『原神』×ヤマハって、何するの?
まぁこの記事を見ている人には説明不要であろう『原神』。
そして日本最大級の楽器メーカー、「ヤマハ」。
このふたつがコラボしたイベント、その名も「TAKEOUT SHOW-原神-」。
多分、パッと見でも「え、なんのイベント……?」と思う方が大多数なのではないでしょうか。
すごく簡単に言えば、「ヤマハの超お高いスタジオを使い、ヤマハの超お高いピアノで、原神の音楽を聞けちゃう」というイベントです。また金持ちの道楽みたいなイベント開きやがって。
しかも開催場所は……なんと「銀座」のヤマハ!
『原神』、いつもキラキラタウンでイベント開きよる。
原宿の次は銀座か!?
オタクに敷居の高い街でばかりイベントをする!
普段あんなに秋葉原で広告出してるくせに!!
文/ジスマロック
「TAKEOUT SHOW-原神-」とは?
店内に入ると、レザー・刻晴・八重神子・セノのパネルがお出迎え。
あんなに高級ブティックみたいな店構えだったのにいきなり『原神』のパネルが出てくる。
しかも受付では等身大のセノが待ち構えている。ヤマハを守る大マハマトラ。『原神』を全く知らずに楽器を買いに来た紳士淑女のみなさまはこの光景をどう思うのだろうか。ヤマハの、マハマトラ。「マハ」だけに……。
では、さっそく本題に入りましょう。
今回のイベントは「ただ、高いピアノで原神の曲を演奏する」わけではないのです。
おそらく最も注目すべきは、ヤマハのスタジオを丸々使った「立体音響技術」。
立体音響技術……正式名称「AFC(アクティブフィールドコントロール)」。あらゆる空間において、音を自在にコントロールし最適な音環境を創り出すことができるイマーシブオーディオソリューション。
これは長きにわたるコンサートホールや劇場の音響設計で培われた技術によって生み出されたもの。空間の響きを最適化する「AFC Enhance」、音の定位を自在にコントロールする音像制御システム「AFC Image」の2モデルが存在しており、複雑な音響演出の要求に答えることができます。
うん、日本語でおk。
何が「イマーシブオーディオソリューション」だ。そんな「諭示裁定カーディナル」くらい難しい単語出さないでほしい。すごく端的に言えば、「音をコントロールしながら最適化できるスーパー環境」という感じですかね。……合ってますよね?
そして、その環境で『原神』の音楽を堪能するのが「TAKEOUT SHOW-原神-」というわけです。演奏するのが「よみぃ」「ハラミちゃん」「けいちゃん」「ベントーヴェン」の人気ピアノYouTuberのみなさん。
以上の「超お高いヤマハの高性能ピアノ」×「スーパー音響環境」×「すご腕ピアニスト」×「原神の音楽」というかけ合わせが、このイベントの実態なのです! なんだかすごいイベントです。
そして記事の最後でもチラッと紹介するのですが、今回のイベントで使用されたピアノはヤマハ製の「S6X」というもの。超高級ピアノだそうです。そのお値段は………………
なんと、「6,820,000円」!!!
ウゲェェェェェーーーッ!!!!!
ピアノ一台で人間ひとりが3〜4年は暮らせるじゃないか!?
待てよ、ガチャ換算するといくらだ?
6,820,000÷3200(10連分)=2131.25。
要は、「S6X」を買うお金があると『原神』のガチャが21310回引けます。
これはもうHoYoverseへの経済支援かなにかだね。
お金のことを考えると頭が痛くなる。
やっぱり金持ちの道楽みたいなイベントだと思う。
ガチャ21310回分の音色、楽しめます!!!
全方位から迫りくるテイワットの音楽に呑まれる!!
