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「ランダム性」と「戦略要素」が絶妙に絡み合う『機兵とドラゴン』が面白い。マルチプレイで味わえる“運命共同体”としての一体感を体験してほしい

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「リアルタイム運命共同体バトルってなんだろう?」

筆者が『機兵とドラゴン』(以下、機ドラ)に出会い、初めて抱いた印象がそれだった。

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▲『機兵とドラゴン』はiOS/Androidにて現在配信中です。

本作をひと言で表すと、「機兵」と呼ばれる魔人を召喚しつつ「浮島艦」と呼ばれる空飛ぶ戦艦を守りながら戦う、チーム制のバトルロワイアルゲームです。

「リアルタイム運命共同体」とは、『機ドラ』公式が謡っている本作のジャンルで、既存のジャンルに当てはめて説明させていただくのなら「RTS」や「MOBA」に非常に近いものだと考えていただければイメージしやすいかもしれません。

筆者自身、対人要素はわりと好きなほうではあるのですが、どちらかと言えばチームプレイよりもソロプレイが好みで、チーム戦と聞くとちょっと腰が重くなりがちでした。

しかし、本作はそんな筆者でも″気軽に初めてすぐに対人戦を楽しむことが出来る嬉しい作り″になっていたのです……!

本作はスマホゲームの中でも他ではあまり見かけないような斬新なシステムとなっており、同時に無駄なものを徹底的に削ぎ落し「誰にでもすぐに楽しめるゲーム性」も両立しています。

このあたりはひとつずつじっくりとお話をさせていただきたい部分でもありますので、本稿ではそんな本作の魅力を読者の方になるべく分かりやすくお伝えしていければと思います。

文/SINSI


リアルタイム運命共同体バトルって実際のところ何?

冒頭でも触れさせていただいたとおり、本作の正式なジャンルは「リアルタイム運命共同体バトル」という『機ドラ』独自のもの。ひとまずは「運命共同体バトル=チームバトルのエモい言い方(または表現)」ととらえていただき、本稿を読み進めていただければと思います。

本作では4つのチームに分かれて自らの搭乗する浮島艦を強化しつつ、機兵やドラゴンを従えながら5分のあいだ生き残りをかけて戦い抜くことが目的。勝利条件は非常にシンプルとなっており、相手の浮島艦を全て撃破するor生き残った上で獲得したポイントがより多かったチームの勝利となります。

(※ちなみに本作ではソロ・タッグ・トリオの三種類の方法でチームを組んでバトルに挑むことができるのですが、基本的なルールに差異はありません)

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▲こちらがプレイヤーが搭乗する浮島艦です。初期状態では攻撃も防御も行うことが出来ないため、浮島艦を強化していくことがバトルにおける最初の目的となっています。

プレイヤーは「浮島艦」という″意思を持った空飛ぶ戦艦″に搭乗し、「ウキシマバトル」に挑むことになります。

操縦は″基本的にフルオート″。プレイヤーは戦況に合わせて「機兵」や「ドラゴン」と呼ばれる、浮島艦を守る味方キャラクターを召喚して戦うのが本作の基本的な流れとなっています。

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▲スキルが発動する際にはカッコいいカットインが差し込まれます。

まずは「機兵」と呼ばれるキャラクターの紹介をしていきましょう。

機兵は自らの意志を持っており、HPが0になるか新たに機兵を場に出すまでは浮島艦と同じく自動で行動してくれます。場に出せる機兵の数はプレイヤーひとりにつき1体まで。

機兵ごとに召喚できる回数や役割(アタッカーやタンク役)や属性(火や水属性などが決まっているので、プレイヤーはどのタイミングでどの機兵を手札から場に出すのかを常に考えながらプレイすることになります。

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続いて紹介するのは「ドラゴン」。

ドラゴンの召喚には時間制限が伴うものの、場に出すことで状況を一変させるほど強力な破壊力を持った「ここぞ!」 という勝負所で使用したい切り札的な存在となっています。

場に出ている間は浮島艦や機兵と同じように自動的に動いて戦闘を行ってくれるだけでなく、同じ属性の機兵のステータスを上昇させるパッシブスキルを所持していたりと強力な効果が備わっています。

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▲画像はチビドラの巣です。巣の根っこのような部分をよく見ると宝箱のようなものが!

