サムザップと東宝より、2023年11月21日に配信されるスマートフォン向けRPGの『呪術廻戦 ファントムパレード』(以下、ファンパレ)。本作は、現在第2期が放送中のテレビアニメ『呪術廻戦』第1期をベースにした作品だ。ゲーム内ではテレビアニメ内で描かれたストーリーがそのまま追体験できるようになっていることに加えて、すべての台詞が新規で撮り下ろされたフルボイスで収録されているところも特徴となっている。
それに加え、ゲームならではのオリジナル要素として「福岡分校編」がストーリーとして登場する。こちらはアニメ第1期の「京都姉妹校交流会編」と「起首雷同編」の間の出来事として物語が描かれている。シナリオだけではなく、「福岡分校編」で初登場となるオリジナルキャラクターも存在するなど、こちらも大きな見どころである。
本作のリリースに先駆けて、メディア向けの先行プレイ会が行われた。3時間ほどのプレイで、ストーリーとしては漏瑚とのバトルあたりまでだった。そのため、新要素の「福岡分校編」までは体験することはできなかったのだが、本稿ではそこからわかった本作の魅力や特徴についてご紹介していく。
文/高島おしゃむ
※記事内のゲーム画面はすべて開発中のものです。
起動からシームレスに作品の世界に没入できる見事な演出
ゲームを起動すると、「ファンパレ」のオープニングアニメが流れ、ついつい見入ってしまった。そこからゲームをスタート。ここではナレーションで「呪力とは何か」、そしてこれからプレイヤーが体験するのは、「いつかどこかの、誰かの記憶」であることが告げられる。
そこからいきなり特級呪霊の花御が出現。主人公の虎杖悠仁と東堂 葵のブラザーコンビを操り、バトルの基本を学んでいくことになる。そのチュートリアルが終わると、『ファンパレ』で初登場となる福岡分校の結木海斗(CV:西山宏太朗さん)や竜胆サキ(CV:佐藤利奈さん)のシーンが挟み込まれる。チラ見程度ではあったが、ここもすべてフルボイスで映像が流れるためアニメを見ているような気分にさせられる。
その後、ふたたびナレーションが流れたあと、起動直後にも流れた主題歌の『アヴァン』に合わせて『ファンパレ』用にMAPPAが制作したスペシャルなアニメオープニング映像が見られるといった感じだ。ここまでの流れが完璧で、ときおり挟まれるナレーションと映像の切り替えも見事だ。時間としては長めに見積もっても7分程度なのだが、それでもすでにたっぷりと作品を堪能させてもらったような気分にさせられた。
メインクエストではストーリーとバトルを交互に展開!
オープニングが終わると、ゲームのメインメニュー画面が現れる。ここではまずチュートリアルガチャを引き、バトル編成に設定するキャラクターとそのキャラクターたちに力を与える「廻想残滓」を揃えていくことになる。とはいっても、出てくるキャラクターはあらかじめ決まっており、本作のメイン主人公たちである虎杖悠仁と伏黒 恵、そして釘崎野薔薇の3人が使えるようになる。
ちなみに今回の先行プレイでは、とくにテスト用のチャージなどは行われていなかったため、ゲームを非課金でプレイしているのとほぼ同じ条件だった。そのため、レアリティの高いものや特別なキャラクターなどはガチャで引くことはできなかったのだが、ゲーム自体はそれでも問題なく進めていくことができるようなバランスとなっていた。
ガチャを引いたら、いよいよメインクエストに挑戦していくことになる。ここではストーリーとは別にバトルに参加するキャラクターを編成するのだが、まずはデフォルトで選択されている先ほどの3人のキャラクターを使って戦っていくことになる。
ちなみに本作のバトルでは、戦う相手やシーンによって編成を変更することも重要ではあるが、そうした面倒なことはあまり考えたくないという人のために「おまかせ」ボタンを押すことで自動編成することも可能だ。このあたりは、あくまでもお好みで選んでいくといいだろう。
ゲームの流れとしては、Live2Dによるストーリーの再現を楽しんでいきながら、途中でバトルが挟まるといった一般的なスタイルだ。一部アニメからのカットシーンも流れるが、とにかく初見で驚かされるのが、やはりフルボイスによるアニメシーンの再現である。キャラクターが立ち絵で揺れているということもあってか、アニメとはまったく異なる臨場感がある。
プレイ前に本作の情報にあえて触れていなかったということもあるのだが、てっきりアニメからの流用だと思っていたセリフも新規で収録されたものであることを後から知って驚いたほどだ。それほど違和感なく、アニメシーンが再現されているのである。
多彩な戦術要素が盛り込まれたターン制コマンドバトル
本作で採用されているバトルは、ターン制のコマンド方式というオーソドックスなスタイルだ。それに加えて、あらかじめキャラクターに「廻想残滓」を編成しておくことで、スキルを発動するときに、効果が追加される「廻想スキル」が発動される場合がある。
