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「ファンといちばん距離が近い形でやりたかった」鈴木達央氏の復活ライブで繰り広げられたのは、「その場でファンと一緒に作曲」企画?!ライブ後の鈴木氏への直撃インタビューも

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10月18日17時ごろ、ライブハウス・代官山UNIT前には行列ができていた。

この日の演目は「SUZUKI TATSUHISA Acoustic Live – autumn night -」。声優、鈴木達央氏が、バンド「OLDCODEX」の解散以降はじめて歌手・ボーカリストとして舞台に立つライブだ。

鈴木達央をご存じではないという方にも説明すると、2003年から活動している超人気声優である。アニメ『SERVAMP』の椿や『七つの大罪』のバン、ゲームでは『FF14』のアイメリクや『FF15』のノクティス、『FGO』のアシュヴァッターマンなどを担当していると言えばピンとくるだろう。

また、その歌唱力にも定評があり、2009年から2022年まではバンド「OLDCODEX」のボーカルとして活動。アニメやゲームのタイアップ曲など、多数の楽曲を発表していた。

そんな鈴木達央のひさしぶりのライブとあって、開場30分前にも関わらず会場周辺には数ブロックに渡って開演を心待ちにするファンが整然と列を成し、静かな興奮が広がっていた……。その年齢層は幅広く、なかには男性のみのグループで訪れているファンの姿もあった。

そしていよいよライブ本番。照明が落ちた瞬間、待っていましたとばかりに湧きあがった拍手は少しも緩むことなく、ステージ上に姿を現した鈴木達央を出迎えた。

鈴木達央氏の復活ライブレポート。「ファンと一緒に作曲」企画や鈴木氏へのインタビューも_001

本稿では「SUZUKI TATSUHISA Acoustic Live – autumn night -」ライブ当日のレポートと、ライブ直後に鈴木氏を直撃したインタビューの様子をお届けする。

聞き手/豊田恵吾
文・編集/逆道


「声優で歌手」の圧倒的な表現力が会場のペースを作り上げる。デビュー曲で飾る開幕

ライブの開幕を飾ったのは、鈴木氏の歌手デビュー曲『Just a Survivor』。ブランクをまったく感じさせない伸びやかな歌声に、会場は大いに湧きあがった。

今回のライブ会場である代官山UNITは、収容人数約500人のライブハウス。鈴木氏の知名度を考えると小さめの会場で、チケットはすぐに完売してしまったとのこと。しかし、鈴木氏が現れた瞬間のファンの熱気はすさまじく、大会場にも引けをとらない盛り上がりを見せていた。

また、会場が小さいということはそれだけ声が届きやすいということ。名前を呼ぶ声も多く飛び交い、ファンがこの時を心待ちにしていたことが伝わって来た。

続く2曲目は『キャラバン』。1曲目とは打って変わって、甘く切ない歌声に会場が丸ごと引き込まれるのを感じた。続く3曲目は、危険な色気の漂う曲『赤い月』。イントロで曲に気付いたファンからは叫ぶような歓声が次々に上がっていた。

鈴木達央氏の復活ライブレポート。「ファンと一緒に作曲」企画や鈴木氏へのインタビューも_002

ライブ開始から3曲、MCなしで一気に歌い上げた鈴木達央。雰囲気の異なる曲でありながら、彼はその表現力を存分に活かして曲の世界観に観客を引き込んでいた。拍手が曲のイントロによって歓声に変わり、歌声によって手拍子とノリに変換されていく。まさに、鈴木達央を中心にして会場一体となったペースが作り上げられていたと言えるだろう。

まさかの楽曲に会場騒然!令和の話題曲も取り入れたセットリストに驚きの連続

自身の楽曲をノンストップで歌い終え、ようやくMCでファンを迎える。改めて、ファンからは暖かい歓声が送られた。アコースティックバンドを背負い、ソロでライブを行うのは人生初だという告白があったのだが、そんな緊張感もファンとのやり取りでほぐれたように思えた。また、「おまたせ」という言葉がファンに伝えられ、「一個、こうやって形にできたのがうれしい」と続けられた。