そして機兵たちが戦闘を行うことになるのは敵の浮島艦だけではありません。

バトルマップ上には敵の浮島艦だけではなく、チビドラやチビドラの巣、デカドラといった敵キャラクターも徘徊しています。

これらのキャラクターを討伐することでバトルの勝利条件に関与してくるスコアを得ることが出来るほかに、浮島艦を強化することができる「艦パーツ」を入手することが出来ます

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▲艦パーツはチビドラの巣やデカドラを討伐することでドロップし、三種類の中から好きなものを一つ選択することができます。
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▲こちらがウキシマバトル最終盤の図。バトルの終盤では艦パーツが集まっていることもあり、中々カオスな見た目になります。

入手した艦パーツは自動的に浮島艦に装着されていき、攻撃機能の追加や移動速度の上昇などプレイヤーが選択した効果が浮島艦に追加されていきます。

ちなみにドロップするパーツは完全にランダムとなっており、試合ごとに見た目も能力も異なる浮島艦が出来上がっていく様子を眺めるのも本作における醍醐味のひとつです。

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▲画像は強化バトルのリザルト画面です。

制限時間がなくなるか敵の浮島艦を全て撃破することで、その試合のリザルト画面へと移行します。

残り時間が減るにつれてバトルを行うエリアの縮小が行われるので、獲得ポイントでの判定勝ちよりも最終盤のガチバトルを制したチームが勝利する展開が多いのも本作の面白いところ。

また、本作では「強化バトル」と「ランクバトル」の2種類のモードが実装されており、時間帯によって交互に開催されています。

◆強化バトル
・機兵や艦パーツなどの強化に必要なアイテムを入手できる
・レベル(育成状況)が平等になる

◆ランクバトル
・ランクの上昇に必要なポイントを順位に応じて獲得できる
・プレイヤーごとに育成したステータスが反映される

ゲームに慣れるという意味も含めて、まずは強化バトルで気軽に対戦しつつお気に入りの機兵たちを育成してみるのがオススメですが、とりあえずはプレイ時に開催中のバトルに挑んでみるのも良いでしょう。

バトルの度に異なる姿を見せるデッキたち。麻雀やポーカーを彷彿とさせるランダムデッキというシステムが面白い

前の項目ではバトルの大まかな流れをご紹介させていただきましたが、ここからは各要素について掘り下げて紹介していきたいと思います。

本作ではバトルの前に非常に重要な準備段階が存在しています。

それがコチラのランダムデッキというシステムです! (本作の開発総指揮を務めた森山尋氏が過去に手がけた『城とドラゴン』ユーザーならお馴染みシステムかもしれません)

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▲デッキの枚数は全部で6枚。

本作ではバトルの開始直前に、そのバトルで使用するキャラクターが手持ちの中からランダムで選択されます。

デッキは左からリーダー、ドラゴン、メンバーという配置になっており、試合ごとに5回まではデッキの再抽選を行うことが可能。リーダーは確定でデッキに組み込まれるほかに、「リーダーアビリティ」というリーダー時のみ発動することが出来る強力なパッシブスキルが発動します。

こちらは尖った効果を持っているキャラクターが多く、リーダーの指定を行えるシステムとも相まって毎試合確定で発動させることができるアビリティとなっているため、自身の手持ちに合わせた効果を選択することが重要になりそうです。

ドラゴンは本作における切り札的な存在なので枚数制限が設けられており、各デッキに1枚のみとなっています。

メンバーは手持ちの機兵の中から四体がランダムで抽選され、選出された機兵はランダムで「メンバーアビリティ」と呼ばれるパッシブスキルが発動することがあります。

こちらは攻撃力や防御力のアップの他に、レア度の高い浮島艦のパーツを入手する確率が上昇するものなど、取り回しの良いものが多く揃っています。

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▲リーダーに設定するキャラクターは試合の前に都度選択することができます。リーダーには機兵だけではなくドラゴンも設定することができるので、その時々でベストなキャラクターを選択していきましょう。

ここまで本稿を読んでいただいた方の中には、

「デッキまでランダムだったらただの運ゲーになるんじゃないの?」

といった疑問をお持ちになった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

もちろん、そうおっしゃりたくなる気持ちもよく理解できます

筆者も実際に本作を遊んでみるまでは「かなり攻めたシステムを実装したゲームだな!?」と、全く思わなかったかと言えば嘘になります。しかし、プレイヤーが疑問を感じる要素をしっかりと解決してくれているのが、後述する本作のバトルが面白い理由に繋がっていきます。

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こちらは機兵やドラゴンなどを確認できる画面なのですが、右下に「補欠設定」という項目があります。

この「補欠設定」の機能で、バトル中に使用したくないキャラクターやパーツ(=補欠)を事前に選択しておくことにより、ゲーム中に登場するカードをある程度コントロールできるようになります。

既存のゲームになぞらえるならば、本作のランダムデッキという要素自体は麻雀やポーカーなどに近いゲーム性を含んでいます。もし、上記のゲームで引ける牌やカードを自らの手でコントロールすることができるとしたら……面白くないですか?