まず聞き始めて感じたことは、「音楽に覆われる」ような感覚。モニターが大きい。音が全方位からやってくる。だけど音がうるさすぎることはなく、「心地いい」音色が空間を支配する。音楽に呑まれる。音楽に覆われる。その一帯を音が「支配」している。そんな気持ちです。
この企画のお話を最初に聞いた時、真っ先に思ったのは「どんなイベントなのかイメージができない」ということでした。たとえば、ゲーム音楽イベントにありがちなのは「オーケストラコンサート」「生ライブ」辺りでしょう。これはイメージできます。
ゲーム音楽を壮大なオーケストラで奏でるコンサート。バンドや歌手などを使ったライブイベント。だけど、「ヤマハのスタジオを使ってピアノを演奏する」だなんて、中々イメージできない。でも、行ってみたらそれが理解できた。
最高の環境に鎮座する一台の楽器。
そこから奏でられる多重の旋律。
楽器ひとつ。奏者ひとり。顕現するテイワットの世界。
まさに「音楽に呑まれる」体験。
これが「音から世界を生み出す」技術。
中々すごい。
……こんなにいっぱい書いて最後が「中々すごい」て。
ひとりめの「ハラミちゃん」さんは、約12分にわたるメドレーを演奏。
旅人の旅路を辿るかのように、モンドから稲妻の楽曲が演奏されていました。
なんとなく上の画像を見ればわかると思うのですが、演奏される楽曲に合わせてモンドや璃月などのロケーションが映し出されています。この風景があるからこそ、より楽曲に浸れる。
個人的に印象深いのは……やっぱり「璃月(楽曲名)」ですかね。そもそも璃月は楽曲全体も中華風な感じで仕上げられているので、「ピアノソロと、どうやって噛み合うの?」ということが若干の疑問点でした。ところが合ってるんだぁ、これが。いや、「合わせる」技術がすごいのか。
モンドを出て、望舒旅館を越え、ついに見えた璃月。あの街に足を踏み入れた時のワクワク感。新天地で描かれる物語と新キャラへのドキドキ。「璃月」という曲には、そんな楽しさが詰め込まれていると思います。それがこんな環境で聞けちゃったら……最高ですよね。最高でしたわよ。
ふたりめの「けいちゃん」さんは稲妻の音楽をメインに演奏。やはり和風モチーフの稲妻は、その楽曲にも和楽器がふんだんに使用されています。「斬霧破竹」、大好き。
だけど……和楽器を使った曲をピアノソロで演奏するって、結構難しいのでは?
さっきと同じこと言ってる気がするけど、難しいと思います。
実際のところ、演奏前のインタビューにて「ピアノ一台で和楽器サウンドを表現することにちょうせんしました」といったことを言っていました。そして、できている。特にアップテンポなものが多く演奏も難しそうな稲妻の楽曲を、ピアノソロで再現している。これがプロか。そしてこれがS6Xの性能か。さらに立体音響もある。
まさに「夢想の一太刀」の如く鋭い演奏。
それを際立たせる音響。
ここが無双刃狭間か。ここが千手百目神像か。
うーん、本当に音響が良いです。
三人目の「ベントーヴェン」さんは主にフィールド曲を演奏。
先ほどのおふたりがメインテーマやバトル楽曲などを演奏していたため、このリラックス感がよりグッときます。よくよく考えてみれば、この「立体音響」という環境に最もマッチしているのは「フィールド曲」な気がします。
そもそもが「環境に対して流す音楽」として構成されているからこそ、全方位に音を配置できる立体音響といい感じにハマる。……なんかイマイチ伝わってない気がする。なんというかこう……フィールド曲×立体音響はより「テイワットにいる」感が強いと言いますか……えぇ、そういう感じです。
四人目の「よみぃ」さんは、スメールの曲を演奏!
何気に、スメールの楽曲が登場したのは初めてです。私、『原神』で一番好きな曲が「渦巻く激流」なんです。だからもう……嬉しい! スメールの曲やったの嬉しい!!
もうさっきからずっと素人目線で申し訳ないのですが、やっぱりスメールの曲もピアノソロが難しそうに見えます。テンポも独特、緩急も激しい。でもそこはプロ。やっちゃうんだなぁ、これが。お恥ずかしながら、今回のイベントに参加されていた4名のことを知らなかったのでついさっきYouTubeとか見てきたんですが……この人たちめちゃくちゃすごいですね。
ヤマハの長年の技術が活かされた最高の環境。祈願21310回分のピアノ。すご腕ピアニスト。1時間の公演ですが、満足度はかなり高めです。というか、1時間あっという間です。「え、もう1時間経った!?」と思うはず。
そして何より……「帰って原神をやりたくなるところ」が良い!
