『ヴァイスシュヴァルツ』に『勝利の女神:NIKKE』が参戦した。そして収録されているカードを眺めていて思った。
原作再現度がめちゃくちゃ高い!!
作中の名シーンを再現するようなコンボ、ニケ同士の関係性を想起させる能力、ゲームでの性能やスキルを思い出すカードもちらほら。『勝利の女神:NIKKE』プレイ中のいち指揮官として、心が震えた。
それにイラストもいい。ゲームの立ち絵、スキルカットシーンがイラストになっているだけでなく、描き起こしイラストも収録されている。ゲームでは見られない。特別なイラストだ。
そもそも『ヴァイスシュヴァルツ』とは、ブシロードから発売されているトレーディングカードゲームである。
その特徴は参戦しているタイトル数。『Re:ゼロから始める異世界生活』や『リコリス・リコイル』をはじめとする150種類を超えるタイトルが、『ヴァイスシュヴァルツ』のカードとして登場している。
すべてのタイトルを知っているわけではないのだが「パッと見て美少女キャラクターが多そう! 」というのが、『ヴァイスシュヴァルツ』への印象だ。そして、調べを進めてみると、どうやらこの『ヴァイスシュヴァルツ』というカードゲーム……原作再現度が高いことでも知られているらしい。
軽くネットを調べただけでも「原作再現が熱い、素晴らしい」と語るファンの声を数多く見かけた。正直、気持ちはわかる。こういう原作再現があると、タイトルファンとしては、うれしいものだ。
そして、今回参戦した『勝利の女神:NIKKE』でも、原作再現度の高いカードが収録されていた。しかもその再現のされかたが……すごくエモい!
文/竹中プレジデント
※『勝利の女神:NIKKE』のメインストーリーのネタバレを含みます。物語の核心には触れないよう注意していますが、カードイラストやテキストがネタバレになっているものもあるのでご注意ください。
※この記事は『ヴァイスシュヴァルツ』の魅力をもっと知ってもらいたいブシロードさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
『勝利の女神:NIKKE』収録カードから見える原作再現がアツい
『ヴァイスシュヴァルツ』に収録されている『勝利の女神:NIKKE』のカードを眺めていると、ひと際目を引くカードがあった。クライマックスカードと呼ばれるカードだ。
『ヴァイスシュヴァルツ』のカードは「キャラ」「イベント」「クライマックス」の3種類にわかれている。
舞台(場)に出して相手にダメージを与えていくキャラカード、使用することで特定の効果を与える(呪文、魔法的なイメージ)イベントカード、そして「ゲームの勝利の鍵を握る」と言われているクライマックスカードだ。
キャラカードを大幅に強化したり、相手から受けるダメージを無効化したり、クライマックスカードはいわゆるデッキの切り札的な存在。どのクライマックスカードを入れるかでデッキのアーキタイプ(戦いかた、コンセプト)が決まる、まさにデッキの核である。
そんなクライマックスカードの中でとくに気になったのが……これ。「RED ASH」。
カード名になっている「RED ASH」は、『勝利の女神:NIKKE』1周年のタイミングで描かれた、本編より100年以上前の世界を舞台としたイベントストーリーである。
『勝利の女神:NIKKE』は、0.5周年、1周年、1.5周年、2周年と、アニバーサリーのタイミングで指揮官たるユーザーたちに重くて悲しくて切ない物語を叩きつけてくるのがお決まりとなっている。鬱。恐らく運営の趣味なんだろう。
1周年の「RED ASH」も例に漏れず、心が締め付けられて涙がぽろぽろと落ちて……そして心が燃えたぎるように熱くなる物語が描かれた。
そんなイベントストーリーの名を冠するこのクライマックスカードを使ったムーブが、ストーリーの名シーンを再現する動きになっているのだ。初めてカードのテキスト効果を見たときには、あまりのエモさに思わず心が震えてしまった。
「RED ASH」のカードと組み合わせることで、原作再現のムーブができるのがキャラカード「最高の仲間たちへ レッドフード」。ゲームの「RED ASH」ストーリーにおける主役的な立ち位置を務めたニケだ。
明るく豪快な性格をしている彼女。その性格か影響して……かはわからないが、銃の弾倉にスパゲッティが付着したまま放置していたり、台尻(肩に当てる部分)にキノコが育つほど不衛生だったり、ずぼらでだらしないところも。
そんなレッドフードが、「浸食」と呼ばれる状態に陥りながらも、ゴッデス部隊の仲間たちとともに人類の敵ラプチャーと戦っていく。
浸食されたニケは、頭が完全に壊れ、味方を攻撃することもある危険な状態だ。そんな状態にも関わらず、レッドフードは最後まで戦い抜く。「RED ASH」で描かれるストーリーはハチャメチャに燃える。
この「RED ASH」での名シーン……一度は戦線離脱したレッドフードが再び戦場に戻って、仲間と協力して敵を倒すクライマックスのあの場面。それが、クライマックスカード「RED ASH」とキャラカード「最高の仲間たちへ レッドフード」のコンボにより、再現されているのだ。
絶体絶命のなか再び戦場に舞い戻って大暴れするレッドフード。これがカードゲームで味わえるってマジ!?
