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ARグラスの最新モデル『XREAL Air 2』発表。さらに薄く軽く進化、iPhone 15やType-C接続ならアクセサリー不要でそのまま接続可能に【TGS2023】

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 日本Xrealは、9月21日から24日まで幕張メッセで開催される「東京ゲームショウ2023」の初日に、メディア向けのイベント「XREAL 新製品発表」を開催した。こちらで新たに発表されたのが、新製品のARグラス『XREAL Air 2』『XREAL Air 2 Pro』だ。

 同社では、2019年に初代『Nreal light』をリリース(Nrealは当時の社名で、現在はXrealに変更)。ジェスチャーやトラッキングなど、6DoFならではの高性能な機能を搭載したほか、開発者向けにSDKデベロッパーキットの配布にも注力を注いできた。3年前には、KDDIを主なチャネルとして日本市場に参入。2022年には第2世代の『Air』をリリースし、全世界で20万台のセールスを達成している。

 日本のイベントに初めて登壇したXREAL 創業者兼CEOのチー・シュー氏によると、同社の野望は1億台規模の市場を作りあげることだという。現在は、VR業界はAR業界と比較して5倍ほどの市場規模がある。それが5年後にはARは確実にVRを超えて、一気にXR業界が伸びていくと展望を語っていた。

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XREAL 創業者兼CEOのチー・シュー氏。

取材・文・写真/高島おしゃむ


見た目は同じで中身は大きく進化したARグラス『XREAL Air 2』

 今回発表された新製品の『XREAL Air 2』は、これまでリリースされてきた『light』や『Air』で培ってきた歴史機と経験を元に作りあげられたものだ。ぱっと見の印象では、前モデルの『Air』とあまり変化が感じられず、どこが変わったのか違いがわからないレベルである。

 それもそのはずで、外観的な特徴としては『Air』とあまり変わっていないからだ。しかし、ユーザーからのフィードバックを受けて、様々なポイントに大きな変化が加えられている

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今回発表された最新ARグラスの『XREAL Air 2』。ちなみに、東京ゲームショウ2023のブース内も含めて展示されていたのはこちらで、『XREAL Air 2 Pro』の展示行われていなかった。

 『XREAL Air 2』で進化したポイントは全部で4つある。ひとつ目のポイントは、より高画質になったところだ。それを実現するために、ソニーの最新セミコンダクターソリューションズの新製品である「0.55″ Micro-OLEDスクリーン」を搭載している。光学エンジンには「AetherXR3.0」を採用しており、ディテールも向上している。

 視野角(FoV)46度と角解像度(PPD)最大49ピクセル/度は、前モデルの『Air』と変わらないが、リフレッシュレートは倍の120Hzを実現している。明るさ(brightness)は、最大で500nitで、PPIは4032。それに加えて、こちらも前モデルと同じだが3DoFにも対応している。

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  前モデルの『Air』同様にTUVラインランドの認証に力を入れており、今回は色彩の調整に関するもの(Color Accuracy)を加えた3つの認証を取得している。また、より正確な色彩を実現するために、すべての台数ごとに発色の精度を調整しているといった徹底ぶりだ。

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 ふたつ目のポイントは、より軽く、薄くなったところだ。前モデルの『Air』と比較して、重さは10パーセント軽い72gを実現。また厚みも10パーセント薄い19mmとなっている。テンプル部分に使われている素材も、柔軟なゴム製を採用。ノーズパッドにも新たにエアクッションを設けており、快適性も増している。

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 ウェイトのバランスは50:50の黄金比でデザインされており、耳回りに負荷が掛かりにくい設計になっている。また、冷却システムに関しても大きく進化している。ARグラスは、ものによっては熱が気になってしまうことがあるが、『XREAL Air 2』では、柔軟性のあるフレキシブルなコンパウンド基盤を採用。分散型で冷やすような作りになっているのだ。

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 3つ目のポイントはサウンド面だ。まるで映画館にいるような豊かで空間的、そして没入することができる、シネマティックサウンドと呼ばれる技術を採用している。また上部に2ヵ所スピーカーが設置されており、中低音域の性能も大幅に向上。ヘッドホンなど特別なデバイスを別途用意する必要もなく、最高のサウンドが楽しめるようになっているのだ。

 それに加えて、自分以外の人に音漏れしないようにする「ノイズキャンセルテクノロジー」が採用されている。ARグラスから音を出していると、周りにいる人に迷惑が掛かってしまうのではないか気になってしまいコンテンツに集中することができないことがあるが、『XREAL Air 2』ではそうした心配は無用だ。こちらも前モデルの『Air』と比べて大きく変化した部分である。

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  『XREAL Air 2』とは別に『XREAL Air 2 Pro』という上位機種のもラインナップされているが、そちらに採用されているのが4つ目のポイントである電気クロミック調光だ。ARグラスを外で掛けているときは、周囲の環境に合わせて明るさの調整も必要になる。ユーザーが容易に明るさの調整ができるように、3つのモードが瞬時に切り替わる。光りがあまり当たらない屋内では透過率が100パーセントに、逆に屋外では透過率が0パーセントになってサングラスに切り替わるといった機能だ。

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  もうひとつ、この『XREAL Air 2』を選ぶ大きなメリットとしてiPhoneとの融合制がさらに高まった点が上げられる。Lightningケーブルを採用していたiPhone 14シリーズまでの製品を『Air』と接続する場合、『XREAL Adapter』や『Lightning Digital AV Adapter』といったアクセサリーを別途用意する必要があった。これは、Androidと比較して余分なコストが掛かるだけではなく、若干わずらわしく感じるところでもある。

 しかし、先日Appleから発売されたiPhone 15シリーズでは新たにUSB Type-Cが採用されており、同社が公式に動作チェックを行ったところ、そのまま接続して使えることがわかった。そのままUSBケーブルをiPhoneに直差ししてコンテンツが即楽しめるというのは、かなり便利になりそうだ。

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  『XREAL Air 2』のカラーバリエーションは、赤とグレーの2色が用意されている。『XREAL Air 2 Pro』はグレーのみの展開となっている。価格は『XREAL Air 2』が5万4980円(税込)で、『XREAL Air 2 Pro』が7000円高い6万1980円(税込)だ。

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  『XREAL Air 2』は9月21日より予約が開始されており、出荷は10月16日から順次発送される予定だ。10月16日までに予約したユーザーには、Apple Gift Cardのほか、グラススキンとレンスフレームクーポンなどを含む5000円分相当の先行販売パッケージが特典としてプレゼントされる。

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  また、この発表会の時点では暫定だが、『XREAL Air 2 Pro』の予約開始は10月17日の予定となっている。さらなる情報については、続報を楽しみに待とう。

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ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。

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