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『崩壊:スターレイル』のプレイ日記書いてくれって言われたけどバッドエンド踏んだので初回で最終回です

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 冷静に考えてみよう。今どき「プレイ日記」なんて誰も読まない。 

 冷静に考えてみよう。他のWeb媒体やらなんやらで出てきた「プレイ日記」が大して面白くないことを。

 そもそも「日記」の面白さは、「他人の赤裸々な思いが書かれた恥ずかしいノートをこっそり覗く」という悪趣味な面白さに依存しているところが多いのではないだろうか。ゆえに、得てしてこういう公の場に出てくるプレイ日記は書いてる側が恥ずかしがったり、変に遠慮したりしてつまらなくなってしまいがちに思える。

 じゃあ一体何が言いたいのかっつーと、「ホントに無遠慮なことがたくさん書かれてるプレイ日記だから優しく読んでね」ってコト!!!

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 ……と、冒頭にこんな訳のわからないことを書いてしまうくらい、今回のプレイ日記に意気込んでいたりするんですね。だってこのプレイ日記の話、半年ぐらい前から聞いてたんすよ……? しかも対談【※1】もカウントしたら、もう『崩壊:スターレイル』にリリース前から1年ぐらい付き合ってるんすよ……?

 もうこうなってくると、なんだかよくわからない「愛着」が湧いてきています。たとえば、小学生の頃に遊んだゲームにはそれなりの「愛着」が湧きますよね。あと、何年も遊び続けているソシャゲとかMMORPGとかにも、「愛着」が湧きますよね。

 でも、私にとっての『崩壊:スターレイル』はなんかそういう愛着じゃないんです。なんすかねこれ、「1年くらい受験勉強を続けてやっと大学合格を果たした愛娘」のような愛らしさっつーんですかね。でも別に開発に参加したわけではないっていう。

 ほぼ部外者が勝手に愛着を持ってる状況って、よく考えたらかなり気持ち悪くない?

 ……まぁ、そんな感じでやっていきます。とはいえ、肩肘張らずのんびり読んでください。なんか、お昼休みとかに適当に読んでください。

※1「『崩壊:スターレイル』の対談」
電ファミニコゲーマーに掲載された今作のプロデューサーDavid氏×日本ファルコム近藤社長と、David氏×橋野氏の対談のこと。私もいろいろお手伝いさせていただきました。なんか長い期間いろいろ準備してたので、そのいろいろ分の愛着が湧いてます。

文/ジスマロック
編集/実存

※この記事は『崩壊:スターレイル』の魅力をもっと知ってもらいたいHoYoverseさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


リリース1日目、私は最も目黒区で『崩壊:スターレイル』を遊び慣れていた人間だったかもしれない

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 待ちに待った『崩壊:スターレイル』のリリース1日目、もうランチャーも事前DL完了して、あまりに準備万端。あぁ、私はこんなにも用意周到な人間だったのか。社会に出るとはこういうことか。

 「いくつかの小さな絶望を積み重ねる中で人は大人になってしまう」と誰かが言っていた気もするが、大した絶望も積み重ねないままゲームを事前DLできるくらいには大人になってしまったのだろうか。

 ランチャーを起動する。あまりに見知った画面が出てくる。知ってる。

 ゲームを起動する。あまりに見知ったタイトル画面が出てくる。知ってる。

 遊び始める。カフカと銀狼を操作する。知ってる。

 「カフカと銀狼がチュートリアルでしか使えないのおかしいやろ」という気持ち、もう何度目だ。 

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 ……もう、もうあまりにも『崩壊:スターレイル』を知り尽くしてしまっている。だってファイナルβテストも遊んだから。なんかいろいろやる以上、そのゲームのことを最大限知り尽くしておくのは最低限の礼儀である。

 が、それゆえ、知りすぎた! あぁ、リリース初日からこんなに「フッ、こんなもん遊び慣れてるゼ」というループ系主人公のような気持ちを味わっていいのだろうか!? これが「職業病」ってヤツなのだろうか!? ハハハハ! 嬉しい悩みだなッ!!