「最高の仲間たちへ レッドフード」のカードテキストで注目したい効果は以下の3つ。
その1 レベル3以上なら使用できる効果である
その2 レッドフードが思い出置場から舞台に戻ってくる
その3 相手にダメージを複数回与える
これらがどう原作再現になっているのか。いち指揮官である筆者の妄想を含むところが多分にあると思うが、解説していきたい。
その1 レベル3以上なら使用できる効果である
『ヴァイスシュヴァルツ』では、プレイヤーはレベル0の状態からゲームが始まる。一定のダメージを受けるたびに、レベル1、2、3と上がっていき、レベル4になったら敗北となる。そういうルールだ。
つまり、「レベル3以上」の状態というのは、敗北寸前。絶体絶命の大ピンチというわけだ。
この状況、どこかで見た気がする。指揮官と部隊のリーダーのリリーバイスがいないなか、ラプチャーの大群から攻め込まれて、全滅寸前……そんなとき一度は部隊から去ったレッドフードが駆けつける。
……まさに、「RED ASH」でのラストバトルと同じ状況じゃないかっ!
その2 レッドフードが思い出置場から舞台に戻ってくる
『ヴァイスシュヴァルツ』における思い出置場とは、ゲームから取り除かれたカードが置かれる場所を指している。そこから舞台(戦場)に戻ってくるというのが「最高の仲間たちへ レッドフード」の効果だ。
戦線離脱したレッドフードが再び戦場に現れる……まさに「RED ASH」のクライマックスシーンのようだ。
その3 相手にダメージを複数回与える
「RED ASH」のラストバトルの決着を覚えているだろうか。敵のリーダー的存在にレッドフードがゼロ距離から攻撃を連続で叩きこんで倒すあの超かっこいいシーンだ。
筆者的にはキャラカード「最高の仲間たちへ レッドフード」の効果の「相手に1ダメージを2回与える」が、あの決着シーンを再現しているように思えてならない。
「1ダメージってしょぼくない?」って思う方もいるかもしれない。いやいや、ちょっと待ってほしい。筆者も『ヴァイスシュヴァルツ』に詳しいわけではないのだが、じつはこの1点ダメージを複数回与える効果は、ゲーム的に強い能力らしいのだ。
というのも、『ヴァイスシュヴァルツ』でダメージを受けると山札をめくる。1点ダメージなら1枚、3点ダメージなら3枚。ただし、その際にクライマックスカードがめくれるとそのダメージは無効化(キャンセル)されてしまう。
つまり、5点ダメージを与えようが、100点ダメージを与えようが、クライマックスカードがめくれてはダメージは通らない。逆に、ダメージが大きいほうがクライマックスカードがめくれて、ダメージが通らない可能性が高まるまである。
そう聞くと、「相手に1点ダメージを2回与える」効果が強そうに見えてこないだろうか?
