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『スト6』は通行人をブン殴りながら「第一歩」を踏み出せる、“クソ親切”な作品になっていた。初心者もすぐに格ゲーの“駆け引き”を楽しめるモダン操作がありがたすぎる…!

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夢の凶悪コンボを作成可能。ヨガテレポートして「スクリューパイルドライバー」

 「ワールドツアー」は、さまざまなキャラクターに師事することで「そのキャラクターのスタイル」を駆使して戦えるが、モダン操作でプレイすれば「必殺技」「スーパーアーツ」をキャラクターの枠を超えてカスタマイズすることができる。

 同時に、いつでも師事したキャラクターのスタイルで戦うことができるため、戦闘する機会が多い「ワールドツアー」を遊びながらオンラインプレイに向けて“自分にマッチしたキャラクター”を探すことも可能にしている。

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 この『私立ジャスティス学園』におけるエディットキャラクター育成モードに似た仕様は「ひとりプレイ」であることを活かしたシステムで、端的に言えば夢の凶悪なキャラクターを作ることができる。

 具体的には、本来では歩き速度の遅さと引き換えに搭載されている「ヨガテレポート」を移動速度の早いキャラクターに装備し、はたまたワープ後に打点の高いザンギエフの「スクリューパイルドライバー」を1ボタンかつ高確率でブチ当てることができる。

 かなり強すぎるため胸を張っておススメできるとは言いきれないが、まるで“公式チート”のようなシステムで強敵に勝てば脳汁があふれ出ることだろう。

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師匠のともだちで最初の座学も済ませよう。遊べば気づく基本と「強行動」

 通行人をスゲー武術でブン殴るのみならず、本モードは格ゲーにおける基本的な要素の練習にもマッチしている。

 「ワールドツアー」はシンボルエンカウントのような形式を取っており、対戦そのものは2Dのフィールドを舞台に実施される。その際、敵キャラクターの数が同時に最大3体登場するケースもあるが、基本的に敵キャラクターのNPCレベルはモードの中盤まではかなり低く、倒しやすいよう設定されている。

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 本モードに限るが、師事しているキャラクターを一時的に召喚して共闘するアツいシステムや、収集した回復およびバフ系アイテムを試合中にポーズして利用することもできる。

 難易度が調整されていること、そして上記の“ズル”をできるシステムによって、プレイヤーはかなりお手軽に戦闘を繰り返し、苦い思いをしても殆ど立ち止まらずに「ワールドツアー」を進行できるだろう。

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 そんな本モードでは、各キャラクターの必殺技が徐々に解禁される仕様となっており、本作より実装される新アクション「ドライブインパクト」「ドライブパリィ」なども中盤で解禁される。

 結果として必殺技の性質や有効なタイミングなどを少しずつ落ち着いて理解でき、モードをプレイすること自体が直感的な練習やシステムの理解に最適なデザインになっている。デフォルトで「モダン操作」に設定されているため、「いろいろ出来て何すれば良いか分からなくなる」ことがない。開発者の優しさにドンドン甘えていこう。

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(試合中に使用できる回復アイテム)

 また、作中ではサイドストーリーが登場するが、ルークの知人であるアリストレイシーなどからは特定の技や技術を教わり、実践するチャレンジとなっている。練習内容は基本的な攻撃、防御から新アクションを実践するもので、まさに「はじめの一歩」に関してはゲーム内で習得可能だ。

 これらの要素により、格ゲーを全く遊んでいないプレイヤーが「知らんがな」と感じる、上段と中段の使い分け、間合いが勝敗を司る、刺さるなら強い技を振り続けて良い、といった抽象的な戦略に関しても自然と気付ける。ゲームをはじめていきなり「2窓して勉強せぇ!」と言われずに済むのは最高だ。

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 また、「学習」という点に関しては、特定の戦闘ではCPUレベルが高く設定されている点も「上達」においては有効なデザインだ。ズルをしまくれる本モードにて、しばしば「わからせ」が行われることで、普通にションボリするだけでなく改善点におのずと気づかせられる。

 たまには後ろを振り向くことも対戦ゲームのテッペンを狙う際には重要である。負ければ台パンをしても良いが、「俺をボコボコにしてくれてありがとう」と声に出して言ってみても良いかもしれない。最終盤はかなり歯ごたえがあるはずだ。

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 なお、「ワールドツアー」での戦闘やコンテンツは反復要素が多いため、ある程度『ストリートファイター』シリーズの知識や腕に自信があったり、ゲームシステムに慣れたプレイヤーには最適でないという印象を覚えた。

