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ゼルダ姫、もうやりたい放題。『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』を遊んでみたら、想像以上に自由で新しい2Dゼルダを見せてくれた

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あなたが今日から私のリンク(仮)です

『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』先行プレイ・レビュー・感想:自由すぎる新しい2Dゼルダで姫っぽくないことばかりしてしまう_021

とうとう、「槍モリブリン」をカリモノにできるようになりました。
もう、これは純然たる魔物ですね。

槍モリブリンは、名前通り相手に向かって槍を投げつけてくれます。キースやウニも役立ってくれましたが、自分で率先して相手を攻撃してくれるので、さらに頼りになります。

そうしていたら、敵の槍モリブリンが3体も現れました。
では、こちらも槍モリブリンで迎え撃ちましょう。頑張って! 槍モリブリン、今日からあなたが私のリンク(仮)です! 人型なところまではほぼリンクよ!

飛び交う槍と槍。
しのぎを削り合う槍モリブリン4体。
そして木陰から見守るゼルダ姫。
なんとも、不思議な気持ちになるゲームです。

しかも槍モリブリンが結構頼りになるので、段々と槍モリブリンに愛着が湧いてきます。さすがに、モリブリンが愛おしく見えてきたのはシリーズを遊んでいて初めてです。

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少しゲームを進めると、「悪そうなリンク」と戦うことになります。
どう見ても悪そうなリンクです。なんか紫色のオーラ出てるし。

ここで役に立ったのは、「タートナック」という鎧の魔物。
槍モリブリンより多くのコストがかかる代わりに、体力も攻撃力も高めです。ちょっとやそっとの攻撃は、鎧でガードします。だから、「盾役」を務めることもできます。悪そうなリンクをタートナックにひきつけてもらい、こちらは逃げ回る……なんてことも。

タートナック、今日からあなたが私のリンク(仮)です!
頑張って、人型なところまではほぼリンクよ!

ちょっとリンクには申し訳ないけれど、こんな感じで好きな魔物を自分の「騎士(ナイト)」のように戦わせることもできます。だいぶリンクには申し訳ないけれど。

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斧を持って迫っているのが「タートナック」です

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いろいろと紹介してみましたが、まだまだ魔物はたくさんいます。

より強固になった「タートナック Lv2」や、シリーズお馴染みの「オクタロック」や「リザルフォス」といった魔物もお借りできるようになります。リザルフォスと一緒に戦えるって……なんだかすごい時代がやってきた気がしますね。

さらに、魔物の存在が「ギミックの解除」に直結している場面もあります。

たとえば、部屋の中でひとつだけ火がついていない篝を見つけ、キャンゾルで火をつけると……扉が開く。そんな要素もあります。ある意味、従来の「矢」や「爆弾」といったアイテムの役割を魔物が担っていると言えなくもないかも。

魔物で謎解き、なんか新鮮です。

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まさに、「爆弾」に近い能力を持った「バクダン魚」なんて魔物もいたり。行く先を塞ぐ何かを破壊できたりします。

私自身が剣士になることだ

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さきほどの悪そうなリンクを倒すと、なんやかんやあって「剣」を手に入れます。なんやかんやありました。この剣、なんとゼルダ姫が持つことができます。

あれ? 「姫自身は戦わない」のでは?
いえ、そんなことはありません。

剣を入手後、「剣士の力」を発動できるようになります。
なんと、名前通り一時的に「剣士の力を使える」ようになるのです。チュートリアルで操作したリンクとほぼ同じ操作感で、剣を振って戦うことができるようになります。私自身が剣士になることだ。

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剣士の力を発動している時は、見た目もリンクっぽい感じになります。
ただ、「一定時間+発動にはエネルが必要」という制限があるので、そこはご注意。

この「剣士の力」が手に入ると、戦いの幅がグッと広がります。

まず、これまでは「カリモノでお借りした岩を投げつけたりしてダメージを与える」という、やや野蛮な戦い方をしていたところに、「剣で倒す」という選択肢が増えるのです。直接的な攻撃手段がなかったところに、「ゼルダ姫自身の攻撃方法」が追加されたということです。

さらに、魔物とコンビネーションをすることもできます。
たとえば、タートナックに相手の気を引いてもらいつつ、剣士モードになった姫は後ろから剣で攻撃するようなコンビネーションもできるようになりました。

しかしこうなってくると、「(カリモノで出した)魔物の状況」と「自分の状況」を同時に確認しつつ戦う必要も出てきます。もちろんジャンルとしては「アクション」なのですが、ちょっとリアルタイムストラテジー的な脳が動いている気がします。

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もちろん、ゲームを進めると剣士の力で「弓」を使うこともできるようになります。近距離攻撃が得意な魔物と剣でのコンビネーションを仕掛けるか? それとも後ろから弓で援護するのか? ……といった選択肢も増えたり。

