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ブシロードの新作TCG『プロ野球カードゲーム ドリームオーダー』は、プレイヤーが監督となって自分だけの夢のチーム(デッキ)を組んで戦える。野球ならではの駆け引き要素+ガチめのカードゲームが融合する高いクオリティに驚き

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ブシロードより、4月20日に発売が開始される新たなカードゲーム『プロ野球カードゲーム ドリームオーダー』(以下、ドリームオーダー)。本作は、一般社団法人日本野球機構(NPB)より承認を受けた、プロ野球を題材にしたカードゲームだ。全12球団の選手がカードとして登場し、プレイヤーは監督となって自分だけの「ドリームオーダー」を作って対戦することができるという点が作品の魅力となっている。

ブシロード代表取締役の木谷高明氏は、「何年かおきに社運を賭けて新たな作品やタイトルを発表してきたが、コロナ渦が終わり久しぶりに社運を賭けて挑みたいタイトルができた」と本作をアピール。カードゲームといえば、アニメやゲームを題材にしたもののほか、オリジナルの世界観を元にしたものがほとんど。スポーツを題材にしているカードゲームは現在日本には存在しないようだ。

また、「プロ野球」というテーマを選んだのには理由があるとのこと。同社のグループである新日本プロレスとスターダムの両方を足すと、年間動員数は40万人ほど、Jリーグの場合は600万人ほど、スマイルアップ(旧ジャニーズ)のグループすべての動員数を足すと580万ほどだが、プロ野球の年間動員数はなんと2500万人を超える。

このように、プロ野球は日本最大のイベントであるのはもちろん、人気のIPでもあるのだ。この『ドリームオーダー』では、プロ野球で活躍する選手たちの躍動感をカードゲームという形で表現している。

本作の発売に先駆けて、4月5日(金)にメディア向けの先行体験会が実施された。こちらの記事では、本イベントを通してわかった特徴や、魅力についてレポートしていく。

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▲ブシロード代表取締役 木谷高明氏。

取材・文/高島おしゃむ


あえて「ピッチャーとバッターとの勝負」にフォーカスすることで、カードゲームらしいエキサイティングな駆け引きを楽しめる

『ドリームオーダー』のポイントは3つある。ひとつめは、「ピッチャーとバッターとの勝負」に焦点を当てているところだ。実際の野球やコンピューターゲームでは、ピッチャーが投げたボールをバッターが打ち、それを野手が守るというように、様々な要素が盛り込まれている。あえてそれをピッチャーとバッターとの対戦に絞ることで、カードゲームらしい駆け引きが楽しめるようにしているのだ。

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本作のキモは、この「カードゲームらしい」という部分だ。たとえばピッチャーが内角や外角、あるいは球速の緩急などといった配球でバッターと行う駆け引きとは、少し異なっている。それぞれのカードには、ピッチャー側で使用するDP(ディフェンスポイント)やバッター側で使用するAP(アタックポイント)が数字で書かれている。この数字が大きい方が勝ちとなるのだ。

もちろん実際の野球と同じように、他の野手の要素も盛り込まれている。それがふたつめのポイントである「サポート」だ。こちらはサポートエリアに最大2枚のカードを置くことで、サポートカードの持つDPまたはAPを加算することができるというものである。

「サポート」はピッチャーもバッターも使用することができるが、ここでもうひとつの駆け引きが発生する。勝負をするときには、バッターが「ミート」または「強振」のいずれかを宣言する。それぞれのカードに記載されているAPやDPには、「ミート」もしくは「強振」の文字が書かれている。たとえばバッター側が「強振」を宣言したときに、投手側のDPに「強振」がないとサポートを使ってポイントを加算することができないのだ。

つまり、投手側はバッターが「ミート」もしくは「強振」のどちらを選択するのか読みながら、サポートのカードを選んでいくことになるのである。

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▲投手側のカード。小島和也選手がメインの投手で、残りの2枚がサポートだ。この場合、バッターが「ミート」を選ぶと、小島選手のDP6に加えて頓宮選手のDP2と浅村選手のDP2が加算されてDP10になる。

カードの数字の読み合いでバッターが勝った場合、バットに球が当たった状態となる。その打球がどのように飛んでいくか決めるのが、3つめのポイントである「ふたつのサイコロ」だ。本作では、バッターが振ったサイコロの目の合計で、打球の判定が行われる。

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このサイコロの数の判定に使われるのが、「チームカード」だ。そこに、「ミート」を選んだ場合と「強振」を選んだときの結果が書かれている。たとえば「パシフィック・リーグ オールスター」のチームカードでホームランを狙うには、「強振」でピッチャーに勝ち、サイコロを振って11以上の数字を出す必要があるというわけである。

余談だが、この「チームカード」はスターターパックに含まれているものの、基本はそれぞれの球団ごとのカードが使用できるルールとなっている。たとえば巨人の「チームカード」では巨人の選手のみデッキで使用することができる、といった具合だ。今回は特別にパ・リーグとセ・リーグの「チームカード」を使用して体験会が行われたが、今のところこのふたつのカードの入手方法は決まっていないとのことだ。

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▲チームカードで打撃の結果がわかるほか、このカードによって使える選手の種類も決定される。

勝負を決めるのはカードの強さだけじゃない。相手の行動を先読みしてサポートカードを駆使しよう

サポートカードは単純にAPまたはDPの数値を加算するものだけではなく、特別な効果も用意されている。そのうちのひとつが、「戦術」と書かれたカードだ。たとえばバッターが強振を狙っていることを予想してDP5の「戦術」カードである外野警戒を選ぶと、外野警戒のAPまたはDPが加算される。打者側にも同じようなカードが用意されているので、ここ一番で勝負したいときなどに役に立ってくれそうだ。

