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弾を避けさせる気がない凶悪さマシマシの弾幕シューター『CYGNI: All Guns Blazing』で撃墜されまくって泣いていたけど、「被弾してもいい」シールドシステムを理解したら爽快なドッグファイトゲーになった

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「とんでもない量の敵が信じられないほどの勢いで襲ってくる、凶悪な弾幕シューティング」──今回紹介する『CYGNI: All Guns Blazing』の第一印象は、そんなゲームでした。

だって見てくださいよ、この敵の量!!!!

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公式サイトで「百火量乱、全弾発射!!」と謳っているとおり、小さめのザコ敵ですらしっかり自分の機体を狙って撃ってきます。

ほかにもホーミング弾は信じられないくらいの追尾性能をしていて、挙句の果てには地対空ビームまで飛んでくる始末なんです。

弾幕ゲー経験の少ない筆者は「こんなの人間に避けられるわけないよ……」と心が折れそうになり、やみくもにリトライしては撃墜されるのを繰り返していました。

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画像は『CYGNI: All Guns Blazing』公式サイトより

でも、このゲームの根幹である「シールドエネルギー」システムを理解したら、途端に「被弾上等、大量の敵とのアグレッシブな空戦を楽しむシューティングゲーム」に変貌したんです。

難易度調節やローカル協力プレー、スコアアタックなどの要素も「とにかく大量の敵が襲いに来る」弾幕シューターというコンセプトにマッチしていると感じます。

エイリアン映画でとんでもない数の敵が襲ってきて「もうダメだ~~~」ってなるけど、果敢に総力戦に挑んでいく時のような気分が味わえる。そんな本作を試遊する機会をいただいたので、ぜひ紹介させてください。

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文/なからい
編集/竹中プレジデント

※画像は開発中のものです。


とんでもない量の敵が敵意マックスで襲ってくる凶悪な弾幕の嵐。これ、避けさせる気ないでしょ!?

筆者がこのゲームを初めてプレーした時に感じたのは、「これ、避けさせる気ないでしょ!?」ということ。

というのも、ステージ1からザコ敵の数がとんでもなく多い上に、そいつらがしっかりと自機を狙って弾を連射してくるんです。

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普通、こういうゲームの序盤の敵って単調な動きで単調な射撃をしてくるものじゃないの!? そんな淡い幻想を打ち砕くかのように『CYGNI: All Guns Blazing』は容赦がありません。

単に世界観の設定を説明しておくと、本作は人類が移住した惑星「CYGNI」に、生体機械を操るエイリアンが突然攻めてきた、という感じのストーリー。だから最初から総力戦みたいな雰囲気なんですね。

とにかく、このゲームの敵は明確な敵意を持ってプレーヤーを狙ってきます。それゆえに「この場面ではここにいたら安全」みたいな、パターンを分析してステージを攻略する方法はほとんど通用しないんです。

一番象徴的なのはステージ2の序盤で、画像を見て頂ければ一目瞭然。

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画面の両サイドにひしめいているザコ敵たちの一体一体が、四方八方からプレーヤーをめがけて射撃してくるんです。まさに地獄絵図……。筆者はここで何回も撃墜されまくり、泣く泣く難易度を下げてプレーしました。

他にも攻撃は苛烈を極めます。「尋常じゃない追尾性能のホーミング弾」に「タイミングが読みづらい上に爆発して拡散する地対空攻撃」など…… 敵のホーミング弾、マジで信じられないくらいしつこいので一度味わってみてほしいです。

圧巻なのはステージ1の中ボス戦です。「なんだかヤバいものが目覚めてしまったぞ」という感じの演出も迫力があるのですが、注目して欲しいのはプレーヤーとボスが激闘を繰り広げているその足元。ザコ敵の大群と味方の地上軍が正面衝突を繰り広げているんです。

「エイリアン映画みたいで迫力のある演出だな~」と思いつつ、なんとなく対地攻撃を投下! すると、なんと本当に敵軍の数が減っていくんです!

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巨大なボスの足元にうごめくザコ敵たち。こいつらもちゃんと倒せるんです。

このゲーム、対空攻撃と対地攻撃があって、それを使い分けて戦闘するというのはチュートリアルで説明されます。それでもまさか、ボス戦の背景に映っているザコ敵たちに当たり判定があるとは思いもよりませんでした。

なんならリザルト画面には「撃墜された味方の数」という項目が存在します。「そんなとこまでちゃんと数えてるのか……!」と驚きました。

それにしても、「エイリアンとの総力戦」といったコンセプトをゲームに落とし込んだのは素晴らしいけど、いくらなんでも敵が強すぎないか? 弾幕ゲー上手い人ならワンチャンあるかもしれないけど、人間にこんなもの避けられるわけないよ! と心が折れかけていたのですが……。