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カリモノが増えたり、剣士の力を手に入れたりで、どんどん強くなっていくゼルダ姫。

今度は、とうとう「裂け目」に突入します。
そう、この物語の元凶(?)であり、まさに世界を覆い尽くさんとしている謎の裂け目。トリィの力を使い、この裂け目に突入すると、そこには「無の世界」が広がっています。

この世界は、重力も物理法則もめちゃくちゃ。
木が横から生えているし、足場は柱しかない……なんて場面もたくさんあります。カリモノを駆使して、このめちゃくちゃな世界を攻略していきましょう。

そして、この世界を攻略することで、「裂け目」を消すことができます。裂け目が消えると、一度裂け目に消えてしまった人々も戻ってきます。つまるところ、「裂け目を消すこと=世界を救うこと」に繋がっているわけです。

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この「無の世界」には、トリィの仲間たちも閉じ込められています。
仲間たちを救出し、たくさんのトリィたちの力で裂け目を消していきましょう。

さらに、仲間を救出すると、トリィ自身もレベルアップします。

レベルアップすると、トリィの力が強くなります……と言っても、このすごさがイマイチ伝わりづらい気がします。少し長くなるのですが、詳細に説明します。

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まず、カリモノをするためには、「トリィの力(▽)」が必要です。
必要な力はそれぞれのカリモノに設定されていて、最初は「3つ分の力」しか使えません。たとえば、「槍モリブリン」が2つ分の力を消費するので、いきなり槍モリブリンを2体お借りすることはできません。

しかし、トリィがレベルアップすると、「4つ分の力」を使うことができるようになったりします。これ、大革命です。「あと1つ力があれば、テーブルを増やしてあっちに渡れるのに……」「あと1つ力があれば、槍モリブリンを2体出して楽に戦えるのに……」と立ちはだかっていた壁が、全部解決されます。

元々無数に存在していた選択肢が、トリィの力が増すことで、さらに無限大になっていきます。どうやって橋の代わりを作るのかも、どんな組み合わせで魔物を出すのかも、余力のある限りは好き放題できちゃいます。

もっと進めると、槍モリブリンを同時に4体出すこともできるようになるし、タートナックを2体並べることもできるようになります。もうハイラルの姫っていうか魔物の姫です。

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「魔物を出すのに必要な力が軽減される」といった形のレベルアップもあります。
これで槍モリブリンに必要な力が「2→1」となり、同時に4体出せるようになります。

「新しい2D(見下ろし型)ゼルダ」とは

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ここまでいろいろと『知恵のかりもの』の要素を紹介してきましたが……おそろしいことに、ここまで書いたのはほとんど序盤の話なのです。カリモノを入手し、剣士の力を手に入れ、ようやく広大なハイラルの大地での冒険が始まります。

具体的には「各地に出現している裂け目」を消すために、トリィと共にさまざまな場所へ向かうことになります。ゲルド族の暮らす砂漠地帯や、ゾーラ族の住まう海辺など……『ゼルダの伝説』ではお馴染みの舞台が、ゼルダ姫を待っています。

この「急に世界が広がる」感覚、ぜひ実際にプレイして味わっていただければ。

そして、ここからは「(記事内では)まだ紹介していなかった要素」を、一気に紹介していこうと思います。「上手くまとめきれなかったの?」は禁句です。そういうわけではありません。そのくらい『知恵のかりもの』はたくさん要素があるということです!

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マップはとにかく広大。いわゆる「オープンワールド」ではないのですが、それに匹敵する広大なフィールドでの冒険を楽しむことができます。

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まずは、「シンク」という機能。

Xボタンでトリィに指示を出し、トリィが触れているものや魔物をゼルダと同じ動きにすることができます。たとえば、上のシーンのように道をふさぐ岩に「シンク」して、ゼルダひとりでは動かせない岩をズズッと動かすこともできたり。

「魔物も同じ動きにすることができる」といった通り、これは魔物と戦う時にも使える機能だったりします。植物の魔物を引っ張って、引っこ抜く形で倒すこともできるし、そのまま水中に落として倒すこともできます。こうやって改めて文字に起こすと中々ダーティーな倒し方ですね。でも、シンクは便利です。

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その上で、「シンク中の相手の動きに合わせる」ということもできます。

基本的に、シンクは「シンクしたものの動きを、ゼルダの動きに合わせる」という能力となっているのですが、逆パターンの「ゼルダの動きを、シンクしたものの動きに合わせる」ことも可能なのです。

動いている足場などにシンクの反転をすることで、本来足場がなくて渡れない場所も、ふわふわとシンク対象と同じ方向に進行することができます。

この「相手の動きに合わせる」シンクは、結構いろいろなところで応用することができて……たとえば、下のシーンはとあるダンジョンで、自分がシンクの反転を使って突破した箇所になります。

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ここは「水から出てハシゴを登らなければいけない……けど、上から水流が流れていて上がることができない」という問題が用意されています。そこで実践してみたのが、「浮力で浮き上がる木箱に逆シンクをする」という解き方です。

上から水流が流れているので、なにか岩などでせき止めようとしても、結局下に流されてしまう。ここで必要になるのは、おそらく「水流の流れを無視し、上昇する力」。だとしたら、あえて水底に木箱をカリモノにして、そこにシンクをすることで、浮力で浮き上がる木箱と一緒にゼルダも上昇できるのでは?