4曲目からはカバー曲の披露となり、その最初に歌われたのはヴィジュアル系ロックバンド・ACID BLACK Cherryの『Re:birth』。同バンドのボーカル・yasu氏と交流があり、「たいへんなときに寄り添ってくれた」「19時間くらい家に入り浸った」というエピソードが語られ、「たつは大丈夫だよ」と言ってもらえたことに対して、「恩返しができれば」と『Re:birth』を選んだのだという。

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続く5曲目について、鈴木氏はタイトルを明かす前に「歌ってみたで有名な曲」だと語り、会場を激しくざわつかせた。期待と動揺に満ちた会場に向かって鈴木氏が呟いたタイトルはなんと、キタニタツヤ氏の『ずうっといっしょ』。2024年5月に公開された令和の最新楽曲の登場に会場は騒然としながらも、テンポの早いテクニカルな曲に合わせて大盛り上がりを見せた。

6曲目は、ライブでキーボードを担当した近谷直之氏の『LoveTheme』。今回のライブが初出しの楽曲で、いろいろと事情がありながらもぜひ歌いたかった曲だという。「どこにも出してない曲だから、間違えても誰も気付かない」と茶化しつつも、しっとりとした声色で会場を震わせた。

ここまで聞いてきて印象的だったのは、セットリストに並んだどの楽曲に対してもファンのリアクションが一切衰えなかったことだ。古い曲も、新しい曲も、まだ誰も知らないはずの曲であっても、タイトルコールを聞いたファンは大いに歓声を上げ、会場を盛り上げていたのだ。広い年齢層のファンが楽しめる鈴木氏の選曲もさることながら、「鈴木氏が歌う」ということをファンがどれだけ喜んでいるかが伝わってくるライブだと感じられた。

ファンと一緒にその場で作曲?!鈴木氏が「ずっとやりたかった」企画

『LoveTheme』で会場の熱狂も落ち着いたところで、鈴木氏が今回の目玉とも言えるコーナー企画を展開。それは、鈴木氏がファンと一緒に作曲するコーナーだ。

じつは、今回のライブ前にはファンミーティングが開催されており、ファンミーティングとライブのどちらにも参加可能なプレミアムチケットが販売されていた。そのプレミアムチケットには、特典として「曲をプレゼント」という内容が書かれていたのだ。

鈴木氏は、そのプレゼント用の楽曲を「いまから作ります」と宣言。なんとステージ上でバンドメンバーとともにリアルタイムに作曲を始めたのだ。

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まず、鈴木氏はファンに向かって曲のコンセプトを募集。「和気藹々で」という声もあがりつつ、「応援して」「みんなで歌いたい」という声を採用し、ファンによるコーラスを盛り込んだ応援歌を作ることに決まった。「しばらく叩いてて」「コード決めといて」というバンドメンバーへのお茶目なフリでファンの笑いを取りつつも、鈴木氏はその場で歌詞とメロディーを作り始める。メロディーの断片が響く時間が続き、ファンからは時折応援の言葉が投げかけられ、「こっちが応援されている……」と鈴木氏が苦笑する場面も。

そして、まずは仮組したメロディーに合わせて、歌詞なしで歌ってみることに。メンバーは各々手探りながらも、この時点ですでに曲としてはかなり完成しており、プロの技に感嘆させられた。また、ファンもコーラスとして参加し、歌い終えた際には「すごいものができそう」という興奮がじわじわと広がっていった。

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一度通しで歌ったことで何かをつかんだのか、ステージ上では鈴木氏を含むメンバーたちのガチ相談が開始。作曲と作詞をこなす鈴木氏はスマホでメモをとりながら、サビの長さをどうするか、イントロはどこから入るかなど、細かい部分を詰めていった。

そして、本当にステージ上で歌詞とメロディーを書き上げてしまった鈴木氏は、練習を兼ねて楽曲を披露。障害にぶつかりつつも、アップテンポで真っ直ぐな「一等星を目指して走る」鈴木氏の応援歌に会場からは「天才」「さすが兄貴」と賞賛の声が寄せられた。