……という感じで、クライマックスカード「RED ASH」を置いたときに、思い出置場にキャラカード「最高の仲間たちへ レッドフード」がいると発動できるコンボは、イベントストーリー「RED ASH」のラストバトルを彷彿とさせるものとなっている。
絶体絶命のなか再び戦場に舞い戻って大暴れするレッドフード……こんな原作再現度の高いムーブをカードゲームで味わえるなんて、指揮官として非常に嬉しいかぎりだ。マジでアツい!
マリアンから繋がるモダニア……そんな関係性もカードテキストに反映させちゃうの!?
さてさて、次に目が留まったのが、キャラカードの「“リアライズ”マリアン」と「無垢の愛 モダニア」だ。
『勝利の女神:NIKKE』をプレイしている指揮官なら、彼女たちの関係性についてはご存じだろう。ただ、この記事では『勝利の女神:NIKKE』未プレイの『ヴァイスシュヴァルツ』プレイヤーもいるかもしれない。そのため、核心に触れるネタバレは避ける方針でいきたい。
そのうえで、このふたりについて紹介するなら……「指揮官が最初に出会う絶望とつかみ取った希望」あたりだろうか。
2年前、美少女キャラクターたちの迫力満点のスタイルに惹かれてゲームを始めた筆者が「……このゲームこういうゲームなの!?」と、心に大ダメージを受けたのも記憶に新しい。
当然、『勝利の女神:NIKKE』にクライマックスカードはないのでダメージキャンセルはできなかった。無念。爆散。
そんなふたりの関係性が、カードテキストでも再現されている。
説明していこう。「無垢の愛 モダニア」のカードを見てみると、左上に「3」と「2」という数字が書いてある。
上の「3」の数値はレベルを表す。これは、カードをプレイするために必要なレベルを表す。プレイヤーがそのレベルになることでそのカードを舞台に出せるようになることを意味する。
そしてその下の「2」という数値はコストを表す。その数値に等しい枚数のカードをストック置場から控え室に移動させる必要がある。つまり、「無垢の愛 モダニア」をプレイするには2枚のコストが必要になるというわけだ。
このコストを「“リアライズ”マリアン」がいることで「0」にできる。つまり、「マリアン→モダニア」に繋げることで、「無垢の愛 モダニア」」がより使いやすくなるという調整がされているのだ。
これには指揮官もニッコリせずにはいられない。
『勝利の女神:NIKKE』におけるマリアンは、指揮官が初めて出会うニケであり、チュートリアルガイド的なキャラクターでもあった。彼女はストーリー開始直後、音速の速さを超えて心肺停止してしまった指揮官を蘇生してくれた命の恩人でもある。意識を取り戻して見上げて飛び込んできた景色は今でも忘れない……。
そんなマリアンと再びいっしょに戦える。カードゲームでだけど。それでもうれしい!
ブラン&ノワール編成やティア&ナガ編成など、ゲームで強い組み合わせも再現されている
『勝利の女神:NIKKE』では、5人のニケで部隊を編成して戦いに臨むわけだが、「相性のいいニケを組み合わせた強い編成」というのがある。
その定番として有力なのが、ブラン&ノワール編成やティア&ナガ編成。彼女たちも『ヴァイスシュヴァルツ』のカードに収録されており、ゲーム同様に彼女たちを組み合わせると強いムーブができるようになっている。
他にも、「“レッドウルフ”レッドフード」の能力も原作再現度が高い。
このカードの能力はプレイヤーのレベルによって効果が変わるというものだ。そしてゲームでのレッドフードは「バーストⅠ」「バーストⅡ」「バーストⅢ」すべてのバーストスキルに対応しており、スキル発動時のバースト状態によって効果が変わる。
……いっしょ!!
状況によって能力が変わる。まさにゲームのレッドフードの自由気ままな性格とスキル能力が再現されている。
また、細かいところではあるが「アニス:スパークリングサマー」のテキスト欄にも原作再現っぽいところを見つけた。
それは「このカードの正面のキャラが青なら、このカードのパワーを+4000」というもの。これは恐らくゲームでのバーストスキルを発動した際に発動する「有利コードの攻撃ダメ―ジアップ」が再現されたものだと思われる。有利コード(対冷水)なので「水→青」となったのだろう。きっと。
描き起こしイラストのこだわりもすごい。やっぱり『勝利の女神:NIKKE』と言ったらこれなんだよ!