 とはいえハチャメチャな冒険ができたり、作中に『ファイナルファイト』シリーズのキャラクターが登場したり、各キャラクターがこれまでのストーリーを経た最新の姿で登場したりする点は魅力的だ。対戦への情熱が迸っているプレイヤ―はちょっとした息抜きやウォーミングアップに遊んでみよう。

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(トラックのみらずトゥクトゥクを廃車にするバイトも登場)

ガチで優しすぎる練習用機能に圧倒的感謝。“最低限”+αをおさらいしていざ戦場へ

 「ワールドツアー」に慣れてきたら、いよいよ「オンライン対戦」で実力を試したいという欲望に駆られてくる。とはいえ、その前に「オリジナルのアバター」ではなくオンラインで使用するキャラクターに練習モードで慣れておきたいところだ。これまで「格ゲー」を勉強する前にやめてしまった方には「モダン」に次いで注目していただきたい新要素がここにある。

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 まず利用したいのはチュートリアルだ。本モードでは基本的な操作は勿論のこと、「めくり」といった抽象的な要素や格ゲーを上達するうえで重要な“概念”も教えてくれる。

 初歩的な技の強弱や「起き上がり」、いわゆる「浮かせる」ことをはじめとする「対空のコツ」のほか、差し合いや「置き」、技の硬直や「確認」の重要性に至るまで実践を交えて解説してくれる。追加で勉強しなければならない要素も想像されるが、「知らなきゃ意識しないよ!」と感じる初歩的な要素をかなりカバーできるだろう。

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 いくら基本を練習しても、各キャラクターの差異や長所といった特性を理解するのは初心者にとって難しい。そんなとき嬉しいシステムが「キャラクターガイド」だ。このモードではキャラクターの基本的な強い行動や特徴のほか、すべての技の特性や強み、そして4つの戦術指南が用意されている。

 これにより、キャラクターの特性を活かすことや、実践での判断や苦手な敵の研究も効率よく行うことができるだろう。

 戦術指南移管しては1項目だけでそれなりのボリュームを携えており、「間合い」や「意識すべき情報」を紹介してくれるためかなり実践に有効だ。“考えるべきこと”こそ重要であるが、なかなか勉強しづらいため有難い限りである。

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 また、繰り返し技の練習をしたり、研究や対策を行う「トレーニングモード」に関する詳しい説明などはなかったが、今作のトレーニングモードには、すでに目的の練習に合わせてセッティングが済まされた初心者用のプリセット・簡単練習設定が用意されている。

 設定ではコンボ練習、対空練習、投げ抜け、確定反撃の練習などが用意されており、お手軽に練習ができるほかセッティングや状況を理解することで「トレーニングモードの使い方」の参考になる。

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 各メーターの意味が良くわからないユーザーに向けて「メータの―使い方」も用意されており、ひとりでも充分に練習や研究ができるだろう。

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 また、コンボに関しては「コンボトライアル」を活用しよう。各キャラクターごとに20ほど用意されており、実際に操作しながらコンボを学ぶことができる。

 使用する技がチェック項目式で表示されるほか、コンボが初級・中級・上級に区分されているため、基礎から学び、チャンスを逃さずに実戦で大ダメージを与えていこう。

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 多くの対戦ゲームでは「まずYouTubeや攻略サイトを開いて座学」をすることになるが、正直めんどくさい。筆者はしばしば対戦の快楽に囚われ、「YouTubeを開いて15分ほど学ぶ」ことを疎かにした結果、初心者帯でゲームを辞めてしまうケースが多かった。

 少し勉強すれば良いものの、初心者こそゲームと一緒に「追加でYouTubeを開く」ことが面倒に感じることだろう。

 ゲームの研究が進んだり、環境が構築されることで外部で勉強する必然性は必ず立ち上がる。しかしながらゲーム内で完結して“第一歩”を学び、そのまま充分に戦い、「考えられる」ことはとても素敵であり、初心者にとって何物にも代え難く嬉しい仕様だと筆者は感じた。


 「モダン操作」という嬉しい革命と、初心者をあっためてくれる「ワールドツアー」、そして練習モードに搭載された偉大な「SENSEI」たち。これらの登場により、もう未経験者が格ゲーを遊ばないという手はないだろう(誇張表現である)。

 『ストリートファイター6』の対応プラットフォームはPS5、PS4、Xbox Series X|S、PC(Steam)となり、6月2日に発売予定だ。

 「俺/私でも遊べそう」と感じた方は、ぜひ筆者と共にランクマッチの魔境に潜り込んでみてはいかがだろうか。

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編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。
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オーバーウォッチを遊んでいたら大学を中退しており、気づけばライターになっていました。今では格ゲーもFPSもMOBAも楽しんでいます。ブラウザはOpera

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