また、各キャラクターは、それぞれ特性をひとつだけ持っているほか、敵も弱点特性というものが設定されている。同じ特性を持つスキルで攻撃することで、与えるダメージを大幅に増やすことができる。バトルでは、攻撃するスキルを選んだ後でどの敵を狙うか指示することができるのだが、このときになるべく弱点特性のスキルを選んだ方が戦闘を有利に進めていくことができるというわけだ。
スキルを使ったり、また敵が使用するスキルの対象になったりすることで、「必殺ゲージ」が溜まっていく。これは、それぞれのキャラクターの顔の下あたりに表示されている紫色のバーで確認することが可能だ。その「必殺ゲージ」が最大になると、「必殺スキル」を使用できるのである。「必殺スキル」が発動すると、ド派手なアニメーションと共に、敵にも大きなダメージを与えることができるのだ。
複数キャラの必殺ゲージが同じターンにたまりきることが多い印象があるが、同じターン内にふたりのキャラクターが「必殺スキル」を発動すると「連携必殺」が発動する。これにより、さらに多くのダメージを与えることができる。
いくつかのウェーブで呪霊を祓っていくと、最後にボスが登場する。こちらは強力な必殺スキルを発動してくるので注意が必要だ。バトルのターンが進行していくなかで、敵の必殺カウントが増加していく。それが最大になった時点で発動するといった感じである。
また、敵にダメージを与えることでブレイクゲージを削っていくことができる。ゲージが0になりブレイクが発動すると敵は行動不能になり、与えるダメージも大幅に上がるので、それらも活用していきながらHPを削っていこう。
余談だが、ある程度ゲームを進めていくと、こうしたバトル自体もオートで戦わせることができるようになる。そのため、指揮官になったような気分でこの後に触れるキャラクターの強化や編成などに気を使っていくだけでも、ある程度クエストを進めていくことは可能だ。
派遣や強化クエストでキャラクターたちを上手に育てていこう
無事バトルに勝利してもらった報酬を使い、キャラクターたちを強化していくこともできる。「修練の燈」はレベル強化が、「呪物」ではキャラクターの能力を開放できる「GRADE強化」が行える。ゲームの進行を優先してしまうとついつい忘れてしまいがちだが、それに合わせてキャラクターたちも徐々に強化していくようにしよう。
また、ガチャなどで新しいキャラクターが加わったときも、同様に「レベル強化」や「GRADE強化」をして、他のキャラクターと見劣りしないように強くしておいたほうがいいだろう。
キャラクターのレベルアップだけではなく、「廻想残滓」も同じように強化していくことができるが、必要なアイテムを入手するために用意されているのが、強化クエストだ。急に勝てなくなってしまったときなどは、とりあえずキャラクターを強化するために、こうした強化クエストを活用するのもひとつの手である。
キャラミッションや派遣といったミニゲームをプレイすることで、キャラランクEXPと呼ばれるものがもらえる。こちらを使って、キャラランクをアップしていくことができる。キャラランクが上がると、パラメーターボーナスが追加されるほか、新たなキャラボイスも開放していくことができる。
プレイヤーが直面する最初の難関! 特級呪霊の漏瑚とのバトル
基本的にサクサクゲームを進めていくことができたのだが、初めてゲームオーバーとなってしまったのが、特級呪霊である漏瑚とのバトルだ。この漏瑚は、領域展開「蓋棺鉄囲山」を繰り出してくる。これが発動されると、継続的なダメージが全メンバーに与えられてしまい、あっという間にゲームオーバーとなってしまうのだ。
多少キャラクターを強化した程度ではまったく歯が立たなかったため、ここで考えを改めることに。そもそもパーティに3人しかいないというのが戦力不足に繋がっているため、その時点で所有している廻珠をつぎ込んでガチャを回して入手したキャラクターたちを育てながら挑むことにした。
ガチャを回した結果入手したのが、呪言の使い手である狗巻 棘と、伊地知潔高である。しゃけ先輩の方はともかく、「伊地知さんってそもそも戦闘向きなのか!?」という疑問はあったものの、贅沢を言っている時間的な余裕もなかったため、このふたりを加えた5人を強化しつつ漏瑚に挑んでいくことに。
最終的には、虎杖としゃけ先輩がダウンしてしまった後も、伊地知さんのフォローアップなどもあり、なんとか強敵である漏瑚に勝つことができた。メインクエストとしてはちょうどこの辺りで時間が迫ってきてしまったため、今回の先行プレイは終了となった。
全体的な印象としては、やはりフルボイスでストーリーが追体験できるというのは非常に楽しく感じた。アニメと同じ流れではあるのだが、登場するキャラクターが絞られているなどある程度スリムアップ化されているため、さくさくと物語が楽しめるといった印象だ。アニメや原作のファンはもちろんのことだが、このゲームがきっかけで『呪術廻戦』という作品自体のファンになる人も多いのではないだろうか。いずれにせよ、サービス開始後は、ぜひこの素晴らしい体験を多くの人にしてもらいたい。