ここまで「原作再現がすごい! 原作再現がすごい!」と、さも高尚な意見を語ってきたわけだが、『勝利の女神:NIKKE』といえば迫力満点のニケたちのビジュアルの魅力に触れないわけにはいかない。
今回、『ヴァイスシュヴァルツ』に収録されたニケのカードイラストは基本的に3種類。ゲーム内の立ち絵イラスト、ゲーム内のスキルカットシーン……そして、今回の収録のために用意された描き起こしイラストだ。
ゲーム内では見られない描き起こしイラストは、どうやら14種類収録されているようだ。ありがたいことに公式サイトで確認できたので眺めていたところ、何枚かのイラストに目が釘付けになってしまった。
ひとり目はドロシー。デッカ!
芸術的な下から見上げるアングル。登山家が心にロマンを灯す山脈が連なる。お見事。
ふたり目はティア。デッッカ!!!
青春の香りがする魅惑の隙間がチラリ。
3人目は水着アニス。デッッッッカ!!!!
…………デッッッッッカ!!!!!
どことは言わないが、背中の反対側がものすごい実りの秋を迎えている。さすが『勝利の女神:NIKKE』……背中で魅せるだけでなく、その下や反対でも我々指揮官の心を奮い立たせてくれる。
それに、スキルカットシーンが描かれたカードもついつい見てしまう。というのも、筆者だけかもしれないが『勝利の女神:NIKKE』をプレイしていても、スキルカットシーンを注視する機会ってじつはあまりないのだ。
楽勝な戦闘ではオート任せで画面に集中することは少ない。逆に高難易度の場合は、敵との戦いに集中して演出に気を配る余裕はない。そもそも、設定でスキルカットシーン設定をオフにしている指揮官もいるだろう。
……情けない。なんのために『勝利の女神:NIKKE』を始めたのか。キム・ヒョンテさんが生み出す溺れてしまうような肉の海に飛び込みたくて、『勝利の女神:NIKKE』を始めたんじゃないのか?
それがいまや、ストーリーに泣ける。バトルがアツい。ニケたちにもっと幸せになってほしい。世界を救いたい。いつの間にか救世主気取りになっていた。初期衝動をすっかり忘れていた。
そんなんじゃない。そんなんじゃないだろ。指揮官たるもの、彼女たちの背中や揺れや透けや揺れに気を配り、ニケたちの輝きから一瞬たりとも目を離していけなかったんだ。
『ヴァイスシュヴァルツ』に収録されているカードは、彼方に消えていた初心を思い出させてくれた。ありがとう『ヴァイスシュヴァルツ』。
『勝利の女神:NIKKE』だからもちろん背中でも魅せてくれる
原作再現度が高い。描き起こしイラストもすごい。『勝利の女神:NIKKE』の指揮官にとって文句なしの内容になっているのは間違いない。
なのに……。
なにかが足りない気がする……。
……………………!!!!
背中だ。背中成分が足りなかったんだ!!
指揮官諸君、安心してほしい。『ヴァイスシュヴァルツ』でも、ニケたちは我々に背中を見せてくれる。
この『勝利の女神:NIKKE』でよく見かける、おし……じゃなかった、背中を見せてくれるカードは、通常ボックスには収録されていない特別なPRカード。3BOX購入することでランダムで1枚ゲットできる、このキャンペーン限定で排出されるものとなっている。
PRカードの種類は10。最後に筆者個人的にイチオシの絶景を眺めることで、この記事の締めとしたい。
『ヴァイスシュヴァルツ』に参戦した『勝利の女神:NIKKE』は、トライアルデッキ、ブースターパックともに2024年12月13日より発売中だ。
トライアルデッキには、構築済みデッキ(50枚入り)にマニュアル、デッキ解説書、プレイマットが同封されて1650円(税込)。
ブースターパックは1パック8枚入りで440円(税込)。 12パック入りのボックスは5280円(税込)となっている。背中のカードを手に入れたい方はこのボックスを購入しよう。