 ……とか言いながら、「いやぁ、本番プレイの時に全部ストーリー知っちゃってるのは嫌だなぁ……」と思ってファイナルβはヤリーロ-Ⅵ編の途中で進行を止めた私の小賢しさに恐れおののいてください。

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 はるか昔、私は『甲虫王者ムシキング』というゲームにドハマりしていた。青い筐体に100円硬貨を投入すると、「虫と虫同士の勝負をグー・チョキ・パーのジャンケンで決める」という、それはそれは不思議なゲームを遊ぶことができた。

 大人になった今考えてみると、相当変なゲームだ。なぜ虫と虫が争う。なぜジャンケンなのだ。なんだったんだあのゲームは。しかし、あの意味不明なゲームにドハマりしていたのもまた事実。

 そしてあのゲームには「ネブ博士」と「ブラック博士」というキャラがいた。両方、なぜか実写の成人男性であった。進めていくと、知らない実写の男性がボスとして立ちはだかる。

 今でこそ、あの謎の男性は開発チームの人間であることがわかって夢が壊されスッキリした。そして今、私はネブ博士とブラック博士の気持ちがわかった。そうか、ゲームを知ってしまうとはこういうことか。大人になるってこういうことか。

 そして私は胡坐をかいた。「もうこんなに知ってるんだから、のんびり進めちゃってもいいだろう」と。「これだけ事前に知り尽くしているのであれば、もう私が『崩壊:スターレイル』のブラック博士のようなものだろう」と。

 少なくともこの1週間くらい、私は『崩壊:スターレイル』において圧倒的な情報アドバンテージを握っている。おそらくリリース1~2週間のうちは、私が「目黒区で『崩壊:スターレイル』に最も詳しい男」の称号をいただいてもいいだろう。

 ハハハ、なんだか一般開拓者のみなさまには申し訳ないねェ! もうこのゲームの攻略情報ならなんでも私に聞いてくれたまえ!!

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 そしてリリース日から2日経った。日付は4/28。
 インターネットを舐めていたことに気がつく。

 速い。みんな、進めるのが速すぎる。既に私の知らない『崩壊:スターレイル』情報がTwitterに流れてくる。もうスマホを開けば「えっ、模擬宇宙ってこんな激アツコンテンツだったの……」「えっ、停雲ってそんな強かったの……」という浅学者の寝言を繰り返すばかりである。

 当時の私の進行状況、おそらくチュートリアルすら終わっていない。

 冷静になってみろ、何をどう考えれば「ファイナルβをやった」と「のんびり進めてもいい」がリンクするのだ。どういう思考回路をしているのか。私は胡坐をかきすぎてアグラヴェインになっていた。2日どころかリリースから1日経った時点で、私の情報アドバンテージなど皆無に等しい。つまり……この記事には何の攻略情報も載っていないどころか、ゲームに役立つことすら書いていない!!

 きっと失望したでしょう。そして恐ろしいことに、この日記は時系列的にまだチュートリアルすら終わっていない。もう薄々気付いてほしい、この日記は「今作はコマンド戦闘に挑戦しているのが素晴らしくて」とか「今作はこの規模の世界展開をしているのがすごくて」みたいなアカデミック情報を書く気が一切ないことに。

どんな主人公って、こういう主人公だよ

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 ファイナルβの時に嫌というほど感じた「なんなんだよこの主人公」という思い、みんなにメチャクチャ伝わってて嬉しい。

 このゲームの主人公は変だ。もはやそれは大前提なのですっ飛ばす。しかもこの子、ビジュアルは良いのが余計に問題である。かたやCV榎木淳弥、かたやCV石川由依。私は10秒ぐらい考えて苦渋の決断で女性主人公を選んだけれど、正直に言えば男と女を切り替えながら遊びたい。CV榎木淳弥の方も見たい。HoYoverseさん、主人公性別切り替え機能の検討よろしくね。

