4月24日は『戦場のヴァルキュリア』シリーズ第1作目が発売された日だ。
2008年4月24日にセガより発売されたPlayStation 3用ソフト『戦場のヴァルキュリア』は、架空のヨーロッパを舞台に戦争という極限状態で生まれる人間ドラマを描いた、シミュレーションRPGだ。
独自の歴史を歩んできた架空のヨーロッパで、大陸を二分する2つの大国、連邦と帝国の間に戦争が勃発。両国に挟まれた小国・ガリア公国は中立を掲げていたが、帝国軍の侵略を受けてしまう。首都陥落の危機を迎えたガリア公国で、寄せ集めの義勇軍第7小隊は果敢に帝国軍に立ち向かう……。
PS3の完全オリジナル新作として登場した『戦場のヴァルキュリア』は、「CANVAS」と呼ばれる独自のグラフィックにより、手描きイラストのようなタッチの3DCGが動く、温かみのある画面を実現している。
ゲームシステムでは「BLiTZ」と呼ばれる独自のバトルシステムが採用されている。コマンドモードで兵士や戦車といったユニットを指定して行動を選択すると、アクションモードに移行。アクションモードでは一定時間のあいだそのユニットを直接操作して、移動を行ったり銃や手榴弾で敵を攻撃したりできる。
つまり本作は、ターン制シミュレーションとアクションシューティングの良いトコ取りのようなゲームシステムになっており、奥深い戦略と戦闘の臨場感を同時に味わうことができるわけだ。
ストーリー面では小隊長のウェルキンや偵察兵のアリシアといった第7小隊の面々だけでなく、古代ヴァルキュリア陣の末裔である帝国軍の女性指揮官セルベリアなど、さまざまな人物が登場して厚みのある人間ドラマが展開されている。さらに、脇役となる第7小隊の兵士たちも、ゲームプレイを通じて能力や個性が徐々に明らかになっていくといった要素があり、愛着を持って接することができる。
『戦場のヴァルキュリア』は、ゲーム発売後の2009年にはTVアニメシリーズが放映されるなど、多彩な展開が行われた。さらに、2010年には『戦場のヴァルキュリア2 王立士官学校』、2011年には『戦場のヴァルキュリア3』と、ゲームのシリーズ展開も行われたが、この2作はPSPでのリリースとなっている。
『3』から7年後の2018年には、PlayStation 4とNintendo Switchで『戦場のヴァルキュリア4』が登場。これに先立ち、2016年にはPS4で『戦場のヴァルキュリア リマスター』が、2018年には『戦場のヴァルキュリア for Nintendo Switch』が発売されており、2024年現在でも現行機種でプレイ可能だ。
個性豊かなキャラクターや独特の世界観、そして多彩な戦略を実現したゲームシステムと、『戦場のヴァルキュリア』には本シリーズでしか味わえない魅力が詰まっており、日本国内はもちろん海外でも根強い人気を獲得している。この機会にぜひ一度プレイしてみてほしい。