何度目かのゲームオーバーを経た後、「これはなにかがおかしい」と感じ、再度念入りにチュートリアルを遊んでみたんです。そうしたら、このゲームの持つもうひとつの側面が見えてきました。

被弾上等!やられる前にやれ!「エネルギーシステム」を理解することで見えてきた、限界ドッグファイトを楽しもう

というのもこのゲーム、特徴的な要素として「シールドエネルギー」という概念があります。

結論からいうとこのシステムが、一見凶悪な弾幕ゲーである本作のゲームバランスを絶妙なものにしているんです。

まず、『CYGNI: All Guns Blazing』の自機には、「シールドゲージ」というゲージが存在します。ゲージは最大5本まで保持できて、1回被弾するごとに減っていきます。そして、ゲージが0の状態で2回連続被弾すると撃墜される、という仕様になっています。

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機体の周囲にある青色のゲージが「シールドゲージ」。赤いゲージが後述する「武器ゲージ」です。

「5回も被弾できるのに泣き言を言ってたのかよ!」と思われるかもしれません。ただ、少なくとも弾幕ゲー経験の少ない筆者にとっては、それくらい本作の弾幕って強烈なんです。

そして、その「シールドゲージ」の回復手段は、撃破した敵が落とす「シールドエネルギー」を取得すること。これを拾うことで、ゲージを1本ずつ回復できます。

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この「シールドエネルギー」ですが、かなりの高頻度でドロップします。ここから導き出されるのは「多少の被弾は厭わずどんどん敵を倒してエネルギーを回収していくことで、結果として弾幕も薄くなって生き延びやすくなる」という戦法です。

筆者はどれだけ敵の弾を避けられるかが弾幕シューターのキモだと思っていたのですが、この仕組みに気づいたときにかなりプレーがしやすくなりました。

さらに面白いのが、自機には「シールドゲージ」の他に「武器ゲージ」も存在すること。「武器ゲージ」も「シールドゲージ」同様に最大5本あって、多ければ多いほど攻撃面でさまざまなメリットがあります。筆者が主な用途として感じたのは「ホーミングミサイル」の残弾としての使い方です。

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ミサイルは武器ゲージをひとつ消費して発射することができ、複数の弾が敵を自動追尾して爆発してくれます。よくある弾幕ゲーの「ボム」みたいに、画面内を一掃するほどではないのですが、コストの割には十分強力な攻撃手段となっています。

そして、この「武器ゲージ」をチャージするにはどうしたら良いのか? それこそがこのゲームの発明であり、おもしろさのキモのひとつです。

というのも、ここまで説明した「シールドゲージ」と「武器ゲージ」、ワンボタンでいつでも相互に変換することができるんです。

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ちなみにチュートリアルはレトロゲーっぽい雰囲気で味があります。

ここから導き出した筆者のプレースタイルは「シールドゲージを適度に保ちつつ武器ゲージに変換。多少被弾してもいいからどんどんミサイルを発射して敵の数を減らし、エネルギーを回復していく」というものです。

これがかなり上手くハマりました。『CYGNI: All Guns Blazing』が「猛烈な硝煙弾雨の中を縮こまってやり過ごすゲーム」から、「敵の大群に果敢に攻め入って殲滅を目指すゲーム」に変貌したんです。

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こう聞くと「コツさえ分かれば無双できるのかな?」と思うかもしれません。ただ、先述のとおり、このゲームの敵は「プレーヤーを撃墜させる」という強い意志を感じるムーブをしてくるので、必死に回避しなければすぐに撃墜されてしまうというのは変わりません。

「シールドが削られてヤバい!」という時には、貯めておいた武器ゲージをシールドに戻して急場を凌ぐといったシーンも多々あります。これはこれで、ロボットアニメでよく見る「全エネルギーをシールドに集中!」みたいなプレー感があって、そういった雰囲気や状況判断の楽しさもあります。

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撃墜されそうになると警告音が聞こえるので、すかさずL1ボタンを連打して武器エネルギーをシールドに変換しましょう。

これってひと言で言うと「弾幕ゲーにちょっとしたリソース管理の要素を追加した」ってだけなんですが、「弾幕ゲーのエッセンスを残しつつ、被弾上等のアグレッシブな空戦を楽しめる」という、結構新鮮な体験になっていると感じました。

「被弾上等!」の良いところは他にもあります。このゲーム、ボスの登場時などもそうですが、全体的に演出が派手です。

大量の敵をミサイルで倒した時なんかは爆破エフェクトが重なります。こういったグラフィック表現は「弾が見づらい」といった不満に繋がりそうなものですが、「そもそも避けきれる量じゃないし、多少被弾してもいいゲームデザインだから、演出の派手さの方を取ろう」といった思い切りがあるのかなと思いました。

