ウーパールーパーやモルモットたちが目にも止まらぬ速さで疾走し、スタイリッシュに敵を叩っ斬る! そして拠点へ帰還するたびにゲロる……!
……以上が『Windblown』というゲームの大体のあらましである。
お食事中、もしくはこれから食事される皆様には、汚い想像を浮かばせるような表現を用いてしまったことをお詫び申し上げる。けど、本当に戦闘で敗北したり、拠点へと自主的に戻るたびに吐くんだわ、この主人公。(でも、一連の演出はスキップ可能なのでご安心を!)
しかし、そんな演出が目に焼きついてしまうほどに『Windblown』というゲームは中毒性が高い。そして繰り返しプレイするたび、どんどん自分が上手くなっていく実感と、カッコよく敵を倒す快感を味わうことがクセになってくる。
あらためて『Windblown』は、見下ろし視点(トップビュー)で展開されるローグライトアクションゲーム。探索型アクションゲームとローグライク(ローグライト)を融合させた独自のゲームシステムで好評を博した名作、『Dead Cells』を作ったMotion Twinの新作だ。
先行体験版ゆえ、序盤の一部しか遊べない状態ながら、気付いたら何十周もしていたこのころ。最初にお伝えしておくと、ローグライトorアクションゲーム好き、ケモノキャラ好きに本作はイチオシだ。10月14日より配信中のデモ版、そして25日に迫る早期アクセス版購入をなにとぞ前向きにご判断あれ!
※この記事は『Windblown』の魅力をもっと知ってもらいたいMotion Twinさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
足止めなし!「目まぐるしい」の言葉が生ぬるいほどの圧倒的スピード感
単刀直入、かつ誇張なしに言おう。
本作のゲームスピードは……速い!
「目まぐるしい」との表現が生ぬるく感じてしまう程度に速い!
「そりゃ、拠点に戻ったらゲロるわ」と納得するほど速い!
本作の基本アクションは、装備された武器などによる攻撃以外は、移動とダッシュの2種類に絞り込まれている。特に頻繁に使うことになるのがダッシュ。本作の舞台となる「ヴォルテックス」内部は、小さな浮島と段差の多いデコボコとした構造になっていて、これらを突破するに当たり、ダッシュを活用することになる。
ダッシュ自体はAボタンを押すと、シュッとリーパーが移動する絵に描いた通りの高速移動。これだけなら、トップビューや横スクロールに限らず、3Dのアクションゲームでもよく見るアクションだが、本作が特徴的なのは、ほとんど足止めされないこと。
例え目の前に段差があろうと、浮島と浮島の距離が離れていようと、現在いる場所よりも上に足場があろうとも、ダッシュ一発でその場へと一瞬で移動できてしまう。構造的に足止めされそうな場面でも、まったく止まることなく動けてしまうのだ!
これこそ、本作の異様なまでに速いゲームスピードを演出する最大の特徴である。それゆえ、例え目の前に小さな浮島が多数並んだ、ひとつずつジャンプしていくことが要求されそうな場所であっても、ダッシュだけで早々と突破できてしまう。しかも、境界線が設けられているから、足場から下へと落下してしまう心配もなし! 思うがままに浮島をダッシュで渡っていけるのである。
さすがにどこへでもダッシュで行けてしまう訳ではなく、ある程度の制限はあるものの、まったく足止めされることがない気持ちよさは格別。しかも、この状態と状況で敵との戦闘も行われる。
おかげで、戦闘テンポも大変に速い。爆速という表現がこれ以上なく似合うほどだ。逆に言えば、敵の攻撃と動きも速い。特にゲームに不慣れな序盤なら、あまりの速さに翻弄され、ゴリゴリと体力を削り取られてしまうだろう。
ヴォルテックス内のエリア奥で待つミニボス、大ボスも道中の敵同様、手加減無用とばかりに速い。しかも一発のダメージが重く、初戦時は成す術もなく敗北を喫することになると思われる。そして、雑魚敵もふくめて「勝てるのか……?」との不安が募るだろう。
しかし、こんなにハイスピードでも本作のゲームバランスは公平だ。というのも、雑魚敵もボスも、すべてが攻撃前に警告音付きの予備動作を挟む。そして、そのタイミングに応じてダッシュを決めることによって、すんなり回避できてしまうのだ。
複数体を相手にする場面でも、それぞれの予備動作を確認し、攻撃が当たらない方向へとダッシュを決めていくことによって適切に対処可能。ボスも一発のダメージは重いものの、動きはほぼパターン化されているので、何度か挑むことで、それらに応じた対処法が分かってくる。一見、回避できそうにない攻撃にも意外な穴が存在し、それを発見することで難易度が急激に下がったりもするのだ。
この公平さ重視のゲームバランスは、『Dead Cells』でも見られたものだが、本作『Windblown』でもそれは全く変わることなく引き継がれている。