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▲選択したカードには「補欠」のマークが表示されます。補欠に設定することができる数はプレイヤーの持つカードの所持数により変動するようです。

使用方法の一例としては、育成が完了していない低Lvのカードをデッキに入れないようにすることや、種類が少ないカードを補欠に設定し、ドローするカードを特定のものだけに固定にしたりなど、プレイスタイルによって様々な活用方法を行うことができると思います。

さらに具体的な例を挙げて説明させていただくと、筆者は麻雀でいうところの「広く受ける」というプレイスタイルをどのゲームでも好むので、

・手持ち2種類のドラゴンの片方を補欠に設定して選出されるドラゴンを確定させ、確定選出のドラゴンを集中育成
・属性系のバフ効果を持つパーツを補欠に設定してどの機兵やドラゴンが場に出ても恩恵を受けやすい状態にする

などで補欠設定を活用しています。

また、新たなカードが登場するたびに「何を補欠にするか?」というセオリーが変化しそうな部分も、本作の魅力的な要素のひとつだと感じました。

限られた手札をどこで切る? 選ばれたカードによって最適解の立ち回りを導き出そう!

本作では機兵ごとに属性相性と機兵タイプが割り振られています。

属性には火・水・風・無属性の4種類が存在しており、直感的なイメージはそのままに火は風属性に強く水は火属性に強いなど、三すくみの影響を受けることになります。無属性は属性相性による影響を受けませんが、当然相手に対して影響を与えることもできません。

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▲ちなみに属性相性を表したものはバトルの最中にも画面内に常に表示されているので、ゲームを始めたばかりの方でも安心です!

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続いては機兵タイプについて。機兵タイプは各カードの左上に攻撃タイプなら「攻」、防御タイプなら「防」と表示されており、バトルの最中でもひと目で分かりやすくなっています。

そして機兵タイプはその機兵の得意な要素を可視化しているだけではなく、タイプによってバトル中の動きが変化する特性を持っています。

「攻撃タイプ」は敵の浮島艦を積極的に攻撃し、敵の浮島艦を攻撃した際に一定の確率で相手の装備しているパーツを破壊することがあります。

「防御タイプ」は主に相手の機兵の攻撃を引き受けるタンク役を担ってくれます。耐久力にも長けており、一度場に出したら長時間の活躍が期待できるタイプですが、攻撃タイプとは反対に敵の浮島艦に与えるダメージは控えめとなっています。

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▲上記のルールはバトルのマッチング中などにもTIPSが表示されるので、遊びながら少しずつ覚えることができるようになっています。

ゲームのジャンル的にも本来であれば攻撃タイプと防御タイプをバランスよく配置したいところではありますが、ランダムデッキというシステムが存在することにより一筋縄ではいかないのが『機兵とドラゴン』というゲームなんですよね……。

しかも機兵の召喚回数には制限が設けられているので、むやみやたらに召喚を繰り返しているとバトルの終盤には場に出せる機兵が居なくなり戦えなくなってしまいます。

では機兵を効果的なタイミングで場に召喚したり、温存するためにはどうしたら良いのか?

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▲投票と書かれた赤いカードが「緊急投票」です。

それこそがバトル中に任意で発動することができる「緊急投票」というシステム。

こちらはプレイヤーが現在の戦況に大きく関与することができるシステムとなっており、緊急投票のカードを場に出すことで、おまかせ・攻撃・探索・逃げるの4種類の中からひとつ選択して投票を行うことができます。

投票が可決された際には、投票数が一番多かった行動を一定時間のあいだ浮島艦が自動的に行ってくれるように。(※ソロプレイ時はプレイヤーが選択したものが確定します)

各選択肢の効果としては以下の通り。
・「おまかせ」は他の味方に判断を委ねる
・「攻撃」は敵の浮島艦やデカドラを任意に選択し、狙い撃ちにすることができる
・「探索」は敵艦を探してマップ上をうろうろする(デフォルトは探索モード)
・「逃げる」は文字通り目の前の敵から距離を取る

とりあえずゲームに慣れるまでは「逃げる」を優先的に選択してみるのが筆者的にはオススメです!