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数度の練習を経て、とうとう録音本番に。客席側のマイクも入れられ、鈴木氏の歌唱とファンによる一糸乱れぬコーラスが録音された。共同作業でひとつの曲を生み出すという体験は、歌手とファンという関係を飛び越え、何かをともに成し遂げた仲間としての一体感を会場にもたらしていた。

アンコールまで燃え続けた観客の熱狂、そして鈴木氏の決意

無事に録音も終了し、ライブへと戻る鈴木氏が選んだのはこれまた意外な楽曲だった。「みんながカラオケで歌うから、自分も歌いたくなった」と語ったのは、YouTubeにて9400万回以上再生されたバルーン氏の人気曲『シャルル』だ。もはや悲鳴に近い歓声の中、鈴木氏は緩急のある楽曲で会場のペースをコントロールしながら見事に歌い上げた。

9曲目に選ばれたのは、こちらも2024年に公開された令和の最新曲であるtuki氏の『晩餐歌』。タイトルが呼ばれた瞬間、会場のあちこちから息を飲む声があがったのは聞き間違いではないだろう。鈴木氏はこの曲について、「ふとしたときに聞いて泣いてしまった」と語り、その言葉に違わない、心に染み入るような歌声を響かせた。

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そして、鈴木氏が「次が最後の曲」と口にすると、当然ながら会場は残念がる声の嵐。「しっかり時間かけてやっとんねん」と苦笑しつつも、鈴木氏は「そういう風に言ってもらえるライブができていることが何より幸せ」と、ファンに向かって真っ直ぐ感謝の言葉を伝えた。そんな鈴木氏が選んだ最後の曲は、seiza氏の『プラネテス』。この曲は鈴木氏にとって、「自分が進んでいくときの隠しテーマみたいな曲」だと語り、ファンとともに歌詞を噛み締めるように歌いながらライブを締めくくった。

鈴木氏が一礼して退場した後も拍手の勢いが衰えることはなかった。激しい拍手はやがてアンコールの手拍子へと変わり、リクエストの末、鈴木氏は再びステージへと姿を現した。

鈴木氏がアンコール曲に選んだのは、本人の楽曲である『Yesterdays』ライブの始めと終わりをデビューシングルの2曲で飾る粋な選曲となり、ファンの中には涙を流す人も見られた。

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ライブの終わりに、鈴木氏は「告知の告知」として「音楽をもう一回はじめようと思います」と宣言。「やりたいことをやります」「みんながいるなら歩ける」と会場のファンに向かって思いの丈をぶつけ、最後にはマイクなしで「もう一回歩いてくれるか?!」とファンに問いかけた。会場に集まった500人のファンによる思い思いの返答が大歓声となって、ライブは今度こそ幕を閉じた。

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筆者は取材席から様子を見守っていたが、鈴木氏のファンへの信頼、そしてファンから鈴木氏への熱い想いのぶつけ合いは、思わず目頭を押さえてしまうほどのものだった。古今さまざまな楽曲のセットリストや作曲企画など、何より鈴木氏自身が本気で楽しんでいたからこそ、ライブは大成功をおさめたのだろう。そんな鈴木氏だからこそ、ファンも全力で思いをぶつけることができたのかもしれない。

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「ファンといちばん距離が近い形でやりたかった」ライブ直後の鈴木氏へ直撃インタビュー

ライブ直後、特別に鈴木氏にインタビューを行える時間をいただけたので、ここからはその模様をお伝えする。ちなみに、インタビュアーは鈴木氏と10年以上のつき合いがある本誌編集者が務めている。そのため、馴れ馴れしさや鈴木氏の発言が口語に近いところがあるが、臨場感や鈴木達央の「想い」を歪ませずに伝えたいので、あえてそうしていることをご理解いただきたい。

──失礼に聞こえるかもしれないですが、あえて言わせてください。ひさしぶりに聞いて、改めて思いました。「歌、うまいなぁ」って(笑)。

鈴木達央氏(以下、鈴木氏):
(笑)。そういってもらえるのがいちばんうれしいですよ。

──「歌の人だ」って思ったというか……。

鈴木氏:
ほら、「声の人」だから(笑)。歌も声だし、ね。

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──(笑)。とにかく、ライブお疲れ様でした。いまの率直な感想はどうですか?