そして、繰り返すたびに強くなり、自分も上手くなっていく快感を堪能し続けたいあまり、何度も周回したくなってしまうだろう。
その結果が、時間も盛大に吸い取られるというオチである。
“やられたら終わり”だけど強化用のリソースはそこそこ残る、トライ&エラーが楽しいローグライトアクション
さて、本作の舞台は謎の竜巻「ヴォルテックス」による被害で、危機的な状況に陥った空の世界。「リーパー」と呼ばれる戦士たちはヴォルテックスを静めるべく、内部へと突入してその根源を打倒しようと戦うも、番兵「ゴーレム」たちの襲撃により、次々と命を落としていった。
プレイヤーはリーパーの姿で目覚めた魂となり、ヴォルテックス内部を探索。行く手を阻む狂暴なゴーレムたちを倒し、遭難した人々を救助し、そしてヴォルテックスの完全なる消失を目指して最深部へと向かうというのが主な目的となる。
『Dead Cells』に引き続き、本作もローグライトなアクションゲームで、挑戦するたびに構造、敵やアイテムの配置などが変化するランダム要素を始めとするシステムを採用。探索中に体力が無くなって力尽きると、拠点マップ「アーク」へと強制送還され、(1度ゲロって)スタートからやり直しになるルールも健在だ。
流れとしては、アークから大砲経由でヴォルテックスへと跳び、内部に広がるエリア探索を進める形になる。ヴォルテックス内部のエリアはいくつか存在し、最奥にある大砲に到達できると次のエリアへと移る仕組みになっている。なお、途中から再開できるチェックポイントはない。
プレイヤーの操作するリーパーは、メインとサブの2種類の武器と、「秘宝」と呼ばれる使用制限付きの特殊アイテム、そして追加のアクションを可能にする「マサカノ」を装備できる。奇妙な名前だが、気にしてはならない。「まさかのマサカノ?」とか言っても意味はない。
いずれの装備も基本は現地調達。敵を倒したり、宝箱を開けたり、課題に挑んで攻略すると手に入る。後述するが、マサカノをはじめ、一部の装備は特定の過程を踏まないと入手できない。
装備以外にも、探索中には「ギフト」「ブースト」なるものも手に入る。
「ギフト」はヴォルテックス内部で散ったリーパーたちが持っていた特殊能力で、(初期段階では)最大3つまで装備可能。「ブースト」はリーパーの最大体力、攻撃力と言った基礎ステータスを上昇させるアイテム。ただし、上昇させるステータスは3択で、ひとつ選ぶと残りのふたつは選べなくなってしまう。
また、敵との戦闘に勝つと「貝殻」「歯車」「ルミナイト」「記憶」なるものも手に入る。「貝殻」は通貨で、ヴォルテックス内にある店でアイテムや装備を買う際などに用いる。
「歯車」は探索を楽にするアイテム、ボーナスといった永続アップグレード要素をアンロックする際に用いる資金。「ルミナイト」は新たな武器、ギフトなどをアンロックする際に必要なリソースだ。
「記憶」はギフト同様、ヴォルテックスで散ったリーパーたちが持っていた装備類の記憶、いわゆるデータだ。これらは探索中に力尽きても失われることはなく、それまで集めた分をそのまま拠点のアークへと持ち込むことができる。
そして、集めたリソースを存分に使ってリーパーの強化を図り、「記憶」から新たな装備をアンロックし、再びヴォルテックス内部へと跳んで探索を進めていく。これが、本作における基本的な進め方になる。他に探索を通して「オルターアタック」なる必殺技、ルミナイトを獲得しやすくする「結晶化」などの追加アクションが習得されることも。
これらの追加アクションは習得して以降、ずっと使えるようになり、耐久力の高い敵も容易に倒せるようになって、進めやすくなる。同時に歯車やルミナイトも手に入れやすくなって、どんどんリーパーの強化も図っていけるという感じだ。
ローグライトゆえ、倒されるとスタートからやり直しのシビアなペナルティこそあるものの、強化用のリソースなどはけっこう手元に残り、使えば使うほどに探索と敵との戦闘が進めやすくなる。まさにトライ&エラーによる恩恵が大きめにされたゲームデザインで、『Dead Cells』の開発チームらしさがにじみ出た新作と言えるだろう。
拠点「アーク」で永続アップグレード、新たな武器やギフトのアンロックを繰り返したり、「オルターアタック」をはじめとする追加アクションの習得することによって、徐々に戦いやすくなっていく楽しさと、気持ちよさも健在。
自分の上達が分かりやすい形で現れ、なおかつ費やした時間も無駄にならないこの作りは、まさに『Dead Cells』の系譜。そして、アクションとRPGの醍醐味を余すところなく引き継いだ仕上がりとなっており、双方のジャンルが好きな人であれば、たまらないひと時が味わえるだろう。
色鮮やかで明るく、ケモノキャラクター勢ぞろいの世界観。そして、なぜか散見される平成初期のネタの数々……?