こういったイベントは、やっぱり「なんだかよくわからないがイベント参加後はそのゲームへの熱が高まる」ところが好きなのです。あれだけの環境でハイレベルな音楽を浴びてしまったら、一刻も早くテイワットに行きたくなる! この「なんかよくわからんけどゲームしたい欲」をかき立てられるのは、いいイベントなのだと思います。
そんな「TAKEOUT SHOW-原神-」は、10月11日から10月21日までヤマハ銀座店で開催中! ……あとちょっとしかねえ! 「要予約」と「予約不要」の日時に分かれているから、その辺も旅人はしっかりチェックしてくれよなーっ! なんかいま地でパイモンみたいな文章になってましたね。CV古賀葵で再生してください。
「そもそもヤマハ銀座店がヤバい」という話をしたいのだけど
ここからはオマケコーナーです。
「TAKEOUT SHOW-原神-」の紹介自体は終わったので、興味ない人は見なくても大丈夫です。
実はこのイベント、ヤマハ銀座店内でのスタンプラリーに参加することでコラボグッズがもらえちゃいます。バッグとか、クリアファイルとか、アクキーとか……。私もスタンプラリーに参加してみました。
正直、「なんで店内でスタンプラリーを……?」と思わなくもなかったのですが、これが意外と面白かった。そもそも、「ヤマハ銀座店」が面白い建物なのです。まず、10数階建てのビルすべてが「ヤマハのフロア」になっている。……どういうことか?
たとえばこんな風に、管楽器を売っているエリアはもう「管楽器エリア」として1階丸々使っているのです。管楽器フロアでは刻晴のパネルが待ち構えているので、刻晴のスタンプがもらえちゃいますよ。
なんか、ここまでビル丸ごと「ヤマハの楽器売り場」になっているとは思わなかった。階層ごとに置かれている楽器の種類や売り場の雰囲気も大きく違い、なんとなくフロアを行ったり来たりしているだけで結構面白い。
刻晴の管楽器フロア(5F)はクラシックな雰囲気のあるエリアですが、ギター・ドラム・シンセサイザーなどが売られているレザーのフロア(B1F)はちょっと軽音楽っぽい雰囲気のエリアとなっています。「軽音楽っぽい」ってなんだ。写真から察してくれ。もう、ビル丸ごと楽器売り場なのです。銀座ヤバいな。
上記の画像は八重神子のフロアでもある「ピアノ」のコーナー。
そして手前にあるピアノが……うわさの「S6X」です。
いま、私の目の前に祈願21310回分が置かれている。
ここでうっかり手を滑らせて水をS6Xの鍵盤にぶっかけでもしたら人生が終わるのかと思うと、ちょっと興奮してくる。うっかり器物損壊してリアルフォンテーヌでリアル裁判に発展したらどうしよう。
ちなみにヤマハの方に案内してもらいながらそれぞれのフロアを巡っていったのですが、こんな風にお高い楽器がそのまま展示されてしまっているのには「実際にその場で演奏して自分の手に合うかどうかを確かめられる」という役割があるんだそうです。
たしかに、これだけの買い物なら試乗ならぬ「試奏」は大切になってきますよね。でも6,820,000円に触れる勇気が私にはなかった。銀座の紳士淑女はこうやって買い物するのだろうか……。ヤマハ銀座に行った旅人さん、星とS6Xを目指す勢いで一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
そして無事ゲットしました。クリアファイル。
なんか二度と揃うことのなさそうな4人でじわじわ来ます。
どういう集まり……?
ちなみにさっきのアクリルキーホルダーは指定のハッシュタグをつけて店内の写真を投稿することによって、抽選で100名に当選するものだそうです。……私は応募してませんので、いつかどこかで当選する100名のみなさまの席は奪っておりません! このスタンプラリーも予約が必要らしいので、しっかり諸々チェックしてくださいませ。
そして「TAKEOUT SHOW-原神-」は銀座店以外でも開催予定! 10月27日からは名古屋店、11月10日からは大阪なんば店で開催されるそうなので、関東圏以外の方もぜひ参加してみてください。全方位からテイワットの音楽に呑まれる体験、名古屋と大阪でも味わえる!!
それでは……星とS6Xを目指せ!!