 私は結構「プレイヤーからは独立した主人公」が好き。なぜならゲームにそこまで感情移入を求めてないから。どちらかというと、その世界の人物が織りなす物語を、傍から観測者として見守りたい。いや、にしたってこの主人公は限度がある。ルールは破るためにあると言っても、限度がある。 

 「CV石川由依のオモシロ女素体にヨコオ成分を注入すれば2Bに進化し、型月成分を注入すればザビ子に進化し、清渓川の水を飲ませればトキに進化し、ゴミ漁りを習得させるとこの主人公に進化する」とはよく言ったものだ。せっかくだし、この子の良さをいっぱい書いてみよう。ゲームの第一歩、それは主人公を知ること。

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 この不服そうな顔グラ、素晴らしい。

 なんだその顔。そんなに嫌か。本当に嫌な時の顔だよこれ。

 たぶん、ゲームの主人公とプレイヤーの気持ちが乖離する瞬間は、「えっ、自分はこう思ってないけど?」と思う瞬間。

 ただ、この主人公ばっかりはそんな没入感の阻害うんぬんかんよりも「なんなんだよお前」が上回ってくる。最終的に「ゴミ漁る奴に感情移入できるわけないやろ」と「まぁ面白いから良いか」が激突して、後者が上回ってくる。

 ここまで奇行全振りの主人公も中々いない。普段なに考えてるか分からんような顔してるのも段々面白くなってくる。主人公、普段何考えてんの? ゴミのこと? ニュートラルの表情が「なにを考えているのかよくわからない顔」なのがどんどん解釈にピッタリハマってきている。

 「ゴミ漁りが好きなヤツ」に、こっちはどう感情移入すればいいのか? もうこの主人公に感情移入できるのは『龍が如く7』のナンバとかなんじゃないのか? でも面白いから許す。あと美人だし。

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 なにこの脳ミソ溶けてそうな顔。こういう顔がニュートラル表情なの良すぎる。本当は世界の命運とかどうでもよくて、頭の80%くらいのリソースを今日の夕飯の献立を考えることに使用しているのではないか。でも黙ってるだけで美人だからどうしようもない。逆に、黙っていれば普通に美人ってことでもある。

 黙っていれば美人の、たまに主人公みたいなことを言う人。この子たまに主人公みたいなこと言うからビビりますよね。なんか上の画像の顔見てたらこっちも頭がぽや~~~んとしてきた。なんかここで日記書くの終わらせたくなってきた。
 お前、どうしてくれる。

 で、やっぱり「ゴミ漁り」に触れないわけにはいかない。

 ただ、我々が勝手に「この子の趣味はゴミ漁りである」と断定しようとしているだけで、実際のところ趣味じゃないのではないだろうか? なんか、ライフワーク的なものなのではないだろうか? 我々が朝ゲームを起動し、デイリークエストをこなし、当たりもしないガチャを回すかのように、この子にとってはゴミ漁りが日々の暮らしの中で必然のことなのではないだろうか?

 つまり、この子にとってゴミを漁ることは常識なのかもしれない。HoYoverseの中で、人がゴミを漁ることは結構当然のことなのかもしれない。まぁ、環境にいいし、別に道徳的に悪いことでもない。プレイヤーがゴミを漁るのではない。プレイヤーが主人公のゴミ漁りに付き合うのが『崩壊:スターレイル』なのだ。まさに時代は主人公ファーストRPG。

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YouTubeより
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 しかもリリース前のPVからちゃんとゴミ漁ってますからね。

 恐ろしい伏線回収。たとえば、たとえばだ。ゲーム系とかエンタメ系のこう……売れてるところを調査するマーケティングの人がいたとしよう。そして『崩壊:スターレイル』は世界規模で展開されているタイトルで、リリース後の実際の結果としても大人気である。なんか秩父にコラボ列車を走らせるらしいし、ニューヨークのタイムズスクエアもジャックするらしい。