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▲左が「戦銃」のカードだ。ここ一番という勝負所で活用したい。

もうひとつの要素が「覚醒」である。デッキには最大4枚まで同じ選手のカードを入れることができるルールとなっているので、同じ選手のカードでサポートすると、メインエリアの選手のDPがそのまま加算される。これによって合計の数字が大きくなるため、確実に勝ちたいときなどに活用することができるルールとなっている。

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▲通常サポートのカードは、右下に小さく書かれている数値がメインに加算されるが、同じ選手の場合は右側の数値がそのまま加算することができる。

このような形でゲームを進めていき、アウトが3つになると攻守を交代。3イニングが終わった時点で、合計得点が多い方が最終的に勝利となる。本物の野球では少なくとも9イニングまで行われ、3時間ほどかかる。この『ドリームオーダー』の場合も、9イニングでプレイすると1時間から1時間半ほど時間がかかってしまうため、3イニングにしているとのことだ。

ただし、今後の遊び方によっては長いイニングでもプレイする場合もありえるとのこと。もちろん、自分たちでルールを決めて長いイニングで遊ぶことも可能だ。

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ピッチャーとバッターの勝負がメインとなるが、それ以外の部分でも細かくオリジナルの野球の流れを取り込んでいるところが、この『ドリームオーダー』の面白いところだ。使用するプレイマットは球場をモチーフにしているものの、基本的に内野部分しか使用しないためわかりやすい。

プレイマットの下側は「ベンチエリア」になっており、そこに先発投手やスターティングメンバーのカードを並べておく。先行側は1番打者を、後攻側は先発投手をそれぞれベンチエリアからメインエリアに移動させる。ピッチャーとバッターが出揃ったところで、実際の野球同様に試合の準備が整った形となるのだ。

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それに加えて、『ドリームオーダー』では試合を開始する前に、「せーの」のかけ声に合わせて「プレイボール!」と片腕を上げて叫ぶことで、ゲームスタートとなる。ちょっとした儀式のようなものだが、野球をプレイするときのような不思議な高揚感が味わえるのがうれしい。

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▲すべての準備が整ったら、片手を大きく上げて「プレイボール」のかけ声と共にゲームが開始される。

協賛試合も続々開催決定。特別なPRカードの配布も見逃せない

『ドリームオーダー』のスタートデッキの発売は4月20日(土)で、全12球団分のデッキが登場する。同じく、各チームを強化するためのブースターパックも、・リーグとパ・リーグのそれぞれ2種類が同日に発売される。なお、ローソンでのブースターパックの取り扱いも決定しており、全国の約1万2000店舗で販売されるとのことだ。

また、発売日の4月20日(土)より秋葉原にポップアップストアもオープン。電気街南口徒歩30秒とアクセスも良好なので、こちらもあわせてチェックしたい。

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▲4月20日に発売されるスターターパックは、球団ごとに用意されている。

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発売以降は、プロモーションとして12球団とのスポンサードも行われる。来場者に対してPRカードの配布が行われるなど、野球ファンにもアピールしていく予定とのことだ。さらに、発売日の4月20日(土)を皮切りに協賛試合も実施され、各球団の協賛試合が夏まで続く。

なお、4月20日(土)に明治神宮野球場で行われる協賛試合では、真中満氏が始球式とテープカットを執り行うほか、「PRカード山田哲人(2024 CREW ユニフォーム)」が来場者用のプレゼントとして配布される。応援している球団がある方は、このPRカードの配布も見逃せない。

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発売に先駆けて、2月17日(月)から全国150ヵ所以上でティーチングツアー(講習会)も開催中だ。本イベントでは『ドリームオーダー』の基本的な遊び方が学べるほか、参加者には12球団のPRカードの中から、いずれか2種類がもらえるという特典も用意されている。このPRカードは、ゲーム中に「タイムポイントカード」として使用可能なものとなっている。

こちらのティーチングツアーには、小学生から50代ぐらいまでと幅広いユーザーが参加。一般的なカードゲームと比較すると客層は半分ぐらい被っているそうなので、これまでのカードゲームファンに加えて、野球ファンからも興味を集めているようだ。このほかにも親子連れで訪れている方や、中には監督と選手のように野球チームで参加している方もいたとのことだ。

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▲こちらがティーチングツアーでもらえるPRカード。

『ドリームオーダー』は、カードゲームを通してプロ野球への興味を促進するほか、親子2世代を通してカードゲームからプロ野球への裾野を広げるという役割も担っている。また12球団からも、カードゲームをきっかけにプロ野球のファンが増えると嬉しいという期待の声が上がっているという。

筆者も実際に遊んでみて、クオリティの高さに驚いた。野球の駆け引き要素だけではなく、従来のカードゲームの要素が見事に融合し、野球をテーマにした新たなゲームへと進化を遂げている。それに加えて、ひとりの選手でもレアリティが異なるバージョンが用意されているなど、コレクター心をくすぐるところもカードゲームの魅力だ。野球好きでこれまでカードゲームに触れたことがない方は、この『ドリームオーダー』をきっかけに挑戦してみてはいかがだろうか。

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▲ブースターパックに含まれるカードには、同じ選手でもキラキラ光るものやサイン入りのものなど、様々な種類が用意されている。
ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。

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