……という、なんとも机上の空論っぽい作戦だったのですが、普通に成功しました。おそらく他にも解き方が用意されてはいると思うのですが、こんな形でシンクを使うこともできます。『ゼルダの伝説』って、なんか自分が頭が良くなった気がしてくるのがいいところですよね。

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冒険を続ける中で、「ミニチャレンジ」に遭遇することもあります。

「各地の裂け目」を消すことがメインストーリーだとするなら、これはちょっとしたサイド要素です。砂漠や海辺といったエリアに向かうようになってから、ちょこちょこ見かけるようになります。いろいろな人のお願いを聞いてあげることで、報酬がもらえたりします。

ミニチャレンジを達成した時の報酬では、「ミルク」や「岩塩」といった食材系のアイテムが手に入ることもあります。そう、「食材」があるということは、「調理」をする要素もあるのです。

そう、今作は食材アイテムから「スムージー」を作ることができます。

なんか、ちょっとオシャレですよね。
リンクはスムージーなんて作っていなかった気がします。
姫だから。姫だからスムージーなんです。きっと。

ふたつのアイテムを組み合わせることで、回復などの効果を得られるスムージーを作りましょう。効果は「スムージーに使うアイテム」に依存しており、欲しい効果を狙ってスムージーを作ることもできます。

ちなみに、微妙な組み合わせでスムージーを作ろうとすると、「あやしいスムージー」になってしまいます。なんかモザイクがかかっています。モザイクがあるせいで余計に危険物に見えるのはあまりツッコんではいけない部分なのでしょうか。

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ゼルダ姫もやや不服そうな顔です。

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最後に、どうしても言及したかったのが……「グラフィックが良い」ことです。
うん、これは新要素っていうか単に私が好きなところですね。

Switch版の『ゼルダの伝説 夢をみる島』から受け継がれた部分も大きいとは感じつつ、やはりこの「ミニチュア感」といいますか、「箱庭感」といいますか……。すごくいいですよね、グラフィック。

ポップでかわいらしい印象を与えつつ、街や自然などのフィールドもしっかり描いている。とにかく「絵作り」の際立った作品だとも感じています。しかも、冒険の中で、このかわいい絵作りがどんどん出てくる。うーん、素敵。

グラフィックの話はどうしてもしたかった、わざわざ最後に持ってくるくらい。

『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』をプレイしていて、率直に感じたのは「試行錯誤の楽しさ」でした。

そもそも、『ゼルダの伝説』は仕掛けを解くために「これが正解かな?」「これでどうだ?」と、いろいろな方法を試している時間が、最も楽しいゲームだと思っていました。今作は、さらにその「試行錯誤の楽しさ」に磨きがかかっている気がします。

従来の2D(見下ろし型)の冒険に、『ブレス オブ ザ ワイルド』や『ティアーズ オブ ザ キングダム』のような工作・クリエイト要素が加わることで、今までとは別軸の面白さも生み出している。これが「カリモノ」の面白さであり、今作の「新しい2D(見下ろし型)ゼルダ」としての側面ではないか、と思ったりしました。

その上で、ひたすらに「選択肢」が増えていく。

お借りできる家具や魔物がどんどん増えていき、無数の選択肢を手にすることができる。用意されている仕掛けに対し、無数の選択肢を組み合わせて、自分なりの「解」を導き出す。

この「選択肢が増えていく楽しさ」と、「手札を組み合わせて自分だけの答えを見つけ出す面白さ」が遊びの中で組み合わさっているのが、『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』なのではないかと感じました。

……と、あんまり難しいこと書いても仕方ないですね。

とにかく、「カリモノにできるものがどんどん増えて、いろいろ試せるようになるのが楽しい」といった感じです。自分は少し早めにプレイしていたこともあって、実際に発売されてから、どんなカリモノの組み合わせが生まれるのかが結構楽しみです。いろんな人のカリモノスキルを見てみたい。

そんな『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』は、本日発売です。
まさに「知恵」と「カリモノ」のセンスが試される冒険が、あなたを待っています。

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ライター
転生したらスポンジだった件
Twitter:@yomooog
デスク
電ファミニコゲーマーのデスク。主に企画記事を担当。 ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a

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