 だから普通に、世界経済に何かしらの影響があったりなかったりする一大エンターテイメントと言えよう。そしてそのマーケティングをする人が市場調査のためにこのゲームを始めたら、ひたすらゴミを漁ろうとする主人公が出てくる。なんたる洗礼か。このままでは世界の市場は崩壊する。

 私は未だに、「これだけの規模で展開されるタイトルの主人公を、こんな面白いヤツにしちゃおう」という状況に対する「正気か!?」という動揺を隠せない。たぶん正気だったらこの主人公は作れない。でも、そのままの君でいてほしい。そのままのHoYoverseでいてほしい。これからも世界のゴミ漁り主人公でいてほしい。

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 ただひとつ、どうしても気になっていることがある。この主人公、どうやら「ゴミ箱の声を聞く」能力を持っているらしい。ゴミを漁るのはまだわかる。そしてゴミを集めるのもまだわかる。だが街中のゴミ箱の声を聞いてゴミ箱とゴミ箱同士のストーリーが展開されるのはどういうコトか!?

 これは主人公の脳内で起きていることなのか!? それとも本当にゴミ箱とゴミ箱が会話しているのか!? さすがに宇宙の法則が乱れ始めている。なんたるSF<すこしふしぎ>ワールドか。

 そして集めたゴミを使って、料理することもできちまうんだ! ゴミ袋に入ったゴミと、インスタントラーメンを合成! そうすると……ほらできた! ゴミラーメン!

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 わぁ、ゴミラーメン!(桑山千雪)

 「見ていると、ケツイがみなぎる」じゃないんだよ。Toby Foxは流石に怒っていい。

 すごいですよね。ゴミ漁りが好きなのは100万歩ぐらい譲って許しましょう。他人の好きなもんってあんまりとやかく言うもんじゃないですから。ただ、ゴミで料理し始めたらもう奇行なんだよ。しかもこれ、ゴミと米を合成したゴミチャーハンも作れます。ゴミチャーハンも同じくケツイがみなぎります。うわぁ、これがG<ゴミ>ルートかぁ……。

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 あと、このゲームで一番好きなのやっぱメッセージ機能です。
 これ、めっちゃ良くない? 三月なのかと絡んでる時の主人公、めっちゃ彼氏彼女(彼女彼女でもある)。

 この「ゲーム内でキャラと会話出来るチャット機能」って比較的いろんなゲームに搭載されるようになりましたけど、『崩壊:スターレイル』はトップクラスに使いこなしてますね。

 まず返信に選択肢があって、その選択によって分岐が発生する。グループ機能があるから複数人でチャットする描写もできるし、スタンプ機能もかわいい。このチャット機能の活用によって、「デイリークエストが結構面白い」ということを実現できているのは今作のすごいとこ。

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 まぁ、この主人公なのでスパムに本気で返信したりするんですけど。すごいよお前。ロックスターにでもならないか? お前なら銀河打者ならぬ銀河ロックスターになれるぜ?

 これらの奇行、『原神』だったらパイモンが横から「ナンデダヨー!!!」と突っ込んでくれるはずなんですが、悲しいことにこのゲームにパイモンちゃんはいません。たぶん、パイモンちゃんが『崩壊:スターレイル』に来たら心労で倒れてしまうのではないでしょうか。

 ゴミ漁る主人公を見て「おい……何か嫌なことでもあったのか……? オイラで良ければ相談に乗るぜ……?」と本気で心配するパイモンを想像したらなんかゾクゾクしてきましたね。

 というか、横から突っ込んでくれるパイモンがいない中で主人公が単独で奇行に走るからどんどん世界がおかしくなっていく。しいて言えば三月なのかがツッコミを担当してくれる。三月なのかも結構おてんば美少女なのに、コイツのせいでツッコミに回らざるを得ない。かわいそうに。

 いや、逆に……我々がこの主人公にとってのパイモンなのか?