本作はバトル中にマップを確認することができないので、急に敵に囲まれてピンチ! なんて状況も多発します。そんな時は逃げるを選択することで不利な状況から仕切り直すことができるので、このまま進んだら接敵するかもしれないと思った時には、躊躇わずに緊急投票を発動してしまうのもひとつの手だなと思いました。

ちなみに緊急投票のカードの左側にあるボタンをタップすることで、デッキをシャッフルして現在の手札を引き直すこともできます。

緊急投票も他のカードと同じようにいつ手札に来るのかはランダムとなっているので、戦況が悪化しそうな雰囲気を感じた際には早めに手元に確保しておくのも良いでしょう。

本作の真髄はマルチプレイにあり!? その身をもって運命共同体バトルを体験しよう!

さて、ここまでで本作におけるルールやシステムについての解説はあらかたご紹介し終えましたので、ここからはメインコンテンツとなるマルチプレイでのバトルについてご紹介させてください。

バトルのルールによって共闘することができる人数が違っており、強化バトルにはひとりから3人。ランクバトルには最大ふたりでバトルに挑むことができます。

ここまでご紹介させていただいた通り、本作はあらゆる場面にランダム要素が散りばめられた作品となっています。ランダム要素が存在していることでセオリーが固定化しにくく、バトルのたびに異なる体験を得ることができるという反面、どうあがいても負ける時は負けてしまうといった、いわゆる運ゲー的な要素からは逃れることが難しいという側面も同時に持ち合わせています。

そこで「もう機ドラのルールはバッチリだぜ!」という方にオススメしたいのが、マルチプレイでのバトルとなります。

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▲画像はデュオで挑んだランクバトルでのひとコマです。

画像左上にご注目ください。現在は筆者が攻撃タイプの機兵を、味方が防御タイプの機兵を召喚している状態です。

先ほどまで解説に使用していたソロプレイ時の画像とは違い、マルチプレイでは役割分担を行いながら戦闘を行うことができます。

そしてマルチプレイの際に得られる大きな恩恵として、″実質的に″デッキの総数がデュオなら2倍の12枚になり、トリオなら3倍の18枚になります。

もちろん味方がどのタイミングでどのカードを場に出すのかをコントロールすることはできませんが、マルチプレイではランダムデッキの抽選の際に手札事故【※】が起こってしまった場合のフォローをお互いにし合うことができるというわけです。

(※手札事故とは主にTCGにて用いられる用語。手札のカードが偏りすぎてしまった場合など、意図した戦術が行えない状態を指し示す)

例えば自分が運悪く攻撃タイプの機兵しか引けなかった場合でも、味方は防御タイプを引いているという可能性が残されているので、ハンデを背負った状況でバトルが開始されるということを回避することができます。

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▲マルチプレイでは特定の機兵を場に出し合うことで特別な効果を発揮させることもできます。

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ちなみに本作ではスタンプを使っての簡単な意思疎通や、チャットを利用してのコミュニケーションをバトルの最中に行うことができます。

先述したように手札事故が起こってしまった場合などには「防御機兵なし!」といった感じで、バトル開始時に味方に伝えてみるのも良いかもしれませんね……!

そんなマルチプレイを楽しむようになってからでしょうか……筆者の中で″運命共同体バトル″という言葉に対する印象に大きな変化が訪れました。ひと言でいうと「感じる面白さが大きく向上」しました。

理由としては、手札事故をカバーし合えることで安定したプレイングを行うことができるようになった点がとても大きいのですが、何よりも熱さを感じた瞬間は「緊急投票で全員の意見が一致した時」なんですよね。

一致した瞬間に全てを察しました。「あぁ……俺たちは今、″運命共同体″としてひとつになって″バトル″をしているんだな……」と。

このあたりの感覚的な面白さは是非ともご自身で本作をプレイして体験してみて欲しいと思います。

そして本作のマルチプレイの面白さを向上させている理由としては、意思疎通の手段が(基本的には)最低限に抑えられていることと、自動的にゲームが進行していく最中に緊急投票という全てのプレイヤーが同時にゲームに干渉する要素を盛り込んだことにより、シナジーが生まれているからだと筆者は感じました。

ストーリーは王道で胸熱!まるで夕方にアニメを見ているかのような懐かしい気持ちが蘇ってきた

最後にご紹介させていただくのは本作のストーリーについてです。本作は世界設定から作りこまれており、随所から制作者のこだわりを強く感じることができます。

ゲームの開始直後、本作の世界観や機兵がどのようにして生まれたのかについて語られます。

大昔に大地が壊れてしまった人々は空に浮かぶ島へと移住しました。
しかし空の世界には何も存在しておらず、人の身では長く生きることができませんでした。

ある時、神のすまう島「エルドピア」を見つけたことにより、人は神から「叡智」を授かります。

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人は様々な叡智を神から授かりましたが、その中でも最高の叡智とされたものが「″魔人″を呼び出すことができる指輪」の存在でした。