鈴木氏:
またスタートラインに立てたな、という気持ちですね。

バンドをやめてからは音楽との距離も開いていたんだけど、ひとりになって、自分と向き合うようになったことで、音楽との距離はむしろ前よりも近付けた。

気付きとか悔しさとか、いろいろな感情はあったけど、やっぱり一度落ち着いて自分を見つめ直したことで、これまで見えていなかった自分自身の一面を見つけることができたのかな。

前だとすごく悩みながらでしか歌えなかったものも、悩まずに歌えるようになった気がします。

──最後、みんな泣いてましたよ。

鈴木氏:
あれは本当にびっくりした!
急に静かになったと思って、不安で会場を見渡したらみんな静かに泣いてて……。僕も、今日来てくれたみんなも、「噛み締めてる感」がすごかった。

でも、これは僕の癖なんだけど、ひとつのことが終わるとすぐ次のことを考えちゃう。今回のライブにも反省点はたくさんあって、それを次どうするべきかとか、今回良かったところを次はどう入れて行こうかとか。ライブが終わったいまが一番ホットで、一番いいアイデアが出る状態。だから、それを逃したらもったいないと思っちゃう。

会場のファンたちと作り上げたグルーヴがこの体に残っているうちに、次のアイデアを考えたい。もう、ライブのあとの落ち着きなんか吹っ飛んでるよね(笑)。とにかく次のことを考えたい。

──正直な話、もっと大きな会場でやることもできたと思うんですが、あえてファンとの距離が近い場所を選んでますよね?

鈴木氏:
当初、「200人くらいの規模の会場でやりたい」と言ったんです。バンド時代も最初はそのくらいの規模の会場で、自分たちで会場の設営をするようなところから始めたので、同じように積み上げるところからまた始めていきたかった。

でも、「流石にそんな小さい規模は勘弁してくれ」と言われちゃって(笑)。大きい会場でやってほしいスタッフと、小さい会場でやりたい僕の中間の候補としてあがった中に今回の代官山UNITがあって。ここではバンド時代にもいいライブができたという経験があったので、選ばせてもらいました。

──いや、本当にファンとの距離が近いなと。

鈴木氏:
500人くらいというのは、こちらがやりたいことが間違いなく伝わる規模だと思っていて。ファンの視線のエネルギーのようなものも感じられる距離なんです。そういった、お互いの感情がきちんと伝わる、ファンとの距離が近い形でやりたかった。それも決め手のひとつでしたね。

──セットリストも想像のはるか上をいっていて。ボカロ曲まで絡めてくるとは予想してなくて、本当に驚きました。楽曲はすべてご自身で選んだんですか?

鈴木氏:
全部自分で選びました。ライブが決まったときにセットリストの初稿を上げたんですけど、そこから本番まで1~2曲くらいしか変わってないですね。その時点でもう、「この曲でやりたい」という意思は固まっていました。

自分の曲はもちろん歌いなれてるけど、あえてカバー曲という「お借りした曲」でこそ表現したいこともあったし、カバーを通じて曲を作った方へのリスペクトを伝えたいという気持ちもあって。そのうえで、新しい自分を探しに行くような感覚もあったんですよね。これまで歌ったことのない曲を通じてどんな自分が見つかるだろうというワクワク感を、ファンにも感じてもらえればいいなと。

──「鈴木達央はこういう曲が好きなんだ」という一面が見えたのは、うれしいサプライズだったなと。

鈴木氏:
「意外だけど、自分もこの曲は好き」と思ってもらえるラインを狙いたかったんです。なので、事前にめちゃくちゃリサーチしました(笑)。SpotifyとかTikTokで曲を調べまくって、結果としてはすごく勉強になりましたね。

僕のファンは結構年齢層が広くて、デビュー曲から聞いてくれている人もいれば、僕がデビューしたころにはまだ生まれていなかった、なんて人もいる。どんな層の人にも楽しんでもらえるように、全部しっかり考えて、全部刺さるように狙いながらセットリストを作りました。

──そしてそんな中、まさかの即興で作詞・作曲が始まるとは……。

鈴木氏:
あれはずっとやりたかったんです!

