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植物の力を駆使して強敵に立ち向かう“ガーデン”ヴァニア『ネクターマンサー』の、レンズフレアをも再現した美麗なるグラフィックがすごい。投げればダメージを与え、収穫もできる不思議な植物「ネクター」を駆使して突き進む【BitSummit Drift】

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ゲームを目にした時、真っ先に飛び込んでくるものは何でしょうか?

それは絵であり、画面であり、ビジュアルです。読み込んではじめて分かる重厚なストーリーよりも、触ればすぐにわかる爽快なアクションよりも、鼓膜を振るわせるドラマチックな音楽よりも。見た目は全てに優越し、ディスプレイを通して文字通り光の速さでやってきます。

これはプレイヤーがどの順番でゲームの魅力に遭遇するかという話であり、見た目のよいゲームがほかのゲームより優れているという話では断じてありません。ですが、とにかくその見た目でもってタイトルを認識するよりも先に私の心を掴んだのが、本作『ネクターマンサー』です。

7月19日(金)から7月21日(日)にかけて京都市勧業館「みやこめっせ」で開催中のインディーゲームイベント・BitSummit Drift。今回私はこちらのイベントのビジネスデイに参加し、『ネクターマンサー』の試遊を体験させていただきました。

本作は鮮やかな色彩にクールなボス、高度なアクションテクニックにも応えられそうな戦闘ギミックなど、短い試遊時間のなかでも良作の予感がひしひしと伝わってきましたので、簡単なプレイレポートの形式で紹介させていただきます。

取材・文/うきゅう


植物の力を駆使して戦う「ガーデンヴァニア」。荒廃した、けれど美しい世界で強敵に立ち向かう

ゲームの説明に入る前に、本作の設定や世界観に触れていきましょう。本作『ネクターマンサー』の舞台となる世界は、未来を見る能力を持った「王座」と呼ばれる組織によって支配されています。彼らはその能力を駆使して不安定な世界から人々を守ってきましたが、やがてその能力を乱用し、世界の生態系を変化させてしまいました。

彼らの所業によって暴走した精霊は人々にとっての脅威となり、皮肉にもそのことがさらに王座の権力を強める結果へと繋がっています。

そんな絶望的な世界で、プレイヤーは新人のネクターマンサー「アイサ」として、特殊な力を持った植物であるネクターを栽培し、利用しながら冒険を繰り広げていきます。

BitSummitDrift『ネクターマンサー』試遊レポート:植物の力を駆使して強敵に立ち向かう“ガーデン”ヴァニア_001

本作は「ガーデンヴァニア」なるゲームジャンルを標榜しています。“キャッスルヴァニア”=『悪魔城ドラキュラ』のようにマップのあちこちを探索しながら道中のボスを打ち倒していくゲームであることと、そのために“ガーデン”=造園や植物の力を用いることを強く打ち出したいという意図を感じますね。

とは言え、本作の戦闘システムは『悪魔城ドラキュラ』シリーズよりも随分とスピーディですし、武器でもありリソースでもある植物「ネクター」の扱いにもこだわりが見られます。アクション面でも戦術面でも、現代のプレイヤーの好みに合わせて調整されているようです。

そんな本作の最大の魅力は、なんといっても一目でわかるこのグラフィックのよさです。鮮やかでカラフルな世界と、強烈な印象を残す「光」の描写はマップのあちこちで文字通り輝きを放っており、ゲーム内をウロウロと歩いているだけでも満足感があります。

BitSummitDrift『ネクターマンサー』試遊レポート:植物の力を駆使して強敵に立ち向かう“ガーデン”ヴァニア_002
背景から太陽光が差し込むと、手前に向かってレンズフレアが伸びてくるほどの気合の入りよう。

また、本作の近接攻撃は空中でヒットさせると攻撃の向きに合わせて大きく飛び上がる仕様となっています。空中に浮いている敵や障害物をうまく利用して俊敏に敵の間を飛び回り、見事に敵の群れを打ち倒した時の爽快感はクセになりそうです。

歩いているだけで楽しい、アクションを決めればもっと楽しい。アクションゲームの面白さってこれに尽きると思うんです。魅力的な世界を自在に駆け巡る。こんなに嬉しいことってあるでしょうか?

もうすこし戦闘にフォーカスして、本作のボス戦についても紹介させてください。本作では何体もの“精霊ボス”が登場する予定で、デモ版ではそのうちの一体との戦闘を体験できます。その名も「パノプティクス XVIM」

BitSummitDrift『ネクターマンサー』試遊レポート:植物の力を駆使して強敵に立ち向かう“ガーデン”ヴァニア_003

BitSummitDrift『ネクターマンサー』試遊レポート:植物の力を駆使して強敵に立ち向かう“ガーデン”ヴァニア_004

か、カッコよすぎる……!!

XVIMはローマ数字の16000でしょうか。何がどうなってこんな名前になったのか見当もつきませんが、こういう外連味の効きまくったボス描写、大好物です。

ちなみに私はあっけなくこのボスにやられてしまったものの、特に問題なくストーリーは進行しました。このパノプティクス XVIMは倒せるのか?倒したらどうなるのか?気になった方は是非会場で本作をプレイすることをおすすめします。


とにかくビジュアル表現が良すぎる『ネクターマンサー』の試遊もできてしまう日本最大級のインディーゲームイベント・BitSummit Drift7月19日(金)から7月21日(日)京都市勧業館「みやこめっせ」にて開催中です。

20日と21日の10時〜17時は一般公開されており、一般/大学生の方は税込2000円、高校生の方は税込1000円、中・小学校生の方は無料で入場することができますので、興味のある方はぜひ会場まで足を運んでみてください。

荒廃した世界で植物を武器に戦う“ガーデンヴァニア”『ネクターマンサー』はPC(Steam)へ向けて現在開発が進行中です。発売予定は未定となっています。

編集者
小説の虜だった子供がソードワールドの洗礼を受けて以来、TRPGを遊び続けて20年。途中FEZとLoLで対人要素の光と闇を学び、steamの格安タイトルからジャンルの多様性を味わいつつ、ゲームの奥深さを日々勉強中。最近はオープンワールドの面白さに目覚めつつある。
Twitter:@reUQest

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