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「ピクミン愛のうた」わたなべともえさんの歌声をバックに、じぶんの力で回転できないキャラ達がお互いを押したり回したりしてゴールを目指すパーティーゲーム『オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ』をプレイしてたら、家族がほしくなった【BitSummit Drift】

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家族みんなで遊ぶと楽しいね!

そう最後に思ったのは、もういったい何年くらい前だったろう?
いまやすっかり独身貴族となった僕は、もう長らく、そんな感覚があったことも忘れていた。

そう、そのゲームで遊ぶまでは

『オールユーニードイズヘルプ』試遊レポート:じぶんの力で回転できないキャラがお互いを押したり回したりする協力パーティーゲーム_001

今年7月、京都で開催された日本最大級のインディーゲームの祭典「ビットサミット」の取材で現地を訪れたときに見つけたそのゲームは、なんというか、あきらかに異質だった。

なにしろインディーゲームというのは、低予算・小規模で作られるものが多い。そうすると、こういった会場にあるのは右も左も、マニアックなブースに、マニアックなブースに、マニアックなブース……。そうなるのが自然の摂理だろう。

ところがそのゲーム……『オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ せーのでもふくるポン!』(以下、オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ)は、ぜんぜん違った。

だって、あきらかに家族向けを意識したパーティーゲームだったのだから。

『オールユーニードイズヘルプ』試遊レポート:じぶんの力で回転できないキャラがお互いを押したり回したりする協力パーティーゲーム_002
(画像はキュー・ゲームス公式サイトより)

こういうゲームもあるのか、という物珍しさとともに、とりあえず試遊台に座り、プレイを終える頃、僕はこう思ったのだった。

「そういえば家族で遊ぶゲームって面白かったな……」

そんなわけで今回は、もしかしたら人生を見つめ直すことにもなるかもしれない(?)マルチプレイパーティーゲーム『オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ』の試遊レポートをお届けしていくことにする。

文・取材/司破ダンプ


仲間同士の協力が必須。互いに声を掛け合いながらプレイすれば、パーティーゲームらしい「楽しい悲鳴」が飛び交う

ゲームの基本ルールはいたってシンプルだ。

ステージが始まると、4匹の操作キャラクターそれぞれが、立方体を組み合わせて作られた『テトリス』のブロックのような姿になる。各プレイヤーがそれぞれキャラクターを操作し、ゴールエリアとなるマスがすべて埋まるように移動させることができればステージクリアだ。

『オールユーニードイズヘルプ』試遊レポート:じぶんの力で回転できないキャラがお互いを押したり回したりする協力パーティーゲーム_003

しかし実際にゴールエリアに収まるのは、そう簡単じゃない。なにしろ各キャラクターは、自身の力ではいっさい回転することができない。そのままでは体の向きが変わらないので、ゴールエリアに収まることもできないのだ。

ではどうすればゴールエリアに収まることができるのか。答えは「協力」だ。自身のキャラを相手のキャラに押し付けるか、あるいは相手のキャラに自分のキャラを押してもらう形で体に力をかけ、無理やりその向きを変えていく

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本作はこのシステムによって、仲間同士の協力が必須な、一種の運命共同体パーティーゲームになっている。まさに「オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ(助けこそが任務)」というわけだ。

今回の試遊では3つのステージをプレイしたが、このシステムのおかげでチュートリアルともいえるシンプルな最初のステージから大きく盛り上がりを見せた。4人のプレイヤーが互いに声をかけながら、「ここに収まりたいからうまく回転させて!」、「あー、回りすぎた!」と楽しい悲鳴が響きまくる。

ステージBGMには「ピクミン愛のうた」で知られるわたなべともえさんの歌声が流れるようになっており、あたたかみのある雰囲気がまたいい。慣れない操作にそこそこ手間取りながらも、最終的にはどうにか全員がゴールエリアに収まり、どうにか最初のステージをクリアすることができた。

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▲ステージの合間には、キャラクターのネームプレートやアクセサリーを付け替えることもできる
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▲新しいアイテムは、ステージクリアの際に手に入るコインでガチャを回すことでゲットできる

その次のステージはすこしギミックが複雑に。ゴールエリアを埋めるには、マップ上に配置された追加のブロックを取ってこなければならない。しかしこれを取ると、その手前に仕掛けられた柵が上がり、来た道を戻れなくなってしまうというギミックが仕掛けられている。

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安直に追加ブロックを取りに行っても柵に邪魔されてしまうので、どうすればいいか相談して、今回は柵のせりあがる場所を他のプレイヤーがあらかじめ押さえておく作戦に。頭と体をひねりながら、どうにか無事に追加ブロックの回収に成功し、なんとかこちらのステージもクリアできた。

そして3つめのステージは……。

『オールユーニードイズヘルプ』試遊レポート:じぶんの力で回転できないキャラがお互いを押したり回したりする協力パーティーゲーム_009

スペシャル!

ここはこれまでとは打って変わって、プレイヤー同士でチーム戦に挑むミニゲームステージだ。エアホッケーのようなルールで、二人一組でマレットを動かし、ボールを打ち返して、ゴールした得点を競っていく。

ランダムに選出されるステージの中には、たまにこういった息抜き的なステージも用意されているそうだ。

『オールユーニードイズヘルプ』試遊レポート:じぶんの力で回転できないキャラがお互いを押したり回したりする協力パーティーゲーム_010

こうして時間切れまでミニゲームを楽しみ、3つのステージを終えたところで、今回の試遊は終了となった。

このほか、別の来場者の試遊では、巨大なボールを転がしていって穴に落とし、通路を作ってゴールエリアに向かうといったステージギミックも見られた。そちらは結構広めのステージのようで、一画面には収まらないギミックのあるステージも用意されているようだ。

物理演算で転がるボールの誘導に頭を悩ませながらステージを攻略していく様子が中々楽しげで、バラエティ豊かなプレイに期待が高まった。

『オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ』は、大人も子供も遊べるパーティーゲームとして、全体を通して和やかさと温かみにあふれており、開発元であるキュー・ゲームスの、どこか不思議な雰囲気が目を引く作品だった。おそらく家族で遊んだりしたら、きっともっと楽しいに違いないだろう。

今回の試遊を通して僕の中では「そういえば家族で遊ぶゲームって面白かったな。これ、家族で遊んでみたいな……」と言う気持ちが少しずつ強まっていった。本作はそれとなく、人生を見つめ直すような機会を作るパワーをも備えたゲームといえるのかもしれない。

『オール・ユー・ニード・イズ・ヘルプ せーのでもふくるポン!』は2024年秋に発売予定だ。
対応プラットフォームはXbox Series X|S、Xbox One、Nintendo Switch、PS5、PC(Steam/Windows)で、このほかXbox/PC Game Passにも対応予定となっている。

ライター
85年生まれ。『勇者のくせになまいきだ。』シリーズの代表的プレイヤーとして名を馳せたツルハシの化身。 10代の頃、メックシューターゲーム『ファントムクラッシュ』とその続編『S.L.A.I.』の世界にハマり、 ディスプレイ越しに見た2071年に帰るべく日々を生きる。TCGとボードゲームも好物。
Twitter:@Dump29

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