その一方、ゲームバランスとは対照的に、開発チームの前作『Dead Cells』とは異なる部分もある。
明るく、開放的な世界観と、それを象徴する色鮮やかなグラフィックだ。
特に拠点「アーク」は、ヴォルテックスによる滅びの危機が迫りつつあるという過酷な実態はありつつも、緑豊かで、ファンタジーとスチームパンク要素が融合した建造物の数々が異彩を放っている。プレイヤーの操作するリーパーがウーパールーパーやモルモットであることに象徴される通り、登場キャラクターたちは皆、動物。
そして、その多くに個性的な性格付けがされているのもあって、彼らの紡ぐストーリーがどのような展開を見せていくのかと、興味をそそるものになっている。
本作は発売前の段階から日本語に対応しているのだが、翻訳も個々の性格をつかんだ愉快なものになっている。文字フォントが小さくなったり、大きくなったりといった演出が仕込まれているのも見所だ。
また、ストーリーにちなんだ要素として、本作にはヴォルテックス内部に取り残された遭難者を救出するというクエストが用意されている。救出した遭難者はアークへと転送され、以降、話しかけられるようになる。そして、救出した遭難者によっては、新たな施設(機能)が使えるようになったりと、アークそのものが発展したりもするのだ。
ただ、今回の先行体験版では遭難者がわずかしか登場しない関係で、この要素は部分的にしか確かめられなかった。しかしながら、アークには救出と同時に発展しそうなエリア、施設が見られる。また、救出に応じてヴォルテックスの謎も語られるなど、ストーリーの進展も見られたので、今後、どのような要素が追加され、内容面の充実化が図られていくのかが気になるところだ。
ちなみに遭難者の救出は簡単で、「ジンメイキュウギョ」を使えばいい。具体的には、遭難者当人に攻撃するとジンメイキュウギョが出現し、そのままアークへと転送される。
色々、ツッコミたい気持ちが湧いたかもしれないが、「そういう魚がいる世界です」ということで納得しておこう。……しかし、ジンメイキュウギョの字面から、人面魚を思い浮かべてしまうのは筆者だけだろうか。
というか、ウーパールーパーもそうだが、所々、平成初期にブームとなったネタを思い起こすものが散見されるのは何故だろう。開発チームは、日本の平成時代(および昭和後期)になにか関心がおありだったりするのかもしれない……。そんなことが気になって仕方がない作品でもあったりする。
先行体験版に関する話題としては、ヴォルテックス内部のエリアも、今回の範囲内ではふたつまでしか体験できていない。
しかし、足止めされないダッシュによるハイスピードな探索と戦闘、ボス戦、「ギフト」に「ブースト」を始めとする選択型の強化要素、そして拠点でのアップグレードといったキモとなる要素は完備。公平さ重視のゲームバランスも現段階で十分整っている感じで、何十周も繰り返し遊んでしまうほどに中毒性、やり込み甲斐ともに優れたものになっていた。
ただ、周回したことによって「オルターアタック」の出しやすさから、「サシミ包丁」+サブウェポンの組み合わせを率先して選びがちと気付かされたことも。
そんな「オルターアタック」と「結晶化」の追加アクションも、解禁のタイミングが2番目のエリアに到達してからと、やや時間を要したのも気になってしまった。このふたつのアクションが可能になってから、戦闘が加速的に面白くなるだけに、少なくともどちらかはもう少し早く解禁してしまってもいいのではないのか、と思った次第だ。
とは言え、今回の『Windblown』も『Dead Cells』同様、早期アクセス版として船出することになっている。先行体験版で感じた前述の部分も、プレイヤーからのフィードバックが集まることで、アップデートによる改善が図られていくと思われる。
事実、さらなるエリア、武器の追加が予告されている。また、シングルプレイのみならず、複数人のプレイヤーとオンラインで協力し合うマルチプレイも可能になるとのことだ。今回もまた、『Dead Cells』の時のように徐々にゲームが発展していく様子を追えることは間違いなさそうだ。
そして、現時点でも何十周もしてしまうほど遊び込めるゲームになっている。純粋にアクションゲームとしても、上達の快感にアクション全般の手触りの良さ、手に馴染む操作系と醍醐味はバッチリで、ローグライトとしてもほどよくスリリングで、遊び込むたびに戦いやすくなっていく快感が堪能できる。
『Windblown』の早期アクセス版は、2024年10月25日より配信開始、10月15日からはデモ版も配信を開始している。『Dead Cells』を楽しんだファンはもちろん、アクションゲーム、ローグライト好きなら要チェックだ。目まぐるしいどころのレベルじゃない速さで繰り広げられる、壮絶な戦いに身を投じよ!
「3人協力プレイ」が可能なローグライトアクション『Windblown』はスピード感が半端じゃなく気持ちいい
— 電ファミニコゲーマー (@denfaminicogame) October 25, 2024
早期アクセス開始を祝して
ゲーム本編のSteamコードを3名様にプレゼント!@denfaminicogame
をフォロー&本投稿をリポスト・いいねで応募完了
ゲームの詳細はこちら▼https://t.co/N5MRn1e3MT pic.twitter.com/kHohjfqWtr