 まさに今こうして記事で主人公に対して突っ込んでいることで、プレイヤーと主人公の間にメタ的な「ボケとツッコミ」が成立しているのだろうか!? これが新時代の「インタラクティブ性」とかいうヤツですか━━━!?

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また後で来よう!今は他を探索しよう!

 この主人公の奇行によって構築される『崩壊:スターレイル』の独特な空気感、個人的には「SFCとかPSのRPGの変なシーン」に近い空気があると思ってます。ほら……あのグラフィックで描き切れない部分が多かったからこそ許されていた変なシーンというか……ある程度プレイヤーの脳内で補完するように丸投げしてるからリアリティライン的に許されていたシーンというか……

 そして『崩壊:スターレイル』はある種、「SFCとかPSのRPGでやってた変なシーンを、ホヨバの全力投球グラフィックで出したら独自すぎる味わいが生まれている」RPGなんじゃないかと思ってます。まさに時代が1周回った面白さ。この独特すぎる味わい、可能な限り残し続けてほしいですね。いや、割とマジで。

渋谷で、パムに会いたい

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 そもそも、「日記」の核の部分にあるものは何かと考えてみる。人類史が始まっておよそ何億年とか何千年とか経ってる中、未だこの「日記」とかいう形式が古代ローマのカエサルや平安時代の紫式部から、現代2023年まで受け継がれ続けているのはなぜか?

 それはたぶん「その時代に生きた人間のできごと」が書かれているから。それはたぶん「その時代に生きた人間の周囲に起こったこと」が書かれているから。それはたぶん「その文章が書かれた時の世界の空気」が転写されているから。

 つまり、日記とは書いた人間の周りに起こったできごとを嘘偽りなく書くことが大事なんじゃないかと思ったりする。

 別に思ってないことが書いてあるのって、ちょっと読めばなんかわかるし。そういうの大体微妙だし。たとえば、「『原神』であれだけ壁とか山とか登れたのに『崩壊:スターレイル』でジャンプもできないのはなぜか? この世界の重力が強いからか?」とか思ってるんだったら、正直に書いてもいいんじゃない?

 ……ということで、実際に渋谷PARCO前で開催されていた「スターレイル渋谷停車」という謎のイベントに足を運んでみました。渋谷のド真ん中に置いてある「星穹列車」を眺めるイベントだそうです。私、『崩壊:スターレイル』に真剣すぎる。あ、ちなみにもう終了したイベントです。せっかくなのでこの記事で写真だけでも楽しんでってください。

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 なんか全体的に……「資本力」って感じがする。

 もうお前らどんだけ金余しとるんやと。お前らどんだけ施策打つんやと。そんな圧倒的な資本パワーに思いを馳せていると……なんと「パム」がやってきた。

 かわいい。そして渋谷のパム、街ゆく渋谷の子供たちにも大人気!

 「かわいいー!」
 「なにこれー!?」
 「シナモン~?」
 「ポケモンだ!」

 すまんな、こいつシナモンじゃないんだ。
 ゴメンな、こいつポケモンでもないんだ。

 『崩壊:スターレイル』なんて知る由もない渋谷の子供たちからすさまじい勘違いを受けているパムだったが、それはそれとして可愛い。パムをシナモロールファミリーの一員だと勘違いしていた子は、そのままパムと一緒に写真を撮っていた。それシナモンじゃないって。パム、お前は何を想う。

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 そして私もパムと写真を撮りました。

 わっ、ふわふわ……。このパム、中々にデブい感じでかわいい。もっちりしてる。いざ接近すると想像以上にかわいくて緊張する。パムと写真撮って楽しそうにしてる成人男性の写真でみなさんの貴重な時間を奪っていることになんだか罪悪感が湧いてきました。

 あと、特別にパムが私に手を振ってくれた動画も載せておきましょう。

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 そして帰り道に微妙に入りづらい雰囲気の中華料理屋さんに入ってチャーハン食べました。ゲーム内にもチャーハンあるから。あと、中華料理屋って入りづらいくらいの店構えのとこがおいしいから。

 食べてみましょう。

 ……………………うわぁ、油っぽい!

