アカネのご奉仕を受けながら徹夜したり、
そんな青春の記憶(ブル―アーカイブ)を受け入れよう!
心の迷いは晴れた。明鏡止水の境地とはこのことなのだろうか。
もうどんなことが起きても、風紀委員の子たちが風紀を乱しても、ノアとユウカに挟まれても、ミカがガチャに登場しても、我の心は不動。悟りを得たり。
……いや、ちょっとはドキっとしちゃうかもしれないし、ミカが登場したら発狂しちゃうかもしれないけど、でもちょっとだけだから。発狂もちょっとだけ。それくらいは許してほしい。