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プレミアムチケットという特別なチケットを作るにあたって、「特典をどうしよう」という話になったときに、グッズや写真というのはどうもしっくりこなかった。そんなとき、あるアーティストがそういう作曲企画みたいなものをやっていると聞いて「これだ!」と。

バンドメンバーも企画にはすんなり同意してくれました。企画のおもしろさだけじゃなく、お互いにプロのミュージシャンとしての信頼があったからこそできたもの。実際、バンドメンバーはもちろん、ファンとぐっと距離が縮まった感じがしたので、本当にやってよかったですね。

──「推しと一緒に曲が作れる」というのはファンからしたら最高の体験だと思うんですけど、今後も機会があったら実施する……?

鈴木氏:
全然決めてないです(笑)。

その場で曲を作ってその場で録音して、それがパッケージされて届くなんて、すごくおもしろい企画だとは思ってます。僕は、ライブに来てくれた人にここでしかできない経験を味わってほしいと思っていて、それはYouTube配信や舞台観劇では得られない感覚だと思うんですね。今回の企画も、アコースティックライブというある種の「ゆるさ」を持った形式だったからこそ許されるのかなと思っていて。

ただ、今回はチャレンジ中のチャレンジだったというのもあるので、正直に言うとこれが続くかどうかはファンの皆さんの反響次第です。でも、この企画を7回やったらライブ中に作った曲だけでアルバムができるわけで……そう考えるともっとやってみたいところはありますね。

僕はとにかく全部のエンタメが好きで、楽しいことをやりたい。ここ最近は若い世代のエンターテイナーたちと交流する機会も多い中で、もうちょっとわがままになっていいのかなと(笑)。いい意味で空気を読まずに、やりたいことをやっていきたいですね。

──最後に、これからの活動について話せることがあれば聞かせてください。

鈴木氏:
ライブの一番最後にみんなに向かって話したとき、みんなが押さえてたけど言わないようにしていた部分がぶわっと出た感じがして……。
そのとき、「僕はここにいるみんなだけは安心させよう」と思ったんですよね。今日来てくれた500人が背中を押してくれたから、いままでずっと出さないでいた自分を出そうと思えた。それはきっと、あの場にいた500人に伝わったと思います。

まあでも、自分的にはのんびりやろうと思ってます。実際にはゴリゴリ動いちゃうんだろうけど、年を重ねているからこその矛盾した言葉を言っていこうかなと。

──鈴木達央を知ってる人、ファンであればあるほど、「のんびり」なんて言葉は信じてもらえないかと(笑)

鈴木氏:
そうかもしれません(笑)。まあ、人の「のんびり」と僕の「のんびり」は違うので。

自分としては、これからやりたいこととか、どこに向かっていきたいかといったことはしっかり考えてます。そして、ボーカルとして表に立って何かをやっていくのはこれが最後の活動になるとも思っています。

背水の陣の覚悟と言ったらいいんですかね? この年齢で新しいことを始めるからこそ、覚悟を決めて、すべてを込めるつもりで最後の夢を追っていきたいと思います。

鈴木達央氏の復活ライブレポート。「ファンと一緒に作曲」企画や鈴木氏へのインタビューも_013

セットリスト

Just a Survivor/鈴木達央
キャラバン/鈴木達央
赤い月/鈴木達央
Re:birth/ACID BLACK Cherry
ずうっといっしょ/キタニタツヤ
LoveTheme/近谷直之
お客さんと作曲するコーナー
シャルル/バルーン
晩餐歌/tuki
プラネテス/seiza
Yesterdays/鈴木達央

ライター
なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『ドラゴンクエスト』シリーズで育ち、『The Stanley Parable』でインディーゲームに目覚めた。作った人のやりたいことが滲み出るゲームが好きです。
副編集長
電ファミニコゲーマー副編集長。

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