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あえて別ゲーで例えるとするならば、ゲーム性自体は全く違いますが、『Vampire Survivors』でギリギリ敵の大群を押しとどめているような緊張感と、たくさんの敵をなぎ倒す爽快感。

それを高速弾幕シューティングという舞台で行っているような感じで、全体的に手触りが良くまとめられたゲームとなっています。

圧倒的物量のゲーム性とマッチしている「すごくちょうどいい」イージーモードと、協力プレーやアーケードモード

難易度設定やローカル協力プレー、スコアアタックなど、周辺のシステムも「圧倒的物量の敵が襲ってくる」ゲーム性とかなり相性の良いものになっています。

まずは難易度設定から。『CYGNI: All Guns Blazing』にはイージー、ノーマル、ハードの3種類の難易度が実装されています。中でもイージー難易度がすごく「ちょうどいい」んです。

初見プレー時、弾幕ゲーがあまり得意でない筆者はノーマル難易度で撃墜されまくりました。ところがイージー難易度では「敵との直接接触は被弾扱いにならない」仕様になっていて、これだけでかなり遊びやすくなります。

それでいて、弾幕のほうは相変わらず頑張って避けなければいけないため、根本のゲーム体験は損なわれません。結果として、お手軽に本作のエッセンスを楽しむことができるんです。

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残機も3つ与えられて、普通にステージを攻略するには十分です。筆者はイージーモードでひと通りミッションをクリアし、機体を強化した上でノーマルモードに挑む、という遊び方をしていました。

ちなみに残機の話が出ましたが、このゲーム、ノーマルモードは残機ゼロなんです。1ステージは10-15分くらいのボリュームなので、かなりの緊張感がありますよ……!

その他のシステムで言うと、本作には「ローカルでの2人協力プレー」と「全ステージを通しでプレーし、スコアを競うアーケードモード」が存在します。そして、これらのゲームモードも『CYGNI: All Guns Blazing』の「圧倒的物量」とマッチしていると感じます。

何度も繰り返している通り、このゲームはとんでもなく大量の敵が出現します。それはつまり、「ひとりでは倒し切れない」し、「スコア上限が青天井(くらいの感覚)」ということ。

今回の試遊では協力プレーは遊べませんでしたが、ただでさえ弾だらけの画面内がもっとカオスになりそう。システム上、対空攻撃と対地攻撃は同時に発射できない仕様になっていますが、敵は容赦なく空中にも地上にも現れます。ふたりで攻撃対象を分担したり、逆に耐久力の高い敵には火力を集中させたりと、協力プレーのおもしろさがありそうです。

シールドエネルギーを消費することで味方を蘇生できるシステムも実装されているということで、これも本作ならではの要素です。

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地上にも空中にも敵がいるシーンは結構多いので、僚機と連携できると楽しそう。

全7ステージを攻略後に解放されるアーケードモードでは、オンラインのスコアランキングが実装されるとのこと。残機なしで全てのステージを通しプレーするのですが、このゲームのスコアアタックってすごくやり込み甲斐がありそうなんですよね。

普通のシューティングゲーだったら「画面内に表れた敵を全て倒せば、それが理論上のハイスコア」になるはずです。しかし、本作の通常プレーをした感じでは、どうがんばっても倒し切れないだろうという数の敵が出現します。ということは、ハイスコアの方も底なしになるんじゃないでしょうか。

しかも、ゲーム内の実績機能にあたる「バッジ」には「アーケードモードで1回ループする」というものがあります。ということは、7ステージをぶっ通しでクリアしたらまたステージ1に戻るってこと……? 腕に覚えのあるプレーヤー向けのエクストリームなコンテンツになっているようです。


『CYGNI: All Guns Blazing』を手がけるスコットランドのKeelWorksは、Pixer出身のクリエイターも在籍する会社で、元々3Dアニメーションや映画のVFXを手がけていたとのこと。

ゲーム作品は本作が初めてなのですが、トレーラー映像やゲーム中のビジュアル・音楽なども含めた雰囲気づくりにはかなり力を入れています。

パブリッシャーにはシューティングゲームの雄、コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)がついており、肝心のゲームプレーの方も、その雰囲気や迫力を十分に感じられるものとなっていました。

とくに記事中で紹介した「シールドエネルギー」のシステムは、慣れてくると「計器を管理しながら愛機を駆る」ような楽しさがあるので、ぜひ体験してみてください。

『CYGNI: All Guns Blazing』は本日8月6日発売、プラットフォームはPS5、Xbox Series X|S、PC(Steam、Epic Games Store)で展開されます。

©Konami Digital Entertainment ⒸKeelWorks Ltd

ライター
スパイスからカレー作っちゃう系の元バンドマン。占いも覚えたが占いたいことがないのですぐ忘れた。思い出のゲームは『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』
サブデスク
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
Twitter:@takepresident

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