指輪から現れる″魔人″は人々のために尽くしてくれました。
やがて人は″魔人″を「機兵」と呼ぶようになります。

しかし、平和な時代は長く続くことはありませんでした。

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空での生活が豊かになっていくと、人々は″叡智″を求めて戦争を始めたのです。

戦争はすぐに終わることはなく、多くの命が失われました。
すると、まるで入れ替わるかのようにドラゴンが現れるようになったのです。

長きにわたる戦争により機兵は消え、島は沈み、人の命は失われ……。
それでも争い続ける人々に対し、神はある提案をします。

「指輪の戦士を舟に乗せ、この空に序列を刻め」

「優れた戦士の浮島に、よりたくさんの″叡智″を与えよう」

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こうして人々は「ウキシマバトル」に身を投じることになったのでした。

というところまでが本作のプロローグです。

筆者は作中に登場する要素やシステムがその世界でどのようにして生まれ、なぜそれを行う必要があるのか? ということに意味を求めるタイプのオタクなので、そのあたりの疑問をプロローグで一度に解決してくれるのは世界観にすんなりと浸ることができて嬉しく思いました。

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そして本作にはストーリーモードも用意されているので、こちらも冒頭部分だけではありますがご紹介させてください。

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主人公の故郷「ロタ」がドラゴンの群れに襲われた際に、主人公は初めて機兵の召喚に成功します。

機兵「リニア」と共にドラゴンの群れを討伐することに成功した主人公らが故郷に戻ると、リニアは「エンジュ」という人物と間違えられ驚きます。

それもそのはず。エンジュというのは九年前にロタがドラゴンに襲われた際、命を落としてしまった主人公の幼馴染の名前だったのです。

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出会った直後、自分はエンジュではないと主張していたリニアでしたが、主人公たちとウキシマバトルに挑むうちに徐々にエンジュとしての記憶を取り戻していきました。

こうしてふたりは子供の頃に交わした、ウキシマバトルでチャンピオンになるという夢を叶えるために、戦いの中に身を投じていくことになるのでした。

といった感じで本編の方をかなり駆け足でご紹介させていただきましたが。率直に申し上げて、″良い″が詰まってますよね……。

言ってしまえば主人公の相棒が実は幼馴染でした! 的な展開は王道中の王道ではあるのですが……

結局はこういうのが一番美味いわけよ!!!!

そして本作のこだわりを感じるポイントとして、キャラクターごとの台詞が日本語による吹き替えではなく″独自の言語″が用いられたものが使用されていることです。

一例としては『ICO』『ワンダと巨像』『FF10』のアルベド語のようなものをイメージしていただければ伝わるのではないかと思います。

また、使用されているBGMも本作の幻想的な世界観に非常にマッチしており、ストーリーの最中はもちろんのことバトルの最中もプレイヤーのテンションを常に高めてくれます。

バトル中のBGMは本作の中でもとくにお気に入りの一曲となっているので、公式PVにてチェックしていただければ幸いです。


リアルタイム運命共同体バトルという新ジャンルを世に送り出した本作。その言葉に偽りはなく、我々プレイヤーに対して新たな遊びを提供してくださいました。

対人戦が中心となる作品ということもあり、一見すると少々取っ付きにくそうな雰囲気を感じてしまうかもしれません。

しかし、本作は自動操作でのバトルをゲームの中心に据えているため、今日始めたばかりのプレイヤーと以前から遊んでいたプレイヤー同士で対戦したとしても、極端に大きな差が発生しないようになっており、バランス面の視点においてもシステムに上手く落とし込まれていると感じました。

ゲーム自体の面白さに加え、取っ付きやすいストーリーや幻想的なBGMたち。

そして魅力的な機兵やドラゴンなど、様々なキャラクターが織りなすことで作り上げられている『機兵とドラゴン』というひとつの世界に、是非一度はご自身の手で触れていただければと思います。

ライター
幼少期にスーパーファミコンと出会い、それ以来ゲームの虜となる。 気になったタイトルはジャンルや年代を問わずに遊ぶことが多いが、特に好きなジャンルはRPG、ACT、ローグライク、メトロイドヴァニアなど。

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