 でも、チャーハンって油っぽいくらいが美味しい気がする。このベトベト感とパラパラ感が同居するワケのわからない料理、それこそがチャーハンと言えるのではないか。味も普通に美味しい。いや、絶大に美味しい訳ではない。だが、それが良い。ちょっと入りにくい中華料理屋で驚天動地のような美味しさのチャーハンが出てきたら、それはそれで困るのではないか。なんか盛りつけが雑なのも良い。

 ……これ、なんの記事だっけ?

崩壊:スターレイル、完。

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 読者のみなさま、誠に申し訳ございませんが、このプレイ日記は今回で最終回です。

 『崩壊:スターレイル』には……なんとバッドエンドが存在しているのです。ゲーム序盤、姫子に話しかけて宇宙ステーションヘルタから「星穹列車」で旅立つシーン。ここでは「宇宙ステーション内のキャラに話しかけて、主人公が旅立つ決意を固める」という前提クエストが存在しています。

 おそらく普通に遊んでいると、列車の周辺にいる三月なのかと丹恒に話しかけるだけでそのまま旅立ってしまうケースが多いはずです。ところが、一度研究ステーションに引き返すことで、「ヘルタ」と「アスター」にも話しかけることができます。

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 ここでヘルタとアスターに対して、ひたすら「宇宙ステーションに残りたい」という選択肢を選び続けると、徐々にヘルタが折れ始めます。そしてアスターに「宇宙ステーションに残ってもいい」の確認を取ることで、姫子との会話に「宇宙ステーションに残ることにした。」の選択肢が出現します。

 そして列車に乗り込まず、宇宙ステーションに残ると……無事にバッドエンドを迎えます。あ、一応データは残るので最初からやり直しとかはありません。

 ……フラグめんどくさっ! スクウェアRPGか?

 しかもこれ、1回きりです! つまり、ここで気付かずに進めてしまうとこの妙に凝ったバッドエンドはもう回収不能になってしまうのです! なんなんだよこのゲーム。

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妙に何かを匂わせるようなバッドエンディング。素通りするとこのテキストすら回収不能。

 まさしく「究極の奇行」と言えるバッドエンド。主人公の奇行と、プレイヤーの選択が宇宙の命運すら変えてしまった。このエンディング、ある意味で『崩壊:スターレイル』を象徴しているような気もします。そこら中に膨大なテキストが存在していて、ボケ選択肢も無数に存在している。そして、「なぜそこまでするのか」と思ってしまうほど大量の会話の分岐が用意されている。

 その異様な物量の集大成(?)として、こんなバッドエンドが作られたのかもしれない。特に、「一度通り過ぎるともう回収できない」のが中々に狂気じみている。セーブデータをいくつか保存できたりアーカイブから遡って回収できるならまだ理解できるものの、このゲームにそんなものはない。

 単純に一発勝負でプレイヤーが気付かなかったら、このバッドエンドは何事も無かったかのように通りすぎていく。よく「コンシューマーRPGをそのまま運営型でやってしまったのが『崩壊:スターレイル』」とは言われているけれど、個人的にはこのバッドエンドが最も「コンシューマーをそのまま運営型でやってる」を体現している例だと思います。

 そして、バッドエンドを迎えたこのプレイ日記も終了です。

 ありがとうHoYoverse。
 
 ありがとう『崩壊:スターレイル』。

 本当に、本当にありがとうございました。

 引き続き、『崩壊:スターレイル』をよろしくお願いします。

ライター
転生したらスポンジだった件
Twitter:@yomooog
デスク
電ファミニコゲーマーのデスク。主に企画記事を担当。 ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a

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